もしも、「確定申告サイト」を解析するなら (後半)[第32回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」。有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
前回に続き、今回は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(以下、「確定申告サイト」)の後半だ。筆者は税理士でもないし、省庁や公的機関のサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけでもない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
「確定申告サイト」の閲覧シチュエーションを想定
前回想定した、「確定申告サイト」の閲覧シチュエーションは、以下のとおりだ。
誰が | 新規訪問の個人ユーザー |
---|---|
何の目的で | 確定申告書の作成 |
「確定申告サイト」をエキスパートレビュー!
前回は、パソコン環境の確認、住所の入力、申告書の種類選択までを行った。いよいよここからが、各種数値データの入力の画面になる(下の図1)。
このページの作りを見ると、紙の申告書と同じ形式のページになっている。縦長で冗長ではあるが、紙と同じような感覚で入力していくことができるので、それまで紙の申告書を提出していた人にとっては、初めてパソコンでの入力をトライする場合は移行しやすいのではないだろうか。
一見、数値を直接入力できそうだったが、入力はできなかった。入力する各項目からリンクが張ってある。上部の説明書きを読むと、入力したい項目の名称をクリックすると、それぞれの項目に関する入力ページが表示されるので、説明に従って入力するように指示されている。ここは重要なところなので、太字もしくは、もう少し目立つように書いてあるくらいでもよいのではないだろうか。
試しに、いくつか入力項目をクリックしてみる。例えば「不動産所得」だ。項目名をクリックすると、これまでと同じく、新しいウィンドウが立ち上がり、画面全体を占拠する(下の図2)。
ここで数値を入力して、[入力終了(次へ)]ボタンをクリックすることで、図1の該当項目の数字が入力され、決定されるという流れになる。
給与項目(源泉徴収票)の入力
たいていの人にとって「給与」の項目は入力が必須だろう。図1の「給与」をクリックすると、「給与所得」のページが表示される(下の図3)。ここは会社から渡される源泉徴収票に沿って記入していけば、およそ間違いはないはずだ。
「給与所得」ページにある[源泉徴収票の見本を表示]というボタンをクリックすると(図3の赤枠で囲んだ部分)、下の図4のようなページがポップアップする。この見本は、「給与所得」ページの入力項目と色が対応しているので、どの部分の数字を入力ページのどこに転記したらよいのかがわかりやすくなっている。
入力はこれで終了したと思ったら…
「所得・所得控除入力」ページ(図1)で各種データの入力をすべて終え、[入力終了(次へ)]ボタンをクリックすると、下の図5のような小さなコメント付きのポップアップウィンドウが出てくる。これも不要ではないだろうか。[OK]をクリックして次へ進む。
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