15 years 8ヶ月 ago
日本の広告会社は、「クライアントのために様々なソリューションを提供します。」と云いつつも、一方でメディアのセルサイドの立場(例えばメディアの枠を買い切っている)もあることが、広告主をしてこれを訝しく思わせている。
私はネット広告の仕組み(アドサーバーによって、コンテンツ配信と広告配信が分離された)によって画期的なことが起こったと思っている。それは、広告を従来よりはるかにバイイングサイドの理屈で実行できる環境になったということである。確かに広告の掲載面としてメディアのスペースを利用するのだが、配信対象はあくまで広告主が配信したいユーザー(ブラウザ)であって、特定の掲載面ではない。インターネットの場合、ひとつのメディア、ビークルそのものに広告価値があるのではなく、それらのユーザーに価値がある。メディアのもつコンテンツの価値はどれだけマーケティング価値のあるユーザーの視聴を獲得できるかという点に収斂する。
広告主にとって、買っているメディアの価値は、ROIを算出して測ることになる、これは当然である。しかしメディア側からすれば、それはAという広告主にとっての価値であって、それがすべてではない。だから、日本でも欧米のようなアドエクスチャンジが成立して、「売りたい価格」と「買いたい価格」で市場が形成されることで適正価格となるだろう。
そうなって行くと、広告会社は、どちらをレップするか明確にスタンスを問われることになるだろう。ネット広告もメディア、アドネットワークまではセルサイド、真ん中にアドエクスチェンジがあって、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)などのROI最適化のための第三者配信システムなどはバイサイドということになる。この構造はそのうちネット広告だけのものだけではなくなるだろう。
メディアバイイングはクライアントに提供するソリューションのひとつである。決して別々ものではない。ただメディアセリングになるとソリューションとの整合性を欠く可能性はある。これからは、セルサイド自身のメディアが、もっとクライアントのソリューションの一環になることを意識することが重要だ。そのためにメディア同士が連携して、相互のソリューション力を高める努力も必要だろう。
15 years 8ヶ月 ago
15 years 8ヶ月 ago

先日、eyeblaster社の説明会に参加した。彼らのプレゼンテーションの中にあった「コンバージョンパス分析」が面白い。コンバージョンに至ったブラウザを分析するのだが、last AdsとEntire path によるROIを掲載メディア別に比較している。
Entire Path というのは、同一広告主の同一キャンペーンをひとつのブラウザが受けた広告配信を全体で捉えているものだ。コンバージョンに至ったブラウザが、直前の流入要因となった広告(=最後の広告)と、一連の広告接触全体でみた場合のROIとの比較をしているのだが、直前流入に強い媒体とトータルに効果を発揮する媒体があることが分かる。
Last Ads は文字通り、コンバージョンした流入の直前の広告で、entire path とは経路全体で見たときに経路の中にその媒体が入っているかどうかでカウントしているようだ。
最近、間接効果という言い方とする場合が多いが、これは決して間接的な効果ではない。コンバージョンに至った直前の広告か、その前に接触した広告効果が顕在化したかであるので、直接間接という概念ではない。
アメリカでディスプレイ広告の効果が再認識されている。広告本来の広告を改めて、ネット広告におけるトラッキング技術で再定義しているようなものだ。
15 years 8ヶ月 ago
米国のビデオエッグという会社が、コムスコアに調査を依頼して、広告効果にもたらす影響をレポートした。
http://www.videoegg.com/videoegg-and-comscore-conduct-first-large-scale-research-project-to-accurately-determine-the-interplay-of-ad-units-engagement-and-environment/
下記に翻訳していただいた。T・Tさん感謝です。
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2010年3月17日サンフランシスコにて開催されたOMMA Globalより
エンゲージメント広告ネットワークのVideoEggは本日、ビデオリッチメディア広告枠の付随ブランド価値と広告パフォーマンスがどのように環境から影響を受けるのかを解説するための初となる大規模なリサーチプロジェクトの結果を発表した。VideoEggはデジタル世界のリサーチにおいてリーダー的存在であるcomScoreとのコラボレーションによりリサーチを行い、現在アライアンス社・ドリトス社・GE社・現代グループ・telus社・東芝など業界を越えた6つの大企業と契約をしている。
