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世界をリードするニュースチャンネル「CNN」のニュースを超えたコンテンツ戦略とは?

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」もスタート。アメリカのメディアCNNもまた、日本に注目している。そんなCNNのコンテンツ戦略とは?

本年9月には「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が行われ、2020年には「東京オリンピック」が開催される。世界的に注目されるイベントが日本で行われるとあって、アメリカのメディアCNNもまた、日本に注目。そこをふまえて、日本マーケティング協会において「CNN: Beyond the News ?」と題し、セミナーが開催された。ここでは、セミナーや配布資料で語られた「CNNの戦略」についての概略を紹介する。

あらゆるオーディエンスにつなげる

まず登壇したのは、CNN International Commercialのアジア太平洋地域 広告部門上席副社長のスニータ・ラジャン氏。CNN International Commercialは、世界のさまざまなブランドや組織のパートナーとともにコンテンツを配信し、収益化をはかる商業部門である。CNNというと、アメリカのニュース系テレビ局というイメージが強いが、もはや彼らのテリトリーはテレビだけではない。CNNというブランドを背景とし、単なる広告ではなく、信頼できるコンテンツを、さまざまな人に届けることで、多くの効果をあげてきたという。

CNN International Commercialのアジア太平洋地域 広告部門上席副社長のスニータ・ラジャン氏

「私たちが配信するコンテンツは、毎月6億3,830万人の大人(16~64歳)にリーチし、心に響く経験を提供しています。重要なのは、どのように信頼をつくってきたか、なぜナンバーワンのインターナショナルなニュースブランドになったのかです」(ラジャン氏)

CNNの戦略の1つが、クロスプラットフォーム戦略である。テレビ、Web、モバイルアプリなど、さまざまなデバイスで配信しており、家だけでなく飛行機やホテルなどあらゆる場所で視聴できる。また、ソーシャルネットワークも駆使。CNNのソーシャルファンは2019年5月までに1億6200万人に及んでいる。また、事業経営者、投資家向けにも配信しており、あらゆるオーディエンスのもとにコンテンツが届くよう配慮しているようだ。

視聴者の行動を分析し、一人の人間として理解する

現在では、人々は専用のニュースチャンネルだけでなく、Webメディア、ソーシャルメディアなどから新しいニュースを仕入れているが、一方でフェイクニュースへの懸念ももつ時代。そこで、ニュースメディアのブランドとして、CNNは次の3点を心がけているという。

  • 視聴者について深く、豊富な知識を持つこと
  • 視聴者に関連する意味のあるコンテンツを提供すること
  • 正確さと信頼を通して、信用と好意を得ること

そのために、視聴者、消費者の興味がどこに向いているのかを継続的にコミットしながら仕事をしている。「私たちは消費者を深く理解し、意味のある経験を作り上げようとしています」(ラジャン氏)

そのために、グローバル調査、デジタル分析、ソーシャルリスニングなどを利用し、視聴者を人間として見て、その興味や行動を追っていると話す。たとえば、「日本では、10時から14時のピークタイムに、モバイルよりもデスクトップでCNNを見ることが多い」といったような行動分析をして、視聴者を理解しようとしている。もちろん、これは単なる一例にすぎない。

人として理解するための行動分析結果例

感情に訴えるクリエイティブが効果を上げる

そしてラジャン氏は、マーケティングの中心にあるのはクリエイティブだと語る。

47%はクリエイティブ

感情に訴えかけるクリエイティブが高い効果を上げるという。「感情に訴えることができれば、価格が最も安くなかったとしても買います。価格はさほど重要ではないのです。感情的なエンゲージメントによって、競合をしのぎ、売上は増加します」(ラジャン氏)

そして、CNNのコンテンツ戦略として、平等なストーリーテリングと真実性があることが重要だとし、LEXUSの例をあげた。ヨーロッパをターゲットに、ラグジュアリーカーを購入する人、プレミアムな経験をする人をセグメントし、LEXUSの職人魂をタッチポイントに配信。主にモバイルとタブレットでアクセスがあり、Facebookでのクリックが95%アップし、コメントの90%はポジティブだった。

ヨーロッパにおけるLEXUSの例

考え抜かれたストーリーをコンテンツにこめる

続いて、「CNN Digitalのメディアカバレッジ」とのテーマで登壇したのは、CNN Digital Worldwideのアジア太平洋地域 ディレクターのブレット・マッキーハン氏。CNN Digitalにおけるアジアのコンテンツ戦略、コンテンツ開発を担当している。CNNの報道がファクトファーストであること、CNN Digitalのニュースカバレッジなどについて語った。

CNN Digital Worldwideのアジア太平洋地域 ディレクターのブレット・マッキーハン氏

CNN Digitalはファクトファーストであり、「適切な視聴者に」、「適切なデバイスで」、「適切な時間に」、「適切なコンテンツを届ける」がミッション。そして今や、YouTubeやAppleTVなどOTTを含む37以上のプラットフォーム上でコンテンツが配信できるよう拡大してきたという。

さまざまなコンポーネント上でオーディエンスとつながる

2018年には、毎月23億のページビューの利用を可能にし、1億6,300万ものSNSフォロワーがあり、毎月1億5,600万のユニークビジターがあったという。「これだけの数が毎月、平均的に訪れているというのは驚くべき数字だと思います。主要なアジアの視聴者もたくさんいます。こうした数字を出すことができるようになったのは、簡単なことではありませんでした」(マッキーハン氏)

そして、あらゆるトピックスのストーリーは考え込まれたもので、しかもCNNというニュースブランドが透明性と真実を裏付けてくれるという。さらに、CNN Business、CNN Travel、CNN Politics、CNN Styleなどの展開があり、同じニュースを異なる視点から配信している。たとえば、大阪でのG20について、異なる3つのストーリーが配信されていた。1つはビジネスとして「ホンダ」を取り上げ、もう1つはトラベルとして「大阪の町」を取り上げ、さらにもう1つは政治として「首相たちの様子」を報じた。

G20にまつわるコンテンツを、ジャンルによって異なる視点で配信。2018年のブエノスアイレスでのG20のときよりも、大阪の方が、アクセス数が多かったという

また、スポーツジャンルであっても、単なるゲームとしてだけではなく、さまざまなストーリーを異なる視点で配信しているという。

スポーツジャンルでもストーリーを配信

◇ ◇ ◇

CNNはCable News Networkの略で、1980年にテッド・ターナーによって創立された世界最大級のニュースチャンネルだが、ニュースを超え、コンテンツに感動するストーリーをもたせることで、さらなる成功を目指しているようだ。そして、それを実現しているのは、CNNというブランド力はもとより、データ等の解析による徹底した顧客分析と世界のニュースを伝えるコンテンツ力だと感じた。

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