コロナ対策でやむを得ずサイトを一時休止する際に、グーグル検索に悪影響を与えないやり方
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コロナ対策でやむを得ずサイトを一時休止する際に、グーグル検索に悪影響を与えないやり方
ウェブサイトもコロナ対策が必要 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
検索エンジン的に適切なウェブサイトの休止方法を、ウェブマスター向け公式ブログが解説した。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でオンラインビジネスを一時的に停止するサイトに向けたものだ。ビジネスを再開したときのことを考慮し、検索に与える影響を最小限に抑えるやり方だ。
「サイトを止める」というと、サイトにアクセスできないようにしたり、どのURLにアクセスしても「メインテナンス中です」と表示するやり方を思い浮かべる人が多いかもしれない。
しかしグーグルの記事では、「サイトを止める」のではなく「サイトの機能を制限する」ことを推奨している。具体的には、
- 商品が在庫切れであることを示す
- カート機能を無効にする
- 特別な状況であることをポップアップなどで顧客にしらせる
- 構造化データを更新して、店舗情報やオンライン在庫などの最新情報を示す
- Merchant Center フィードで在庫状況を適切に反映する
こうしたうえで再クロールをSearch Consoleなどで依頼すれば、グーグル検索での露出に大きな影響を与えずに、実質的にオンラインのビジネスを一時的に休止できる。状況が改善していけば、すぐに元の状態に戻せるというわけだ。
とはいえ、やむを得ずサイト全体を一時的に止める必要があることもあるだろう。Googleはこれを推奨しないが「最終手段」であるとして、次のような方法を示している:
- 数日であれば503ステータスコードを返す
- 長い場合は200ステータスコードでインデックス可能なページを出しておく
なぜサイト全体を止める(無効化する)のが最終手段なのだろうか? 記事ではその理由についても補足しているし、さらに、サイト休止に際してよくある次のような質問への回答も掲載している。
- 2~3 週間だけサイトを停止した場合、どのような影響がありますか?
- 必要最小限な商品のみにすることに問題はありますか?
- 一定期間、Google のクロール頻度を抑えるようにリクエストできますか?
- ページがすぐにインデックス登録または更新されるようにする方法はありますか?
- 特定の地域からのサイトへのアクセスをブロックした場合、どのような影響がありますか?
- 在庫切れの商品を削除するために、削除ツールを使用すべきですか?
ここで解説されていることは基本的なものではあるが、「サイトを止める」という経験が豊富なウェブ担当者は多くないだろう。
通常どおりにオンラインビジネスを運営できない状況になっているサイトの担当者にとって、一読しておくことで助けになる良記事だ。
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ソフト404扱いされる6つのパターンと、対応すべき場合・無視していい場合
ないに越したことはない (John Mueller on Twitter) 海外情報
ソフト404の扱いに関して、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。
ソフト404ページがあったら、グーグルは通常の404と同じようにを扱う。
だが通常は、ソフト404らしいと判断するためには、まずページ内容を処理しなければならない。そのため、除外されるまでに余分な処理が必要だ。
そんなわけで、ソフト404は避けるに越したことはない。
「ソフト404」とは、実質的にはそのURLにコンテンツが存在しないのに、HTTPステータスコードとして、
- 404(みつからないことを示す)
ではなく
- 200(正常であることを示す)
を返している状態を示す用語だ(ソフト404の詳しい解説はこちらの記事を参照)。
次のような場合に、グーグルがソフト404だと判断する場合がある:
- エラーページ
- コンテンツがまったくないページ
- コンテンツがほとんどないページ
- 削除したページをトップページにリダイレクトしたとき
- 売り切れになった商品ページ
- 終了したイベントページ
- など
自分のサイトでソフト404状態になってしまっているページがあるかどうかは、Search Consoleのカバレッジレポートで確認できる。
ソフト404自体は最終的には404として処理されインデックスから外れるため、サイト全体の評価には影響しない。そのため、放置しておいても問題ない。
しかし、「グーグルのより効率的にクロール・インデックスしてもらう」という観点では、気をつけるべき場合もある。
まず、ソフト404ではなく通常の404の場合を考えてみよう。HTTPレスポンスコードできちんと404のステータスコードを返しておけば、グーグルはそのレスポンスコードをみるだけで、最初から404として処理できる。それ以降の処理をする必要はない。
しかし、これがソフト404の場合はどうだろうか。ステータスコードだけでは通常のコンテンツページなのかソフト404ページなのかわからない。そのため、グーグルがそのページをソフト404だと判断するためには、まず通常ページとしてクロール・インデックスの処理をする必要がある。
ソフト404状態になっているのが数ページならば、無視してもかまわない。しかし、もし何百・何千のURLでソフト404の状態になっているのならば、本当に重要なページのクロールやインデックスに支障が出るかもしれない。
たとえば、ECサイトで検索結果ページをインデックスさせていて(それはそれで問題なのだが)、「その検索条件ではみつかりません」と表示されているページが大量にあり、グーグルがそれらのページを一所懸命クロールしてインデックスしようとしている状況を想像してみてほしい。そのせいで、検索ニーズの高い商品ページが検索に出るのが遅くなってしまっていたら、大きな損失だろう。
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古くてアクセスがないページは、削除? そのまま? 更新? どうすべき?
