Firebase Analyticsの使い方|できることや分析・計測方法、dashboardを解説
はじめまして、アユダンテ株式会社の片岡 崇史と申します。普段はGoogle Tag Managerの実装支援やBigQueryやRedshiftを活用した分析支援等を行っています。
第二回は「Google アナリティクス for Firebaseレポートの見方と10種類のレポート」を詳しく解説していきます。
本連載では、モバイルアプリを計測する無料のトラッキングツール「Google アナリティクス for Firebase」を利用したことがないユーザーを対象に各種レポートの見方や実装前の計測項目の考え方、Google アナリティクス SDKとの違いなど連載で解説しています。
Google アナリティクス for Firebaseのレポートとは
前回のおさらいになりますが、「Google アナリティクス for Firebase」とは、Google社が提供しているモバイルアプリ開発プラットフォーム「Firebase」の機能の1つで、無料で使えるアプリ解析ツールです。
「Firebase SDK」をアプリに実装すると、基本的なアプリの利用状況データが自動的に収集され、Firebase コンソール画面内の「アナリティクス」(Google アナリティクス for Firebase)のレポートにデータが表示されるようになります。
「Google アナリティクス for Firebase」のレポート画面へは、「Firebase コンソール」へログインし、「Firebase プロジェクト」を選択後、左メニューからアクセスできます。
ログイン後、左メニューのDashboardをクリックすると次のようなダッシュボード画面が表示されます。
「Google アナリティクス for Firebase」には、次の10種類のレポートが用意されています。まずは一覧で解説し、レポートの詳細は後述します。※ 2020年3月時点
レポート名 | 説明 |
---|---|
Dashboard | アプリの主要な指標のレポートがカード形式で表示。「アクティブ ユーザー」や「コンバージョンの発生頻度」、「アプリでの収益額」などが俯瞰的に確認できます。 |
Events | Firebase SDKが収集したイベントの集計レポート。収集されたイベントはすべてこのEvents内のレポートで確認します。 カスタム パラメータを付与することで詳細な分析が可能です。 |
Conversions | Firebase SDKが収集したイベントをコンバージョンとして有効にするとこのレポートで活用できます。 Conversionsレポートではマーケティングのそれぞれの要素(キャンペーン、広告ネットワーク、クリエイティブなど)で発生した、イベントや購入回数などが把握できるようになります。 |
Audiences | ユーザーリストを作成すると、作成条件に基づいたセグメントを作成することができます。セグメントのかけた分析を行う場合はユーザーリストを利用します。 ユーザーリストはGoogle アナリティクス for Firebase以外のGCPプロダクトにも利用できます。 |
Funnels | アプリの一連のステップ完了率を可視化できるレポートです。 |
User Properties | レポートではなく、Google アナリティクス for Firebase画面内で利用するユーザー プロパティの作成画面です。ユーザーへのユーザー プロパティの設定自体はアプリ内のコードから行います。 |
Latest Release | アプリの最新リリースバージョンごとレポートです。バージョンごとの普及率やクラッシュしたユーザーの割合等が確認できます。 |
Retention(New User Retention) | コホート別のユーザー維持率のレポートです。 |
StreamView | アプリを使用しているユーザーとその使用方法等のリアルタイムレポートです。リアルタイムで利用しているユーザーが地図上にマッピングされたレポートです。 |
DebugView | アプリの開発中や検証中に利用できるデバッグ用のレポートです。StreamViewと違い、端末を指定して送信データを確認することができます。このレポートを使うにはアプリをデバッグモードを有効にする必要があります。 |
※リンクをクリックすると、記事内の詳細説明箇所にジャンプします。
Google アナリティクスと比べるとレポートの種類は少なく、Google アナリティクスのユーザーにとってはわかりづらいことも多いと思います。今回はGoogle アナリティクス for Firebaseを利用したことがないユーザー向けに、レポートの見方と各レポートの紹介をしていきます。
「Google アナリティクス for Firebase」で指す「イベント」とは
