初代編集長ブログ―安田英久

大企業のWeb担当者が社内政治をうまくやる良いやり方を聞いた

秘書課と仲良くする。そして、マーケティングと同じ考え方で相手に最適なコミュニケーションをしていく
Web担のなかの人

今日は、ちょっとした小ネタです。企業のなかで、Webやデジタルマーケティングで自分のやりたいことを実現するために「社内政治」をうまくやるための、「なるほど」というやり方を聞いたので、その情報を。

企業としてマーケティングを行うには、組織から変えなきゃいけない

企業でWebやマーケティングをちゃんとやっていこうとすると、必ず問題になるのが「組織」の問題

「こうすると良いのに」があって進めようとしても、組織の構造や、間にいる人の問題でうまくいかないというやつですね。その原因は、

  • 既存の利益構造
  • 既存のチャネル
  • 自分の知らないことへの不安
  • 過去の成功体験で固くなった脳みそ
  • 現在のポジションに対する変なプライド

など、いろいろ。

けっこう言われるのが、「トップはわかってる。現場もわかってる。でも中間管理職がダメ」というパターン。

経営層はだいたいの場合、やっぱり頭がいいので、説明されれば「たしかに、進めなきゃいかん」とわかってくれるんですね。

もちろん現場の担当者は、「やらなきゃ」感もあるし、「こういうことをやっていきたい」気持ちもある。

ところが、部長とか事業部長とかがですね、自分が理解できないことを進められなかったり、少しでもリスクがあるといやがったり……。経営層からコマンドが落ちてきたら、大筋では従っているように動くのですが、実際には細かい点でダメダメな方向にしか進められないとか、そういう話をけっこう聞きます。

やっぱり社内政治のキーは、秘書さん

そこで、私の聞いた「社内政治のうまいやり方」なんですが、これです。

秘書課と仲良くする。
役員の秘書とか、事業部長の秘書とかと。

すいませんすいませんすいません。ぜんぜんWebとかマーケとか関係ない、ふつうのサラリーマンの動き方です。島耕作やサラリーマン金太郎に出てきそうな話ですね。

でもね、場合によっては上からの意向を最もちゃんと把握していて、そのためにどんな人をどう動かせばいいかまで、秘書のほうがよく把握している場合もあるんだとか(特に外資系)。

で、ラスボスに近い上のほうを動かすにも、ちょっと上のほうのボスを動かすにも、ふだんから秘書さんたちと仲良くして、相手の情報をもらったり、こちらの考えていることを話したりして、うまい攻め方を組み立てるのだとか。

……インプレスでは秘書さんに滅多にお会いしないのでよくわからないのですが。

そもそも社内政治も社内調整もマーケティング的な考え方で

でもさ、秘書にアプローチしても、結局、判子を押すのは本人だし

そう言う人もいるかもしれませんが、別に秘書さんを納得させればOKというわけではありません。

社内政治でも、パートナーとの関係でも、大切なのは、

事業部長は、何を気にするのか、何を譲れないのか、何が苦手だと思っているのか、何に喜ぶのか。

それを理解して、どんな風にアプローチすれば納得してもらいやすいのかを考え、刺さるコミュニケーションをする。

ことなんですよね。

やみくもに「自分の実現したいこと」「べき論」を押し通そうとしても、それが通じるとは限りません。商売で「モノが良ければ売れる」とは限らないのと同じで、どれだけ提案の内容が良いとしても、それが相手に受け容れられるとは限りません。

やはり、人間相手にすることですから、相手の属性やニーズを把握したうえでコミュニケーションするのが大切なんですね。

気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、これってマーケティングと同じことなんですよね。

相手を理解して、相手に響くタイミング・チャネルで、相手に刺さる内容でコミュニケーションすることで、アクションをとってもらう。そのために、常日頃から、さまざまなチャネルでコンタクトポイントをもち、存在を認識してもらい、良い印象をもってもらっておく。

Webやマーケをやってる人が、日常的にやってることですよね。

俺がやりたいのはマーケティングであって、社内政治じゃない
社内調整が多すぎて、やりたいことができない

なんて言わずに、優秀なマーケターなら、そのマーケティング感覚を活かして、社内政治も同じように進めるといいのではないでしょうか。

そして、そのための“顧客理解”に、秘書さんたちとのコミュニケーションが役に立つんですね。

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