アプリマーケティングのPDCAをワンストップで実現するマーケティングソリューションYahoo! MOBILE INSIGHT
スマートフォン向けアプリのマーケティングを実践中の企業の多くが、次のような悩みを抱えている。
データ取得・分析はできてはいるものの、どうマーケティングに活かせばいいかわからない
Webマーケティングと同じようにアプリもデータ活用したいが手段がない
プロモーションの成果がなかなか出ない
アプリ向けのマーケティングに多くの予算を費やせない
アプリデベロッパーや広告代理店では、分析は行っているものの、それをマーケティングに活かしきれていないケースや、そもそもデータの取得や分析ができていないケースも多い。現在のアプリ市場は、データの取得や活用手段をはじめ、マーケティング環境が十分に整っているとはいえない状況だ。
現在のアプリ市場でヒットするアプリとなるかどうかは、広範囲に網を投げ、魚がかかればラッキーといった、半ば運任せの釣りに近い。ただその状況では限界があるだろう。実際に成功するためには、自社のアプリに興味あるユーザー、または既に利用しているユーザーの行動をしっかりと把握して、各ユーザーに向けて最適なマーケティング手法によってのアプローチが必要である。
この課題解決の助けとなるのが、今回紹介するアプリのマーケティングソリューション「Yahoo! MOBILE INSIGHT」(ヤフー・モバイル・インサイト)だ。
アプリマーケティングに必要なPDCAサイクルをワンストップで提供
Yahoo! MOBILE INSIGHTのコンセプトは、「ワンストップでPDCAを実現すること」だ。ターゲットは、アプリデベロッパーから広告代理店まで幅広い。
ストアからの自然流入やメディアまたはアプリ相互誘導などによる効果測定や分析、ユーザーのアプリ内での行動を分析して最適なプロモーションへ活用するなど、アプリマーケティングに必要なPDCAを実施できる一気通貫のマーケティングソリューションを目指して開発された。
分析レポートを活用した効率的なユーザーの獲得だけでなく、行動分析結果からユーザーセグメントを作成してプロモーションすることで既存ユーザーのLTV(顧客生涯価値)を高めるアプローチも可能だ。
なお、オープンプランとプライベートプランが用意されており、無償・有償およびデータ利用条件の違う2種類がある。
「トラッキング」「アナリティクス」「オーディエンス」の3機能で構成
2015年12月のリリース時点では、「トラッキング機能」と「アナリティクス機能」が提供されていたが、2016年5月に予定している「オーディエンス機能」が加わることで、さらにアプリにおいての最適なマーケティング手法を実践しやすくなるだろう。それぞれの機能の概要は以下のとおりだ。
- トラッキング(広告効果分析):
アプリ広告の出稿先からの流入・効果を測定し、最適なメディア選択やターゲティングなど、広告運用の改善を支援する機能。
日別・月別、獲得単価、LTVなどのKPIレポート、利用の継続度がわかるリテンションレポートなどがある。計測はメディアパートナーと連携しており、それぞれの成果を統合してレポーティングする。
- アナリティクス(ユーザー行動分析):
ユーザー属性や行動を把握し、アプリへの機能追加やキャンペーン計画などマーケティングプランの指標に役立てられる機能。
ユーザー属性分布、イベントレポート(カート追加・ログイン情報など)、コホート分析※などがある。
- オーディエンス(分析データ活用)※:
ユーザー属性やアナリティクスでの行動分析データをプロモーションに活用し、最適なマーケティングアプローチを強力に推進することができる。
分析レポートをもとに、休眠ユーザー層や購買したユーザー層など独自のセグメントを作成できるのが特徴。
根底にあるのは「日本のアプリマーケティングを変えていきたい」という思い
サービス責任者インタビュー
Yahoo! MOBILE INSIGHTの開発に至った経緯、コンセプト、注目点について、サービス責任者の和波豊氏に伺った。
―― Yahoo! MOBILE INSIGHTを提供することになった経緯を教えてください。
和波氏 2015年にYahoo!アプリインストール広告をリリースしましたが、アプリのマーケティング環境はまだまだ整ってないと感じています。
アプリデベロッパーや代理店さま側では、どのようなユーザーに対してプロモーションをかけたいのか、どのようなユーザーが実際のアプリを利用されているのか、把握しきれていないことが少なくありません。
