業界人間ベム

「空気を読む」という見識のなさ

15 years ago

 日本人独特の「空気を読む」という文化は、周りに同調することで自己防衛するという世渡りの術として「島国日本」に大昔からあるのだろうが、全体の論調が、何か理屈のない「気分」に支配されていることは非常に多い。マスメディアが海老蔵さんをバッシングしていれば、なんとなく批判的なことを云って見るというような、自分の考えがそもそもない人の態度は周りにいくらでもある。こうした時、「それは違うんじゃないの?」としっかりした見識をもって、その場にあるムードを壊す人がもっといないといけない。
 日本人はムードに流されることで、たいへん痛い目にあった。その反省は、「しっかりした論理で議論を交わす。」、「大勢に流されないで、よく考えてみる。」という作業を意識的に行なう以外にない。支配的な論調に立ち向かうということは非常にパワーの要ることだが、プリンシプル(原理、原則)をしっかり頭に入れた上で、ものごとの是非や評価をしっかりできるようになりたい。
 そのためにも、多くの人たちの見識を知る、考え方に触れる機会を多くもつことが重要である。私は、ツイッターを使うようになって、ブログに書かれているマスメディアでは得られない見識に出会うことが多くなったと思う。

 この価値は非常に大きい。自分にない考え方やアイディアに出会えることで、こちらも触発される。思考にドライブがかかる。見識あるミドルメディアとしてのソーシャルメディア空間を自分の見識を鍛えるたいへん有難いメディアとして評価している。

ビジネスの中身が変わる時

15 years ago

 様々な業界が、ビジネスモデル改革を余儀なくされてきた中で、自らのビジネス変革を突きつけられながら、まだコレと言った行動に踏み切ってはいない業界もある。

 対応できるかどうかは、当然だが、経営トップの能力と行動で決まる。

 経営トップが、変革するビジネス実態を理解し、認識し、自分で咀嚼して、戦略立てをし、それを社員に理解させる。

 新しいことを始めるためには、しっかりした理念が大事だ。

 新しいビジネスなのだから、新しいことを勉強しなければならない。経営トップが自分で分からないことを、従業員にやらせるというナンセンスな話はあり得ない。


 サラリーマンとして頑張って「役員にしてもらう人」は多い。日本ではほとんどそうだ。でも経営というものは現場の実務とは全く違うものだ。プロの経営者になれる人はそうたくさんはいない。それでも現場の実務が分かっていてマネージメントができるから役員になる訳で、仕事の中身が変わってしまって、今の現場が分からないのでは、プロの経営者でも、実務派でもないというどうしようもない役員でしかない。

  今はとにかく若くて強いリーダーが必要だ。速くて正しい判断と執行ができる限りにおいては、ある意味独裁的リーダーであったほうがよい。

 そして、当然、いつかは彼の上を行く経営判断ができる人物が出てくる。リーダーのミッションは、経営判断を誰に委ねるかを決め、ポストを譲ることだ。
 これが、社長がすべき一番大事な仕事である。そこでは後継者を育てるなどという思い上がったことをする必要は全くない。人はそのポストが育てるものである。リーダーが育てるのではない。「出来る人」はリーダーがすることを、その正しさも間違いもしっかり見ているはずで、学習しているはずであるからだ。

自分で判断して執行し責任をもつことを繰り返すことでしか経営者は育たない。そのチャンスを奪ってしまっては、会社の将来はない。トップにいる経営者が肝に銘じていなければならないことである。

 

福袋とCRM

15 years ago

 ずいぶん前に、正月の初売りに恵比寿三越に行って、いつも買っている服のブランド店に行ったら、すぐ売り切れてしまった。私はその店の常連で、かなり売り上げに貢献していたはずだか、並ばせておいて「売り切れました。」という。これを期に私はその店で商品を買うことを全くしなくなった。
 お得意さまに不愉快な思いをさせて、この日だけの客を早くから並んだだけで優先するのは全くの逆効果だろう。日頃の感謝の気持ちでもあれば、福袋など、上客には、店から持ってくるくらいじゃないと。
 イベントとして集客しても、そのほとんどは得意客になるわけではない。リピート客をいかに醸成していくかがもっとも大きな課題なのに、一元さんにリーズナブルな商品を売ってしまう愚を冒している。サンプリング効果より得意客なくす方が大きなリスクだ。

 ちなみにこの店はその後正月の福袋をやらなくなった。理由は分からないが、でも私はそこでは未だに買っていない。一度逃した客は戻らない。今ではその店は既にない。長続きする店は少ない・・・。

『2020年国内大手広告代理店崩壊』 批評・・・。

15 years ago

 この電子書籍のことは業界内では結構話題を呼んでいる。ベムも本来なら誰かのツイートで知るような情報だったが、社内の人間が電通さんの友人に教えてもらったそうで、メールが跳んできて知るに至る。

 さて、全般的に広告業界に対しては、そもそも、あまりいい感情をお持ちでない方のようで、しかもそれは最近そう考えたのではなく、ずいぶん長い期間そうだったように思える。基本は業界外の方が非常に良くお調べになって書かれている。ただそのほとんどのご指摘はほぼ「そのとおりだ」と云える。
ほとんどの業界がビジネスモデル改革を余儀なくされてきた中で、護送船団民放ビジネスにぶら下がった、未だに構造改革しないガラパゴスモデルとしていて、まさにおっしゃるとおりだ・・・。

 何人かで書かれているようだという話も聞いたが、私はそうでもないような気もする。後半のDSPなどの件は、必要以上に詳細に書かれているが、ネット広告の業界内にいるベムからすると、やはり表面的になぞっているだけで、こうしたビジネスの実務とは遠いところにいることが分かる。
 こうしたテクノロジーベースのことが理解されている点で、IT系コンサルの方ではないかという気がする。

