テレビの復権 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2010年8月10日(火) 08:34
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 読売ADレポート「OJO(オッホ)」の今月号の山本直人さんのコラム「マーケティングの新レシピ」の内容に触発されて、テレビに関するエントリーをひとつ。

 博報堂DYメディアパートナーズさんの「メディア定点調査2010」のデータから、テレビの接触時間が特に女性層で増えていること、地上波デジタル放送の利用経験率が、2006年にはまだ17.0%に過ぎなかったものが、2009年に57.1%、2010年には73.8%とここに来て急速に伸びていることから、大型画面、デジタル高画質、BSデジタルでの多チャンネル化が、視聴時間を伸ばしているとしている。
 実際、ブラウン管から、液晶やプラズマの大型画面とデジタル高精細画像によって、テレビ視聴の価値はかなり上がったのではないかと考える向きもある。またBSデジタルを中心にミドルゾーンの視聴量のコンテンツでも高画質で観られるチャンスが増えた。
 全体としてはテレビメディアにとって非常によい環境になってきた訳だ。このところの広告需要の悪化や、インターネットに押されて守勢一辺倒だった感はぬぐえないが、そろそろ王者の復権の時期かもしれない。
 しかし、その復権の仕方は、従来どおりの広告枠の需要がまた高くなるというような単純なことではないだろう。おそらく需要はミドルエンドな領域で拡大するのではないだろうか。BSデジタルをはじめとする多チャンネル化のなかで、コアな視聴者に比較的じっくり訴求したい広告主ニーズに合った、番組コンテンツや長尺CM、ネットのソーシャルメディアと連動の効いた仕掛けと仕組みが、試されるのだと思う。云ってみれば、ネットやモバイルと対等な関係になれるテレビこそが、テレビの復調を支えることになるのだと思う。
 
 地上波の「とにかく短期に世帯視聴率を獲らないといけない縛りの中での番組企画編成」、15秒CMフォーマットでしかほとんど訴求できない枠組み、とはちょっと違う比較的フレキシブルなBSデジタルあたりから、テレビの新しい使い方が発見できるという感覚をもつ。
 逆に、地上波の方は今後視聴率の価値をどう測るかが課題になるだろう。広告主によって評価軸は変わってくるだろうが、1%はどんな視聴も同じ価値とする量り売りには馴染まない視聴の質を大事にする広告主が確実に増える。テレビ出稿のネットへのサウンドの仕方(響き方)をつぶさにトラッキングすると、視聴の質は見えてくるはずだ。
 また、番組の作り手が、どれだけ本当の視聴者主導のマインドを獲得できるかがテーマだ。タイムシフトなんてのは当たり前だ。従来の送り手の上から目線を完全に脱却した番組制作者がテレビを変えるだろう。

 ブランドメッセージをプッシュする力として、これからも他の追随を許さないテレビ。この力を本当にうまく利用するのは、デジタル、ソーシャルメディアの知見を持ち、トリプルメディア構造を上手に使う広告主に限定されるかもしれない。そのときの真の番組プロデューサーはおそらく広告主自身でなければならない。

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