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アジャイルメディア・ネットワーク、「TikTok Shop」の出店・運用支援サービスを開始

6ヶ月 ago

ブランドのファン育成・活性化を手がけるアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)は、日本国内でサービススタートが予定されている「TikTok」のEC機能「TikTok Shop」への出店支援・運用代行サービスを開始した。

アジャイルメディア・ネットワーク、「TikTok Shop」の出店・運用支援サービスを開始

AMNはこれまで、ファンマーケティングやインフルエンサー施策などの知見を生かし、動画コンテンツを起点とした売上導線の構築を支援してきた。「TikTok Shop」への出店・運用代行サービスでは、Z世代を中心に拡大している動画起点の購買行動に対応。「伝える」だけでなく「売る」ための動画設計・演出までを提供し、ブランドとファンを結ぶ最適な売上導線を構築していく。

「TikTok」内で決済が完結する「TikTok Shop」は、クリエイターの投稿動画やライブ配信を通じた商品の紹介・販売から決済までの機能を搭載。視聴者の購買意欲が高まったタイミングで購買につなげられるダイレクトな販売チャネルとして注目を集めている。「TikTok Shop」についてAMNが展開するサービスは次の通り。

  • 「TikTok Shop」アカウントの開設・初期設定支援
  • 商品登録およびシショップ構築サポート
  • 「TikTok」向け動画の企画・制作・投稿運用
  • インフルエンサー連携による販売プロモーション
  • 在庫・物流連携サポート(※要望に応じて対応)
アジャイルメディア・ネットワーク、「TikTok Shop」の出店・運用支援サービスを開始 「TikTokShop」管理画面のイメージ
「TikTokShop」管理画面のイメージ
大嶋 喜子

「豊洲市場ドットコム」などの食文化、石川県のブランド黒毛和牛「能登牛」の一部売上を災害義援金として寄付

6ヶ月 1 週間 ago

生鮮・グルメ食品のネット通販を手がける食文化は5月19日、ECサイト「うまいもんドットコム」「豊洲市場ドットコム」などで販売した石川県のブランド黒毛和牛「能登牛」の一部売上を災害義援金として寄付したと発表した。

寄付金額は23万9000円。今回は2回目で、2024年7月は21万4500円を災害義援金として寄付している。

食文化は運営するECサイトで、対象商品の売り上げの一部を災害義援金として被災地へ寄付するキャンペーンを継続して実施している。

2回目の災害義援金の対象期間は2024年7月1日~2025年4月30日。能登牛の関連商品1パックの売り上げのうち500円を災害義援金として寄付した。

石川県で被災した肉生産者へ、公益社団法人石川県畜産協会を通じて寄付金が届けられるという。

2024年1月1日の能登半島地震では能登牛の生産者、牛も大きな被害を受けました。いち食品販売サイトである私たちにできることは「食べて応援するということ」。そう思い、1パックの売り上げのうち500円を公益社団法人石川県畜産協会に「災害見舞金」として寄付し、牛舎の修理費や牛の餌代などに役立てていただきます。

私たちにできることの1つは「食べて応援するということ」。2024年3月時点の状況を生産者に聞きました。地震の影響からの回復には3~4年を要します。牛は1頭あたり1日30リットルほどの水を飲みます。いまだ断水している地域もあり、牛に十分な水を与えられていません。セリへの出荷頭数は不安定で、回復するまでには3~4年かかると言われています。(2024年3月時点の食文化のメッセージ)

宮本和弥

ECプラットフォーム「BASE」、「TikTok Shop」連携機能で在庫の自動連携などを実現

6ヶ月 1 週間 ago

BASEは6月4日、ネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」において、ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」上で商品を直接販売できる「TikTok Shop」とAPI連携をした「TikTok Shop連携 App」の提供を開始した。

「BASE」を利用する事業者は、「TikTok Shop連携 App」で「BASE」の管理画面に登録している商品情報(商品名・商品説明文・商品画像・商品価格)、在庫数を「TikTok Shop」へ連携できるようになる。

「TikTok Shop」は日本国内において、2025年夏から秋にかけてローンチ予定とされている。「BASE」は「TikTok Shop連携 App」の提供を先行スタート。「BASE」を利用するネットショップの「TikTok Shop」での販売開始に向けた準備をサポートするとしている。

近年、消費行動はオンラインを起点とした動画コンテンツと密接に関連するようになっており、なかでも「TikTok」は動画を通じて商品との新たな出会いを創出、消費へつなげるプラットフォームとして広く認知されている。

また、「TikTok Shop」は「TikTok」で視聴者が発見した商品をその場で購入できる仕組みを提供しており、動画による魅力訴求とスムーズな購入導線を兼ね備えたショッピング体験を実現している。

こうした消費行動の変化や「TikTok Shop」がもたらす新たな販売方法に対応するため、「BASE」は、「BASE」導入事業者が「TikTok Shop」を通じて集客・販促をよりいっそう強化できる環境を迅速に整備するため、「TikTok Shop連携 App」の提供を開始した。「TikTok Shop」に商品情報や在庫数を新たに登録する作業負担を軽減し、「TikTok Shop」の利用を開始できるようサポートするとしている。

宮本和弥

決済最適化支援のYTGATE、総額約3億円を資金調達。既存サービス強化、マーケティング体制拡充、人材採用に充当

6ヶ月 1 週間 ago

決済関連のコンサルティングサービスや承認率改善事業などを提供するYTGATEは、総額3億円の資金を調達した。既存サービスの機能強化、マーケティング体制の拡充、人材採用に充当。組織とプロダクトの両面から事業拡大につなげる。

りそな銀行、北國銀行、あおぞら銀行、東日本銀行、日本政策金融公庫の5行を引受先としたデットファイナンスで資金を調達。いずれも、YTGATEの事業モデルと成長ポテンシャルを評価したという。YTGATEは中長期的な事業基盤を一層強化するための重要なステップと位置付けている。

YTGATEが展開するのは主に3事業。その詳細は次の通り。

  • 決済関連コンサルティング事業:国内外の企業に対し、最適な決済手段の選定や導入支援、決済プロセス全体の改善提案など、決済領域に特化したコンサルティングを提供
  • 決済承認率改善支援:オンライン決済の承認率を定量的に可視化・分析したうえで、事業者ごとに最適な改善施策を提案・実装する
  • YTGuard(SaaS)事業:Webサイトにタグを1行追加するだけで利用できる、決済最適化支援のSaaSプロダクト「YTGuard」の提供事業
大嶋 喜子

ハックルベリー、「TikTok Shop」と自社ECのデータ自動連携サービスを提供開始

6ヶ月 1 週間 ago

ハックルベリーは、日本国内でサービススタートが予定されている「TikTok」のEC機能「TikTok Shop」と連携する「CoreLink for TikTok Shop」の提供を6月中旬から始める。導入企業の自社ECサイトと「TikTok Shop」のデータ連携を自動化する。

「CoreLink for TikTok Shop」は、ハックルベリー製品の「CoreLink」の1つとして顧客企業の「TikTok Shop」の出店・運営をサポートする
「CoreLink for TikTok Shop」は、ハックルベリー製品の「CoreLink」の1つとして顧客企業の「TikTok Shop」の出店・運営をサポートする

「CoreLink for TikTok Shop」は、ハックルベリーが手がける既存サービス「CoreLink」の新たな機能として展開。「TikTok Shop」の日本アプリストアで、コネクタ機能として提供する。

「CoreLink」はECカートやECモール、各EC基幹システム(商品・在庫マスター、顧客管理システム、OMS、会計システムなど)とのデータ連携を実現するiPaaSサービス。導入企業の初期の連携開発や、各システムのアップデートなどに多大なコストがかかるデータ連携を、低コストかつ短期間でサポートする。

EC運用における課題解決をサポートする「CoreLink」
EC運用における課題解決をサポートする「CoreLink」

ライブや動画で商品を訴求し、「TikTok」内で決済が完結する「TikTok Shop」は、クリエイターの投稿動画やライブ配信を通じて商品の紹介・販売から決済まで、さまざまな販促機能を搭載している。アフィリエイト機能などを活用することで、クリエイターとの連携を強化し、より効果的な商品プロモーションが可能となる。