各レポートを紹介する前に、「イベント」について説明します。
「Google アナリティクス for Firebase」では、モバイルアプリに実装した、「Firebase SDK」が収集した「イベント」をイベントごとに集計して表示します。
「イベント」とは、ユーザーがアプリ操作を行ったときに発生するものを指します。たとえば、次のようなアプリ操作をイベントと呼びます。
- ユーザーがアプリを初めて起動した
- ユーザーが遷移して新しいスクリーンを表示した
- アプリを起動して新しいセッションを開始した
つまり、Google アナリティクス for Firebaseのレポートは、ユーザーのアプリ操作1つ1つの集計レポートだということです。
イベントの収集はモバイルアプリにFirebase SDKを実装するだけで自動的に開始されます。しかし、ユーザーのアプリ操作の全てを自動で収集するわけではありません。レポートへ表示したいアプリ操作は1つ1つアプリ内にコードを追加してイベント収集してください。Googleアナリティクスでイベントを計測するためにJavaScriptのコードを追加実装するような作業イメージです。
自動的に収集されるイベントの種類やアプリ内にコードを追加して収集する推奨イベント、アプリへの収集コードの追加方法等は次回以降に解説します。
Google アナリティクス for Firebaseレポートの見方
Google アナリティクス for Firebaseのレポートは、左メニューのレポート名をクリックしてダッシュボード、もしくは一覧メニューを表示し、ダッシュボードや一覧メニューから目的の項目をクリックすると、その項目の詳細レポートが表示されます。
Google アナリティクスのように「左メニュー内でドリルダウンし目的のレポートをクリックする」という仕様にはなっていません。※ 2020年3月時点
レポートの上部には「フィルタ」と「期間」が設置されています。分析内容にあわせてそれぞれ設定してください。
フィルタ
画面内の左上「フィルタを追加」(上図赤枠)をクリックすると、次のような画面が表示されます。設定したフィルタは、他のレポートに移動しても設定が保持されます。
フィルタ条件は大カテゴリで5種類あります。
条件 | 説明 |
---|---|
プラットフォーム | ウェブ、Android、またはiOS。Firebaseプロジェクトで計測している項目だけ表示されます。 |
ストリーム | データを収集しているアプリ。Firebaseプロジェクトで計測している項目だけ表示されます。 |
オーディエンス | 定義したユーザーリスト。Audiencesレポートで設定した項目が表示されます。 |
ユーザー プロパティ | 定義したユーザー プロパティ。事前定義されたプロパティとUser Propertiesレポートで設定した項目が表示されます。 |
ログイン ステータス | ログイン中。ログインしてuser_idを送信したユーザーを抽出します(アプリ内のコードでuser_idを送信する実装の必要があります)。 |
Google アナリティクス for Firebaseでは、Google アナリティクスの「セグメント」は存在しないので、「オーディエンス」を作成しフィルタ設定することで同じようなことが可能になります。※ 2020年3月時点
まだ、Firebaseを利用したことがない人は、Google アカウントでログインできるdemoプロジェクトが用意されていますので、ぜひ使ってみてください。demoプロジェクトには実際のアプリのデータが計測されており、各種Google アナリティクス for Firebaseの機能を試してみることができます。
期間
期間は赤枠部分をクリックすると、期間を選択できるようになります。
期間を選択するには、表示されている期間をクリックします。選択した期間は、レポートを切り替えても、設定を保持したままです。すべてのレポートで、選択した期間の指標値と前の期間の指標値が比較されます。
[今日]、[昨日]、[今週]、[過去 7 日間]、[過去 30 日間]、[今四半期]、[カスタム] のいずれかを選択します。[カスタム] を選択した場合は、開始日と終了日を指定して期間を作成します。
※ Firebaseヘルプ: レポート設定
では、実際にGoogle アナリティクス for Firebaseの各レポートの解説をしていきます。
Dashboardレポート
アプリの主要な指標のレポートがカード形式でまとめられています。
レポート名 | 説明 |
---|---|
アクティブ ユーザー | 月(28日)、週(7日)、日(1日)単位のアクティブ ユーザー数です。アクティブ ユーザーとはアプリをデバイスのフォアグラウンドで使用し、user_engagementイベントを記録したユーザーのことです。 |
