企業サイトのモバイルからのアクセス比率やコンバージョン率などの調査結果を、アドビ システムズが9月8日に公開した。今回の調査は、日本を含むAPAC(アジアとオセアニア)地域の15か国について行い、2013年と2014年の期間を分析している。
それによると、すべての国でスマートフォン経由の訪問回数が2013年から2014年にかけて増加している。特に日本・韓国・東南アジアは2桁成長で他国を大きくリードしている。
APAC地域では日本(全体平均35%)と韓国(全体平均34.8%)が高く、トップレベル(上位20%)サイトでは、スマートフォン経由の訪問が50%を超えていた。
業種ごとでみると、通信産業がスマートフォン利用率34%で1位。トップレベルの通信企業では、訪問の60%がスマートフォン経由だった。モバイルへの移行では、小売業と旅行業が高い数字を示した。
コンバージョン率に関する調査では、全体平均でコンバージョン率が高い国は次のとおりだった。
- インド(3.5%)
- 日本(3.3%)
- オーストラリア・ニュージーランド(3.0%)
トップレベルサイトでコンバージョン率が高い国は、次のとおり。
- 日本(5.0%)
- オーストラリア・ニュージーランド(5.0%)
- 米国(4.4%)
広告のクリックスルー率に関する調査では、クリックスルー率がもっとも高い国は、オーストラリア・ニュージーランド(平均的なWebサイトで3.5%、トップレベルのWebサイトで6.5%)。もっとも低い国は、日本だった(平均的なWebサイトで1.2%、トップレベルのWebサイトで2.0%)。
同社では、モバイル対応と消費者エンゲージメントの間に、直接的な相関があると分析。モバイル経由のビジターはエンゲージメント率は高いが、コンバージョンには必ずしも繋がらないとする一方で、「モバイルへの最適化はもはや必要か否かという問題ではなく、モバイル展開のスキルに劣る企業はきわめて不利な状態に置かれることになる」とコメントしている。
調査では、次の6つの指標を国ごとや業種ごとに調査し、各サイトの取り組みを比較評価している。
- スマートフォンとタブレットによるトラフィック数
- スティックレート
- ビジターあたりの訪問数
- 滞在時間
- コンバージョンレート
- クリックスルーレート
調査概要
- 対象国:日本、オーストラリア・ニュージーランド、シンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、インド、韓国、香港、中国。比較対象として米国
- 対象サイト数:3,000超
- 対象サイトへの訪問数:1億回超
この調査は、同社のクラウドサービス「Adobe Marketing Cloud」を通じて、企業サイトの利用データを集計したものだ。アドビは定期的に、企業のマーケティング動向をAdobe Marketing Cloudを活用して調査し、「Adobe Digital Index」として公開している。
参考リンク
アドビ システムズによる日本語情報(資料PDFへのリンクあり)
Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説
まぁ、このデータはアドビのツールを利用している企業のサイトに関するものだから、中小企業のサイトは含まれていないと思ったほうがいいかも。
コンバージョン率3.3%とか5%ってのは、なんとなくイメージに合ってる感じです。
だね。まぁ、調査対象のサイトがアドビのツール上で何をコンバージョンとしているかにもよるけどね。
なるほど。
おもしろいのが、2013年→2014年で、モバイル比率が上がっていて、コンバージョン率も上がっていることかな。
モバイルが増えるとコンバージョン率が上がるってことですか?
と見えるかもしれないけど、そう単純な話ではないんだ。中国や韓国では、モバイルは伸びているけれどもコンバージョン率は下がっているからね。
あ、ホントだ。なぜだろう。
このデータだけではその理由はわからないね。
なるほど。
いずれにせよ、他社サイトのアクセス状況を確認するのは難しいから、こういうデータはおもしろいね。
ですねー。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
スマホからのアクセスが35%って、なんか低いイメージですね。