「CoreLink for TikTok Shop」は、ECカートやモールと「TikTok Shop」との間のデータ連携を自動化。連携するデータは、商品情報、在庫状況、受注状況、キャンセル状況。リアルタイムに連携する。

リアルタイムなデータの自動連携により、「TikTok Shop」出店企業の運営の効率化に貢献する
リアルタイムなデータの自動連携により、「TikTok Shop」出店企業の運営の効率化に貢献する

これにより、EC事業者は「TikTok Shop」への出店と運営をより簡単かつ効率的に行うことができる。その特長は次の通り(2025年6月現在)。

  • ハックルベリーとして国内初となる「TikTok Shop」出店自動化コネクタ機能
  • 自社ECと「TikTok Shop」のデータ連携の自動化
  • 「TikTok Shop」との連携アプリ
  • ECカート「Shopify」に対応。今後は、他の主要カートシステムとも順次連携を進める。ecbeingのECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」、アイルの在庫管理システム「CROSS MALL」、ロジレスのEC自動出荷システム「LOGILESS」など 
  • スクラッチシステムなど、顧客企業の基幹システムとの連携も可能
大嶋 喜子

トランスコスモス、モビルスと合弁会社を設立。コンタクトセンター業務の運用ノウハウ・経験を生かしAIエージェントを提供

6ヶ月 1 週間 ago

トランスコスモスは、コミュニケーションプラットフォームの提供を手がけるモビルスと、合弁会社「Vottia(ボッティア)株式会社」を設立した。ECを含む小売事業者向けに、AIエージェントを活用した運用一体型のAIプラットフォームサービスを提供する。サービスを通じて顧客企業のユーザーコミュニケーションをサポートし、エンドユーザーのCXの最大化に貢献する。

出資比率はそれぞれ50%。モビルス代表取締役社長の石井智宏氏がVottiaの代表取締役社長を兼任する。設立日は2025年4月21日。

新会社「Vottia」が掲げる3つの戦略

①業務特化型AIエージェント

各業界や業種ごとに特化したAIエージェントを作り込み、顧客企業の業務に最適なAIエージェントを提供する。たとえば、通販受注に特化したAIエージェント、修理・交換手配に特化したAIエージェント、獲得・督促に特化したAIエージェントなどをあげている。

AIエージェントが実現する自動対話のイメージ(画像は記者説明会の資料から追加)
AIエージェントが実現する自動対話のイメージ(画像は記者説明会の資料から追加)

フロー型で決まった処理を実行するチャットボットとは異なり、AIエージェントは自律的に判断し処理するという。

従前のボット(左)とAIエージェント(右)の違い(画像は記者説明会の資料から追加)
従前のボット(左)とAIエージェント(右)の違い(画像は記者説明会の資料から追加)

②運用一体型サービス

トランスコスモスのBPOサービスと連携し、運用一体型のプラットフォームサービスを提供する。

エンドユーザーからのアクションを起点とした対応のイメージ(画像は記者説明会の資料から追加)
エンドユーザーからのアクションを起点とした対応のイメージ(画像は記者説明会の資料から追加)

トランスコスモス、モビルスのノウハウを集結し、顧客企業の業務の再整理・AI適用業務の明確化から、導入したAIエージェント効果検証・改善まで一貫してサポートするという。

③多彩なユーザーインターフェース(UI)の提供

AIエージェントをエンドユーザーに届けるための多彩なUIを顧客企業に提供する。エンドユーザーにとって自然かつスムーズな体験を実現するシステムをめざす。

高度な自動化やノンボイス対応により、従前よりも充実した顧客対応を実現する(画像は記者説明会の資料から追加)
高度な自動化やノンボイス対応により、従前よりも充実した顧客対応を実現する(画像は記者説明会の資料から追加)
高野 真維

突然、セッション数が爆増&売上もUP! こんな「異変」を教えてくれるのがデータです。継続確認してないとチャンスを逃すかも? | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

6ヶ月 1 週間 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載16回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。16回目の連載も「データ活用」をテーマに解説します。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

データ活用を理解するために「成果に効いている要因を探す」

石田

さて早速だが、前回の続きの話をしようか。

ネッタヌネッタヌ

石田さん、展開が早い! これまでのコラムで最速の本題投入ですね。

石田

そうだね(キラッ)。「時は金なり」だからね。

ネッタヌネッタヌ

(いつも余計な話をするくせに)

石田

ECのマーケティングにおける本丸「データ活用」を理解するために、前回は「成果に効いている要因を探せ」という話をした。今回は、例の事件の4か月後に起こった出来事を伝えたい。

ネッタヌネッタヌ

また石田さん、社長に怒られる感じですか?

石田

いや、今回は怒られない(笑)

毎日データを記録していたら、あることに気付いて……?

石田

定例会議で社長から指摘を受けて、「商品登録」を徹底し「Yahoo!」店の売り上げを伸ばして以降、普段の仕事でも常に「売り上げに効いている要因は何か」を意識するようになった。

ネッタヌネッタヌ

石田さんの仕事の仕方自体も変わってきたんですね。

石田

商品登録を徹底して行ってからの4か月間で、月商は当時の4倍ほどに成長していたんだけれど、次の「売り上げに効く要因」を探していた。

ネッタヌネッタヌ

商品登録での売上アップが頭打ちになっていたんですね。

石田

そうだね。これは本当にたまたまなんだけれど、「Yahoo!」店を社長に任されてから、前日のデータを毎日エクセルに記録していたんだ。

ネッタヌネッタヌ

へぇ。どんなデータなんですか?

石田

いわゆる「売上の公式」のデータ項目だね。売上・セッション数(アクセス人数)・転換率(コンバージョン率)・客単価、それと受注件数もエクセルに記録していたかな。

ネッタヌネッタヌ

へぇ~。ショップの店長を始めたときからデータを活用していたなんて、石田さん意識が高い!

石田

いや、それが本当にたまたまなんだ。どちらかというと、当初は売り上げが乏しかったので、毎日の励みとして売り上げ以外のデータを見ていたところがあった。

ネッタヌネッタヌ

前回のコラムでも、「データを見ていたから変化がわかった」と言っていましたもんね。

石田

そう。それでね、4か月目のある日、あることが起こったんだ。

ネッタヌネッタヌ

あること??

EC内製化 ECの売上の公式+受注件数
ECの売上の公式+受注件数をみる

「Yahoo!JAPAN」からの導線でセッション数・注文数が増えた

石田

いつものように会社に出勤して、「Yahoo!ショッピング」の管理画面を見ながら前日のデータを入力していると、セッション数が異常に高いことに気がついた。当然、注文の数も多かったし、売り上げもいつもより高かった。

ネッタヌネッタヌ

それ、気になりますね。

石田

やっぱり気になるじゃない。前日に新商品を発売したわけじゃないし、メルマガを流したわけでもない。広告戦略はその後から展開していくんだけど、当時はまだ広告を使っていなかった。

ネッタヌネッタヌ

考えられる要因がなかったわけですね。普通だと「まあ、何かあったのかな?」で終わりそうなものですけど……。

石田

思い切って「Yahoo!ショッピング」の担当さんに電話をしてみた。実はこのとき初めて担当さんに連絡をしたので、少し緊張したのだけれど(笑)

ネッタヌネッタヌ

「昨日、セッション数が異常に高かったんですけど、何故かわかりますか?」ってですね。

石田

「Yahoo!ショッピング」の担当さんもわからないんだろうなぁと思いながら、ダメ元で。そうしたら、明確な、今考えればわかりやすい回答が返ってきた。

ネッタヌネッタヌ

ななな、なんと!!