過去30分間のユーザー | 過去30分間にアプリを使用したユーザー数です。 |
コンバージョンの発生頻度 | 対象期間の全体および日次の合計による上位3つのコンバージョン イベントです。 |
ユーザー エンゲージメントの発生状況 | 対象期間におけるユーザーごとの1日の平均エンゲージメント。 |
アプリでの収益額 | 総収益と収益源。総収益はすべての収益源の合計値です。 |
アプリの安定性 | クラッシュを経験していないユーザーの割合です。 |
最新リリースの導入状況 | アプリのバージョンとリリース状況のステータスです。 ※Firebaseヘルプ: リリース バージョン |
新規ユーザーの獲得方法 | アプリの初回起動回数と、アプリを起動したユーザーのライフタイム バリュー(LTV)です。 |
ユーザー維持率 | 維持率コホートのレポートです。 |
ユーザーの詳細データ | ユーザーの詳細データのカードです。 ※ Firebaseヘルプ: 自動的に収集されるユーザー プロパティ |
プラットフォームの内訳 | プラットフォーム別のユーザー割合です。 |
ダッシュボード内のそれぞれのカードから、詳細なレポートが確認できます。
※ Firebaseヘルプ: マイレポート
Eventsレポート
Firebase SDKが収集したイベントの集計レポートがまとめられています。収集されたイベントはすべてこのEvents内のレポートで確認できます。カスタム パラメータを付与することで詳細な分析が可能です。
イベントの一覧
指定した期間内に発生したイベントの発生件数とユーザー数の一覧を確認できます。
上記画像のレポートでは、次のイベントが計測され集計されています。以下、はすべて自動的に収集されるイベントです。
イベント名 | イベント発火のタイミング |
---|---|
ad_click | ユーザーが広告をクリックしたとき。Google Mobile Ads SDKを介してAdMobから送られるパブリッシャーのイベント。 |
app_clear_data | ユーザーがアプリデータをリセットまたはクリアして、全ての設定とログインデータを削除したとき。 |
app_exception | アプリがクラッシュしたか、例外をスローしたとき。 |
app_remove | アプリのパッケージがAndroidデバイスから削除または「アンインストール」されたとき。 |
イベントについての解説は次回、詳細に行います。
推奨イベント
デフォルトの設定では、推奨イベントが3つ提示されています。これは、Google Play ストアやiOS App Storeのアプリカテゴリ(eコマース、旅行、ゲームなどの業種)に基づいて、表示されています。
イベント名をクリックするとコードスニペットが表示されるので、必要に応じてアプリへコードを追加し、イベントの計測を行ってください。
業種に応じて推奨されるイベントの詳細は次のリンクをご参照ください。
既存のイベント
指定した期間中にアプリで発生したイベントの一覧が表示されます。イベントの発生件数とイベントが発生したユーザー数の指標が表示されます。
表内のイベントをクリックすると、そのイベントの詳細レポートが表示されます。下図は、「screen_view」をクリックしたときの詳細レポートをサンプル例として掲載しています。
詳細レポートに表示される情報は、イベントによって異なります。
イベントレポートの指標
各イベントのレポートでは、次の指標が確認できます。
指標名 | 説明 |
---|---|
イベント数 | イベントが発生した回数 |
ユーザー数 | イベントが発生したユーザーの数 |
ユーザーあたりのイベント数 | ユーザーあたりの平均イベント数 |
値 | イベントで提供されたすべてのVALUEパラメータの合計 |
イベントをコンバージョンとして有効にする
イベントをコンバージョンポイントにする場合は、イベントレポート内の既存のイベントの表から該当のイベントの行で「コンバージョンとしてマークを付加」のスイッチをオンにします。「コンバージョンとしてマークを付加」されたイベントはConversionsレポートの一覧に追加されます。
コンバージョンは最も重要なイベントです。イベントをコンバージョンとして指定することで、そのイベントに関するアトリビューションのレポート作成やポストバックの送信に役立ちます。デフォルトでは3種類のイベント(first_open、in_app_purchase、eccomerce_purchase)がコンバージョンに設定されています。それに加えて、プロジェクトごとに最大30種類のイベントをコンバージョンとして有効化できます。
- first_open:アプリをインストール(再インストールした)して、初めて起動したとき