 とはいえ、業界の直面していることを、実に良く勉強されている。某社が早期に上場を果たしながら、市場から調達した資金を積極投資していないことを断じているが、それはその通りである。「経営に投資対象を見つけ出す能力がない。」という指摘と解釈できる。

 しかし、この本は全体を通じて、メディアバイイングビジネスを全く付加価値のないビジネスのような書き方をしている。HDYの統合も、「メディアバイイングだけにフォーカスした愚かな統合」としている。
 「メディアバイイングのマージンをとるために、周辺サービスを収斂させて、個々の提供サービスで金を取れなくてもメディア扱いですべてを回収する。」というビジネスモデルが破綻することは間違いのないところで、既に破綻していると言っていい。メディアの扱いだけで高収益をあげることは難しいし、むしろソリューションを真ん中において、しっかりしたサービスを提供して、特化した個々のサービスでそれぞれ稼ぐ必要がある。
 ただメディアレップ型ビジネスが、全くの価値を生まないかというとまるっきりそうでもない。メディアが多様化し、拡散し、従来より「売り手市場」でなくなるのは事実だが、だからと言って、すべてがアドマーケットプレイスで、「買われる」状況となるわけではない。メディア自身のセルサイドに立って考えてみよう。セルサイドには「セルフサービスで買ってもらう」方がいい部分と「自ら売りたい」部分がある。すべてをプルに任せていて、広告販売の最適化は叶わない。メディアを「売る」行為の意味は今後もそれほど変わらないというかむしろ重要になる。メディアが分散化すればするほど、メディアには自ら「売る」ことの意味が大きくもなる。よってそれをレップする価値はある。(ただどの程度あるかだ。)
 そして、もうひとつは、メディアプランニングの価値である。従来のメディアプランニングは掲載する媒体情報が詳細に分かっていれば良かった。媒体とブランドのマッチングがすなわちメディアプランニングだったからだ。しかし今後は、広告主は掲載面を買うのではなく、配信対象を買うモデルにどんどん移行する。この時、メディアプランニングとは、誰を配信対象として選択するかというプランニングである。だから、ここには掲載面の情報は基本的に必要ではなく、ブランド側の情報つまりユーザープロフィールやターゲットプロフィール、コミュニケーションコンセプトの理解が前提となるわけだ。
 こうしたプランニングは、オーディエンスデータを駆使して、DSP上でプランニングされるわけだが、ここにこそ新たな付加価値があり、バイイングオペレーションフィー以上のサービス提供価値を創造する余地はある。

 もちろんこうした新しい価値の創造がなければ、広告代理店は崩壊する。だからそれを理解している当事者は危機感と使命感を抱えて対応しようと努力している。

 博報堂さんも何もメディアバイイングにだけにフォーカスして統合したわけではない。むしろ機能分社することで、ブランディング会社の機能はより脱メディアビジネス、つまりソリューションにフォーカスされる方向に行くんだと思う。

 さて、この本には、直接ベムのことが出てくる。いわく、

「飛躍の鍵か?単なる見せ筋?ADKインタラクティブ」

 以下引用
 ------- そんななかで業界内で注目を浴びる存在がDACと折半の出資(これは間違い。折半ではなく、ADK 8 : DAC 2)で別途設立したADKインタラクティブである。同社の出版によるトリプルマーケティング(←これも間違い。書籍名は「トリプルメディアマーケティング」で、会社で出版したわけではない。)はことごとくごもっともな内容満載でご興味のある方は直接お買い求めいただきたいが、同社社長横山氏はネット上で、広告会社のスキルがデジタルに対応していくには、いったんデジタル領域をど真ん中において再構成していく必要があると指摘している。
 中心をデジタルとして、周辺に従来のスキルと接点にそれぞれ融合することでできる新しい価値づくりに挑戦すべきであると唄っている。筆者もその意見を拝見してまさにその通りであるとうなづく部分が多々ある。しかし、ADKインタラクティブなる会社が提唱するデジタルエージェンシーコンセプトはアサツーディーケイのなかでどのように役に立っているのかについては大きな疑問が残る。
 横山氏がそこまで広告代理店がデジタル領域でどうすべきか理解していて、なぜアサツーディーケイ自身がそれを活かして構造改革に踏み切らず、もっとも旧態依然たる組織運営と売上構造にとどまり続けるのかがとても不思議である。櫂より始めよという言葉があるが、同社もデジタル広告については事業拡大を唄っているわけで、既存メディアの扱い減少から営業収益に喘ぎ、赤字転落の損益分岐点で右往左往するのであればますは自社のBPRから手をつけていただきたいものである。
 アサツーディーケイの経営実態を見る限りなんら先進的なチェンジマネジメントが動いているようには見えず、上場系3社のなかでもっとも特長のない、かつ収益力の低い企業へとなってしまっており、今のところADKインタラクティブがレバレッジとなって業務拡大しているようにも全く見られない。
 ADKインタラクティブは平成の松下村塾であって大手代理店ビジネス崩壊後に逸材が排出されるのだろうか?(←「輩出」でしょうね。)あるいは短なる(「単なる」でしょうね。)見せ筋企業として形骸化した論文をまとめる張子の虎でしかないのか?後者であるとすれば失望感は極めて大きい。

引用終わり
--------------------------------------------------------------------------

平成の松下村塾とは、すいぶん持ち上げてくれた感もあるが、(これだと私は処刑されちゃうらしい。)ただ、もしこの筆者が、「真ん中がデジタル」という意味を本当に理解しているなら、「アサツーディーケイに役に立っているか」などとは書かないだろう。

またもし松下村塾であって代理店ビジネス崩壊後に、逸材を輩出(排出とは誤字にしても失礼)することができれば、それはそれで結構な話だ。つまりこの筆者からすればどっちみちアサツーディーケイは崩壊するわけで、逸材が輩出できるか、見せ筋企業で終わるかはオルタナティブになっていない。な~んていうくだらない文句をつけるのは置いといて・・・・、ただ、親会社の経営実態に先進性が感じられないという厳しい指摘は、甘んじて受けねばなるまい。

