インタビュー

Tealiumの日本語表記は「ティーリアム」。顧客データプラットフォームを日本語化して本格活動開始

主軸は「データのリアルタイム一元管理」、ツールごとに分断されたデータを一元的に管理

リアルタイムの顧客データプラットフォームのサービスを提供する米ティーリアム(Tealium)は、日本拠点を強化し、日本での本格的な活動を展開していくことを、10月21日に発表した。

ティーリアム(Tealium)
ティーリアムのロゴ

日本法人は2014年9月に設立していたが、社員も採用してサービスのインターフェイスを日本語化し、日本語版のWebサイトもオープンした。また、「Tealium」の日本語表記も「ティーリアム」として定めた

ティーリアム(Tealium)
ティーリアムの日本語サイト

米ティーリアムは2008年のスタートだが、過去4年間で600社の顧客を抱えている。ティーリアムによってデータを処理しているサイトはすでに5万サイトにのぼるという。

また、同社には、過去にWebSideStoryやVisual SciencesといったWeb黎明期のアクセス解析やオーディエンス分析のサービス(どちらもオムニチュアやアドビ システムが買収)を手がけていたエンジニアが主要スタッフとして活躍しているという。

日本法人の代表はアンディ・クラーク氏。また、初期スタッフとしてアクセス解析業界の著名人である海老澤澄夫氏などが加わっている。

主軸はタグ管理ではなく「データのリアルタイム一元管理」、ツールごとに分断されたデータを一元的に管理

ティーリアムは、

  • タグマネージメント
  • リアルタイム顧客データプラットフォーム

などのサービスを提供する企業。

当初はサービスとしてタグ管理を打ち出していた同社だが、現在はそのタグで利用するさまざまなマーケティングツールのデータを一元的に管理する「リアルタイム顧客データプラットフォーム」としてのサービスを主軸に置いている。

同社によると、今日の平均的なマーケターは、

  • メール
  • ソーシャルメディア
  • ディスプレイ広告
  • 検索
  • パーソナライゼーション
  • モバイルプッシュ通知
  • ECのトランザクション
  • アクセス解析
  • A/Bテスト

などといったカスタマーエクスペリエンス関連のツール(仕組み)を20以上利用しているという。

しかし、各ツールのデータは「各チャネルにおける顧客の一側面」だ。そうしたデータがツールごとにサイロ化されて分断した状態であり、統合されていないという点が問題なのだという。

もちろん、それらのデータを別システムで統合することで各顧客の全体的な理解が可能なのだが、同社代表のジェフ・ランスフォード氏はこう言う。

バッチ処理を1日に1回行ったとしても、そのデータはすでに24時間前の顧客の姿に過ぎない。

ティーリアムは、さまざまなツールのデータを「共通データレイヤー」によってリアルタイムで統合することで顧客の全体像を結ぶことが可能になる。

そのデータから「次のアクション」を導きだし、再度各ツールに戻せるのだ。

また、データ統合によって、

  • データの統合管理
  • プライバシー保護
  • セキュリティ確保

などのメリットも生まれるという。

ティーリアム(Tealium)

900以上のタグ、35種のサービスコネクタ、10種のCMSと連携可能

ティーリアムの特徴は、ベンダーニュートラルにデータを入出力して一元管理できることにある。

たとえば企業で現在、

  • アドビ システムズのアナリティクス
  • IBMのメールマーケティング
  • オラクルのDMP
  • SFDCのCRM
  • Googleの広告配信

のように、さまざまなベンダーのシステムを利用していても、そうしたデータをティーリアムで統合できるということだ。

また、データはTableauやDatoramaなどのBIツールなどからも自由に利用可能なので、レポーティングや分析も自由に行える。

同社では、すでに次のように幅広いツール・サービス・システムとの連携を実現している。

  • 900以上の「すぐに使える」タグを統合済み
  • オーディエンスアクションのコネクタは35個
  • BI/ビジュアライザーションツールは11種と連携可能
  • CMSは10種と連携可能

もちろん、こうしたツール以外の自社データをティーリアムのシステムにアップロードして統合させることも可能。

昨今ではデータを元にした予測や機械学習による処理も広がってきているが、同社ではそうした仕組みについてもティーリアムとしてのツールを提供して密結合させるのではなく、ユーザー企業それぞれが利用しているツールやシステムと連携するという思想だ。

日本でのパートナーや教育システムも

日本での本格展開にあわせて、同社ではパートナー・アライアンスも広げており、すでに以下のような企業がティーリアムのパートナー・アライアンスとして名を連ねている。

  • オプト
  • UNCOVER TRUTH
  • イー・エージェンシー
  • ディレクタス
  • DAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)
  • アタラ
  • 電通イーマーケティングワン
  • インティメート・マージャー
  • Datorama

また教育面でも、「Tealium University BOOTCAMP」を開催し、修了者を認定する動きを日本で開始している。

導入プロジェクトは1~2か月程度。マーケと情シスの橋渡しにも

ティーリアムの導入に必要な期間は約1か月~2か月だが、2時間で導入を完了した企業もあるとのこと。

費用は取り扱うデータ量(訪問・訪問者・イベントなどのアクティビティ)に応じて定めるとしており、契約ごとに事前に協議のうえ決定する。

顧客側の部署をみると、半分はマーケティング部門、半分は情報システム部門だという。同社では、ティーリアムの導入によって「マーケティング部門の人間がやりたいことをやりやすくなり、情シスの人たちがやりたくないことをやらなくていいようになる」ため、その両者間の摩擦やあつれきを取り除く効果があるとしている。

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