- in_app_purchase:iTunes の App Store または Google Play で処理されるアプリ内購入(定期購入の初回申し込みを含む)をユーザーが完了したとき
- ecommerce_purchase:ユーザーが購入手続きを完了したとき
※ Firebaseヘルプ: イベント
カスタム パラメータ レポート
Google アナリティクス for Firebaseのレポートで、詳しい情報を追加させたイベント数を表示させる場合は、イベントにパラメータを登録してください。
たとえば「ユーザーが画面遷移して新しいスクリーンを表示した」(イベント名: screen_view)のレポートは、デフォルト状態では「表示したスクリーン名」(firebase_screenパラメータ)ごとのイベント数は表示されません。
「表示したスクリーン名ごとのイベント数」を詳細レポートへ表示させる場合は、Google アナリティクス for Firebase内のEventsレポートからscreen_viewイベントに「firebase_screen」パラメータを追加登録してください。
上記の手順でイベントへパラメータを追加することも可能なので、必要なレポートを作成するためにパラメータの追加登録を行ってください。
ただし、イベントにパラメータを追加登録するには上限があります。
1つのイベントにはカスタム パラメータを25個まで登録でき、カスタム パラメータの登録総数はプロジェクトごとに合計100個(数値50個、テキスト50個)まで可能です。パラメータはイベントに指定するごとにカウントされます。登録するパラメータが上限に達しないよう注意してください。
たとえば、「view_itemイベント」「add_to_cartイベント」「add_to_wishlistイベント」の3つのイベントに「item_idパラメータ」を1つずつ指定しても100個のうち3個使用したことになります。
なお、最大100個のカスタム パラメータを利用するには App & Webプロパティを使用する必要があります。App & Webプロパティを使用しない場合はプロジェクトごとに合計50個(数値40個、テキスト10個)まで指定できます。
※ Firebaseヘルプ: カスタム パラメータ レポート
Conversionsレポート
マーケティングのそれぞれの要素(キャンペーン、広告ネットワーク、クリエイティブなど)で発生した、コンバージョン イベントや購入の回数、収益と生涯価値(LTV)が表示されます。
Conversionsレポートには、「コンバージョン イベント」と「ネットワーク設定」のタブがあります。一つずつ説明していきます。
コンバージョン イベント タブ
「コンバージョン イベント」のタブでは、コンバージョンとして有効にしたイベントの発生件数と値の一覧を表示しています。
イベントをコンバージョンとして有効にする
イベントをコンバージョンと指定する場合は、Conversionsレポートの右上にある「新しいコンバージョン イベント」ボタンをクリックして追加します(Eventsレポートの一覧から「コンバージョンとしてマークを付加」のスイッチをオンにしても可能です)。
Conversionsレポートの「コンバージョンとしてマークを付加」のスイッチではオフにすることしかできません。コンバージョンとして有効にできるイベントはプロジェクトごとに最大30種類のイベントです。
表内のコンバージョン イベントをクリックすると、ソース別に貢献したコンバージョン数を確認できます。イベントを評価するときは、次のいずれかのアトリビューションモデルを選択できます(すべてのアトリビューション モデルにおいて直接訪問は除外されます)。
アトリビューション モデル | 説明 |
---|---|
クロスチャネルでのラストクリック | 全てのソースからのクリックにおいて、コンバージョンをラストクリックに関連づけます。 |
クロスチャネルでのラスト エンゲージメント | コンバージョンをラストクリックに関連づけるか、最近クリックがない場合は広告のインプレッションに関連づけます。 |
Google 広告優先のラストクリック | Google広告以外の参照元からのクリックがあるかどうかにかかわらず、コンバージョンをGoogle広告のラストクリックに関連づけます。 |
Google広告優先のラスト エンゲージメント | Google広告以外の参照元からのクリックや広告のインプレッションがあるかどうかかかわらず、コンバージョンをGoogle広告に関連づけます。 |
レポートは上記のアトリビューション モデルの選択に加えて、参照元、メディア、キャンペーン、ネットワーク、広告グループ、クリエイティブ別にイベントの発生元を選択できます。
ネットワーク設定 タブ