石田

当時、「Yahoo!JAPAN」のトップページに「おすすめセレクション」というコーナーがあった。PC版のファーストビューに入るくらいの場所だったので、それなりにPVがあったと思う。なにせ「Yahoo!JAPAN」だからね。

ネッタヌネッタヌ

「Yahoo!ショッピング」じゃなくて、「Yahoo!JAPAN」なんですね。「Yahoo!JAPAN」といえば、過去にはトップページPV数世界最多とも言われていたような……。

石田

その「『Yahoo!JAPAN』の『おすすめセレクション』から導線があったようです」ってYahoo!の担当さんは言うんだよ。

どうやら、「おすすめセレクション」に「おすすめジュエリー」みたいなバナーが出ていて、そこをクリックすると「Yahoo!ショッピング」の「ジュエリー」などの検索結果に飛んでいたようなんだ。

ネッタヌネッタヌ

随分とアッサリ教えてくれましたね。そんな重要な情報を。

石田

ね。でも、得てしてこういうことってあるんだよ。自分にとっては重要な情報でも、他の人からするとそれほど重要な情報ではないってことが。こういうことを探すのが商売の本質だったりするよね。

ちなみに、とっくの昔に「おすすめセレクション」はなくなっているからね。

ネッタヌネッタヌ

でもさ、石田さん。「Yahoo!JAPAN」の「おすすめセレクション」からの導線って、Yahoo!JAPANが決めることで、石田さんがコントロールできることじゃないですよね?

石田

前回のコラムのような、「商品登録」みたいな施策に落とせないんじゃないか? って意味だよね?

ネッタヌネッタヌ

そうです。そうです。

石田

いやところがさ、施策化できる糸口がいくつかあったんだよ。

EC内製化 コントロールできないものを施策化するには
コントロールできないものを施策化するには

自分たちでコントロール不可能そうなものも、掘り下げてみると対策できる可能性がある

石田

当然、最初は自分でどうこうできることではないと思っていた。まあ、「おすすめセレクション攻略法」が今回のテーマではないから、あまり詳しく話しても仕方ないんだけど、まず「おすすめセレクション」の更新タイミングを掴んだ。

ネッタヌネッタヌ

なんと! 見張っていたんですか!?

石田

うん。PCの前で1日張った。だってさ、「おすすめセレクション」からの導線があるかないかで、売り上げやセッション数が何倍も違うんだよ。成果に大いに効いている要因なんだから、見張るでしょ!

ネッタヌネッタヌ

若かりしころの石田さん、頑張るなぁ。

石田

1日見張ったら、1日のなかで4回更新のタイミングがあることがわかった。もう1つ、「おすすめセレクション」からの誘導のルールを分析した。ざっくりいえば検索対策ではあるんだけれど、これで自社の商品をよりお客さまに見てもらえるようになった。

ネッタヌネッタヌ

「おすすめセレクション」が更新されたタイミングで、誘導の対策ができればその効果を最大限生かせるというわけですか……ある意味のチートですね。

石田

たしかにある意味のチートだね。ただ、これは「卑怯」とは言えないよね。ネットの世界に限らず、リアルの世界だってこの類の「ルールを上手く使う」はありふれているじゃない。

ネッタヌネッタヌ

はい、言っていることよーくわかります。成果に対する執念でもありますよね。

石田

さっきも言ったとおり「おすすめセレクション」の攻略方法を伝えたいんじゃなくて、今回の話で伝えたいことは2つあるんだ。1つは「データを継続的にみることの大切さ」だよね。ここは前回と同じく。

ネッタヌネッタヌ

石田さん的には「たまたま」だったけれども、毎日同じデータ項目を見ていたからこそ、セッション数が異常値になったことに気づいた。そして「なぜ異常値になったのか?」に対して疑問を持つことができた。

石田

そこだよね。もう1つは「一見コントロール不可能そうなものでも、掘り下げてみると自分たちで対策できる可能性がある」ってことなんだよ。

ネッタヌネッタヌ

「Yahoo!JAPAN」のトップページにどんな導線が入るのか、なんて自分たちではコントロールできないことですもんね。普通だったら「あー、今回はラッキーだったなぁ」で終わっちゃう気がします。

石田

前回のコラムは、データ活用を「商品登録」っていう「自分たちがコントロールできる要因」に落とせたわけじゃない。今回は「『Yahoo!JAPAN』の導線」っていう「自分たちがコントロールできない要因」だったわけだけども、頑張って掘り下げたら多少「施策化」できるところまで行きつくことができた。

ネッタヌネッタヌ

データを見ていなければ、「Yahoo!JAPAN」のトップページから導線が入ったことに気づきさえもしなかった。

石田

その通り。データというのは、自分たちの日々の行動の成果を数字で教えてくれるものでもあるし、また自分たちの行動では起こらない「異変」を数字で教えてくれるものでもあるんだ。

ネッタヌネッタヌ

じゃあ、継続的にデータを見ていないネットショップって……。

石田

知らぬ間にチャンスを逃している可能性がある。

ネッタヌネッタヌ

チャンスがあったのかすら、気づいていない可能性も。

石田

「データ見なきゃ! データを見て、要因に気づかなきゃ!」って思ったでしょ。

ネッタヌネッタヌ

思いました。ネッタヌが思っていた「大量のデータをあれこれ分析してグラフにしてウンヌン」みたいな話じゃないことがよくわかりました。

石田

じゃあ、次回は前回と今回の事例を踏まえて、体系的なデータ活用の考え方を伝えていくね。

ネッタヌネッタヌ

よろしくお願いします!!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

この連載の理解度チェックを行えるホワイトペーパーを無料で配布しています。「EC事業の内製化」をめざすためにお役立て下さい!
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石田 麻琴

生活用品専門商社の三栄コーポレーション「EC事業を加速」させる成長戦略とは

6ヶ月 1 週間 ago

生活用品の専門商社で、OEM(卸売)事業や小売業などのブランド事業を手がける三栄コーポレーションは、2026年3月期のEC売上高を前期比9.0%増の64億円をめざす方針を掲げた。

生活用品専門商社の三栄コーポレーション「EC事業を加速」させる成長戦略とは
EC関連売上の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2025年3月期のEC売上高は約59億円

三栄コーポレーションは2026年3月期までの中期経営計画のなかで、EC事業を「成長ドライバー」と設定。2025年3月期EC売上高は前期比11.8%増の58億7000万円だった。インテリアショップがけん引したほか、サービスラインの拡大や商品の幅出し(新ジャンル)などが増収につながったという。2026年3月期は2億円程度の投資を実施し、さらなる拡大をめざすとしている。

EC成長に向けた取り組みとして2025年4月、従来から三栄コーポレーションの家具ECを展開していた福岡事業所を母体とした「新規チャネル推進事業部」を新設した。家具のEC事業の強化に加え、生活用品分野での商材、ECチャネル拡大、ノウハウやインフラを外部販売するフルフィルメントサービス事業の強化で、ECなど販売チャネル軸での営業活動を強化する目的で設立した。

現在は福岡事業所を拠点に活動しているが、ゆくゆくは海外向けの営業活動も考えているという。三栄コーポレーションでは「楽天市場」での家具ショップからスタートし、現時点で26ブランド・38店舗を運営している。

生活用品専門商社の三栄コーポレーション「EC事業を加速」させる成長戦略とは
EC事業の加速をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

商品ラインの拡充面では、2024年に観葉植物の取り扱いを開始。5月には防災・防犯グッズのECを展開する企業2社の買収を発表している。

2月からは3PL事業「Thirdlogi(サードロジ)」をスタート。展示会への出展なども含め、営業活動を強化している。すでに国内外、複数の会社が導入。なかにはECモールで月間優秀店舗の表彰を受けた店舗もあるという。

三栄コーポレーションは、1946年に雑貨の輸入商社として創業。現在は輸入業のほか、家具、インテリア、ガーデニングなどのブランドを取り扱うネット通販を自社EC、ECモールで展開している。2025年3月期の全社売上高は前期比8.6%増の398億6100万円、営業利益は同80.2%増の20億9600万円、経常利益は同72.2%増の21億4900万円、当期純利益は同81.1%増の9億7400万円だった。

