SEOのリンクビルディングにまつわる奇妙でおかしな8つの迷信(後編)
この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、8つの迷信のうち残る4つを紹介しよう。→まず前編を読んでおく
SEOのリンクビルディング迷信その5:
アンカーテキストの組み合わせを一定の比率に保たなければならない
この考え方は、いわば魔法の処方箋のようなものがあるというものだ。その処方箋は、まずキーワードを含むアンカーテキストを4種類に分ける。
- ブランド名
- ブランドに関連する語句
- キーワードに完全一致するリンク(すなわち検索順位を上げようとしているキーワードを意識したアンカーテキストを有するリンク)
- ランダムな組み合わせ
そして、この4種のアンカーテキストを、どの程度の比率で組み合わせるべきかが決まっていて、図で示したような数字が必要だというものだ。
これもまったくナンセンスだ。
この話も、多少の事実が元になっている。
怪しげなリンクビルディング手法を利用していれば、アンカーテキストがグーグルの調査対象になるというわけだ。キーワードマッチを狙った語句がたくさんあるのに、ブランドに関する内容がほとんどない場合、グーグルが監視を強化する可能性がある。
あるいは、「どうも問題があるようなので、このサイトを手作業でレビューする必要がある」とグーグルが考えるきっかけになるかもしれない。
もちろん、大なり小なり不正なリンク獲得に手を染めているなら、アンカーテキストがどのように見えるかにある程度注意を払う必要があるだろう。だが、ホワイトボード・フライデーやMozのアドバイスに従っていれば、ここでも心配は無用だ。
SEOのリンクビルディング迷信その6:
リンクを直接依頼してはいけない。ペナルティのリスクがある
こういう考えが生まれるのは、理解できる。個人でも企業でも顧客などにメールを送り、
当社のサイトにリンクを張っていただければ、割引サービスがあります
とか、
このリソースにリンクを張ってもらう引き換えに、こんな特典を提供します
といったようなことを依頼するところはたくさんあるからだ。
このような行為にまつわるペナルティや報道から、ある種の人間像が描き出せる。また、一種の脅しの手段としてこれを利用するものがたくさんいることも承知している。これは最悪だ。
リンクで不正操作をした者に対しては、グーグルが何らかの措置を講じることがある。
しかし、たとえば、自分に関する記事を書いたメディアが、こちらのサイトにリンクを張ってくれなかったとしたらどうだろう。その記事からリンクを張ってもらうように依頼することも不正行為になるのだろうか。もちろん、そんなことはない。
あるいは、Portland Monthlyのようなディレクトリサイトにはたくさんのバーが掲載されているから、新しくバーをオープンした人が、リンクを張ってくれと直接依頼することは、ルール違反なのだろうか。そんなわけはない。
リンクを直接依頼できる適切な場合はたくさんあり、その行為自体は、まったく問題ない。妥当性があり、理にかなっており、賄賂のようなものや金銭の授受がないのであれば、適正な行為だ。まるで問題はない。気にかける必要もない。
SEOのリンクビルディング迷信その7:
同一のウェブサイトから複数のリンクを獲得しても意味がない
これは、「リンク元ドメイン名の多様性が重要な指標」だという考え方から発している。リンク元ドメイン名の数が多いサイトの方が、少ないサイトよりも検索順位が上になることは多い。提供されているリンクが、こういった個々のサイトの多くのページからのものであってもだ。
だが、このイラストの人物もおもしろいね。「2つ目のリンクを張るのはやめてくれよ。なんてことするんだ、Smashing Magazine」ってところかな。
Smashing Magazineが、10ページ、50ページ、あるいは100ページからリンクを張ってくれたら、大喜びするべきだ。MozがSmashing Magazineからリンクをいくつか獲得しているのは、ここに書かれているすばらしい記事が、Mozのツールやリソースに言及しているからだ。最高だよ。僕はとても嬉しいし、もっとリンクを獲得したいとも思っている。
同じサイトからの2本目以降のリンクに対しても、決して「ノー」というべきではない。サイトのリンク獲得の取り組みを止めてはいけない。自分に張られたリンクから素晴らしいトラフィックや質の高いビジターがもたらされている場合は、特にそうだ。
リンクはSEOのためだけにあるわけではない。直接的なトラフィックをもたらしてもくれるのだから、これは間違いなく投資すべき取り組みなのだ。
SEOのリンクビルディング迷信その8:
関連性のないサイトからのリンクや、専門分野外のサイトやページ、コンテンツからのリンクは、検索順位の向上に役立たない
この話は、次のような考えが元になっているのだと思う。
グーグルが基本的に注目し、求めているのは、「サイトAからサイトBに張られているリンクについて、その関連性や本当の理由を知る」ことだ。
だが、
- リンクが適正な意図をもって張られている場合
- 質の高いサイトからリンクが張られている場合
- リンクが張られた理由が「検索順位の上昇を狙ったある種の不正なSEO」ではない場合
には、グーグルのボットはおそらくそのリンクを考慮に入れ、良い評価を与えてくれるだろう。
たとえば、あなたが、coffeekin.comというサイトを運営し、コーヒーをオンラインで販売したり、コーヒーに関するたくさんのリソースを持っていたりするとしよう。
そのときに、コルベットの情報を扱っているサイトcorvettecollectors.comがリンクを張りたいと依頼してきたり、リンクをすでに張っていたりしても、心配したり怖がったりすることはない。
実際、ほとんどすべての場合、自分のサイトのテーマと関係のないサイトから張られたリンクは、とてもとても役に立つ。こうしたリンクは、競合相手が獲得するのが難しいものであることが多いからだ。
たいていの場合、これらのリンクはきちんとした意図のもとで張られたものだ。うまい言葉で誘ったり、購入したり、不正な操作で得たりしたリンクでなければ、当然だ。
僕なら、このようなリンクを大歓迎するし、避けるように忠告するなんてことはない。
さて、これまでの話を念頭に置いたうえで、リンクに関する別のアイデアや迷信、あるいは事実を耳にして検証したいと考えていることがあったら、以下のコメント欄に書いてほしい。僕や大勢の同僚やコミュニティの仲間が、すぐに議論を始めるだろう。これからも、リンクビルディングの分野で何が迷信で何が事実なのか、明らかにしていきたいと思っている。
ではごきげんよう。またお会いできるのを楽しみにしている。
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