このタブでは、設定したネットワークの一覧確認と追加設定ができます。追加設定するネットワークを選択し、必要に応じてカスタム情報を入力するとキャンペーンURLが取得できます。コンバージョン情報をネットワークへ送り返すには「ポストバックを設定」をオンにしてください。
ポストバックの設定
ポストバックを設定すると、コンバージョン データが広告ネットワークへ送り返されます。ポストバックを使用するとネットワークから送信されるトラフィックを最適化できます。たとえば、アプリがデバイスにダウンロードされた情報などのコンバージョンデータがネットワーク側へ送信されるので、そのデバイスに広告を表示する必要がないことが把握できるようになります。
※ Firebaseヘルプ: コンバージョン数
Audienceレポート
ユーザーリストの作成とユーザーリストの条件に合致したユーザー数のレポートが見られます。
ユーザーリストを使用すると、目的に合わせたユーザーのセグメントを作成できます。セグメント分けは、イベントとユーザー プロパティを利用して行います。作成したユーザーリストは、次のような用途があります。
- Google アナリティクス for Firebaseのレポートをフィルタして、ユーザー セグメントごとの使用状況を分析
- Firebase製品の一つであるCloud Messagingのターゲットに利用し、Notificationsの対象を絞り込む
- Firebase製品の一つであるRemote Configのターゲットに設定し、ユーザーリストごとにカスタマイズしたユーザー体験を提供
FirebaseプロジェクトをGoogle広告にリンクするとGoogle広告の共有ライブラリにユーザーリストが表示され、キャンペーンでも使用できるようになります。
オーディエンス名の一覧
事前に定義されたユーザーリストと自分で作成したユーザーリストが一覧表示されます。
事前に定義されたユーザーリストは次の通りです。
オーディエンス名 | 説明 |
---|---|
All Users | アプリを起動したことのあるユーザー |
Purchasers | アプリ内購入またはeコマースでの購入を行なったことのあるユーザー |
表内のユーザーリストをクリックすると、そのリストの詳細レポートが表示されます。
レポートでは、レポートの対象期間中にアクティブだったユーザーの人数をユーザー指標としています。
ユーザーリストの作成
ユーザーリストはプラットフォームとプロパティに加え、任意のユーザー プロパティやアプリから収集されるイベントなどを条件として作成します。ユーザーリストを作成した以降は、条件に一致するユーザーがリストに追加されていきます。
Google広告にエクスポートされるユーザーリストを作成すると、過去30日間でユーザーリストの条件を満たしたユーザー全てが追加されます。
ユーザーリストは各プロジェクトにつき最大50個まで作成できます。
ユーザーリストはAudienceレポートから作成し、次のいずれかの方法からユーザーリストを作成していきます。
- 新しいユーザーリストを作成(カスタム オーディエンスを作成)
- テンプレートを使用(オーディエンスの候補から作成)
- 提案されたユーザーリストの中から選択(オーディエンスの候補から作成)
※ Firebaseヘルプ: ユーザーリスト
Funnelsレポート
Funnelsレポート(目標到達プロセスレポート)はアプリの一連のステップ(イベント)の完了率を視覚化します。たとえば、アカウント作成に必要なステップを含む目標到達プロセスを作成すると、各ステップの完了率が追跡できます。
Firebaseの目標到達プロセスレポートはオープン型なので、ステップ1を完了していないユーザーでもステップ2の指標に算入することができます。目標到達プロセスはプロジェクトごとに最大200個まで作成できます。
目標到達プロセスの一覧
作成したファネルが一覧表示されます。表内のファネル名をクリックすると、そのファネルの詳細レポートが表示されます。
目標到達プロセスの詳細レポート
詳細レポートでは作成時に設定したイベントがファネル形式で表示されます。ユーザーがプロセス到達を放棄する段階を見つけることが視覚的に可能になります。
目標到達プロセスの作成
目標到達プロセスの作成はFunnelsレポートから作成します。目標到達プロセスのステップとして使用する最初の2つのイベントを選択、以降のステップとなるイベントは必要に応じて選択します
※ Firebaseヘルプ: 目標到達プロセス
User Propertiesレポート
User Propertiesレポートは、フィルタ機能のユーザー プロパティへ設定を追加するための設定画面です。正確に言うとレポートを確認できるわけではありません。
ユーザー プロパティの情報はアプリ内のコードで設定します。ユーザー プロパティを設定すると、ユーザーの静的な(すぐには変わらない)属性を明確にすることができます。
