SEOとスマホアプリの際どい関係。SEOのプロが説くアプリの悪影響・必要性・ROI、そしてビジネス判断
スマホアプリはSEOにどう影響するのでしょうか?
いまどきアプリはやっておくべきだとは思うのですが、万が一、検索トラフィックに悪い影響があれば事業上問題があります。どのように考えるべきでしょうか。
スマホアプリとWebサイトの両方を提供している会社は多いでしょう。その担当者にとって「スマホアプリ」と「Webサイト」の関係、特にアプリが検索流入に及ぼす影響が気になる方は多いのではないでしょうか。
グーグルがこの2つを連携させる仕様を次々と発表し話題になっていたこともありました。はたしていま、WebサイトのSEOとスマホアプリの関係はどうなっているのでしょうか。相乗効果を生むのでしょうか? それとも相殺関係?
新連載「JADEのSEOプロフェッショナル相談室」第1回は、スマホアプリのSEO影響を株式会社JADEの辻氏と中島氏に聞いた。
アプリはSEOに悪影響。その事実を把握しないと取り返しのつかないことに
中島: 「スマホアプリのSEOへの影響があるのか?」という質問に対して、SEOプロ集団であるJADEの考えをお伝えします。
結論から言うと、スマホアプリのSEOへの影響は、正直なところ良くないものだと考えています。言い方を変えると、アプリはSEOに悪影響があります。
辻: アプリを採用するかどうかは戦略レベルのことで、SEOへの影響だけで考えるのが正しいかは微妙ではあります。とはいえ、SEOの観点に限って言うと、明らかに悪影響の方が大きい点は必ず理解して、判断に含める必要がありますね。
その点に配慮せずにアプリを推進すると、大切なユーザー接点である検索で大きな痛手を受けてしまい、取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。
ふつうの人の判断
今の時代、アプリも当然やるべき。考える余地なんてない
SEOプロの判断
検索流入の観点ではアプリが悪影響を及ぼすことが多い点は留意する必要がある
編集部: 「ほぼ影響がない」ならわからないでもないですが、「悪影響」というのは、どういったことが理由でしょうか。
中島: その理由はいくつかありますが、大きなポイントは「インデックス」「ソーシャルシェア」「ユーザー行動」の3つですね。
1つ目は、インデックス。アプリの個別情報はインデックスされません(検索エンジンのデータベースに登録されないので、検索に影響しない)。インデックスされなければ検索流入にもサイトの評価にもつながらないわけで、当然ながら弱点です。
辻: というと「App Indexingがあるじゃないか」と言う方もいらっしゃるかもしれません。App Indexingは、その昔グーグルが提唱していたアプリのインデックスに関する機能で、これを実装すればランキングへのプラスの影響が期待されるものでした。しかしその後いろいろとあり、いまではほぼ使えない仕様になっています。実際にWebサイトの検索エンジンの評価に影響を与えることは、ほぼありません。
ふつうの人の判断
App Indexingがあるのでアプリのコンテンツもグーグルにインデックスされて検索に役立つ
SEOプロの判断
App Indexingはグーグルの気まぐれだった。今は検索エンジンの評価に影響は与えていない
中島: 2つ目は、ソーシャルシェア。アプリは多くの場合、ソーシャルメディアなどへのシェアがWebに比べるとされづらくなります。Web版とアプリ版で同じ情報を提供していても、相当の配慮をしないことにはアプリ版ではシェアをされづらくなります。
そうしたシェアの機会が減るということは、ソーシャルグラフを通じた認知の機会が減ります。結果としてSEOには重要なリンクを受ける機会を失うということで、SEO的にはネガティブだと考えます。
ふつうの人の判断
アプリをどんどん使ってもられればファンが増えていいよね
SEOプロの判断
しっかりと設計しないとアプリではソーシャルシェアを通じた認知の拡大とリンク獲得の機会を失う可能性が高い
編集部: ソーシャルメディアからのリンクはnofollowになっていてリンクジュースを渡さないので、SEOには関係ないのでは?
