動画広告施策では事前の「設計」がポイント。その理由とは?
2020年3月6日発売の書籍『動画広告"打ち手"大全 最強の戦略74』の第1章全てと、他5節をWeb担で特別公開。
6
動画広告施策は「設計」で決まる
動画の制作は急がず、言語化と合意形成を入念に
Chapter 1 準備 動画と広告の常識を更新せよ
動画広告を早く作ろう、すぐ始めようと焦ってはいけません。費用も工数もかかる動画広告は、施策の設計に十分な時間をかけて、制作に入ってからの手戻りがないようにすることが重要です。
制作前に基礎設計と広告配信設計を
次章から、実際に動画広告施策を進める流れにあわせて解説を行います。その前に、次ページに示す施策全体の大まかな流れとして、基礎設計、広告配信設計、動画企画・制作の3段階を確認しましょう〔図表6-1〕。
動画広告では、施策の目的や広告を配信するメディア、ターゲティングといった条件により、最適な訴求や表現内容が変わります。そのため、あらかじめ設計段階で必要事項を決めたうえで、企画および制作に入るようにします。
必要事項が曖昧なまま動画を制作すると、あとで必ず動画を修正することになってしまいます。修正にはさらなる費用や工数が発生しますが、修正しない場合は成果が上がらず、動画が不評になりブランド毀損につながることもあり得ます。
動画はよくも悪くも視聴者に与える印象が強いため、違和感や嫌悪感が悪印象につながりやすいのです。結果的に、動画広告がブランドを傷つけてしまうこともあると心得ましょう。
このような失敗を避け、成果を上げるためには、設計、および関係者の合意形成を入念に行ったうえで制作に入ることが大事です。本書では、上の図に挙げた3段階を第2〜4章で解説します。それぞれの要点は次のようになります。
基礎設計:目的や成果指標、施策の全体を決める
まずは施策のおおもととなる目的と、その達成度を測るための成果指標を決定します。前節で解説した運用者が中核となり、動画で「誰に、何を伝えて、どのような成果を期待するか」を言語化し、同時に「どのように施策の成果を判断するか」を決めます。続けて、動画の大まかな内容を考えていきます。
この段階を、本書では「基礎設計」と呼び、第2章で解説します。広告責任者や、すでに決まっていれば制作者とのコミュニケーションも、この段階から始まります。
広告配信設計:広告配信先のメディアや配信方法を選ぶ
基礎設計が完了しても、まだ動画の制作には入りません。続けて行うのは、広告を配信するメディアの選定や、ターゲティングなど詳細な配信方法の決定です。この段階を、本書では「広告配信設計」と呼び、第3章で解説します。「設計」と付くステップが続きますが、動画広告施策ではそのくらい、設計が重要です。
広告配信先のメディアやターゲティングにより、受け入れられやすい動画の内容は異なってきます。アスペクト比〈※1〉や付随するテキストといった広告フォーマットに対応することも、制作の際には重要です。
※1 アスペクト比 ここでは動画の縦横比を指す。横:縦の形で記述され、横長の16:9、正方形の1:1、縦長の9:16が一般的。
動画企画・制作:動画の制作準備と実制作
続けて、設計内容に従って動画の企画や構成を練っていき、素材をそろえていきます。この段階を、本書では「動画企画・制作」と呼び、第4章で解説します。
動画企画および制作段階では、関係者間のやりとりが多くなります。詳細は第4章であらためて解説しますが、動画の企画内容が決定した段階で、ここまでの決定事項を文書化して関係者と共有し、そのうえで制作に入りましょう。
動画の設計図といえる「絵コンテ」を作っていき、絵コンテもOKになったら、実際の制作を始めます。完成した動画の納品を受けたところで、動画広告の配信を開始しましょう。(鈴木)
動画広告施策では、動画の制作に入るのは最後の最後です。それまでに入念な設計を行い、合意を取り、制作後の手戻りをなくしましょう。
ソーシャルもやってます!