モバイルアプリ内のコードから設定されたユーザー プロパティの値は、Google アナリティクス for Firebaseのレポート内でフィルタとして適用できます。たとえば、ゲームで課金するユーザーのプレイ傾向が課金しないユーザーとどのように違うか把握できるようになります。
ユーザー プロパティはプロジェクトごとに最大25個まで作成できます。
ユーザー プロパティの一覧
作成したユーザー プロパティが一覧表示されます。
ユーザー プロパティの作成
ユーザー プロパティはモバイルアプリ内のコードで設定します。レポートのフィルタで使用する場合は、ユーザー プロパティ画面から作成します。
ユーザー プロパティのアーカイブ
ユーザー プロパティが上限の25件に達し新しいユーザー プロパティが作成できなくなった場合、使用しなくなったユーザー プロパティをアーカイブへ移動すると48時間後に新しいプロパティが作成できるようになります。アーカイブに移動したユーザー プロパティは48時間以内に同じ名前で登録し直すと復元できます。
Latest Releaseレポート
Latest Releaseレポート(最新リリースレポート)はアプリの普及率、エンゲージメント、安定性に関する指標データのレポートです。
プロジェクトに登録されたアプリの一覧
プロジェクトに登録されたマイアプリが一覧表示されます。
表内のアプリ名をクリックすると、そのアプリの最新リリースレポートがダッシュボードで表示されます。
最新リリースレポートのダッシュボードには次のレポートがカード形式で表示されます。
名称 | 説明 |
---|---|
アプリのバージョン別普及率 | 選択された期間におけるアプリの各バージョンの普及率のグラフです。 |
リアルタイムカード | 選択されたバージョンにおける過去30分間にユーザー数とクラッシュ数のカードです。 StreamViewへのリンクが設置されています。 |
リリースバージョンカード | リリースバージョン別に「バージョン」、「アプリの状態を表すステータスラベル」、「普及率カード」、「クラッシュ状況カード」が表示されます。 普及率カードには、選択されたアプリのリリースバージョンフィルタが選択されたダッシュボードへのリンクが設置されています。 クラッシュ状況カードには、選択されたアプリのフィルタが選択されたFirebaseのCrashlyticsへのリンクが設置されています。 |
※ Firebaseヘルプ: 最新リリース
New User Retentionレポート
New User Retentionレポートにはコホート別のユーザー維持率のグラフが表示されます。
コホートとは、アプリを同時期(同じ日や同じ週)に使い始めた一連のユーザーを指します。
※ Firebaseヘルプ: コホート
StreamViewレポート
StreamViewレポートでは、アプリを使用しているユーザーとその使用方法のイベントデータをリアルタイムで確認できます。
StreamViewレポートへアクセスすると、過去30分間にデバイスがイベントを記録した地域ビューが表示されます。
StreamViewではページ下部のマーキーで指標の切り替えやフィルタなどが可能です。
ユーザー スナップショット
ユーザー スナップショットはStreamView上で見つけたユーザーの過去30分間のイベントのシーケンスを確認できます。
発生しているイベントをクリックすると、そのイベントのパラメータやユーザー プロパティも確認できます。
※ Firebaseヘルプ: StreamView
DebugViewレポート
DebugViewレポートではアプリのイベントをリアルタイムでモニタリングできます。そのため、アプリ開発中や検証で利用すると便利です。
DebugViewレポートは前述のStreamViewのユーザー スナップショットと同じようなレポートで、表示されるデータや発生しているイベントをクリックするとそのイベントのパラメータやユーザー プロパティが確認できるなど、操作方法はほぼ同じです。
DebugViewにはデバッグモードを有効にしたアプリのデバイスデータのほか、アプリ開発者が開発中のデータも表示されます。左上にあるプルダウンから特定のデバイスを選択することで、特定デバイスのデータを確認できます。
デバッグモードを有効化にする方法は公式のヘルプからご確認ください。
※ Firebaseヘルプ: DebugViewのご利用方法
また、デバッグモードの有効化方法は、こちらのコラムの連載でも紹介予定です。しばらくお待ちください。
次回はGoogle アナリティクス for Firebaseのレポートの重要な考えとなる、イベントやパラメータについて紹介いたします。
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