③Q&Aページは検索結果で上位に表示されている
Q&Aサイトのページは、オーガニックな検索結果でかなり上位に表示されているように思える。これらのページは、メインのキーワードに関してオンページ最適化がしっかりと行われており、ユーザーの関与度も高く、ユーザーによりひっきりなしに更新されている。Q&Aページが検索で上位に表示されやすい理由として、次のようなことが挙げられる。
検索結果の多様性 ―― グーグルはそれぞれのクエリに対して、オーガニックな検索結果としてさまざまな種類のウェブサイトやコンテンツを表示する。これは、ユーザーに提供する内容を多様化させるためだ。だからたとえば「Michael Jackson」を検索したとすると、検索結果は、Wikipedia、動画、音楽サイト、雑誌/ニュースサイトなど、多種多様なウェブサイトやコンテンツへのリンクを含むことになるだろう。だから、Q&Aサイトは、1つの独立したコンテンツグループと見なすことができ、多くのクエリに対して上位表示される可能性がある。
頻繁なコンテンツ更新 ―― たいていの人は、自分の専門分野に関連した質問に回答して、自分の知識を分かち合うのが好きだ。フォーラム、専門家コミュニティ、Q&Aサイトなどサイトの種類は問わない。こうしたページには新たなコメントや回答が絶え間なく追加されていく。そして、新しいコンテンツが頻繁に生成されれば、グーグルがこれをインデックス化し、「死んだ」ページよりも上位に位置付けると考えて間違いないはずだ。また、コンテンツの豊富さを確実にもたらす別の側面として、ユーザーの関与がある。コメント、採点、投票などの仕組みにより、こうしたページはユーザーにとってきわめて高い価値を持つようになる。
十分なページ内最適化 ―― こうしたページのほとんどには、ページ内最適化で重要な役割を担うさまざまな要素が盛り込まれている(たとえば、title要素、meta descriptionタグ、関連タグや本文のテキストなど)。まず注目すべきは、質問の中で中心となるキーワードがこれらの各要素に含まれていることだ。さらに、サイト内のリンク構造が最適化を助けてくれる(たとえば、それぞれの質問ページにある「関連した質問」、ユーザープロフィール内の「最近の回答」、メインカテゴリに表示される「最近の質問」など)。
つまり、あなたのキーワードに最も関連性の高いQ&Aページを検索して見つけ、そこに役に立つ回答を追加していけばいいのだ。もちろん、ただ回答するだけでなく、回答文のなかに関連するコンテンツへのリンクを追加できる。そうすることで、特定のキーワードに関連するユーザーを直接サイトへ誘導したり、または被リンクを強化したりできる。
まずは、検索結果ページですでに上位に入っているQ&Aから始めるのがいいだろう。そうしたページは、すでに関連したトラフィックをもっているからだ。
狙ったキーワードの関連ワードにおける検索結果の1ページ目をしっかりと押さえられたら、次はQ&Aサイト自体の検索機能を使って、関連するQ&Aを探してみるといい。QuestionhubのようなQ&A横断検索サービスを使うと大幅に効率化できるだろう。
④被リンクプロフィールを多様化させる絶好の機会である
被リンクプロフィールには、多種多様なウェブサイトからのリンクを盛り込むようにして、1種類のサイト(例:ブログ、フォーラム、ニュースサイト、ソーシャルブックマーク/ソーシャルネットワーク、統計サイトなど……)だけに偏らないようにすることを常に心がけるべきだ。さまざまなソースからのリンクを獲得する必要があるのは、基本的に次の2つの理由からだ。
キャンペーンがより自然に見える ―― たとえば、すべてのリンクがブログに由来していたとすると、明らかに不自然に見えてしまう。そうなると、グーグルにフラグを立てられる可能性が高くなる。サイトのタイプが1つに偏らず、いろいろなスポットからのリンクを獲得している方が、ずっと自然に見えるものだ。
信頼性を高めるチャンス ―― バリー・シュワルツ氏が取り上げた動画で、さまざまな分野のサイトからリンクを獲得する価値についてマット・カッツ氏が論じている。この動画の中でカッツ氏は、グーグルがサイトの種類に応じてリンク評価のしかたを変えていることを示唆しているように思える。
⑤リンクしたいと思わせるページができる
たとえば、あなたが自分のブログで自動車保険に関するすごく良い記事を書いたとしよう。その記事の内容をもっと多くのユーザーに役立つものにしたいと思ったら、関連コンテンツへのリンクを記事内に追加するだろう。でも、どんなページへリンクするだろうか? ある企業サイトの情報ページ? それともQ&Aやハウツーのページ? どのページでもブログ記事との関連性が似たようなものだとしたら、おそらく企業サイトではなくQ&Aにリンクするのではないだろうか。
なぜ企業サイトではなくQ&Aページにリンクしようと思うのだろうか?
