無料提供によるリンクビルディング(とブランド強化)のテクニック99選 #3
この記事は、4回に分けてお届けしている。前回に引き続き、筆者が提唱するリンクビルディングのテクニックをご紹介しよう。
前回と重複するが、この一連の記事で紹介するアイデアが目指しているのは、自分のブランドがネット上で話題にされる機会を増やすことだ。そこには、ブランドを話題にする人はリンクを張ってくれる可能性も高いという理屈がある。詳しくは前回の記事の冒頭の解説を参照してほしい。
全4回でお届けしているこの記事の第1回では「製品などの無料配布」、第2回では「お金をかける」「慈善事業の支援」「コミュニティの強化」といったテーマで、合計51個のテクニックを紹介した。
3回目となる今回は、「コンテストを開催する」「知識を無料提供する」というテーマで、22個のテクニックを紹介しよう。
コンテストを開催する
何らかのコンテストを自社で開催するのは、自分のブランドがネット上で話題にされる機会を増やす良い機会だが、さらにその効果を高めるやり方がある。
- ユニークな限定品を作って賞品にする
人は他人と違うものが大好きだから、製品の一部ををほんの少し変えて(たとえば色など)、優勝者にプレゼントするといい。
- お金で買えないものを賞品にする
工場見学ツアーや、オフィスのクールな備品などをプレゼントしよう。社長や次の広告に登場するスターに会う機会を設ける。お金では買えないものを提供すれば、コンテストの話題が広がるのに役立つはずだ。
- 賞の特典として、サイトの広告枠を無料で提供する
たとえば、自社サイトが優良不動産に関するものだとする。それなら、サイトの一部(つまりその土地)を好きなように使える権利を優勝者に与えるというのはどうだろう? フルーツキャンディーのSkittlesは、Facebookページで「今週のファン」を選んで写真をウォールに掲載するといううまいやり方をしている。
- 挑戦状をつきつける
自社製品の強みは何だろう? 製品との対決を顧客に呼びかけ(たとえば「当社の金庫を破れるかな?」など)、勝者に賞品をあげよう。
- 人々が求めているものを与える
次に扱うべきものをみんなに決めてもらおう。たとえば、グーグルのウェブマスターツールの動画はすべて、ユーザーの発案や質問に基づいて制作されている。
- 受賞者に製品を宣伝してもらう
最も多く視聴された動画に賞を与え、自社サイト上で公開する。すると、受賞者はもっと多くの人に見てもらうため動画にリンクを張るので、サイトはさらに多くのトラフィックとリンクを獲得できる。
- 製品に関する動画を作ってもらう
自社製品にまつわることをテーマに、おもしろい動画をユーザーに作ってもらおう。好きなように作ってもらい、優秀作品を自社サイトで公開する。
- コンテストを開催して未来の従業員を発掘する
Compare the Marketは素晴らしいミニサイトでこれを実践し、新しいソーシャルメディア大使を選んだ。投票もすべてサイトで行われ、最多得票者が優勝した。つまり、優勝するためにはたくさんツイートして、それこそ死にものぐるいでページを宣伝する必要があったわけだ。
- 自社製品を人気サイトに賞品として提供する
レディー・ガガは、農園ソーシャルゲーム『FarmVille』を最新アルバムのプロモーションに利用し、ゲームで好成績をあげたら、ガガの曲を無料で聴けるようにした。仮にアプリがガガの公式サイト上にあったなら、さらに有効だっただろう。メディアの報道からガガのサイトへリンクが張られただろうから。
- 自社製品を提供して世界記録を達成してもらう
Oreos Lick Raceは、オレオのクッキーのクリームをいかに速くなめられるかを競う大会だ。メーカーはエントリーした人に製品(つまりオレオのクッキー)を無償提供し、それで練習を積んで記録を達成できるように支援した。
- Twitterでコンテストを開催する
コンテストを開催する際に、Twitterでツイートすることが参加条件とする。リツイートされるメッセージには自社サイトのURLが含まれるので、Twitterにおける言及が大幅に増える。
- Facebook上のファンに製品をプレゼントする
前項のTwitter利用と同じで、エントリーの条件として、Facebookの各自のウォールにリンクを含めて投稿してもらう。
- 次に出す製品をファンに決めてもらう
製品完成に貢献するという不朽の名声を得るチャンスを提供しよう。同時に、その新製品を入賞者への賞品にする。
知識を無料提供する
- 新たな調査を実施する
そして結果を無料で公開し、業界の関係者に貢献しよう。みんなが答えを知りたがっている質問を投げかければ、その情報はリンクを通じて広まっていくだろう。
- ゲストとして他のブログに寄稿する
他のウェブサイトで記事として提供することで自分の知識を共有し、有用なコンテンツを書こう。執筆者プロフィール欄に自社サイトへのリンクを添えておくのを忘れないように。
- ハウツーものの動画を作る
製品の使い方や、仕事のもっとうまくこなすコツなどを教えよう。通常は対価を払わなければ得られない知見を提供すると、視聴者から感謝される。わがクーザイ社もお金を取れそうなハウツー動画を無料で公開しているが、まさにブランド認知度の向上につなげることが目的だ。
- コミュニティから質問を受け付ける
コミュニティの知りたいことを教えてもらい、そして、詳しく回答して質問者を助けてあげよう。そうすれば、彼らが結果を他の人と共有してくれる可能性が高くなる。
- 素晴らしいインフォグラフィックを作る
じっくり時間をかけて、自社の業界に関わる重要な情報を表す見栄えの良いインフォグラフィックを作ろう。見て楽しめるものを作り、インフォグラフィック共有サイトに投稿して、そこから被リンクを獲得する。
- 動的なタイポグラフィを作る
僕は「動画インフォグラフィック」という呼び方を好むが、どちらでもいい。動きがあるインフォグラフィックで質問に答え、共有してもらおう。グーグルのすばらしいお手本がある。
- ホワイトペーパーを作成する
調査結果を販売するより、無料で提供しよう。ただし入手する条件として、そのホワイトペーパーについてツイートしてもらうのだ。Clockwork Pirateのやり方が参考になる。
- トップ10のリストを作る
評判を集めやすい「トップ10」型のリストを作り、リスト上の全サイトにリンクを張り、バッジを提供して各サイトに表示してもらう。リンクと露出の機会を無料提供することになるが、ランクインしたことを彼らが誇りに思えば、お返しにリンクをしてくれるだろう。
- 業界の中でおかしいと思うことと戦う
僕は以前、電子書籍の海賊版にすごく腹が立ったので、何時間もかけて不満を綴ったコンテンツを書いたことがあった。そんなことをしたのは、誰かが声をあげる必要のある問題だと思ったからだ。このコンテンツが当社のブログの中で最も多くのリンクを獲得したという事実は、思いがけないご褒美だった。
長かったこのリストも、大詰めが近づいてきた。最終回となる次回は、残る26個のテクニックを紹介する。
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