鳥栖 剛

DHCが7年ぶりに増収増益、そのワケとは? 髙谷会長が語る「選択」と「集中」+今後の成長戦略 | 通販新聞ダイジェスト

6ヶ月 1 週間 ago
経営陣の刷新から2年、DHCは増収増益に転じている。これまでの変遷の解説とともに、今後の焦点や成長に向けたかじ取りを髙谷会長に聞く

ディーエイチシー(=DHC)が、事業構造の改革に向けた「選択」と「集中」を進めている。2023年のオリックスによる買収から2年、組織改革など基盤整備を行ってきた。オリックス傘下で、今期を初年度とする中期計画を初めて策定。これからの3年で行う「選択」と「集中」は何か。

事業構造変革の基盤を整備

DHCの業績は2020年に1000億円を割り、買収前の2022年は905億円まで落ち込んでいた。

2024年12月期は、前年比2.2%増の987億円。「1000億円に残念ながら届かなかったが、事業構造の変革に道筋をつけられた1年」。髙谷成夫会長は、前期をそう評価する。利益は非開示だが、7年ぶりの増収増益で着地した。健康食品、化粧品の各事業も増収。通販・流通の主要チャネルも成長を維持しており、「屋台骨は盤石なものにできた」(髙谷会長)とする。

ホテル事業やヘリコプター事業など、事業の多角化が進んでいたDHCだが、オリックスは、これら事業を承継外にした。今年に入り、ビール事業も新設会社に権利を移譲。基幹事業である健康食品、化粧品に経営資源を集中させている。

チーム経営に転換

この2年は、オーナー経営からチーム経営への転換、縦割りで連携の弱い組織の改革など基盤整備を進めてきた。オーナー経営からの脱却では、企業の存在意義や価値観共有に向けたパーパス、行動指針等を策定し、社員への浸透を進めた。組織再編では、事業、チャネル横断でマーケティングを統括する機能を強化。連携に課題のあった研究開発、商品企画等の部門が一体感を持ち、商品開発できる体制を作り上げてきた。

商品展開、海外投資、DX推進が今後の注力点

今期から2025年度を初年度とする中期計画を実行する。3か年を、より成長戦略に寄与する基盤整備を進めるセカンドステージと位置づける。商品政策の強化、海外強化を見据えた投資、DX強化に向けたシステムインフラの整備を重点課題にあげる。

DHCが掲げる指針
DHCが掲げる指針

商品は、再構築した商品開発体制を軸に、全体のポートフォリオ構成を見直す。化粧品は、現在、約600あるSKUに200SKUを追加投入する一方で、収益性やターゲットの重複などを考慮要素に商品構成の最適化を進めるデジタル戦略の強化で、通販・流通ともに若年層の接点も増やす。

DHC企業アンバサダーに起用している俳優・タレントの二宮和也さん
DHC企業アンバサダーに起用している俳優・タレントの二宮和也さん

健食は、通販における位置づけの強化を目的に、付加価値の高い商品を投入していく。

売上シェア20%強をめざし海外展開強化

海外は、現地法人のある中国、台湾、米国で事業成長の礎を築く。この2年で、現地採用のトップマネジメントの配置、マネジメント体制の刷新により「各国の市場に応じ、臨機応変な事業推進が可能な形に移行してきた」(同)という。

代理店を通じて展開してきた19か国も、展開国を9か国に絞り、代理店政策も22から11に集約。主要代理店と強固な協力関係の構築を進めてきた。東南アジア、インドなど新たな展開国への投資も行い、中計最終年度に20%強の海外売上比率を計画する。

直営店はピーク時の半分以下に削減。効率化を探る

チャネル戦略で課題を残すのは、店舗戦略だ。ピークに約200あった直営店は、整理を進め、現在は94店舗(今年4月時点)。「これまでは通販の補完機能として出店してきた経緯がある。直営店は、セルフ販売でありながらカウンセリングできる重要なチャネルだが、現状は、選択と集中の中で効率を探っている段階。通販、流通にはない価値を提供する必要がある」(同)と、現状をみる。

今年4月に改装した新店舗(なんばCITY店=画像、大阪市中央区難波)は、品揃えを重視した設計から顧客体験価値の向上を意識したコンセプトに刷新。商品の体験スペースの確保、回遊動線、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の見直しにより、接客に適した設計に変えた。

2025年4月に改装した大阪府の店舗「なんばCITY店」
2025年4月に改装した大阪府の店舗「なんばCITY店」

ただ、検証や接客力の向上には、コストと時間を要するとみられる。中計最終年度に、「着実な成長と利益が出せる構造にする」(同)と話す。

経営効率化に向けた不動産整理の動向

「選択」と「集中」を進める中、スピード感を持ち企業価値向上を図る上で、事業成長に貢献しない資産の整理も課題だろう。

DHCは、都内の麻布・芝浦エリアに本社ビル、流通センターなど複数の不動産を持つ。本社ビルは90年代に所有。昨今の不動産価格の高騰で、現在の資産価値は、「土地・建物で80~90億円するのではないか」(周辺不動産)、「50億円以上はする」(別の周辺不動産)といった評価が聞かれる。土地価格の試算に用いられる路線価をみても、ここ10年で2~3倍ほど資産価値は高まっているとみられる。流通センターのある芝浦も、マンション等の開発が進む。

東京都内のDHC本社ビル
東京都内のDHC本社ビル

複数の関係筋によると、DHCはこれら不動産の売却を検討しているという。「事業の立て直しを図りつつ、経営の効率化を進め売却する選択肢はある」(業界関係者)、「売上拡大に併せて資産整理を進めれば資産効率が高まり、一般的に効率のよい経営と評価され企業価値は高まる」(別の業界関係者)。

DHCは、本社移転を予定しているとしたが、不動産売却は「開示していない」(同社)。ただ、「拠点分散が事業成長の弊害になっている側面はある」(髙谷会長)としている。すでに拠点統合、効率化に取り組む物流のほか、コールセンター機能の最適化も課題になるとみられる。

DHCは、オリックス中核部署である事業投資本部を率い、DHCの買収も手掛けた三宅誠一常務執行役事業投資本部長が取締役を兼務する。創業者の高齢化を背景に、海外ではIPOで運用会社を売却するトレンドがある。「オリックスはもともと金融業。買収の狙いがどこにあるのかわからない」(前出の通販幹部)。

オリックスの強みは、自己資金による投資を基本に、投資回収に向けたイグジットの期間に制約されることなく、長期保有など柔軟な投資戦略を持てるスタイルにある。IPOを視野に資産効率を高めるのか。長期的戦略を描けるかが経営再建のカギになる。

髙谷会長が語る成長戦略

オリックス傘下で進めてきた「選択」と「集中」、成長戦略について、DHCの髙谷成夫会長に聞いた。

DHC 髙谷成夫会長
DHC 髙谷成夫会長

――新たな経営体制に移行して初めて「2030年VISON」とともに中期3か年計画を策定した。

新体制をスタートした2023年からの2年は、事業基盤の整備を中心に、ガバナンスを大幅に見直し、同時に組織変革を進めてきた。研究・企画・開発や品質管理などの事業基盤の強化はもちろんのこと、自主自律型経営への組織風土改革、人材強化に取り組んできた。

今期からの新中期3か年計画は、2030年までを3つのステージに分けた中でのセカンドステージと位置づけ、年平均2桁の売り上げ成長をめざす

新たなマーケティング展開、新商品の投入、海外事業強化など、成長戦略を実現する。とくにこれまで情報システムインフラの課題に引きずられて顧客体験価値を実現するためのDXに遅れをとってきたが、一気に巻き返しを図る。

商品政策は、全体のポートフォリオを見直しながら積極的に新商品を投入する。海外事業は事業成長のけん引役とし、現在17%の売上比率を3か年の最終年度の2027年度に20%強まで引き上げ、3030年に3割とするチャレンジングな目標を掲げた。