 ベムとしては「見せ筋企業」だ「張子の虎」だのと言われようと、着実に目指すことをやっていくだけである。むしろ関心をもっていただいていることにびっくりしたくらいで、注目を集めているのであれば、もっと頑張らなきゃいけない。

 「トリプルメディアマーケティング」は考え方を提示したに過ぎない。その中身はこれから創っていく。(一部は出来ているが・・・)我々は3つの円のベン図に提供できるソリューションをプロットしていき、最終的に3つの円の3つとも交わる部分の核心(=インサイトからくる統合シナリオ)を企画できる存在になりたい。ただそれには今まで広告屋が不得意だったテクノロジーについてかなりの知見をもつ必要があり、「テクノロジーの理解をベースにいかにコミュニケーションアイディアが出せるか」が課題である。
 私はビジネスとしての広告代理店業がどうなっていくかについては、はっきり云ってあまり興味がない。マーケティング活動に関するサービスをアウトソースすることは、今後もなくなりはしない。要は新しいスキルを開発、つまり人材育成できるかがすべてである。それは1社だけでできる話でも、業界内だけできる話でもない。広告主企業もメディア会社も含め、オープンな環境で育成されないと出来ない。
 
 ベム自身は、業界内で手を組む壮大な実験をやってみた本人である。しかし、広告業の真ん中はどんどんシュリンクしている。だから、もう業界内のパートナーには意味はない。(それは外資であってもそうだ。)周辺ビジネスのプレイヤーと手を組む時代である。まあ広告ビジネスが真ん中にあるような思い上がりは慎まないといけないが・・・。

私は80年代の広告のいい時代も過ごしてきた。しかし、またあんな時代が再来したらいいとも思わない。広告会社が立ち行かなくなったら、立ち行くように再編するだけだ。今まさにそれをやっているつもりだが、今のトライがすべてではない。全く違う挑戦も頭のなかにはある。そんなこれからが楽しみで仕方ない。

『3つのメディアの3つの予言』

15 years ago

 3つのメディアに今後起こること3つの予言を整理する。

まず、ペイドメディアに起こること・・・。

◆「よりダイナミックなオーディエンスターゲティングへ」

この予言の「こころ」は『リアルタイム化が進む』ということである。

・米ではオンライン広告売買環境はリアルタイム化へ向かっている。広告主は必要なターゲットだけにリーチするインプレッションの購買へとシフトしている。
・ブランディングキャンペーンであっても、同様の動きがみられる。
・購買環境は大きくシフトし、DSP、SSP、データエクスチェンジを中心とした動きになってきている。
・同時にソーシャルサービス、ロケーションベースサービスがリアルタイム化の後押しをしている。
・企業はソーシャルCRM体制を作り、リアルタイム対応を行い始めている。

 ほかの2つのメディア(自社メディアとソーシャルメディア)が、従来より継続的な、マーケティングの時間軸が比較的長い活動になる。その一方で、ペイドの役割は、より短期的な認知の獲得に役割がフォーカスされる。そして、よりリアルタイムに、適切な配信対象へダイナミック(動的)に行なわれる。

*閲覧や検索といった行動履歴だけでなく、ソーシャルグラフから分かるユーザー同士のつながり、情報共有履歴か ら分かるインフルエンサー度などがターゲティングに利用できるようになる。

*しかも、リアルタイム入札(RTB)により、必要なオーディエンスの必要なインプレッションのみを買えるようになる。

◆自社メディアは『ソーシャルメディア内に拠点を構えて長期育成へ』

*キャンペーンごとにキャンペーンサイトを立ち上げては壊すという行為は、長期的には何も資産を残さないことが分かってきた。

*ブランドの拠点をソーシャルメディア内に開設して、継続的にコミュニケーションしようとする動きが広まる。短期施策向けに体制を敷いてきた企業は、構造改革が必要になる。

◆Earned Media は『PRとCRMの境界は薄れてソーシャルCRMへ』

 ソーシャルメディアマーケティングを介して、企業は自社顧客がポジティブな影響を、ソーシャルメディア内に与えることを理解した。よって。ソーシャルメディアを利用した顧客関係構築の施策が展開され始めている。

現顧客との関係を大切にすることが、ソーシャルメディアマーケティングを成功させることにつながる。

 企業はソーシャルメディア上での自社ブランドに関する傾聴戦略をすすめると、影響力分析、波及分析、タイムライン分析、対話分析などを経て、ソーシャルメディアインテリジェンスを確立するようになる。
 その後、企業と顧客の接点(コンタクトセンター)を統合的に行なうソリューションが芽吹いてくるだろう。

日本版ソーシャルテクノグラフィクス SMAP(Social Media Activity Profile)

15 years 1ヶ月 ago

今回のアドテック東京では、「ADK×ADKインタラクティブセミナー」も2日間セミナールームを設けて実施されるようだが、ちょっと面白い調査データが見れると思う。

例の、「グランズウェル」でその考え方は提示され、その後ツイッターの普及で、「会話者」というテクノグラフが追加された「ソーシャルテクノグラフィックス」の日本版の調査を実施したといえば、分かりやすいだろうか。

基本的に消費者のソーシャルメディア活用度を評価するための指標をつくるために設計されている。
ソーシャルメディアアクティビティプロファイル=略して『SMAP』 は果たして国民的指標になれるかどうかは分からないが、こうした調査によって、ソーシャルメディアの基点をおいたトリプルメディア戦略を構築する際のプランニングの指針にはなる。

