【レポート】デジタルマーケターズサミット2025 Winter

年間447万円の広告費が無駄に!? 大手予備校・駿河台学園が実践した不正コンバージョンへのアドフラウド対策

アドフラウド対策を推進した駿河台学園と、セキュリティ・ソリューションを提供するチェク・ジャパンが、企業Webサイトの不正アクセス対策について解説。
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ある日、資料請求フォームに大量のボットが現れたら――。駿台予備学校などで知られる駿河台学園は、まさにこの状況に直面した。原因を調査したところ、一部に不正なアクセスが含まれていることが判明したが、セキュリティ対策を講じたことで影響は未然に防がれた。さらに、デジタル広告の詐欺で年間447万円もの損失の可能性があることが明らかになったが、適切な管理により不要なコストの発生を抑える取り組みを推進している。

デジタルマーケターズサミット 2025 Winter」に登壇した、同社の篠﨑氏と最新のセキュリティソリューションを提供するチェク(CHEQ)の佐々木氏が、当時の状況を振り返り、不正アクセス対策ソリューションの重要性について語った。

不正コンバージョンの脅威とアドフラウドの実態

かつては生徒が自然と集まっていた予備校業界だが、少子化が進むにつれ、従来の「待ちの姿勢」から「積極的な集客」へと戦略の転換を迫られている。現在は多くの予備校がWeb広告を活用し、ターゲットに応じたマーケティング施策を展開している。オンラインでの資料請求や入学説明会への申し込みを促すためのデジタル施策がますます重要になっている。

駿台予備学校を全国32校舎、専門学校を5校運営する学校法人駿河台学園でも、Web広告を活用したデジタルマーケティングを積極的に展開している。公式ホームページをリニューアルし、SEO対策やコンバージョンを意識したフォームの設計を強化。入学説明会への申し込みや資料請求のハードルを下げ、多くの見込み顧客を獲得していた。ターゲット層に合わせた広告運用も行い、適切なユーザーに情報を届けることを重視していた。

しかし、ある時からボットや不正ユーザーによるコンバージョンが目立つようになった。申込者の名前が不自然な英数字の羅列であったり、同じIPアドレスから短時間に連続して登録されたり、申し込み後に入学説明会に来場しないケースも相次いだ。

不正なコンバージョンは当初は見過ごしてしまうほどの件数だったが、徐々に増加した。特定の時間帯に1回あたり50件、1か月で100件以上発生しており、人的リソースや運用コストの負担が増大しただけでなく、虚偽のデータが登録されることでデータベースの正確性が損なわれていた。さらに、最悪のケースでは個人情報の流出など、企業の信頼を揺るがす問題へと発展する恐れもある。

正直、この状況はまずいと思った。大切なお客様のデータを安全に守り、管理するためには不正なアクセスを見逃せない。早急な対策の必要性を感じた(篠﨑氏)

学校法人駿河台学園 コーポレートPR部 課長 篠﨑淳氏
学校法人駿河台学園 コーポレートPR部 課長 篠﨑淳氏

篠﨑氏はまず、グループ内のシステム部門に相談した。連携して調査を進めたところ、海外からの不審なアクセスが多いことが判明した。危機感を覚え、広告代理店に相談したところ、紹介されたのがチェクの「無料セキュリティ診断」サービスだった。

チェクの無料不正トラフィック診断
チェクの無料セキュリティ診断(https://cheq.ai/ja/demo/

チェクの「無料セキュリティ診断」では、Webサイトにチェクのタグを設置することで、オーガニック、ダイレクト、広告経由からの不正トラフィックを2週間モニタリングし、可視化する。診断の結果、駿河台学園のWebサイトには想定以上の不正トラフィックが流入していた。短時間に50件以上の不正申し込みが行われるケースもあり、WAFや目視での社内対応だけでは限界があることが判明した。

これまで確かにセキュリティの対策は行っていたが、サーバーやネットワークのセキュリティ対策が中心であり、今回のようなクライアント側の攻撃には十分ではなかった。診断後のレポートを見て、ボットの検知と防御に特化した対策ツールを提供するチェクだからこそ検知できたのだと納得した。

明らかになった広告予算の損失

無料診断を通じて判明したもう1つの大きな問題が、広告主や広告代理店の予算を不正に搾取する「アドフラウド」だ。本来、新規顧客となり得るユーザーに広告を配信し、コンバージョンへとつなげることがWeb広告の目的だが、不正ユーザーに広告をクリックされることで、貴重な広告予算が無駄になっていることが明らかになったのだ。

アドフラウドの概要
アドフラウドの概要

駿河台学園では、調査期間中だけでも約29万円、年間に換算すると約447万円分もの広告費がボットによるクリックで消費されていた。潜在顧客にリーチするための広告費が不正なアクセスによって消費され、集客効果を大きく低下させていたのだ。一般的に、このような状況下ではクライアントから代理店に厳しい指摘が寄せられてもおかしくはない。しかし、駿河台学園は共に問題と向き合い、対策に取り組んでくれた代理店に対し、改めて信頼を深めた。