ユーザー視点で判断 (John Mueller on Twitter) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏がツイッターでフォロワーに次のように質問された。
古いニュース記事(映画関連)を数年後もサイトで公開しておくことに何か価値はありますか? (もう最新のニュースではないので)アクセスもないしリンクも張られません。
どうすべきでしょうか?
- そのままにしておく
- 削除して404を返す
- (7、8 年後だとしても意味があるなら)更新する
ミューラー氏は次のように答えた。
私だったら、
- 経過した期間
- 現在のトラフィック
ではなく、
- サイトに対する価値
- ユーザーに対する価値
を重視するだろう。
ほとんどアクセスがない古いページが、サイトの評価にとってはがとても重要な役割を果たすことがある。反対に、アクセスがたくさんある新しいページのほうは関連性が低いこともある。
単に新しいか古いかをみるのではなく、そうした価値貢献がどれぐらいあるかを判断してみるのがいいだろう。
I'd focus on the value to your site & its users rather than purely the age or the current traffic. Sometimes old pages that get little traffic are still critical, sometimes newer pages with lots of traffic are irrelevant. Use these metrics & others as tools, not as thresholds.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) April 15, 2020
古いうえに、トラフィックがほぼゼロのページというのは、たしかに扱いを悩むところかもしれない。
まず基本的に、古くてトラフィックがないページが存在しているからといって、それだけでサイトの評価が下がることはない。つまり、あわてて削除する必要はない。
ニュースサイトは古くてトラフィックがない記事ばかりだろう。もちろん、古い記事は検索結果の上位に出てくる機会もほとんどないに違いない。それでもサイト全体の価値が低くなるわけではない。ひょっとしたら昔の記事を探しているユーザーがいるかもしれず、アーカイブとしての価値がありそうだ(いつの記事かわかるように公開日は必ず提示しておくべき)。
最新の情報に更新が可能ならば更新するのがいい。たとえば、医学や科学、法律などの分野(いわゆるYMYL分野)の情報では常に最新の情報を提供することが求められるだろう。定期的に見直しを図りたい。
一方で、まったく必要ないと判断したのであればそのページを削除するという選択も間違いではない。古い情報でユーザーに誤解を与えることがなくなるだろう。
ミューラー氏がアドバイスするように、検索エンジン視点ではなく、その古くてトラフィックがないページがユーザーとサイトに対してどんな価値を提供できるかで判断するとよさそうだ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
大手サイトのSEO施策をマネるのは意味ないよ
適切なSEOをやっているとは限らない (John Mueller on Twitter) 海外情報
大手企業のウェブサイトがやっているSEOに奇妙な点があると指摘したサイト管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のようにコメントした。
大手サイトがやっているからといって、盲目的にそれをマネしてはいけない。完璧にSEOをやっていなくても、検索でうまくいくこともある。
世のなかのほとんどのサイト(大小にかかわらず)は、SEOを正しくできていない。そして驚くかもしれないが、グーグル自身の運営しているサイト(検索以外の情報コンテンツやサービスサイト)の多くもそうなのだ。
Don't blindly copy things, even if big sites do it. Sometimes you can do well even when not doing SEO perfectly. As shocking as it sounds, Google - like most sites, big & small - doesn't always get SEO right. https://t.co/hlAUqoJMP6
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) April 16, 2020
大手のサイトがやっているSEOを分析する人がいる。それをそのまま自分のサイトに取り入れても成果が出るかどうかは疑問だ。理由はいくつもある。たとえば、
- 評価が高い原因がその施策だという証拠がない
- そのサイトだからこそ効果がある施策かもしれない
- 無意味あるいは間違った施策をやっている可能性がある
ただ単に「大手サイトがやっているから」という理由で取り入れるSEOには慎重になったほうがいい。
なお、グーグルが運営するサイトですら適切なSEOができていなかった実例として、こちらの記事をミューラー氏は紹介している。とても基本的なサイト改善で、SEO成果が出たケーススタディだ。このコラムでも紹介したことがある。成功事例だが、裏を返せば、それまでは適切なSEOをできていなかったことを示している。
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