動画のつかみは1分30秒以内に。視聴率を上げるための工夫 | 第3回
企業サイトで動画を利用する方法をイチから解説するこのコーナー。今回は、制作した動画コンテンツを実際に見てもらうためのノウハウを、演出面、施策面から紹介をしていきます。
動画を見てもらうための導線
動画を見てもらうためには導線設計が重要です。コンテンツを制作した側としては、「サイト内のこの場所で動画へと誘導しておけば、みんなが見てくれるだろう」と思ってバナーやボタンを配置しますが、初めてそのサイトを訪れたユーザーは、どこにどんなコンテンツがあるかわからずに、理解に時間がかるものですし、優先順位も把握しづらいことがあります。
そこで大事なのは「わかりやすい位置に大きく表示すること」です。サイトを開いたときの「ファーストビュー」で目立つ場所(一番は画面上部・中央)に動画へのリンクを置けるかがとても大事です。訴求力の高い動画コンテンツですから、縦長のWebページのずっと下にリンクを設けて、発見されないままに終わるのはもったいないです。
しかし、厳格な社内ルールよって任意の場所にリンクボタンを配置できない事情もあるでしょう。その場合は、別途ランディングページを設けるのが有効です(詳細は後述)。
どんな動画で何を得られるのかわかりやすく伝える
次に大事なのは「どんな内容の動画なのかを明記すること」です。動画コンテンツを見たいと思ってもらうためには、リンクボタンを置くだけではなく、その先にどんなコンテンツがあるのかを具体的に知らせる必要があります。
たとえば「~を動画で解説」と表記してあるものより、「~の魅力を2分で紹介」と表記してある方が「2分の視聴で疑問が解決するなら見てみよう」と視聴の敷居を下げることができるでしょう。
化粧品や化粧品器具の製造・販売を扱う株式会社ミックコスモの動画活用は、その好例といえます。同社で展開する、簡単に二重まぶたが作れるメイク用品「リーズンダブルエッジ」は、8年も続くロングセラー商品です。リピーターが多い一方で、「商品の使い方がよくわからない」「うまく二重にならない」という疑問や質問も毎月あり、顧客サポートの点から、わかりやすい情報提供手法を模索していました。
そこで、商品の使い方手順とポイントを2分でまとめた「How to 動画」を企画・制作し、公式サイト上に公開したのですが、動画冒頭のキャッチに「誰でも2分でぱっちり二重になる方法」とうたっている点が秀逸です。ユーザーが2分の動画視聴で何を得られるのかが、実に端的に示されています。なお、動画公開後半年間で、疑問の声をゼロにまで改善できたそうです。
動画の目的を明確に伝えるという視点で言えば、キャンペーンやプロモーションでクイズやプレゼント企画を行い、「答えは動画でご紹介」「動画の中で出てくるキーワードを記入してください」といった手法も増えてきています。
動画公開のタイミングを考える
ある新製品の魅力を伝える動画を撮影したとします。特徴ごとに5つの動画があるとすると、その動画は一気に公開したほうがよいでしょうか、それとも期待感を煽りながら間を空けて順次公開していくべきでしょうか。
コンテンツの内容や特性、Webサイトの構造などにも左右されると思いますが、基本的には一気に公開したほうがより多くの人に見てもらう確率が高くなります。
たとえば、5つのコンテンツを毎週1つずつ予告しながら公開した場合、視聴者側からすると、そのサイト自体にある程度の頻度で訪れている人でない限りは、運営者が思っている以上に次の公開日を忘れてしまいがちです。せっかくサイトに訪れてくれた数少ないチャンスを逃さないためにも、もったいぶらずにすべて視聴できる形で公開したほうが視聴者のストレス軽減にもつながります。
集客手段は欠かせない
自社サイトで動画を公開する以上、検索連動型広告や広告バナーなど、通常のWebサイトと同様の集客施策も欠かせません。
すでにメールマガジンなどを発行している場合は、ぜひ動画コンテンツのお知らせを載せるようにしましょう。毎回同じような体裁で内容を更新していては、新しくコンテンツを公開しても、その告知自体が目立たなくなってしまいますから、サイトと同じく上部の目立つ位置になるべく具体的な解説(映像の長さや内容、特典など)を添えてしっかりとアピールします。
そして前述した社内のルール上、自社サイトの目立つ箇所に好きなようにリンクを張ることができない場合は、このメールマガジンやリスティング広告などからまずは簡易的なランディングページに飛ばします。そこからコンテンツページに飛ばしてしまえば、複雑な自社サイト内を視聴者が迷うことなく見てほしいページに誘導できます。
最近では、TwitterやFacebookなどを利用してコンテンツが公開・更新されたことを告知するという方法がありますが、一定数以上のファンを獲得していないと効果は薄いでしょう。情報の流れが早く、こちらの伝えたい情報がすぐに埋もれてしまい、見逃されやすい点にも注意が必要です。
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