対象の商品カテゴリーやブランドにおいて、そのターゲットとなる層が、ソーシャルメディアとの付き合い方がどの程度なのかを知っておくのは重要だろう。
例えば、「動画を撮ってアップロードしてね。」みたいな仕掛けをしたとして、そもそもそのブランドのターゲットがそこまでのリテラシーやソーシャルメディアへの態度が、コナれていないのに、アイディアだけでプランニングしても結果はついてこないだろう。
自社ブランドのターゲット層でのSMAPを把握することはたいへん重要になってくる。

基本、ソーシャルメディアの活用度に応じて7グループに分けている。

「創造」、「批評」、「会話」、「収集」、「加入」、「観察」、「不参加」の7グループである。

受発信の積極度に応じたグループ分けになる。

もちろんこれらのグループを性年齢別にみることができるが、特定の商品カテゴリーへの関与度別にも見ることができる。

このデータを使って、

・ソーシャルメディアの有効性を判断する材料にする。

・ソーシャルメディアの活用方法を判断する材料にする。

・実際のプランニングの材料にする。

という活用方法が考えられる。

まずは、アドテック東京での「ADK×ADKインタラクティブ」セミナーで、このデータの説明を受けると良いと思う。


「批判する理屈」

15 years 2ヶ月 ago

 テレビでも一部のコメンテーターは、異常さに気がついて発言しているようだが(鳥越さんや、江川さんも)、日本のマスメディアの小沢一郎嫌いは限度がないようだ。私は別に小沢一郎氏の支持者ではないが、どう考えても、原理原則を無視した「好き嫌い」をベースにした「理屈」にならない「理屈」で批判(というか攻撃)を展開し、「市民感覚」という感情的な、成熟した見識とはほど遠い稚拙な感覚で、ひとりの政治家の政治生命を絶とうとしている。
 立件できなくても、検察が捜査することでイメージを植えつけ、次に検察審査会でまた起訴まで持ち込む。誰かのシナリオなのだろう。確かに小沢さんには敵が多すぎるようだ。
 
誤解を恐れずに言うと、金にきれいで無能な政治家と、少し怪しくても国益と国民の生命財産を危険にさらすことのない政治家のどちかを選択するかということだ。
「清濁併せ呑む」ことをしないと、一番不利益を被るのは国民である。マスメディアは商売のネタとして見ているのであって、俯瞰して国民の利益を考えることはできないのだ。それを理解しないといけない。
 日本人のおおよそ6割くらいは、自分で考えることのできない、メディアの論調に流される人たちである。それでも少なくなった方だ。ずいぶんマスメディアの言うことを鵜呑みにしない見識の持ち主は増えた。こうした人たちは、まずマスメディアの批判する理屈に疑念を持ち始めたからこそ、鵜呑みにしないのだ。無茶苦茶な理由で、メディアが批判というより攻撃することに、眉を顰めている国民は多い。今や日本人の民度は非常に高いレベルにある。マスメディアの言うことで世論がすべて動くということは、もはやない。それをしっかり理解して、しっかりした見識をもった批評(評価と批判)を展開しないと、視聴者も読者もいっきに離れるだろう。
 見識で上をいくミドルメディアがネット上にもう存在しているのを忘れてはいけない。

テレビは「涙」の大安売り

15 years 2ヶ月 ago

休日でないと、じっくりテレビを観る機会がないだけに、広告に携わる者として、ベムも時間があれば、できるだけテレビを観る。

さて、テレビを観ると、ドキュメンタリーでも、ドラマでも、はたまたバラエティ番組でも、スポーツでも、悲しいといい、嬉しいといい、人前で涙を見せることが大流行だ。

よく「歳をとって涙もろくなった」というが、今の日本人は老若男女感傷的になりたくて「涙」を見せるようになっている。私の親父の時代の人は、まずもって人に涙を見せるということはなかった。私も終ぞ親父の涙を見たことがなかった。

日本人は昔より、格段に人に優しく、寛容になったのか、それとも自分に優しく寛容になったのか。感情を抑えて、人に見せない美学に、心動かされることもあったはずだが・・・。

テレビはエモーションを伝えるメディアとしては、ものすごい力がある。しかしそうも今のテレビには簡単に「涙」が溢れすぎている。大安売りに過ぎると、だんだん白ける。

まあ、それぞれの受けとめ方に過ぎないが・・・。

特捜検察の証拠捏造とヘタレ外交

15 years 2ヶ月 ago

 大阪地検特捜部の証拠捏造事件は、問題の検事個人の事件と考える人は少ないだろう。特捜という自ら事件を探し、捜査、立件(起訴)、公判を維持し容疑者を有罪に持ち込むまでをすべてひとつの機関が行なうという仕組みそのものに問題があることがよく分かった。事件を見つけて、誰かを有罪にしないと「ただ飯を喰っている」と云われるわけだ。「国策捜査」と批判される要素も、この仕組みだといくらでも恣意的な捜査ができることにある。逮捕イコール起訴という仕組みはそういうことなのだ。
 今回物的証拠の捏造ということで、大きな問題があったが、今までも証言、つまり調書の捏造はいくらもあったことは正面化していた。これは別に特捜に限らない。
 
 特捜という恣意的な捜査が行なわれる可能性のある仕組みで、ある意味小沢一郎氏は捜査対象になり、一連の報道で彼に印象づけられたものは、明らかに今回の代表選でも小沢氏の足を引っ張った。小沢一郎氏に権力をもたせたくない勢力は確実にいるはずで、そうした勢力が検察と利害を一致させた可能性もなくはない。そこにはジャーナリズムも少なからず加担している(または結果加担させられている)。

 日本の検察が、無実の人を、証拠を捏造までして犯罪者にしようとする一方で、日本領海内の犯罪を実に中途半端に起訴もできずに釈放させられてしまう。誰が考えても、民主党政権が検察現場に責任を押し付けた今回の事案も、大阪地検特捜部の件で検察がピンチな状況なのが原因で責任を押し付けられたと見られても仕方ないだろう。何が「日本の国内法に基づいて、粛々と」だ。今の民主党政権の首相、外相、官房長官、党幹事長には、まるで外交音痴(交渉相手のパイプもなく、恫喝されるままというバカ丸出しの)であることだけでなく、逮捕するからには腹を括ってやるという国家の為政者としての覚悟すらない。