心理学 ―― ブログから企業サイトにリンクしていると、その企業とブロガーの間に何か関係があると思われる可能性がある。そのため、そうすることを無意識に避けてしまう可能性がある。ということは、Q&Aサイトがナチュラルリンクを獲得する可能性が高くなるということだ。
価値 ―― Q&Aサイトやハウツーのページを紹介することは、ブログ記事を読む人により高い価値を提要する。自分が他人のブログ記事を読んでいるときに、どこかのページへのリンクが出てきた状況を想像してみてほしい。そのリンク先には、中立的で、あなたを助けてくれたり、新しい何かを教えてくれたり、既存の知識を広げてくれたりするコンテンツがあるほうが嬉しいだろう。
見つけやすい ―― 前述のように、Q&Aやハウツーのページは最適化されている傾向にあるため、検索エンジンの検索結果ページに出現しやすい。ブログ記事に何か役に立つリンクを追加しようと思ったら、多くの場合は検索して探すだろう。もし私がブログ記事のなかで感謝祭用の七面鳥の料理方法を述べている部分からどこかにリンクを張ろうとしたら、「七面鳥を料理するには(how to cook a turkey)」といったキーワードで検索して、おそらくハウツーサイトかQ&Aサイトが検索結果に出てくることだろう。その場合、検索結果は次のようになっている。
自分でQ&Aサイトを作ってナチュラルリンクを獲得
リンクをする場合の人々の行動傾向をうまく生かし、リンクを引き付ける一番の方法は、自分でQ&Aサイトを作ることだ。この種のウェブ資産は、別ドメイン名に設置してもいいし、既存ドメイン名のサブドメインやサブフォルダ上に設置してもいい。そういうプラットフォームの構築を目的として無料のオープンソース・ソリューションが多数提供されている。そのうちのどれか1つを選べばいいだけだ。
どのキーワードに重点を置くべきかがもう分かっているとすれば、そうしたキーワードを最初の質問や回答のいくつかに盛り込み、サイトを宣伝しよう。これを遂行するためにすぐ役立つアクション・アイテムをリストにしておく。
まず中心となるキーワードを含んだ10~20件ほどの質問を公開しよう。人気がある他のQ&Aサイトで、最もよくある質問はどういうものかを調べ、それらを真似るといいだろう。このとき、検索結果ページ(SERP)で、それほど競合の激しくない質問を中心にすることを強くお勧めする(ただし、これはプロセスの開始時だけ)。これを確認する実践的な方法として、グーグルでintitle:"質問の語句"という検索オペレータを利用するという手がある(この他にもいろいろな検索オペレータがあるので、自分のクエリを絞り込む際に役立てるといい)。
これらの質問に対する詳しい回答を残す。ただし、一度に回答してしまわず、何時間か間隔をあけて回答していくこと。その方が自然な感じになる。もっと自然に見せたい場合は、別のIDを使うのもいい。
ソーシャルメディアを利用してこの新しいセクションへのトラフィックを引き込む(新しい質問をリツイートする、Facebookで共有する、友人すべてにメールする、自分のサイトのトップページからリンクする、フォーラムでレビューを求める、など)。公開からそれほど待つ必要はないはずだが、このサイトが価値をもたらすようになると、ユーザーが質問したり回答したりし始めるだろう。そして、そのソースがある種のオーソリティサイトになってくれば……リンクしてもらえるようになるのはすぐだ。
⑥ターゲット化されたトラフィックはコンバージョン率アップに直結する
君はブラックジャックが大好きで、来月休暇でラスベガスに旅行する予定になっているとしよう。ラスベガスに行くのは初めてなので、当然のことながら「ラスベガスでブラックジャックをするのに最適なカジノはどこか(Which casino has the best blackjack game in Las Vegas)」といった質問で検索する。検索結果にはおそらく、QuoraというQ&Aサイトが表示されるだろう。
このページでは、匿名ユーザーからの非常に情報量が豊富な回答が見つかる。その回答では、ラスベガスのいろいろなカジノについての説明だけではなく、ブラックジャックの戦術までいくつか教えてくれている。実際、この回答はとても役に立つし洞察に富んでいるから、無視して通り過ぎるなんてできない。このコンテンツ内に1つだけ張られている、ブラックジャックの攻略法に関するページへのリンクも無視できるはずがない。
さて、このリンクをクリックすると、このブラックジャックのウェブサイトに設置されたアフィリエイトのバナーもクリックすることになる可能性は高い。そして、その後のことは言わなくても分かるはずだ。それでは、このプロセスの「じょうご」がどうなっているか見てみよう。
このテクニックは、リンク構築の取り組みにも、トラフィックを生み出すのにも使うことができる。だがSEO的な恩恵だけを追求するのなら、主にこのようなリンクを獲得することに集中すべきだ。こうした種類のリンクは検索ロボットがたどってくれないので、リンクジュースという点では価値がないかもしれないが、次のような別の付加価値を持っている。
- トラフィック――こうした詳しい回答にリンクを設置して、2件以上の質問に対して残しておくと、本当に素晴らしいターゲットの絞られたトラフィックをかなり獲得できる。
- コンバージョン――獲得したトラフィックが君の得意分野をターゲットとしていた場合、それらのユーザーが顧客となる可能性は高い。
- Q&Aサイトからのリンク――これらのリンクはたどってもらえない場合もあるわけだが、被リンク全体の計算にはそうしたリンクが含まれたままになる。そして、僕が先に書いたように、これは君の被リンクのプロフィールを多様化させる素晴らしい手段となる。
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