中島: ソーシャルメディア自体はnofollowでも、たとえばTwitterから関連するWebサービスに情報が転載されることもありますよね。そうしたリンクはnofollowではない場合もあります。
辻: 現実的には直接の効果がありますね。FacebookやInstagramなどほぼ効果が見えないソーシャルメディアもありますが、Twitterのように明確に効果が感じられるものもあります。
実際に、効果は確認できるシーンは次のようにさまざまな面であります:
- Twitterである程度言及された記事だけが明確に順位が伸びた
- 既存のコンテンツがTwitterだけで再燃したと思ったら順位も上がった
- ログを見るとTwitterだけで言及されたURLにすぐGooglebotが来た
余談ですが、明らかにほかとは違う評価が感じられるので過信はできません。たとえば次のような点です:
昔はTwitterのリンクも普通に評価されていた印象があるのですが、最近ではTwitterだけで話題になった記事は上位表示されても賞味期限が短い印象があります。
ある程度の価値がアカウントにないとツイートが検索に影響しない「アカウント単位での足切り」があるようですが、その足きりラインが上がっている印象もあります。
ただ、いま日本ではTwitterである程度話題にならないことには他のリンクにならないことが多いですよね。Twitterで発見されて別の形のリンクになるわけで、結局Twitterは避けて通れないです。やはりその機会は小さなモノでも逃したくないものです。
中島: 3つ目は、ユーザー行動の影響で、これは複雑な話です。
いま、グーグルは検索結果を作るうえでさまざまな形でユーザーの行動データを見ていると言われています。世界中のSEO界隈では「グーグルはさまざまなユーザーの行動データを収集したうえで、直接サイトやページの評価に使っている」という考えが優勢です。私たちもそう考えています。
グーグルがどんなデータをどう使っているかはいろいろな説があり、私たちもさまざまな実験・検証を続けています。しかし、そうした説のどれが正解だったとしてもアプリは価値になりづらいと判断しています。その理由は、「多くのアプリの行動データは、Webの行動データに比べて、グーグルが認識しづらい」ことです。
ふつうの人の判断
アプリならサクサク動くから、ロイヤルユーザーが使い込みやすくていいよね
SEOプロの判断
ロイヤルユーザーがアプリだけを使うと、グーグルが認識できる行動データが減り、検索評価にプラス効果を与えるシグナルが失われてしまう
編集部: たとえばどんなユーザー行動がありますか?
中島: SEOに影響するユーザー行動はいろいろと言われていますね。指名検索の数とか、検索結果のクリック数とか。実際に数年前まではこのあたりが順位への直接的な影響があるとしか思えない動きが多かったのですが、いまはもっと複雑になっています。
いずれにせよ、アプリユーザーはサイトの情報が欲しくても指名検索しませんよね。スマホからタップするだけなので、そうしたアプリ上での行動をグーグルは認識できません(少なくとも、日本でシェアの高いiPhoneでのユーザー行動に関しては)。
Webとアプリの両方でサービスを展開する際、多くの場合ではそのサービスを熱心に使うロイヤルユーザーがアプリを使いがちです。そうしたユーザーは、サービスを何度も再訪し、コンテンツを多く利用し、シェアも多くしてくれます。そうしたことをWeb上で行っていれば、グーグルがその行動をシグナルとして把握できます。しかし、それがすべてアプリで行われてしまうと、グーグルはそうしたユーザーの行動シグナルを把握できません。明らかにマイナスですね。
辻: 実際、私たちが関わるサービスでも複数の経験があります。
アプリ版を閉鎖するとWeb版のユーザーが増えます(もちろん積極的にWebに誘導しているのですが)。その結果、Web版に熱心なユーザーが一気に増え、先に言いました指名検索やリンクされる機会が増えますし、コンテンツの完読率や平均滞在時間など、ユーザー満足度を見るための指標が圧倒的に改善されることが多いのです。
その後に検索順位も伸びていく、という動きが多く見られますね。
SEOプロの視点
アプリがSEOに悪影響を与える3つのポイント:
- アプリの個別情報はインデックスされない
- アプリ版はリンクを受けにくい