 さて、小沢一郎氏の政権だったら、今回どうしただろうと思う人も少なくないだろう。特捜が仕掛けて、小沢氏を起訴できなくても目的は十分果たした。そして、あまりに杜撰なひとりの検察官のせいで、露呈した特捜検察の闇。
 特捜の証拠捏造事件と尖閣列島での日本の失態は、原因と結果が連続しているといえないだろうか。

デジタルコンサルティングパートナーズ

15 years 2ヶ月 ago

 デジタルマーケティングの業界では著名なメンバーが集まってパートナーズと言うかたちのネットワークを組んだ。詳細は下記URLでご確認を・・・。

http://www.dc-partners.jp/

今はいろんな意味で過渡期、次世代マーケティングに対応できるのも会社や部署ではなく、まだまだ「人」である。「どこに頼むか」ではなく、「誰に頼むか。」
 そういう意味で、名前の立ったコンサルタントがネットワーク組んで、共同プロジェクトや企業別のカスタムメイドなチームを組むという試みは「アリ」だと思う。
 

 ちなみにリリース文を下記に掲載しておく。

 デジタルコンサルティングパートナーズ発足に関して

この度、デジタルマーケティング業界の有力なコンサルタント12名が、サポーター1名を加え、パートナーズという形でネットワークを組むに至りましたので、お知らせいたします。発足は2010年9月15日です。ネットワークの名称は、「デジタルコンサルティングパートナーズ」です。12名のコンサルタントは、それぞれの企業・フィールドで活動しておりますが、全員が、ますます「デジタルシフト」していく次世代マーケティングに対応して、企業戦略、組織戦略、マーケティング、コミュニケーション、人材育成など多方面から、本格的かつプレミアムなコンサルティングサービスを提供しようという理念を共有しております。その実現のために、このたび企業の枠をこえたネットワークを形成することに合意いたしました。(*コンサルタントおよびパートナーの個別プロフィールは別紙をご参照ください)
「デジタルコンサルティングパートナーズ」は、個々のコンサルタントによる対応だけでなく、パートナーズ全員による共同プロジェクトや、最適なコンサルタントをチーム編成するなど、企業へのコンサルサービスを提供するほか、経営幹部向けセミナーや、書籍や電子書籍の出版などの活動を行なっていきます。

◆パートナーズ

横山 隆治         (株)デジタルインテリジェンス 取締役会長兼チーフコンサルタント
                (株)ADKインタラクティブ代表取締役社長
高広 伯彦         スケダチ 高広伯彦事務所 代表

真野 英明         日本インタラクティブマーケティング(株) 代表取締役社長

橘   守          (株)エクスペリエンス 代表取締役社長

遠藤 直紀         (株)beBit 代表取締役社長

渡辺 春樹         (株)beBit 広報宣伝部長

厚川 欣也         (株)デジタルマーケティング代表取締役社長

田中 義啓         タウマーケティングコンサルタンツ(株)代表取締役

平塚 元明         株式会社平塚元明事務所 代表取締役

海老根 智仁        (株)オプト 取締役会長  (株)モブキャスト 取締役

山本 直人      マーケティング/人材育成プランナー 
             青山学院大学経営学部マーケティング学科兼任講師

徳力 基彦      アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 代表取締役社長

◆ サポーター

岸本 義之     ブーズ&カンパニー(株) リーダーシップカンパニー

お問い合わせは、下記へ
info@dc-partners.jp

ADKインタラクティブのセミナー モバイルの現在と未来

15 years 3ヶ月 ago

モバイルのアドネットワークの仕組みと自ら開発したり、コンテンツプロバイダーとしても経験が豊富な河野氏がADKインタラクティブにジョインして、広告主向けのセミナーで講師をする。

テーマは
「ポイントから読み解くモバイルの現在と未来」

近年、我々に馴染みの深い「ガラケー」に代わり、「スマートフォン」の台頭がニュースになる中で、
現実の正しい理解と少し先の未来を予測することが難しくなりつつあります。
携帯電話がインターネット端末となって10余年、
様々な進化を遂げてきた「ケータイ」に今年から異変が起ころうとしています。
今年を元年に何が起こる可能性があるのか、講師自らが体験したこの10年を軸に、
「スマートフォンって何?」から「国の通信施策」まで簡単に理解できる勉強会です。
未来を一緒に考える立場として、皆様のWeb戦略に寄与できれば幸いです。

とのことで、申し込みは下記URLから

https://www.adk-i.jp/resources/seminar_top.php

テレビの復権

15 years 4ヶ月 ago

 読売ADレポート「OJO(オッホ)」の今月号の山本直人さんのコラム「マーケティングの新レシピ」の内容に触発されて、テレビに関するエントリーをひとつ。

 博報堂DYメディアパートナーズさんの「メディア定点調査2010」のデータから、テレビの接触時間が特に女性層で増えていること、地上波デジタル放送の利用経験率が、2006年にはまだ17.0%に過ぎなかったものが、2009年に57.1%、2010年には73.8%とここに来て急速に伸びていることから、大型画面、デジタル高画質、BSデジタルでの多チャンネル化が、視聴時間を伸ばしているとしている。
 実際、ブラウン管から、液晶やプラズマの大型画面とデジタル高精細画像によって、テレビ視聴の価値はかなり上がったのではないかと考える向きもある。またBSデジタルを中心にミドルゾーンの視聴量のコンテンツでも高画質で観られるチャンスが増えた。
 全体としてはテレビメディアにとって非常によい環境になってきた訳だ。このところの広告需要の悪化や、インターネットに押されて守勢一辺倒だった感はぬぐえないが、そろそろ王者の復権の時期かもしれない。
 しかし、その復権の仕方は、従来どおりの広告枠の需要がまた高くなるというような単純なことではないだろう。おそらく需要はミドルエンドな領域で拡大するのではないだろうか。BSデジタルをはじめとする多チャンネル化のなかで、コアな視聴者に比較的じっくり訴求したい広告主ニーズに合った、番組コンテンツや長尺CM、ネットのソーシャルメディアと連動の効いた仕掛けと仕組みが、試されるのだと思う。云ってみれば、ネットやモバイルと対等な関係になれるテレビこそが、テレビの復調を支えることになるのだと思う。
 