東南アジア圏での成長をにらむ

――海外展開における他社優位性は。

各国の市場状況や国民性、とくに各国の規制状況により優位性は異なり、ローカライゼーションこそが強みになる。化粧品は、国内の主力商品が現地でも高く評価されており、越境ECを含め、多様な販売チャネル展開が事業をけん引している。

健康食品は日本でのトップシェアの信頼性、コストパフォーマンスをベースに、各国の市場状況に応じたマーケティング手法を柔軟に取り入れ成長を実現している。

――新たな進出国は。

ベトナムの売上成長をみると、東南アジア圏での成長は十分可能だ。インドでの事業展開も開始している。日本からのサポート体制強化が海外事業展開のポイントでもあり、急ピッチで取り組んでいる。各国の規制対応から、商品・プロモーションにおける強い連携が飛躍のカギになる。

化粧品はスリム化、健食は高付加価値の商品を投入

――商品政策における各事業の取り組みは。

化粧品分野は厳しい競争環境の中で長く売り上げが低迷してきた反面、今後の取り組み余地は大きく、中核となる商品シリーズの再強化と積極的な商品投入で反転成長をめざす。3か年で200SKUレベルで新商品を積極的に投入、リニューアルする一方で、現在、600あるSKUを収益性や顧客ニーズの観点から商品ポートフォリオを見直しスリム化を図る

健食分野は、一般流通チャネルでのトップシェアを維持しつつ、健食市場自体の拡大をめざす。さらに現状は価格帯を含め一般流通チャネルに比較的適した商品構成になっている。より付加価値の高い商品投入で通販チャネルの位置づけを強化する。

自社ビル売却も「選択肢の一つ」

――収益性向上に向けた取り組みについて聞きたい。多くの不動産を保有する。本社ビル等の売却など整理を進めているか。

販売部門、管理部門、研究部門など、それぞれの拠点が複数に分散しているのは事実だ。一体感をもって事業再構築を進める上で、拠点分散がその弊害になっている側面があり、基盤整備の中でも集約を進めてきたが、さらに拠点統合の方向性で検討は進めている。その観点から自社ビル売却も一つの選択肢ではある。

――資産効率の向上によるIPOを視野に入れているのではないか。

一般論として選択肢の一つではあるが、現時点で何らかのイグジットの方向性を限定しているわけではない。どのような形であれ長期的に利益を創造できる筋肉質な企業体質に変えることが喫緊の課題だ。拠点集約もその一つ。すでに物流拠点も2拠点に統合した。コアコンピタンスに基づく事業の選別もこの2年で進めてきており、事業の選択と集中をさらに進める。

継続率、顧客価値に強み

――大手メーカーによるM&A、世代交代など通販市場は転換期にある。改めてDHCの強みと市場の展望は。

市場で存在感を発揮し続けるには、革新的な商品投入を前提に顧客と長期に渡る関係を築き続けることができる知見、アセットをつくれるかが勝負になる。その意味で、今の事業規模を支えている愛用者の継続率、顧客価値は他社と比較しても依然として高いレベルにある。

ただ、これまでの成長とこれからの成長は別の問題だ。これからの成長を支える顧客の長期的な関係構築のためには、新たな取り組みが必要だ。そのためにも、商品はもちろんのこと、商品やサービスを超えた顧客との新たな関係づくり、そのためのDXへの取り組みが大きな勝負どころとなる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
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通販新聞

生活用品専門商社の三栄コーポレーション、防犯グッズのEC企業を約16億円で買収

6ヶ月 1 週間 ago

生活用品の専門商社で、OEM(卸売)事業や小売業などのブランド事業も手がける三栄コーポレーションは5月30日、防犯グッズECの防災防犯ダイレクトとその関連会社である防災ダイレクトを買収すると発表した。

買収後、防災防犯ダイレクトと防災ダイレクトを合併。統合して子会社の1つとして運営を進める予定としている。

三栄コーポレーションは、1946年に雑貨の輸入商社として創業。現在は輸入業のほか、家具、インテリア、ガーデニングなどのブランドを取り扱うネット通販を自社EC、ECモールで展開している。2025年2月からは3PL事業「Thirdlogi(サードロジ)」をスタート。2025年3月期の全社売上高は前期比8.6%増の398億6100万円、EC売上高は前期比11.8%増の58億7000万円。EC事業は特にインテリアショップがけん引している。

買収する防災防犯ダイレクトと防災ダイレクトは、防犯防災用品をECを中心に営業活動を展開。約20年のノウハウを蓄積している。防災防犯ダイレクトの事業内容は、防災防犯グッズのインターネット販売、企業向け販売。防災ダイレクトは防災グッズの調達を手がける。2社とも代表取締役で塚本祐平氏が全株を保有している。

生活用品の専門商社で、OEM(卸売)事業や小売業などのブランド事業も手がける三栄コーポレーションは5月30日、防犯グッズECの防災防犯ダイレクトとその関連会社である防災ダイレクトを買収すると発表
防災防犯ダイレクトが運営するECサイト(画像はトップ画面を編集部がキャプチャ)

「有限会社防災防犯ダイレクト」2024年11月期における売上高は前期比352.6%増の27億4700万円、営業利益は同168.8%増の8600万円、経常利益は同184.8%増の9400万円、当期純利益は同184.8%増の9400万円だった。「株式会社防災ダイレクト」の2024年5月期における売上高は前期比124.8%増の8億700万円、営業利益は700万円(前期は4800万円の赤字)、経常利益は600万円(前期は4900万円の赤字)、当期純利益は600万円(前期は4900万円の赤字)だった。

今回の買収による取得価額は概算額で16億4425万円。内訳は2社の株式取得に15億7500万円、アドバイザリー費用が6925万円(概算額)。

三栄コーポレーションは今回の買収で、既存のECビジネスでの経験、海外を含めた商品調達網の活用、国内ロジスティクスの知見などの各種分野でのシナジー効果を創出。グループの持続的な成長の重要なドライバーの1つとしていくという。

鳥栖 剛

米卸大手のヤマタネ、「楽天市場」で米部門大賞7度受賞などの米EC「こめたつ」運営会社を買収

6ヶ月 1 週間 ago

米卸大手のヤマタネは、「楽天市場」で米部門大賞7度受賞などの米EC「こめたつ」を運営する「有限会社農産ベストパートナー」を買収する。6月6日に全株式を取得して子会社化すると発表した。

また、農産ベストパートナーの関連会社である「株式会社しん力」についても、農産ベストパートナーが全株式を取得することで、孫会社化する予定とした。取得価額は非公表。

ヤマタネグループは2025年度からスタートした中期経営計画「ヤマタネ2028 プラン」で、食品カンパニーの事業戦略ではバリューチェーンの拡大をめざしており、川下戦略として新規顧客の開拓を進めている。今回の買収もその一環。

農産ベストパートナーとしん力は、熊本県を中心とした九州産の米を年間約4000トン取り扱うコメ卸・販売事業者。ECブランドは「こめたつ」で、米を中心とした販売に強みを持つ。「楽天市場」の「米部門大賞」で通算7度の受賞歴がある。

ヤマタネグループは、農産ベストパートナーを子会社化、しん力を孫会社化することで、自社にECサイト運営ノウハウを取り入れる。ヤマタネグループが「楽天市場」を中心に展開する米販売の「米すたいる」、業務用冷凍食品販売の「フーデリッシュ」というECブランドも含めたグループ全体のEC事業を強化する。

また、買収する2社の拠点である西日本への事業拡大、2社が取り扱う商品をヤマタネグループの販路に展開することによる事業規模の拡大も見込むとしている。

農産ベストパートナーの2024年7月期における売上高は前期比25.0%増の27億4800万円、営業利益は同196.4%増の8300万円、経常利益は同225.0%増の9100万円、当期純利益は同150.0%増の3500万円。

しん力の2024年5月期における売上高は前期比25.6%減の1億4800万円、営業利益は100万円(前期は60万円の赤字)、経常利益は70万円(前期は40万円の赤字)、当期純利益は同300%増の40万円。