- アプリの行動データはグーグルが認識しづらい
アプリがコストや工数に見合う価値を生み出せるのは、実際にはレア
編集部: アプリの良くないところの話ばかりなので、「アプリはやめた方がいいのでは?」という話になってしまいそうですね。
中島: もちろんアプリには大きな価値があり、次のようなことがあるのは事実です:
- アプリでしか提供できない価値
- アプリでしかできないマーケティング施策
ただ、「必要性がないのにアプリをやっている」企業が実際のところ多いのではないでしょうか。「本当にこのアプリが必要なのか?」と疑問に思うことが多々あります。
Web技術はどんどん進化しています。昔はWebでは提供できない体験をアプリで提供しているケースも多かったのですが、最近ではHTML5とブラウザが進化しています。ゲームなど一部を除けば、Web版でもアプリとほぼ同じ体験を提供できるようになっているのが事実です。
SEOプロの視点
必要性がないのにアプリをやっている企業が多い。
すでに、一部を除けばWebでもアプリと同様の体験を提供できるようになっている。
ですので、Webに比べるとアクイジションもリテンションも制作・運用もハードルの高いアプリを使うのならば、それなりの理由が必要です。
まず、アクイジションの部分。Webならばターゲット層のニーズに応えるコンテンツを適切なSEOとともに公開し、それにリスティング広告を組み合わせれば、大きなコストをかけずに継続的に集客できます。しかしアプリではそうはいきません。アプリの種類や内容にもよりますが、多くの場合は、インストールしてもらうには広告などで高いコストをかけ続けなければいけない場合が多いです。
SEOプロの視点
アプリを多くインストールしてもらうには広告の利用がほぼ必須になっている。
そして、リテンション。検索もシェアもされづらいアプリでは、せっかくインストールされたとしても、ユーザーに使い続けてもらうのはとても難しいことです。スマホのホーム画面にはLINEやメルカリなど大手アプリばかりで、アイコンを置き続けてもらうのは本当に敷居が高いのです。
たとえば、ニールセンの調査によると、月1回以上利用するアプリは1人あたり35個程度で、毎日利用しているアプリになると9個程度だそうです。それらのなかには、グーグルはもちろんTwitterやFacebook、PayPayなど大手の人気アプリを含んでいますので、残っている席はとても少ないはずです。その狭い席に座り続けるのが大変なのは想像に難くありません。
SEOプロの視点
インストールしてもらったアプリを使い続けてもらうには大きなハードルがある。
そして、アプリの制作・運用のコストも小さいものではありません。iPhoneシェアが高い日本では、アプリを出すとなると、基本的にiOSとAndroidの両方に対応しないといけません。海外のようにAndroidだけ対応というわけにはいかないのです。
アプリの内容や作り方にもよりますが、Webだけ運用するのに比べて、AndroidとiOSアプリを加えて運用するのは、工数は2倍以上になる場合も多いです。
SEOプロの視点
日本ではiPhoneとAndroidの両対応が基本なので、運用に大きな工数がかかりがち。
編集部: とはいえ良いアプリを作り、サービス内容・ファンの層がアプリとの相性が良ければ、アプリならではの価値を生み出せますよね。
辻: それは事実ですね。アプリで展開することで、ユーザーの習慣化を促進したり、プッシュ通知しやすくなったりなど、利益はたくさんあります。ターゲットによってはアプリのほうが適しているものはあると思います。
また最近では、こんな意見も聞きました:
Webに適当な情報を出すとすぐ炎上してしまうけれども、アプリが主だとファン以外の目には触れづらいので平気。どうせWebでやっても検索では取れないしね。
ただやはり、多くのサービスではアプリがコストや工数に見合う価値を生み出せるかは疑問です。
数年前でしたらアプリでないと実現できないことも多かったのですが、今は違います。昔の感覚のままで「アプリは必要だ」と考えている方も多いのではないでしょうか。
もちろんアプリには大きな価値と可能性があります。ただ、運営の負荷に対してアプリを活用する意義をきちんと考えられていない場合が多いように感じます。
- 本当にそれはWebでは実現できないのか?
- 倍の工数をかけるだけの価値はあるのか?