 地上波の「とにかく短期に世帯視聴率を獲らないといけない縛りの中での番組企画編成」、15秒CMフォーマットでしかほとんど訴求できない枠組み、とはちょっと違う比較的フレキシブルなBSデジタルあたりから、テレビの新しい使い方が発見できるという感覚をもつ。
 逆に、地上波の方は今後視聴率の価値をどう測るかが課題になるだろう。広告主によって評価軸は変わってくるだろうが、1%はどんな視聴も同じ価値とする量り売りには馴染まない視聴の質を大事にする広告主が確実に増える。テレビ出稿のネットへのサウンドの仕方(響き方)をつぶさにトラッキングすると、視聴の質は見えてくるはずだ。
 また、番組の作り手が、どれだけ本当の視聴者主導のマインドを獲得できるかがテーマだ。タイムシフトなんてのは当たり前だ。従来の送り手の上から目線を完全に脱却した番組制作者がテレビを変えるだろう。

 ブランドメッセージをプッシュする力として、これからも他の追随を許さないテレビ。この力を本当にうまく利用するのは、デジタル、ソーシャルメディアの知見を持ち、トリプルメディア構造を上手に使う広告主に限定されるかもしれない。そのときの真の番組プロデューサーはおそらく広告主自身でなければならない。

インターネットを始めてかれこれ17年  ~その前を含め30年のPCとのつきあい~

15 years 4ヶ月 ago

 ベムがインターネットを始めたのは確か93年ごろで、伊藤穣一君に勧められて、当時彼が日本の代表をしていた最初のインターネットプロバイダーPSInetの会員になった。そのころはまだ、ブラウザというものはなく、カメレオンというインターネットキットには、メール、ニューズグループ、ゴーファーといったソフトがあった。私はニューズグループで、ネット上にあるmidiファイルを収集しては、ライブラリーをつくったりしていた。

 私のコンピュータとの出会いは、学生のころのフォートランで、言語間の「距離と方向」を多変量解析をかけてプロットするのに使っていたと記憶している。その後、入社した広告会社でSORD(ソード)という会社を担当していたため、漢字PIPSと呼ばれた、今でいうと表計算ソフトを使って、TVスポットのスケジュール表なんかをつくっていた。(今でも某広告会社のスケジュール表フォーマットは私がつくった大手ビール会社さん用である。)このころ私の会社が三浦海岸で市民マラソンイベントの運営をしていて、3000人からのランナーが走るなか、その日のうちに順位とタイムが印字された賞状を渡すことができる仕組みを、ソードのPIPSを使って実施していた。入社直前のアルバイト時代から何年か携わったのだが、当時今のヤフー井上社長もSORDの技術者としてこのイベントに関わっていらした。以前井上さんと会食した折に、その話をしたら、「海岸で一生懸命バグ直しをいたんで、顔を合わせていたんでしょうね。」という話になった。
 その後、MS-DOSの時代になって、日本にはなかったプレゼンテーションソフト「ハーバードグラフィックス」(スライドショーが格好良くて)を使いたくて、DOS-V機を買ってしまった。回りはNECの98が全盛期のころで、みんな98で企画書を書いていた。当時ラオックスコンピュータ館の4Fが全フロアソフト売り場だったが、9割が98ソフトでマックが棚4~5くらい、DOS-Vは棚半分もなかった。世界中に何万本もソフトがあるからという文句に騙された。
 そうしているうちに、インターネットに出会う。実はパソコン通信をしないで、インターネットを始めた。非常に稀有な例のPC体験ではないかと思う。

 そして、今年iPadを手にして、思うことがある。私の30年に及ぶコンピュータとのつき合いは、実に試行錯誤と苦労の連続で、基本誰もしっかり体系的に教えてくれないし、せっかく誰よりも早く始めても、機能を使いこなすのは皆後から始めた若い人たちだし・・・という具合。結局本当のところはパソコンに馴染めない。結局いろんなことを強いられる訳で、使っているのか、使われているのか分からない何か化け物のような存在だ。

しかしiPadはどうだろう。途中でボタン押して閉じちゃえば、イライラしないし、ユーザーインターフェイスがここまで使う側にフレンドリーなのは初めてだ。今年80歳の私の母は今、私があげたiPadで「文字が読みやすい」と文庫シリーズを読んでいる。また子供たちに持たせると、本当に楽しく使いこなすようだ。

 今、私のiPadはベッドに転がっていることが多い。仕事にも使うが、寝る前にYoutubeでロックギタリストの演奏を観ることが多い。
 この夏は、irigというiPhoneやiPadをアンプとエフェクター代わりにしてギターが演奏できるツールが発売されるので、予約して今から使うのを楽しみにしている。
 
 インターネットはパソコンに繋がって始まった。今は携帯電話に繋がっていて、もうじきテレビに繋がる。今後は冷蔵庫や楽器や住宅そのものに繋がるだろうし、ウエラブルなもの(たとえば時計やメガネ)にも繋がるだろう。私は日本経済を画期的に再興させる技術はウエラブルな自動翻訳(通訳)機ではないか(ツールの力で日本人がみんな英語でコミュニケーションがとれる状況)と思っている。
 パソコンはその汎用性のために、ユーザーにとって中途半端にブラックボックスなもので、ある程度はプログラムやHTMLみたいな言語に精通する方がより活用できた。テレビはどうして動画が映るか全く理解する必要はないが、iPadはほぼそんなツールだ。
 理系でもないし、技術者でもない私のPCと向き合う歴史は、今年から劇的に変わるような気がする。とにかくすごくいい事だ。

