良い動画を作るには? 制作者との信頼関係構築がカギ
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動画制作者との信頼関係を深める意識を
相互理解の積み重ねが効率化や成果向上につながる
Chapter 4 企画と制作 迷わず完成に導く「型」を知る
運用者と制作者のコミュニケーションの頻度や質は、最終的な動画の仕上がりにも少なからず影響します。お互いに理解を深め、制作物の質も上げていくことを目指しましょう。
運用者と制作者は一蓮托生と心得る
動画の制作開始から改善を続けていく過程で、運用者と制作者はお互いをパートナーとして信頼し、尊重し、二人三脚で進んでいけることが理想的です。……と、言葉にするのは簡単ですが、これを実践するのは簡単ではありません。
運用者と制作者は職域が異なり、価値観も異なることが多く、お互いの理解も十分でないまま工程が進むこともあるでしょう。また、運用者のほうが発注者として強い立場となって、スケジュールなどの面で制作者に負担を強いてしまうこともありがちです。
ここでは、運用者の視点からの制作者との付き合い方として、筆者が理想的だと考えるポイントを紹介します。
求めることを伝えあい、ベストのやり方を模索する
まず、実際の制作に取り組む前に、制作者に期待したい、求めたいことを具体的に伝え、相手の意見も聞いて、仕事の進め方を決めていきましょう。ここでもっとも重要な話題は、制作者にどの程度の裁量や自由度を持ってもらうかです。
運用者の得意な領域や気質がひとりひとり異なるように、制作者のタイプもさまざまです。できるだけ少ない制約で、自分のアイデアを自由に生かしたい人もいれば、詳細な依頼をベースとした制約の中で工夫するのが得意な人もいます。
どのような方法がやりやすいか、これまではどのように制作してきたかを聞き、依頼内容の具体性や、制作者に一任する範囲を調整するといいでしょう。
実際に制作を始めてから見えてくる、制作者のコミュニケーションの癖もあります。相手にやり方を変えてほしい部分があれば要望し、話し合いましょう。また、時折「もっとこうしてほしい、という点はありますか?」と運用者から歩み寄り、制作者側の要望に耳を傾けていきましょう。
コミュニケーションを重ねて共通認識と共通言語を増やす
動画の制作過程でのコミュニケーションの多くは、曖昧になりがちです。例えば、運用者が「このカットはもっと疾走感を」と依頼しても、単にスピードが速ければいいのか、躍動感を持たせたいのかなど、解釈の仕方は人によって幅があります。
こうした解釈の齟齬は、ある程度は仕方がありません。特にはじめのうちは、意図が正確に伝わるように参考動画を用意するなど、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
複数回の制作でコミュニケーションを積み重ねていくと、お互いの感覚として「疾走感」とはどのような内容や程度を指すかの共通認識ができてきます。また「以前の○○のような」といった説明で、複雑なことも簡単に伝えられるようにもなり、スムーズなコミュニケーションができるようになっていきます。
広告配信後の評価も共有し、一緒に考える体制を作る
動画の制作に関してだけ制作者と会話するのではなく、動画広告を配信した結果とその評価も共有しましょう。詳細なデータまでは必要ありませんが、「あの内容の動画で、このような結果になった」「施策の狙いに対してこうだった」「この結果を踏まえ、次はこのようにしたい」といった会話で、施策の成果と制作した動画との関係を理解してもらうようにします。
発注側である運用者が考えていることや、商品やターゲットについて理解を深めてもらい、制作者から動画についてアイデアをもらえる関係が理想的です。
基本的なことですが、制作者の立場や考えを理解する一助として、運用者が動画編集を経験してみることもおすすめします。作業のおおまかな流れや、実は簡単なこと、簡単そうに見えて難しいことなどが理解でき、運用者の言葉が制作者にはどのように受け取られるのかを理解できるようになります。スマートフォンの簡単な動画編集アプリを使ってみるだけでも大きな気付きが得られるので、試してみましょう。
また、信頼関係を築く基本として、制作者に無理を押し付けない配慮は常に忘れないようにしましょう。動画広告施策の全体から見ると、動画制作は最終工程にあたるため、スケジュール遅れなどのしわ寄せが行ってしまいがちです。発注側である運用者の都合による遅れが発生した場合は、納期を延長するにせよ、短期間での作業をお願いするにせよ、話し合って合意を得たうえでスケジュールを設定し直すようにしましょう。(鈴木)
制作者の立場や仕事、考え方の理解に務め、同時に運用者の考えや運用の状況を共有するようにしましょう。お互いの理解が深まることが、よりよい施策につながります。
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