改めて考えてほしいですね。
ふつうの人の判断
とりあえずアプリ、当たり前でしょう。良いアプリを作ればユーザーに価値を提供できるはず
SEOプロの判断
HTML5とブラウザの進化で、アプリと同様の体験をWebで提供できることが増えている。技術の進化をふまえ、工数に見合うビジネス価値をアプリが生み出せるかしっかりと検討すべき
企業の規模やモードによってはコスト高でもアプリ必須の場合も
編集部: 「SEOへの影響」「必然性」「費用対効果」を考えると、多くの場合でアプリが不要なのではないかということですね。
中島: とはいえ私たちは「SEOのためにアプリはすべてのケースで止めるべきだ」と言っているわけではありません。実際のところ、弊社がSEOをお手伝いしているお客さまでは、2社を除いてすべてのお客さまでアプリを運用されています。
編集部: そうしたところは、どういった意図や目的でアプリを運用しているのでしょうか。
中島: 「アプリでしかリーチできない部分があるから」という点が大きいですね。
たとえば、Webだけでもやりたいことの9割ほどを実現できていて95%のお客さまにリーチできていたとします。でも、残り5%のお客さまにリーチしたいならば、アプリが必要だとします。
そうした状況で「残り5%を捨てる(諦める)」という判断をするのではなく、「大きなコストが必要でもアプリをもつ」という判断をするお客さまもいます。サービスの規模と方針によっては「費用対効果が悪い5%を捨てる」という選択肢がないのです。
辻: そうした企業では、すでにユーザー接点を広くもっていてアクイジションも自社リソースで柔軟にできたり、既存の仕組みとの組み合わせでリテンションもアプリに組み込めたりするというのも事実です。また、事業の収益に対してアプリの運用工数がさほど負担ではないというのも事実ですね。
言い方を変えると、アプリとWebのバランスに対する考え方は、企業規模やビジネスの状態によってまったく異なるということでもあります。
ふつうの人の判断
SEOのことを考えるとアプリが必要ない場合がほとんどってことか……
SEOプロの判断
企業規模・市場の状況・ビジネスのフェーズによっては、多少コスト高でもアプリ活用は避けられない
アプリとWeb併用の戦略は「ユーザー行動シグナルのWeb表出」で
編集部: では、アプリを活用しながらも、WebのSEOもしっかりと進めていくには何に注意するべきでしょうか。
中島: やはりアプリと検索流入はトレードオフの関係になりがちです。
- アプリの使いやすさ
- 多くの人に見つけてもらえる検索されやすさ
その両立を高度なレベルで達成するには、問題をしっかりと把握したうえで、戦略を考える必要があります。
編集部: 具体的にはどんな戦略が考えられるでしょうか。
中島: 最も基本的な戦略は、サービスとして
- アプリでしかできないこと
- Webでしかできないこと
の両方を備え、それらをバランス良く使ってもらうように設計することですね。
逆に言うと、「Web版は初心者ユーザーのみで、しっかり使うならアプリ必須」というサービス展開はSEOに悪影響を与えるということです。
というのも、後者の「Webは初心者、使うならアプリ」の場合は、サービスに熱心に再訪しつづけてシェアもしてくれるロイヤルユーザーの行動がアプリ内に留まってしまうため、検索エンジンにはそうしたユーザーの行動が見えません。
しかし前者の「アプリとWebをバランス良く」の設計であれば、アプリユーザーでも必要に応じてWeb版を訪問するようになり、良い行動データが生まれ、シグナルとして検索エンジンに伝わるようになります。
辻: とはいえ機能の切り分けのせいでユーザーが不便を感じるようになってしまっては本末転倒です。どんなサービスでも「Web向けの部分」「アプリ向けの部分」があるはずです。
そうした要素は企業が提供する価値によって大きく変わるため「たとえばこういうもの」と例を出すのは難しいものです。潜在顧客と既存顧客の行動やその背景にあるコンテキストや意図をしっかりと分析し、サービスが提供する価値と重なる部分を探りながら、うまく切り分けてみてください。
ふつうの人の判断
「Webは入り口ユーザー向け」「ロイヤルユーザーはアプリを使ってもらう」
SEOプロの判断
顧客理解をもとに「アプリでしかできないこと」「Webでしかできないこと」の両方をバランス良く設け使い続けてもらうことで、特にロイヤルユーザーの行動シグナルがWebに現れるようにする
編集部: ほかにはどんな点に注意するといいでしょうか。
中島: さまざまな観点があります。たとえば次のようなことですね。