鳥栖 剛

「AI時代のSEO」のファイナルアンサー? 「あらゆる場所での検索最適化」とは【海外&国内SEO情報ウォッチ】

6ヶ月 1 週間 ago
Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。「生成 AI 時代の SEO は?」「SEO の専門家は今後どうなるのか?」そうした答えとして有力な、「SEO=Search Everywhere Optimization」という考え方を、ランド・フィッシュキン氏が教えてくれた。
Kenichi Suzuki

生成AIで変わる検索の仕組みと、そこで勝ち抜く方法

6ヶ月 1 週間 ago

この記事は、2025年 5月 27日に Search Engine Land で公開された Duane Forrester氏「Inside the AI-powered retrieval stack – and how to win in it」を翻訳したものです。

従来のリンク順位中心型検索は終焉を迎えつつあり、新しいAIベースの検索技術(検索スタック)が主役となる時代が始まった。

本稿では「ベクトルデータベース」「埋め込み表現」、そして「逆順位融合(Reciprocal Rank Fusion)※」が、検索スタックをどのように変えたのかをご紹介します。
※逆順位融合(Reciprocal Rank Fusion):複数の検索結果ランキングを統合する手法。RRF。

人々が「サングラス」についてどのように検索するか、想像してみてください。

従来の検索モデルでは、ユーザーは「最高のスマートサングラス」と検索し、SERP(検索結果ページ)に表示されたリンクを順に確認していきます。

一方、新しい検索モデルでは、ユーザーは「Ray-Ban Metaグラス※って何?」のように質問を投げかけ、SERPに表示されたリンクを一切見ることなく、仕様、使用例、レビューなどを含んだ総合的な回答を得られます。
※Ray-Ban Metaグラス:メガネ型のデバイス。アイウェアブランドのRay-BanとFacebook、Instagramなどのサービスを運営するMeta社が共同開発したスマートグラス。

この変化は、新時代の到来を告げています。コンテンツは、もはや単に検索結果で上位に表示される必要はありません。
「検索されること」「理解されること」そして「回答として組み込まれること」が求められるのです。

かつてのSEO戦略は、ページを作成して、GoogleやBingがクロールしてくれるのを待ち、キーワードが検索クエリに一致することを祈りつつ、広告が表示されないよう願うというものでした。しかし、このモデルは静かに崩れつつあります。

生成AIによる検索システムでは、ページが検索結果にリストされる必要すらありません。
重要なのは、そのページが構造化され、AIにとって解釈可能であり、必要なときに情報として利用できる状態になっていることです。

これが新しい検索スタックです。リンク、ページ、ランキングといった従来の要素ではなく、ベクトル、エンベディング、ランキング融合、そしてランキングではなく“推論”によって機能するLLM(大規模言語モデル)を基盤としています。

もはやページ単体を最適化するだけでは不十分です。
どのようにコンテンツを分割し、意味ベースでスコアリングし、再び組み立て直すか──そのプロセス全体の最適化が求められます。

そして、この新しいパイプラインの仕組みを理解すれば、従来のSEO施策がどれほど古風に見えるかが分かるはずです。(ここで紹介するのは簡略化したパイプラインです。)

新しい検索スタックの仕組み

すべての最新の検索拡張AIシステムの内部には、ユーザーからは見えない“検索システムの技術スタック”が存在します。
これは従来の検索システムとは根本的に異なります。

エンベディング(Embeddings)

文、段落、またはドキュメントは、その「意味」を数値化した高次元のベクトルに変換されます。

これにより、AIは単なるキーワードの一致だけでなく、「意味の近さ」によってアイデアを比較できるようになります。そのため、正確な語句を使っていなくても、関連性の高いコンテンツを見つけ出せるのです。

ベクトルデータベース(vector DBs)

これらのベクトル(埋め込みデータ)は、ベクトルデータベースに高速で保存・検索されます。
代表的なものとしては、Pinecone、Weaviate、Qdrant、FAISSなどがあります。

ユーザーが質問を入力すると、そのクエリもベクトルに変換され、データベースから最も近い意味のチャンク(断片)が数ミリ秒以内に返されます。

BM25

昔ながらのアルゴリズムですが、今なお極めて実用的に使われている検索アルゴリズムです。キーワードの頻度と希少性に基づいて、コンテンツの関連度を評価します。

特に、ユーザーがニッチな用語を使用したり、正確なフレーズ一致を求める場面において、高い精度を発揮します。

以下の図は、BM25とベクトル類似度を使ったランキング動作を比較した概念図です。
2つのシステムがどのように「関連性」を判断するかを、架空のデータに基づいて示しています。

  • BM25は、キーワードの正確な一致を重視してドキュメントをランク付けします。
  • 一方、ベクトルベースの検索では、意味的な類似性に基づいてコンテンツを提示します。

それぞれのドキュメントは、意味や一致度に応じて順序付けられていることにご注目ください。

RRF(逆順位融合)

RRFは、BM25やベクトル類似度といった複数のランキング手法を、ひとつのランキングリストに統合することを可能にします。この手法により、キーワードマッチとセマンティックマッチのバランスがとれ、最終的な検索結果が、いずれか一方の検索方式に偏ることがありません。


RRFでは、BM25とベクトル類似度によるランキングシグナルを、「逆順位スコア式(Reciprocal Rank Score:RPF式)」を用いて統合します。

以下のグラフでは、それぞれ異なる検索システムにおいて文書がどのような順位にあるかが、最終的なRRFスコアにどのように寄与するかを示しています。

たとえどちらの手法でも1位でなくとも、複数の検索アプローチで一貫して高く評価されている文書は、RRFにおいても高く評価されます。
このようなモデリング手法により、文書の順位付けはより洗練され、精度の高い並び順が実現されます。

LLM(大規模言語モデル)

RRFで上位にランクされた結果に対し、LLMが要約、言い換え、あるいは原文を引用する形で応答を生成します。

これが「推論レイヤー(reasoning layer)」です。ここでは、コンテンツの出所よりも、「質問に正しく答えられるか」が重視されます。

無論、インデックスは今も存在しています。ただし、見た目は変わりました。
もはや、クローラーでページが巡回されて、インデックスされ、ランキングされるのを待つ必要はありません。

現在では、コンテンツはベクトルデータベースにエンコード(埋め込み)され、メタデータではなく意味ベースで検索されるようになっています。

・社内のデータであれば、こうした処理は即時に行われます。

・公開Webコンテンツの場合は、GPTBotやGoogle-Extendedなどのクローラーが今もページを取得していますが、その目的は従来のSERP(検索結果)を作ることではなく、コンテンツの意味を把握し、インデックスするためです。

このスタックが優れている理由(適切なユースケースであれば)

この新しいモデルは、従来の検索エンジンを置き換えるものではありません。
ただし、従来の検索では対応が難しかったタスクに対しては、飛躍的な進化をもたらします。

たとえば、

  • 社内ドキュメントの検索 → 最適です。
  • 法廷記録の要約 → 問題ありません。
  • 10個のPDFから関連する抜粋を探したい → ゲームオーバー(=従来型では難しいが、これなら可能)

この製品スタックが優れている理由は以下の通りです。

  • レイテンシ(応答速度):ベクトルデータベースは数ミリ秒でデータを返します。クロールの待ち時間やタイムラグはありません。
  • 精度:埋め込み検索は、キーワードだけでなく「意味」にもマッチします。
  • コントロール:検索対象となるコーパス(情報集合体)を自社で定義できます。無関係なWebページやSEOスパムが混入することはありません。
  • ブランドセーフティ:広告が表示されず、競合他社が検索結果に紛れ込むこともありません。

このため、エンタープライズ検索、カスタマーサポート、社内ナレッジシステムといった分野では、すでにこの新しいスタックが採用されています。そして現在、一般的な検索領域でも、この方向へと大規模にシフトが進みつつあります。

ナレッジグラフがスタックを強化する方法

ベクトル検索は強力ですが、あいまいな面もあります。意味的な近さは捉えられるものの、「誰が、何を、いつ」といった人間の世界で当然とされる関係性までは完全には表現できません。

そこで役立つのが、ナレッジグラフ(Knowledge Graph)です。

ナレッジグラフは、システムが曖昧さを解消し、推論できるようにするために、エンティティ(人・製品・ブランドなど)の関係性を定義します。たとえば、「Apple」と言ったとき、それは企業のことなのか、それとも果物のことなのか?「それ」とは物体のことか、それとも顧客のことか?