comScore副社長のレスリー・リトンは以下のように述べた。“行動マトリックス、ブランド向上とブランド影響の解析のために大量のリサーチが行われているが、広告枠、エンゲージメント、異なるオンライン環境とうい3つの相互作用については現在限られた理解しかされていない状態にある。環境とWEB上の競合激しい広告を慎重にコントロールすることにより、これらのスタディは一つの広告主にクリエイティブ枠の異なる影響力というユニークであるが確実な見識を示すことができる。全体的にみると、一般的なバナーに比べ、オンラインビデオ広告枠のもたらすブランド反応と認知が相当な利益を生む軌跡を目の当たりにしたことは非常に興味深い所であった。”
異なる環境がどのように広告枠のパフォーマンスに影響を及ぼすかというということを、ブランド名のサイトにおいて前後関係が多少あるサイトと一切関連ないサイトの2種類に分類し広告枠のパフォーマンス比較をするリサーチを行った。消費者にはブランド名のサイトに対して新密度が高く、サイトのデザイン測定においても優勢評価されている一方で、全体的にはエンゲージ広告枠のパフォーマンスにサイトの種類は影響を及ぼさないという結果が示された。
・ブランド名のサイトは好感度がより高い:平均的に、回答者はブランド名のサイトに4倍の親近感を感じており、これらのサイトはデザイン性・使いやすさ・信用において2倍高い評価がなされている。
・しかし…ビデオ広告枠のエンゲージは環境に影響する:ブランドサイトはより親近感を得ている事実にもかかわらず、広告主と広告枠のためにコントロールすると総合的なブランドサイトの価値向上には繋がらない。
インタースティシャル(スキマ)、VideoEgg AdFrames 枠、IAB規定バナーと比較し、異なる広告枠の影響とブランド向上のためのエンゲージメントに関してリサーチを見てみたところ、以下のようなことが分かった。
・AdFrames 枠は非常に優れたスタンダードバナーである:VideoEgg AdFrames 枠はBA規定バナーと比較すると純粋想起と助成想起を引き起こす2倍の効果が得られる。
・エンゲージメントは想起向上とブランド認知のカギである:AdFrame枠とインプレッションバナーのエンゲージを比較するとAdFrame枠は6倍高い獲得があることが第一の注目である。エンゲージャーのうち、助成想起は4倍に達する。広告主により図られた46の属性のうち、エンゲージャーにとってのポジティブブランド認知は上昇傾向にあった。6つの広告主において上位2つのブランド項目に関しては平均的に48%の上昇がみられる。
・エンゲージメントは購買検討や推薦の可能性も向上させる:AdFrameエンゲージャーの中では、平均的なブランド検討は23%の推薦の可能性は12%向上した。
・VideoEgg AdFrame枠はビデオインタースティシャルと融合し広告想起を最大化する:ビデオインタースティシャルは純粋想起と助成想起を合わせるとインプレッションバナー想起に比べて広告が2.5倍に向上した。後に、さらに深いエンゲージメントが可能である。
VideoEgg代表のトニー・ヨンは“我々はパイオニアCPEである。なぜならば我々は、エンゲージメントはブランドマトリックスを実際に左右すると信じているからである。今、我々は確信となる証拠得ることができた。“と述べている。“comScoreと提携することは、リッチメディア広告枠の関連ブランド価値の重要な開拓ができ、エンゲージメント戦略がどれほど重要かということを知ることができる。”ブランド向上の最大化を目指すブランド広告主にとって結果には重要な暗示があり、オンラインブランドエンゲージメントを最大限に利用するためクリエイティブサービス、広告プロダクト、リサーチを的確に調和させるという我々の目的は後に証明される。
メソロドロジー(方法論)
、VideoEggとcomScoreはリサーチに協力した14,000人の回答者に見て貰うサイト、コンテンツ・広告露出を慎重に操作し、異なるサイト環境とブランド向における広告枠の影響を正確に反映する結果とした。リサーチはcomScoreパネルから募集され、PCにてビデオ広告とオーディオを視聴できる環境にあるかスクリーニングを行ってから実施された。選ばれた者には他の広告露出が一貫PSA管理している環境で広告付のノンライブサイトを見せ、リサーチ側は与えられたサイトについてフィードバックを質問し、サイトのデザインやユーティリティに関してサイト認知やサイト来訪、サイト行動の数値化を行った。一度サイト詳細が確定するとリサーチ側は見た広告のパフォーマンスを評価するための質問を行った。
about VideoEgg Inc.