また、現在のアプリにおけるマーケティングは、いかに安くユーザーを獲得するか、CPIという指標にフォーカスされがちですが、本質はそこではないと思っています。
アプリをインストールしたユーザーが、その後どれだけ長く使い続け、収益につながっているかどうかなどインストール後のユーザーの行動をしっかりと追ったうえで、それぞれのユーザー層に最適なアプローチをするべきです。
課金はしないが長く使ってくれているユーザー層と、課金を多くしてくれるユーザー層には、別のアプローチが必要です。しかし、それを実践するための環境が日本のアプリ市場では整っていません。
現在のアプリにおけるマーケティングは、いかに安くユーザーを獲得するかにフォーカスされがちだが、本質はそこではない
Webサイトなら、いろいろな分析ツールを使うことで、ユーザーの行動を把握できます。これまでに、さまざまな方法論が議論され、具体的なマーケティング手法も豊富にあります。ところがアプリになると、データは容易に取れないし、プロモーションにも活用できていないのが実態です。
Yahoo! MOBILE INSIGHTには、アプリのプロモーションをWebのプロモーションと同レベルにまで昇華させたいという思いも込められています。現状のままでは、業界全体が疲弊してしまうので、Yahoo! MOBILE INSIGHTによって効果を出せるマーケティング手法の選択肢を広げられればと思っています。
既存ユーザーの行動をしっかりと把握するための「トラッキング機能」と「アナリティクス機能」
―― 2015年12月のリリース時には、先にトラッキング機能とアナリティクス機能が提供されていましたが、それぞれどう活用できるのでしょうか。
和波氏 アプリ広告を出稿しても、アプリのターゲットユーザー層とターゲティング設定が合っていなければ、効果が出にくい場合があります。実際、現場を見ると、実態とずれているターゲティング設定が多くあります。
Yahoo! MOBILE INSIGHTのトラッキング機能とアクセス解析機能を活用することで、どのようなOSを使い、どのような地域、性別、年齢の人が使っているのかなどをしっかり把握しながら、次のアクションを考えることができます。
―― 5月から新たに追加される予定の「オーディエンス機能」では、何が可能になるのでしょうか。
和波氏 オーディエンス機能を使うと、たとえば、カートに商品を追加したものの、購入に至っていないユーザー層に対して、バナー広告やインフィード広告などを使って、さらに各ユーザー層に対して最適なアプローチで訴求をかけるようなアクションを起こせます。
こだわりは「オーディエンス機能」と「重複レポート」
―― Yahoo! MOBILE INSIGHT全体として、特にこだわった点はどこでしょうか?
和波氏 「オーディエンス機能」と「重複レポート」です。
他のツールに対する差別化ポイントは、やはり今回5月にリリースする予定のオーディエンス機能です。競合他社でも、トラッキングに特化しているものやアナリティクスに特化しているものはあります。さらにユーザーセグメントを同じデータ軸で作成できワンストップでPDCAを回せるマーケティングソリューションであるというのがYahoo! MOBILE INSIGHTの魅力です。
また、重複レポートでは、休眠ユーザー層や1万円以上課金しているユーザー層、商品の説明を見たユーザー層などを個別に抽出してプロモーションを実施するなど、各イベントとかけあわせて重複しているところを取り出し、複数の条件に重複したユーザー層にアプローチをすることができます。
このように、プロモーションを行いたいユーザー層にしっかりとフィットしたユーザーセグメントを作ることができるのが、Yahoo! MOBILE INSIGHTの売りです。Yahoo! JAPANのデータを掛け合わせて分析し、その結果を活用できるアプローチも、今後は検討していきたいと考えています。
ROASを達成する健全なアプローチを啓発していきたい
―― 今後の展望について教えてください。
和波氏 冒頭でもお話しましたが、アプリ市場のマーケティングにおいてはまだまだ安くユーザーを獲得するというマーケティング手法が広く行われています。
アプリマーケティングにおける本来あるべき姿、ROASを達成する健全なアプローチをYahoo! MOBILE INSIGHTを通じて推進していきたいですね。
※この記事の内容は、2016年4月現在の情報に基づいています(インタビュー部分は3月時点の内容)。
※本記事内の画面キャプチャーはイメージとなります。
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