無料診断における駿河台学園の調査結果
無料セキュリティ診断における駿河台学園の調査結果

不正コンバージョンへの対策とチェク導入の決め手

この診断結果を受けて、駿河台学園では広告代理店を交えて対策の検討が進められた。内部だけで最新の攻撃手法に対応するには不十分と判断し、外部のソリューションを比較検討することとなった。チェクのほかにもう1社の無料診断を受けたが、最終的にチェクを選んだ理由は、世界規模でサイバーセキュリティ対策の実績がある点を評価したからだった。

チェク・ジャパンの佐々木氏は「診断を受けるお客さまはチェクのセキュリティ対策を評価してくださるが、一方でコストを懸念する声も多い」と話す。しかし駿河台学園は、アドフラウドによる被害額や、資料請求の発送コストなど、不正コンバージョンによる業務の負担を考慮すると、チェクの費用対効果は十分高いと判断した。

例えば、単純にツール費用とブロックした金額で算出する短期的なコストではなく、もっと重要視すべきは、海外からの攻撃に対して、どのようなツールを選ぶべきか、その精度はどうかという視点だ。そのためには、チェクのような、①国内だけではなく海外事例の豊富さ、②毎月900兆ほどのトラフィックを分析する実績とそれを生かした開発組織、③世界でも有数のセキュリティベンダーが顧客になっていることなどが決め手になった。駿河台学園としては、お預かりした個人情報を絶対にお守りしなければならないという確固たる信念があり、長期的な信頼性向上と業務効率化の観点から上記のような指標で評価し、チェクの導入が決定した。

ツール導入は、お客さまの信頼を守るための必要経費、投資すべき費用と捉えた。これは私だけでなく、上司や経営陣の考えでもある。目の前の被害だけでなく、将来起こりうるセキュリティのリスクを考えると、導入コストは決して高くないと判断した(篠﨑氏)

導入後の成果と今後のセキュリティ課題

チェク導入から半年が経過し、駿河台学園のWebサイトに不正コンバージョンは見られなくなった。資料請求フォームを悪用したボットや不正ユーザーによる申し込みは劇減し、業務の負担は大きく軽減したという。

チェクの技術によりサイトへのアクセスがブロックされ、資料請求ができなくなったことで、不正ユーザーがターゲットを他へ移した可能性がある。実際、導入後のデータでは、8件の不正コンバージョンをブロックし、オーガニックやダイレクト流入からの不正ユーザーの侵入も阻止されている。これにより、業務の無駄を省くだけでなく、顧客データの信頼性も向上し、より正確なマーケティング施策を実施できるようになった(佐々木氏)

チェク・ジャパン株式会社 デジタルセキュリティ戦略室 アカウントエグゼクティブ 佐々木俊道氏
チェク・ジャパン株式会社 デジタルセキュリティ戦略室 アカウントエグゼクティブ 佐々木俊道氏

アドフラウド対策によってWeb広告費の無駄も削減された。導入後、2か月で152万円分の広告予算を不正トラフィックから保護し、本来リーチすべき正規のユーザーに広告を届けることができるようになった。広告の効果が高まり、ROI(投資対効果)も向上した。また、不正トラフィックによる影響が減ったことで、コンバージョンデータの精度が向上し、マーケティング施策の最適化にも貢献している。

チェク導入後の効果
チェク導入後の効果

駿河台学園では、今後も不正トラフィック対策を強化しつつ、より精度の高いマーケティング戦略を展開していく方針だ。

マーケターである以上、Webサイトを改善してコンバージョンを増やしたり、Web広告を活用して見込み顧客を増やしたりすることに、これまで全力で取り組んできた。実際に成果も出て自信もついてきていた。

しかし、今回の不正アクセスやアドフラウドの被害を受け、立ち止まって検証することの大切さを学んだ。数字を伸ばすことは非常に大事だが、定期的に健康診断を受けるように、自社のデジタル環境をチェクさんで一度診断してみるのも良いと思う。弊校の事例を反面教師にしてもらえたら嬉しい(篠﨑氏)

不正アクセスからWebを守るソリューション

チェクはイスラエル国防軍の諜報部隊出身の技術者を中心に、2016年に設立された。現在、世界で15,000社以上の顧客を不正なトラフィックから守っている。

チェクが提供しているソリューションのうち、駿河台学園が導入したのはアドフラウド対策の「Acquisition」とオーガニックで流入する不正トラフィックをブロックする「Defend」の2つだ。他にも不正な登録から入力フォームを守る「Form Guard」やGA4、BIツール、CDPとの連携することでより詳細なトラフィック分析を実現するの「Analytics」など、6つのソリューションを提供している。

チェクのソリューション
チェクのソリューション

チェクの導入企業の中には、はじめは数件の不正コンバージョンだったものが、気づいたら数千件に膨れ上がり、慌てて対応に追われた企業もある。まずはセキュリティ診断で自社のWebサイトの状況を確認し、早期にセキュリティ対策を講じてほしい(佐々木氏)

用語集
BI / ROI / SEO / Webサイトセキュリティ / アドフラウド / コンバージョン / タグ / ボット / リーチ / 不正アクセス / 個人情報 / 広告代理店
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