もしも、「東京ガス」を解析するなら[第33回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、毎週連載「有名サイト、かってに解析!」では、有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回取り上げるのは、「東京ガス」だ。東京ガス(正式社名は東京瓦斯株式会社)は、東京都を中心とした首都圏を営業区域とする、国内最大手の都市ガス供給会社である(以下、カギかっこ付きで「東京ガス」と書くときは、会社名ではなくサイト名を指す。他のサイト、企業も同様)。筆者は、都市ガス業界やエネルギー業界の会社やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけでもない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
「東京ガス」の閲覧シチュエーションを想定
今回の「東京ガス」のサイト利用シナリオは以下のように想定した。
誰が | 首都圏在住の個人ユーザー(サイトへは新規訪問) |
---|---|
何の目的で | プロパンガスから都市ガスへの変更について調べる |
「東京ガス」をエキスパートレビュー!
今回想定するユーザーは神奈川県川崎市在住で、これまではプロパンガスを使用していたのだが、都市ガスが利用できるようになったという話を聞きつけた。そこで、まず検索エンジンで「東京ガス」と入力して検索することにした。「東京ガス」で検索すると、「Yahoo! JAPAN」でも「Google」でも、下の図1のように、検索結果ページのトップに、「東京ガス」が表示される(赤枠で囲んだ部分)。
検索結果ページをクリックして、「東京ガス」のトップページ(下の図2)に移る。グローバルナビゲーションの表示は3つで、
- 「ご家庭のお客さま メニュー」
- 「業務用・工業用のお客さま メニュー」
- 「東京ガスの取り組み」
に分かれていて、わかりやすい(下の図2の赤枠で囲んだ部分)。
グローバルナビゲーションの下のコンテンツでは、
- 「東日本大震災に関するお知らせ」
- 「ガス漏れ対応」
が上部にある(図2の青枠で囲んだ部分)。ガス漏れの対応については、さらに「ガスもれ時連絡先(24時間受付)」という赤のボタンが、大きく目立つように表示されているので、緊急を要している人にも見つけやすくなっている。
ただ、「引越しの際の手続き」などの家庭ユーザーの問題解決に直結するリンクが、もう少し目立つ位置にあってもいいのではないだろうか。プレスリリースやトピックスよりも、ユーザーのニーズは高いと思う。
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