以下のように、それぞれが補完し合います。

  • ベクトルデータベース:関連コンテンツを見つける
  • ナレッジグラフ:つながりを明確にする
  • LLM(大規模言語モデル):すべてを自然言語で説明する

つまり、ナレッジグラフと新しい検索スタックは二者択一ではありません。優れた生成AIシステムは、これらを組み合わせて活用します。

【戦術ガイド】生成AIを活用した検索最適化の実践

まず、私たちが馴染みのある「従来の検索において上位表示を狙う方法」をざっとおさらいしましょう。

重要なのは、ここで示すのは網羅的なリストではないという点です。これは、これから紹介する生成AI時代の戦術と比較するための背景です。従来の検索でさえ非常に複雑です(私は以前Bingの検索エンジンに関わっていたので、それはよく分かっています)。それでも、以下の内容を見れば、生成AI向けの対策がむしろシンプルに思えるかもしれません。

従来型検索での上位表示には、以下のような要素が重要でした。

  • クロール可能なページ構造
  • キーワードを調整したコンテンツ
  • 最適化されたタイトルタグ
  • 高速な表示速度
  • 信頼できるサイトからの被リンク
  • 構造化データ
  • 堅牢な内部リンク

さらに、以下も加えると、より成果が期待できます。

  • EEAT(経験・専門性・権威性・信頼性)
  • モバイル対応
  • ユーザーエンゲージメントのシグナル

これは、技術的な土台、コンテンツの関連性、そして評判を組み合わせたものであり、他サイトがあなたをどう扱うかによって評価されます。

生成AI時代、どうやって「引用コンテンツに選ばれる」か?

ChatGPT、Gemini、CoPilot、Claude、Perplexity などの生成AIに、自社のコンテンツを参照してもらうにはどうすればよいのか?以下は、すべてのコンテンツ提供者が取るべき具体的な戦術です。

1. チャンク化と意味検索を意識した構造づくり
コンテンツを取得しやすいブロックに分割しましょう。
<h2> や <section> などのセマンティックHTMLを使ってセクションを明確に分け、アイデアを整理します。FAQ形式やモジュール型の構造も有効です。
これが、LLMが最初に読む「レイアウト層」になります。

2. 巧妙さより明快さを優先する
賞賛される文章よりも、理解される文章を目指しましょう。
専門用語・比喩・曖昧な導入文は避け、ユーザーの質問に合わせた、具体的でわかりやすい回答を重視します。
これにより、意味的なマッチング精度が向上します。

3. AIにクロールされる環境を整える
GPTBot、Google-Extended、CCBot などのクローラーがサイトにアクセスできなければ、存在しないも同然です。
JavaScriptでレンダリングされるコンテンツは避け、重要な情報は生のHTMLで提供しましょう。
また、schema.orgのタグ(例:FAQPage、Article、HowTo)を使って、クローラーにコンテンツの種類を明示します。

4. 信頼と権威のシグナルを整える
LLMは、信頼できる情報源を好みます。
署名、発行日、連絡先、外部引用、著者プロフィールなどの要素を明示することで、生成AIの回答に表示される可能性が高まります。

5. ナレッジグラフのように社内コンテンツを構造化する
関連するページを相互にリンクさせ、サイト全体の構造的なつながりを定義します。
ハブ&スポーク構造や用語集、コンテキストリンクなどを使って、意味的な一貫性を高めましょう。

6. トピックをモジュール的かつ多面的に掘り下げる
単に主要な質問に答えるのではなく、あらゆる角度から情報を提供します。
「何」「なぜ」「どうやって」「比較」「いつ」といった形式で分けたり、TL;DR、要約、チェックリスト、表などを追加するのが効果的です。

7. 表現の確信度を高める
LLMは、記述の確信度も評価します。
「〜かもしれない」「〜と思われる」といった曖昧な表現は避け、明確で断定的な言葉を使いましょう。
自信のある記述は、生成AIに選ばれやすくなります。

8. 意味の重複で表現の幅を広げる
同じことを別の言い回しで繰り返しましょう。
多様なフレーズを使うことで、さまざまな検索クエリに対応しやすくなり、ベクトル検索での可視性が高まります。

9. 埋め込み可能な段落を作成する
ひとつの段落には、ひとつの明確なアイデアだけを含めましょう。
複数の話題を混ぜず、シンプルな文構造を用いることで、コンテンツの埋め込み・取得・統合が容易になります。

10. 潜在的なエンティティに文脈を与える
明白に思える情報でも、はっきりと言語化しましょう。
たとえば「最新モデル」ではなく、「OpenAIのGPT-4モデル」と明記します。
エンティティの明示により、ナレッジグラフや曖昧性解消の精度が高まります。

11. 主張の近くにコンテキストを配置する
主なポイントから離れすぎずに、それを裏付ける情報(例・統計・比喩など)を配置します。
これにより、チャンク単位での一貫性が高まり、LLMが内容を確信を持って処理できます。

12. 構造化された抜粋を生成AI向けに提供する
AIクローラーがコピーしやすい、クリアな情報を用意しましょう。
箇条書き、回答の要約、「要点」セクションなどを活用し、情報の価値を際立たせます。
これはPerplexityやYou.comなど、スニペット形式の生成AIに有効です。

13. ベクトル空間に関連コンテンツを密集させる
用語集、定義、比較記事、事例などの周辺コンテンツを公開し、互いにリンクさせましょう。
トピックを密にクラスター化することで、ベクトル検索でのリコール率が上がり、主要コンテンツの可視性も高まります。

【ボーナス】AIに取り上げられているか確認する方法

成果を確認したいときは、コンテンツで取り上げた質問を、PerplexityやChatGPTのブラウジングモードで聞いてみましょう。
もし表示されないなら、構成と表現を見直し、明確さを高めたうえで再挑戦してください。

最後に:あなたのコンテンツは今やインフラである

あなたのウェブサイトは、もはや目的地ではありません。
それは、生成AIが回答をつくるための「原材料」なのです。

今後は、引用・参照・要約され、誰かが読んだり聞いたりする回答の一部として使われることが期待されます。
この傾向は、MetaのRay-Banスマートグラスのような新しい消費チャネルが増えるほど、ますます強くなります。

ページ自体の存在は依然として重要ですが、それはあくまで「足場」にすぎません。
勝ちたいなら、ランキングだけにこだわるのをやめ、情報源としての価値を高めましょう。もはや「訪問されるか」ではなく、「引用されるか」がカギです。

※本記事はもともと、Substack『Duane Forrester Decodes』にて “Search Without a Webpage(ウェブページなしの検索)” というタイトルで公開されたもので、許可を得て再掲載されています。

SEO Japan編集部より:先日話題になったiPullRank社のMike King氏の記事と同様に、「クリック外の可視性」をKPIにする方向を提唱しており、いずれも「機械が読む単位」で情報設計する必要を説いています。
一方で、当記事では短期タスクを中心に「今すぐできるTodoリスト」を示しており、ここで紹介されていることに取り組みつつ(llms.txtは懐疑的ですが)、今後の大きな方針としては、次のゲーム盤そのものを解説しているiPullrank記事を基に、組織とデータ基盤の再設計を検討すると良いかもしれません。AI Modeの対応について、わかりやすくかみ砕いた当社遠藤のブログ記事も併せてご確認ください。

seojapan

父の日のギフト、ECモールで買うは23%。予算は「3000円~4999円」が最多、コスパ重視の傾向【消費者動向調査】

6ヶ月 1 週間 ago

オンワード樫山とギフト商品やギフトカタログの企画制作を手がける大和が実施した「父の日ギフトに関する意識調査」によると、購入チャネルは「ショッピングモール」「百貨店・デパート」「総合オンラインストア」が上位にあがった。

