今後重要になる広告の「クッキーレス」「IDレス」、一方で役職者の4割「理解していない」【Ogury調べ】

次代のターゲティング手法をあまり理解していないのに、楽観論が支配的。

Oguryは、「クッキーレス社会におけるデジタル広告の未来」に関する調査結果を発表した。アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域における主要な広告主と広告会社の役職者1,000人が回答している。

「クッキー(Cookie)」は現在、ユーザー行動追跡・ターゲティング広告などに利用されているが、プライバシーの問題から廃止が進められている。たとえばGoogle Chromeでは2024年末までに使用を停止する方針だ。

進むクッキー廃止、一方で広告主の4割は代替手段を理解していない

まず広告主の60%は「ユーザートラッキングはブランドの信頼性を損ねるリスク」だと考えていた。また56%は「クッキーやIDがユーザーのプライバシーを脅かす」、60%は「クッキーやIDが廃止されるまで時間の問題である」と考えていた。

「サードパーティクッキーの段階的廃止にともなって、どのような対応を検討していますか?」と聞くと、「AdTechサプライヤーを変更する」32%が多く、そのうちの過半数が「個人データの収集に依存しないサプライヤーに予算を増やす」と回答している。一方で広告主の41%は「クッキーなどのIDを利用しないターゲティング手法をあまり理解していない+まったく知らない」と回答した。

また「IDやクッキーに頼らない広告でも適切なターゲットにアプローチできる」という意見に対しては、広告会社の意思決定者の51%、広告主の61%が支持していた。あまり理解していないのに楽観論が支配的な状況と言えるだろう。

調査概要

  • 【調査対象】アメリカ(米国、カナダ、メキシコ)、ヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)、アジア太平洋(日本、オーストラリア、シンガポール)の地域における主要な広告主と広告会社の役職者
  • 【調査方法】IDC(International Data Corporation)に委託
  • 【調査時期】2022年11月~2023年1月
  • 【有効回答数】1,000人(広告主70%、広告会社30%)
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