社会の箍(タガ)

15 years 4ヶ月 ago

 自分の親を弔いもせずに、死んだことも役所に届けない。もらえる年金が貰えなくなるからという悲しい理由と、こういうことさえ面倒になってしまう無気力。今世紀になってからの日本で露呈し出した社会の「だらしなさ」(社会保険庁なんかに象徴される)にひどく滅入る思いをしている人は多いだろう。そしてひとつ間違えば、あまり他人事でない感覚も共有しているかもしれない。
いろんな見方があるだろうが、基本はやはり「社会の箍が外れてしまっている」としかいいようがない。みな自由や個人主義を求めてきて、「うっとうしい」と感じていたものがなくなることの代償は大きいようだ。「長寿国のデータは嘘かもしれない。」「子供が虐待されていても押し入ることもできないで命を守れない。」という情けない状況はその一端に過ぎない。「社会の箍が緩む」ことで、噴出してきたものは、思いがけない現象である。
それは日本人の精神面に大きな影響を与えているように思う。潜在的に持っている病症が、箍が緩むことで病気となり、障害となって多くの人を蝕むようになる。もちろん昔もそういうことはあったし、表面化していなかったと言えば、そういう面も少なからずあるだろうが、潜在的にあっても「箍がかかっている間」は発病しなかったのだと思う。
この高齢化、少子化、急速なメンタリティの変化は、人間の個体それぞれのDNAにプログラムされているように、ひとつの民族にもこうしたことが起きているようだ。
民族の繁栄に対して、衰退期には「民族のタナトス」のようなものが働くのかもしれない。しかし、日本のそれはあまりにも急速で対応が難しい。
日本人は、一回もっと枯れてしまった方がよいのかもしれない。そのほうが病気の進行も少し緩慢になって、ゆっくり打開策がとれる。または、元気をよその国から分けて貰うかだ。いろんな意味で移民政策が「肝」になってくる時代が迫っている。

 今、「ラテンに学ぶ幸せな生き方」という本を読んでいる。「幸福」はあくまで主観である。人と比較しない生き方や価値観は、学ぶことが多い。
 なくした「社会の箍」は、おそらくもう元には戻らない。とはいえ千何百年もの文化的歴史の延長にある日本人の持っている精神性があるのだから、それを土台に新しい価値観による新しいモラルを構築するしかない。

メディアはどうして1票の格差を論じないのか。

15 years 4ヶ月 ago

今回の参議院選挙でも、また1票の格差は拡がった。「民主党惨敗」とメディアは報じるが、実際には「1人区で惨敗」で、議席数と得票数は比例しない。
 最大5倍に拡がったこの格差は、到底容認できるものではない。しかしこれについてメディアはほとんど報じようとしない。
 たしかに都市部と地方の格差は問題である。しかし、1票の価値でその格差を埋めようというのはあり得ない。
普通の感覚では、格差は2倍以上あってはいけない。5倍なんていうのはとんでもないことで、これを放置する日本には本質的に民主主義が根付いているとは思えない。特にメディアがこれを報じないのは、根本的に地方の議員数偏重を容認したいのではないかと疑いたくなる。
政界にも議員数削減が議論されることが多くなったが、(これこそポピュリズムの極み)それが1票の格差を是正するためだという意見を聞いたことがない。
 都市部の投票率が低い原因のひとつには、自分たちの1票の価値が低いことにも起因しているようにも思う。
 選挙が終わったあとの「総括」として、このタイミングで1票の価値について検証しないのでは、ずっと改善されない。ここは、裁判所は思い切って、「無効」の判決を出して、まじめに是正させることを促す必要があるのではないか。

「足して2で割る政策」の愚と世論調査の愚

15 years 4ヶ月 ago

 民主党が社民、国民新党と連立したが故に、実に基本政策の方向性そのものが歪んでしまったのは、この10ヶ月間くらいのゴタツキでよく分かった。選挙用のよく考えていないマニュフェストと理念の違う連立の「ダブルパンチ」で、借金だけは確実に増えた。
 昨年の政権交代時に、これで半年から1年近く混乱は続くだろうと思っていたが、これほどとは想像できなかった。
 そもそも政党単位で、選挙による獲得議席をもとに多数党の政策が、約束されたように実行され、ダメならまた政権交代という、ごく自然なメカニズムをようやく手に入れたかに思ったが、そうは行かなかったようだ。多数党がないといこと(しかも参議院・・・本当に要るのか?)は、常に「足して2で割る政策」を強いられる。この時代に、ひとつの理念を元に、徹底した政策をスピーディに手を打つことが一番求められるのに・・・。
政治家をただただこき下ろすメディアといい、所詮その国の民度、国民のレベルでしか政治状況はつくれないのかと無力感すら漂うが、こればかりはあきらめる訳にはいかない。この国際競争社会で、気を抜いている間などない。こうしている間に日本も日本国民も経済的だけでなく大きな損失を被っている。