調査対象は全国の男女880人で、調査期間は2025年5月21〜22日。

23.8%の購入先が「総合オンラインストア」

父の日のギフトを贈ったことがある530人にこれまでの購入場所を聞いたところ、「ショッピングモール」が最多で37.2%、続いて「百貨店・デパート」が35.5%、「総合オンラインストア」が23.8%だった。

オンワード樫山と大和は「実店舗での購入が根強い一方で、オンラインストアも一定の支持を集めており、今後は“店頭でもネットでも手軽に選べる”ギフト需要がさらに高まることが予想される」と指摘している。

父の日のギフトの購入場所(複数回答可)
父の日のギフトの購入場所(複数回答可)

予算は「3000円~4999円」が34%

父の日のギフトにかける予算を聞いたところ、「3000円〜4999円」が最多で34.2%、続いて「5000円〜6999円」が18.1%、「1000円〜2999円」が14.9%だった。オンワード樫山と大和は「高すぎず、気軽に感謝を伝えられる価格帯が主流であり、手ごろな価格で実用性のあるギフトが好まれている」と解説している。

父の日のギフトにかける予算
父の日のギフトにかける予算

これまでに贈ったギフト、最多はお酒

これまで何をプレゼントしたかを聞いたところ、最も多かったのは「お酒」で47.4%、続いて「ファッション(ネクタイ・シャツなど)」が39.8%、「食品・スイーツ」が31.9%だった。「し好品や実用的なアイテムが人気を集めており、“日常使いできる+ちょっと特別感のあるギフト”が選ばれる傾向がうかがえる」(オンワード樫山、大和)

これまでにプレゼントしたもの(複数回答可)
これまでにプレゼントしたもの(複数回答可)

4割超が何を贈るかに悩む

父の日のギフトを選ぶ際に困ること・悩みがあるかを聞いたところ、「何をあげたら喜ばれるかわからない」が最も多く、44.2%となった。続いて「毎年似たようなものになってしまう」 が38.9%だった。

父の日のギフトを選ぶ際に困ることや悩み
父の日のギフトを選ぶ際に困ることや悩み

調査概要

  • 調査主体:オンワード樫山マーケティンググループ、大和
  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 調査対象:全国の男性、女性880人
  • 調査期間:2025年5月21日~22日
大嶋 喜子

レビュープラットフォーム「ReviCo」とサイト内検索「GENIEE SEARCH」が連携、ハッシュタグ生成やレビューデータの検索活用など実現

6ヶ月 1 週間 ago

レビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」のReviCoは6月5日、ジーニーが提供・開発するサイト内検索ツール「GENIEE SEARCH」とシステム連携したと発表した。

自動連携により、「ReviCo」が保有するレビューデータを「GENIEE SEARCH」の検索結果のソート(表示順)やファセット(絞り込み)に活用できるようになった。検索結果画面でレビュー評価順やレビュー件数を表示できるようになる。ユーザーはサイト内で自分に合った情報を絞り込みながら、他のユーザーのレビューを参考にして効率的に商品の購入を検討できる。

レビュープラットフォーム「ReviCo」とサイト内検索「GENIEE SEARCH」が連携、ハッシュタグ生成やレビューデータの検索活用など実現
レビューデータを検索結果の表示順や絞り込みに活用できるように

また、「ReviCo」が保有するレビューデータ、「GENIEE SEARCH」が提供する商品データとユーザーのサイト内行動データを基に、商品の関連性と検索頻度の高いキーワードのハッシュタグを自動生成する「AIハッシュタグ」を活用できるようになった。レビューデータを活用することで、実際に商品を購入したユーザーによる信頼性の高いリアルな情報から、購買意欲向上につながる訴求効果の高いハッシュタグを生成できる。

レビュープラットフォーム「ReviCo」とサイト内検索「GENIEE SEARCH」が連携、ハッシュタグ生成やレビューデータの検索活用など実現
レビューデータからもハッシュタグを生成できるように
鳥栖 剛

大丸松坂屋百貨店の複合体験ストア「明日見世」にコーヒースタンド「PostCoffee KIOSK」がオープン

6ヶ月 1 週間 ago

大丸松坂屋百貨店は、「大丸東京店」内にある複合型体験ストア「明日見世」に、コーヒー専門通販・サブスクリプション「PostCoffee」が手がけるコーヒースタンド「PostCoffee KIOSK(ポストコーヒーキオスク)」をオープンした。また、「MY OASIS」をテーマにした「明日見世Vol.4」の展開も開始している。

「気軽に手軽に美味しいコーヒーを手に入れられる」がテーマ

「PostCoffee KIOSK」では、世界各地の銘店ロースターのスペシャルティコーヒーを日替わりで提供する。ハンドドリップコーヒー、エスプレッソドリンクのイートイン、テイクアウトが可能。ドリンク以外にも、世界のロースタリーのなかから厳選した著名ロースタリーのコーヒー豆などを販売する。

「明日見世」にオープンしたコーヒースタンド「PostCoffee KIOSK」のようす
「明日見世」にオープンしたコーヒースタンド「PostCoffee KIOSK」のようす
営業時間は10時00分~20時00分。大丸東京店の営業時間に準ずる

「明日見世」に出店した理由をPOST COFFEEの下村領氏(CEO/代表取締役)は次のように話す。

2020年からサブスクサービスを開始し、2023年10月に下北沢に実店舗をオープンした。店舗オープンから1年半くらい経つが、オンラインではアプローチできなかったお客さまにアクセスできている感覚があり、すごく手応えを感じている。

「PostCoffee」を立ち上げる前、渋谷で3年ほどコーヒー店を経営しており、そのときに小さなスタンド型のコーヒー店を運営したいと思っていた。当時は実現する術がなかったが、今回大丸松坂屋百貨店さんからお話をいただき、このタイミングでチャレンジしようと思ったことがきっかけだ。(下村氏)

POST COFFEE CEO/代表取締役の下村 領氏
POST COFFEE CEO/代表取締役の下村 領氏

また、東京駅から近く、性別や年齢を問わずさまざまな人が訪れる「大丸東京店」の立地を生かし、「オンラインでは、顕在的なニーズを持っている人や、Instagramを利用している人などアプローチできる人が限られてしまう。オフラインでは、接点が持ちにくかった人との接点作りに期待している」(下村氏)と言う。

「明日見世Vol.4」では、梅雨や猛暑などを乗り切るアイテムを展開

「明日見世」では3か月ごとにテーマを設定し、それに沿ったブランド・商品を展開している。「明日見世Vol.4」は、「MY OASIS」をテーマに5月28日~8月19日まで実施。寝具やスキンケアアイテムなど、国内のリアル店舗初出店1ブランドを含む全20ブランドを展開している。

8月19日まで展開しているブランドの一例
8月19日まで展開しているブランドの一例
8月19日まで展開しているブランドの一例
8月19日まで展開しているブランドの一例
日本らしい涼しさを感じられる「かざぐるま」をテーマにしたインスタレーションも実施している
日本らしい涼しさを感じられる「かざぐるま」をテーマにしたインスタレーションも実施している

また、大丸松坂屋百貨店は「明日見世」出店者向けの新プランを開始した。出店者は課題や目的に応じて全5つのプランから選べるという。新プランは次の通り。

  1. 「CONNECT」プラン:大丸松坂屋百貨店のアプリを活用し、来店促進とブランド体験の拡大につなげる。百貨店顧客へのサンプリングやアンケートが実施可能
  2. 「BRANDING」プラン:「大丸東京店」9階の店頭・メディアを活用し、特別なVMDと多面的な露出を実現。新商品の発表、シーズンプロモーションの成果最大化を支援する
「明日見世」のプランについて
「明日見世」のプランについて
藤田遥

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藤田遥

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