オンライン広告の効果測定の調査結果を、ビデオリサーチとビデオリサーチインタラクティブが9月3日に発表した。
この調査は、オンライン広告が与える心理変容や態度変容(商品認知、興味関心、購買行動等)について調査し、効果測定の統一的・客観的な基準値を作成することを目的としたもので、日本広告業協会と協力して行った。
たとえば、調査の対象となった代表的な4種類の広告それぞれの、広告の延べリーチと、広告認知率の関係は次のとおりだった。
広告認知率は、どの広告フォーマットでも広告への接触が重なるにつれ上昇しており、かつ広告フォーマットによってその効果は異なることがわかる。
この調査結果を利用することで、たとえば、「目標数のターゲットに認知されるには、どれくらいの広告量が必要か」といった、広告効果の標準的な目安を事前把握できる。
この場合、「レクタングル型広告の認知曲線の数式(図3)」に、目標とする「ターゲットに対する広告認知率(Y)」をあてはめることで、必要な「ターゲットに対する広告延べリーチ(X)」を逆算できるというわけだ。
調査では、以下のことが確認された。
- オンライン広告の認知曲線(基準となる広告投下量と広告認知率の関係式、図1を参照)。
- レクタングル型広告の認知効果は、テレビCMの認知曲線と同様の曲線で表現できること(曲線は図1を参照、関係式と係数は図3を参照)。
- レクタングル型広告に比べて、大型広告・動画広告はおおむね広告認知効果が高いこと(参考値、図4を参照)。
- レクタングル型広告認知後の、心理変容効果や態度変容効果の平均値(図5を参照)。
- 広告到達回数が多いほど、高い広告効果が得られる傾向にあること(広告認知、心理変容、態度変容ともに)。
今回の調査で定義している各種の指標は次のとおり。
調査は2013年9月から原則毎月1回、一般社団法人日本広告業協会と共同で実施しており、約10万人の日本全国20~69歳のPCインターネットユーザーパネルから回答を得た(各回5,000サンプルを回収)。
期間中に調査対象となった広告は107素材で、内訳は、レクタングル型広告:65素材、ビルボード型広告:22素材、ウォールペーパー型広告:10素材、インストリーム動画広告:6素材、その他の広告フォーマット:4素材だった。
調査の詳細については、ビデオリサーチのニュースリリースページを参照のこと。
参考リンク
ニュースリリースページ(ビデオリサーチ)
ビデオリサーチ
Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説
要は、「広告をたくさん出すほど、よく広告を認知してもらえる」「広告を認知した人は、興味関心が高まったり購入する気になったりする」といったことが、調査で裏付けられたということだ。
なんか、当たり前のことのような気が……。
まぁ、そうなんだけどね。ネット広告では「クリック率」とか「コンバージョン率」は意識されやすいけれども、「広告を“見る”ことで心理や態度に変化があるはずだ」ということが軽んじられていた傾向があったよね。
あー、確かにそうですね。広告を見たことによる「広告認知」「心理変容」「態度変容」なんて、リスティング広告のデータに出ないですからね。
でも、広告というのはネット以前から、そうした「心理変容」「態度変容」のために行われていた面があるんだよね。
そりゃそうですよね。テレビCMではクリック率なんてないですからね。
それを調査でちゃんと確認したってことだ。
なるほどー。すごいじゃないですか。
うむ。でも、まだ調査対象が十分には多くはないので、これからこうした調査を継続していくということだ。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
えーと、難しいです。わかりやすく言うとどういうことですか?