 実は得票数では負けていない民主党が、1人区でぼろ負けしたということは、またしても1票の格差はひどかったことを意味している。景気が悪くなってから、ますます都会と地方の格差は指摘されてきたが、こんな形で格差を埋めているのは正常ではない。選挙結果を単純得票数だけで見れば、国民の意志は違うところにあるのではないかと思える。
 一方で、世論調査での消費税に対する容認の度合いも、6割を超える国民が仕方ないとしている。こんなに多くの国民が税を容認する民主国家はまずない。それだけ、大人になっているところがある。(実は高い民度がある)にもかかわらず、マスメディアの世論調査のアウトプットの仕方は、実に程度が低い。小沢が好きとか嫌いとかいう極めてレベルの低いものだ。
 何か施策を打って、その結果が評価されて、支持率が上下するのは理解できる、しかし、菅さんの発言がぶれただ何だということが、そんなに支持に影響するとしたら、いったいその国民の政治意識はどの程度のものなのだろうか。まだ何にもやっていない人の評価なんかできる訳がない。菅さんに代わっただけで、V字回復するのも全く意味が分からないし、選挙演説で消費税の還付云々で発言がブレたと云って、また大幅に下がるのも、ばかばかしい。良識ある国民は、メディアが発表する世論調査ほど「我々はバカじゃない。」と思っているはずだ。ただ良識や知性に乏しく、メディアの雰囲気に流されるままの人も多いのも事実。考えが浅く、実は自分の意見そのものはない人たちが影響する世論調査結果に政治全体が方向を見失うのは、極めて不幸だ。

「国民が選択した状況」という変な解説

15 years 4ヶ月 ago

 参議院選挙によって、与党は参議院では過半数割れをおこし、衆議院でも3分の2まで達しないという本格的な「ねじれ」となった。
 こうした結果をもって、「国民はこうした状況を選択した」ということを言うテレビ解説者がいる。視聴者イコール選挙民(国民)だとして、実に国民におもねった「言い方」である。選挙結果をまるで「神の見えざる手」のごとく、高尚なる国民の「意志」と言いたいのだろうが、本当にそうだろうか。
 実際には比例代表の投票数は民主党の方が200数十万票多い。地方の一人区で大きく負けたとはいえ、全体の得票数では自民党の上をいっている状況を、「与野党しっかり話し合ってやりなさい」という国民の声の表れだというのは、どうにもへんちくりんな考えだ。
 少なくとも、良識ある国民は、今の政治状況が、国策においてスピーディに手を打つことが出来ているとは全く思っていない。官製不況を招いた法律改正(悪)も多く、修正すること、より改革を進めなければならないことばかりだ。
 ふたつの考え方があって、間をとって、足して2で割る政策が、良い結果を得るとは考えにくい。それより、しっかりした理念をもった政策の手を徹底してスピーディに打って、ダメなら次の手を打つことの方が、前進する。
 こうなったら、民主、自民の大連立もありだと思うが、(民主と社民が連立するより、まだ理念は共有できるはず)、こうした政局によって、やるべき政策の手を打てず後手後手に回っている状況を、「国民の選択」と言っているメディアはアンポンタンだ。
 競争社会である今は、日本は各国と競争している。社内でもめてばかりいてしっかり手をうてないので、競合会社に差をつけられている(昔業界1位になりかけたが今は凋落している)会社である。

 こんな状況、国民は期待などしていない。

「トリプルメディアの役割と消費者態度変容モデル」

15 years 4ヶ月 ago

 AISASモデルや、パーチェスファネルの考え方をもとに、「3つのメディアをどう機能させるのか」を考えてみると良いと思う。例えば、AISASのAにはP、O、Eのどのメディアを主に機能させていくか・・・という発想だ。
 おそらく、商品カテゴリーやブランドごとに違ってくるはずで、企業が持ってるブランドごとに、または今後開発したいブランドでの、3つのメディアの機能のさせ方を考えて、ブランドの集合としての企業トータルでは、どんなリソースを構築することが最も効果的かつ効率的かを考えるのが、企業単位での「トリプルメディア戦略」といえる。
 「ブランド認知」をソーシャルメディアの機能として託すやり方もある訳で、必ずしも、AISASの2つのSだけがソーシャルメディアの役割とは限らないし、認知だからペイド広告だと決め付ける必要もない。

 大企業で、長年コストをかけて、コミュニケーション資産を蓄えてきたブランドは、ただでさえ既に認知され関心の対象になりやすいのだから、ソーシャルメディアでの話題の対象になりやすい。コミュニケーション資産の大きいブランドこそ、ソーシャルメディアを活用しないと「もったいない」とも云える。ただ、それは何かソーシャルメディアに発信するというこばかりではなく、「ひたすら聴く」ということもソーシャルメディアを活用したマーケティングである。「聴く」ために「ちょっとした静かな投げかけ」をして、「聴き取る」ことも手法だろう。この辺は今後もっと鍛えられていくであろうスキルだ。

 ひとつ大切なのは、3つのメディアはマーケティングの時間軸が違うことだ。自社メディアや、ソーシャルメディアは、従来の広告キャンペーンより中長期で育てる必要があって、もしかすると単年度予算管理では難しいマーケティングメディアだ。3つを連携させるには、そのぞれの扱い方の違いをしっかり認識することだろう。

『研修講義をUstreamで中継してみました。』の巻

15 years 5ヶ月 ago

ベムがやっている「社内研修」(毎週実施)を、ツイッターで時々ご希望が来るので、Uストリームで流してみました。映像・音声が切れちゃう人がいたり、まだまだ難しい面もありますが、こればっかりはやってみないと分からないので・・・。

ちょうど、カメラが数台あって切り替えられたり、PC画面そのものを流せる状況にあったので、講演をストリーミングするには、比較的良い環境でした。

手元にiPadを置いて、ハッシュタグに寄せられる質問に、数問お答えしましたが、Uストリームの画面だと、ツイートがどんどん送られてしまうので、ツイッターアプリから、ハッシュタグのみを追っかけていたほうが正解でした。
そもそも、ipadで見ても、フラッシュストリーミングなので、Ustの映像は見れないので・・・。

次回はもっと、手際良くやりましょう!

デジタル人材の育成は、オープンにやって、代わりに教えてもらうことも多いはず。出来るだけ公開の機会は増やそうと思います。

博報堂さんの「デジタルスクール」でも、出向いてもいいですよ。

確認済み
1 時間 26 分 ago
業界人間ベム フィード を購読

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る