VideoEggはデジタル広告において一番多くのブラント顧客を持つエンゲージメントネットワークであり、集約ネットワーク、サービス、そしてオンラインブランド広告の中でも複雑な技術ソリューションを唯一のブランドに提供できる会社である。エンゲージメント向けに、ブランド広告主に必要なもの以上を与えている-業務-リサーチ・インサイト・広告商品開発・アドバンスドターゲティングデータ・セールス・パーッケージング・ブランドの安全確保-デジタルメディアをさらに明朗化、測定可能化、継続化させる計画である。9つのマーケットのオペレーションの成功例と共に、3つのグローバルオフィスを含め、VideoEggエンゲージメントネットワークはクオリティオンラインとモバイル環境で世界に名だたるブランドの多くにおいて1億グローバルユニークに達し、月10億のインプレッションを獲得することがでる。
2005年創設し、サンフランシスコを拠点として北米、イギリス、オートトラリアに支社展開し、個人的にオーガストキャピタル・ファーストラウンドキャピタル・マヴェロン・WPP・フォーカスベンチャーの資本融資を受けている。
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多分にこの会社のリッチメディアの効果をアピールする内容にはなっているが、掲載面より配信先(ブラウザ)だったり、表現力が重要との主張は今後もっとされるだろう。
こんな議論がでてくるのも、バイイングサイド主導のネット広告配信が主流の米国ならではか・・・。
15 years 8ヶ月 ago
ADKインタラクティブが広告主向けの無料セミナーを実施する。
企業のWebマーケティングの担当者の方は、やはり他社の実践事例などの情報が欲しいはず。またアクセス解析ツールなどの活用法なども情報を仕入れたいと思う。
今広告主企業はWeb研などを中心に、どんどん横に繋がって情報交換ができている。そこでは実際に広告会社は取り残されている。企業で実践している人には、実践しているが故の悩みや欲しい情報があるわけで、それに対して代理店の人間はまだまだ感度が鈍い。むしろ広告主企業のネットワークのなかで経験値をお互い交換しあって、実践に役立てるほうがいい。そんな場はいくつあっても良さそうだ。
https://www.adk-i.jp/resources/seminar.html
15 years 8ヶ月 ago
NHKだからこういう番組ができるというスケダチくんの意見も確かにもっともだけど、いやはや、ガッカリしたな。
1年前の「テレビのこれから」より議論が後退している。佐々木さんだけ見識が際立って、あとの人は全くトンチンカンだった。去年と違うのはツイッターで大量の視聴者が参加したことか。新聞協会や民放連という立場での参加は、むしろ気の毒でもある。「マスメディア側」ということにしたければ、論客を別途用意すべきだった。
15 years 8ヶ月 ago

電通の日本の広告費に関しては、先日のエントリーでも触れた。さてアメリカの状況はどうだったのだろうか。カンターメディアの調査データによると、
テレビ広告が9.5%のダウン、雑誌が17.4%ダウン、新聞が19.7%ダウン、ラジオが20.3%ダウン、アウトドアも13.2%ダウンとなっている。
そんななかでインターネットは(これはディスプレイ広告のカウントで)7.3%伸長しているとしている。
ただ第4四半期だけ見ると、マスメディアはいずれも復調してきている。逆にネットがちょっと減少に転じている。
いずれにしてもマス広告の市場シュリンクは、日本ばかりではないようだ。
15 years 8ヶ月 ago
15 years 8ヶ月 ago
今日で、大阪万博の開催日から40年経ったそうだ。
私は小学校6年生だったので、修学旅行で万博に行った。いつもの年は東京に修学旅行に行っていたものが、せっかくの万博ということで、大阪に行った。
一番記憶にあるのは、三菱未来館とみどり館というやつで、360度の大画面から蒸気機関車が迫ってくる映像が印象に残る、アメリカ館の「月の石」も観たはずだが、あまり記憶にない。尖がった塔のような屋根のソ連館と、桜の花びら型の日本館・・・とにかくでひとつでも多くのパビリオンを観ようと必死だった。
まだまだみんな貧乏だったから、人と比較する意味も意識もなく、みんな前を向いているから前を向いていようという感じの時代だ。別にあの時代が良かったとは思わない。ただ今はネガティブなことばかりがたいへん増幅されて伝わる時代で、気分というか空気感が違う。