- アプリでもシェアをしやすくする
- アプリ・Webの相互誘導
- Webへの送客も含まれるように集客方法を多様にする
アプリとSEOの相性が悪いことは確かです。それでも両方に対応しないとならないのでしたら、やはり「アプリはWebのことを」「Webはアプリのことを」考えて運用していくしかありません。
SEOプロの視点
アプリとWebの両方に対応するならば、「アプリはWebのことを」「Webはアプリのことを」考えて運用していくべし。
辻: 注意したいのは、大きく偏らせないことですね。アプリ改善してWebを放置したり、その逆だったり。偏ってしまうと結局は、検索が取れなかったり、まったくアプリが使われなかったりといった結果になります。
そのためのチーム運営で大切なことに、マーケティング責任者の姿勢があります。これらの観点を理解したうえで、メンバーの意識がチャネル内の狭い最適化に陥らないように導いていく必要があります。
具体的なやり方としては、たとえば、チャネル別の獲得目標設定があってウェブとアプリがそれぞれの数字を持っている場合でも、全チャネルでの進捗を確認する場を設けて、各チャネルの傾向や特性を全員が理解して仕事を進められるようにするといったものがあります。
二項対立ではなく、リソース配分とホリスティックな考えを
中島: ここまでが戦略のことなのですが、アプリとSEOを両立させるには、戦略に加えてリソースの適切な配分も重要です。企業が利用できるリソースは限られています。アプリとWebの両方を進めるのであれば、最適なリソース配分にしてくことが一番難しいポイントになります。
編集部: 考えてみれば、やることが増えるのであれば戦略とリソース配分がポイントになるというのは当たり前のことですよね。
中島: そうですね。「アプリとWeb」だけではなく、戦略をもとにしたリソース配分がポイントになることは多々あります。
- アプリとWeb
- 短期施策と長期施策
- リアルとネット
- コンテンツとシステム
どんな巨大な企業でもリソースは有限ですし、永遠の悩みです。
辻: こうしたことは、二項対立で語られることが多いですよね。たとえば「アプリかWebか」「リアルかネットか」のように。「選択と集中」という言葉もありますが、実際にはほとんどの場合に現実的な解として考えるべきなのはバランスやリソース配分なのです。それぞれの「肝」がどこなのかを把握することをまずは考えましょう。それがバランスを考えるベースとなることが多いはずです。
中島: さらに言えば、「バランス」を超えて「ホリスティック(全体的)」にできれば、生み出せる価値はさらに増える可能性があります。たとえば、次のようなことです:
- Web向けのA/Bテストでも、テスト方法を少し検討すればアプリとWebの両方に活用できるかもしれません。
- 大きな予算が投下されるアプリ向け広告で発生するユーザーの動きをSEOに活かせるかもしれません。
- 短期の小さな成果のための施策が、そのまま長期の大きな成果を目指した施策の入り口かもしれません。
- 実店舗向けの施策が、そのままネットでも活用できるかもしれません。
いま、検索エンジンは本当に幅広いデータをもとに検索結果を作っています。そしてそれは拡張を続けています。その検索エンジンに評価され続けるには、「WebのことはWebだけ、アプリのことはアプリだけ」と狭く考えずに、社内のリソースのすべてに関わっていくような覚悟が必要だと思います。
SEOを重視する場合のアプリ活用に関する意見書
記
1. 検索トラフィックに対してアプリは基本的に悪影響を与えると考える。その理由は次の3点:
- アプリの個別情報はインデックスされない
- アプリ版はリンクを受けにくい
- アプリの行動データはグーグルが認識しづらい
2. Webと比べると制作・運用のハードルが高いアプリを活用するならば、費用や工数に対してどんな価値を得るかを適切に判断すべき。
3. アプリとWebを併用するならば、「アプリでしかできないこと」「Webでしかできないこと」の両方を備え、それをバランス良く使ってもらうように設計することが肝要。
「アプリかWebか」のように考えるのではなく、ユーザーニーズに対して企業が提供する価値をふまえた戦略と、適切なリソース配分、そして組み合わせで考えていくことが重要だと考える。
本記事を執筆した株式会社JADEでは、SEOコンサルタントの人材を募集しております。詳しくはJADEのSEOコンサルタント募集ページをご覧ください。
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