15 years 8ヶ月 ago
ちょうど一年前のNHKスペシャル「テレビのこれから」については、このブログでも書いてみた。
あまりに「分かっていない」テレビマンの思い上がりにうんざりしたのを覚えている。今回はそれから1年、NHKがツィッターに番宣のバナーを出した。また番組でツイッターのアカウントをもって、「ハッシュタグ「#nhk_media0322」でつぶやきをお待ちしています。」という具合だ。
さて肝心なのは番組内容だ。1年前の「テレビのこれから」からどれだけ進んでいるのか。まだあの程度なのか。ゲストがちょっと・・・と思うが。
でも、ここは期待して観てみよう。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100322.html
15 years 9ヶ月 ago
よくソーシャルメディアを使ったマーケティング活動をマスマーケティングに対抗させた図式で捉えるむきがある。また低コストでマーケティング展開ができるのが強みだとする向きもある。全くの間違いではないが、「...
ベム
15 years 9ヶ月 ago
ヤフーの月間PVが少し減った。あまりツイッターを過大評価するわけではないが、このツールは本格的に登場した最初の完全デバイスフリーのツールで、最初からPCでの操作を前提にしていない。スマートフォンとの...
ベム
15 years 9ヶ月 ago
比較的反響が大きかったソーシャルメディアドットコムのAds2.0「広告2.0」の記事を翻訳してみた。 http://blog.socialmedia.com/ads-20-the-next-evolu...
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15 years 9ヶ月 ago
このブログは、妖怪人間ベムのキャラクター使用許諾を受けております。右下にマルCを入れておりますように・・・。私もこの業界で長年生きており、キャラクタービジネスの経験も多くあります。無断使用などは絶対に...
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15 years 9ヶ月 ago
ソーシャルメディア・ドットコムに掲載されたAds 2.0の定義が面白い。どうやらIABのアニュアルミーティングのパネルディスカッションで、ソーシャルメディアドットコムのセス・ゴールドシュタイン氏がモ...
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15 years 9ヶ月 ago
グリコがガムのCMに鉄腕アトムのキャラクターを使っている。顔のシェイプだけ使ったCMだが、商品パッケージにも使っている。「グリコがアトム?」というのが私の世代の率直な印象だ。 鉄腕アトムといえば、...
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15 years 9ヶ月 ago
従来日本にはなかった本格的なアドエクスチャンジが始動することになった。プレイヤーはヤフージャパンである。アドエクスチャンジとはネット広告のセリングサイドとバイイングサイドが、入札によって売り買いを成...
ベム
15 years 9ヶ月 ago
日曜日のテレビ画面に津波警報が常に流れた。今回はCM中もかなりのスペースで日本地図と警報、注意報発令されているの沿岸を示した。これは今までほとんどなかったことだと言える。 局ごとにレギュレーションがあ...
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15 years 9ヶ月 ago
今から17年前の93年にLAのハリウッドボウルでNHLの試合を観戦した。ロサンジェルスキングスとバンクーバーカナックスの試合で、当時ウエイン・グレツキーはまだ現役バリバリであった。その時は、事前に必ず...
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15 years 9ヶ月 ago
この時期になると、必ず話題になる電通発表の「日本の広告費」。今年はネット広告が新聞広告を越えて、テレビに次ぐ第2位になったことが注目された。 インターネット広告だけ、メディア費と制作費に分かれてい...
ベム
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