DMCAとは/あなたの著作物をパクったサイトをGoogle八分に追いやる正しい手順
今日はいつもと少し視点を変えて、自分のコンテンツをパクったサイトがあった場合に、そのサイトが検索エンジンで表示されないようにする手順を紹介します。しかも、グーグル公式の方法で、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく正式な方法です。
サイトのコンテンツがパクられた!
世の中には、他人の著作物を盗用することに一切の罪の意識をもたない人も多数います。そのため、あなたのサイトのコンテンツを(自動的にまたは手動で)コピーして別のサイトを作り人がいないとは限りません。特に、あなたのサイトが人気を集めていて、RSSフィードを提供していればなおさらです。
そして、場合によってはあなたのサイトのコンテンツを盗用した悪質なサイトが、検索エンジンであなたのサイトよりも上位に表示されてしまう場合もあるでしょう。
最近のグーグルは重複コンテンツの扱いがうまくなっており、同じコンテンツが複数の場所で掲載されていたとしても、どれがオリジナルなのかをかなりうまく判断できるようですが、それはあなたのサイトがしっかりと検索エンジン対策をしていた場合の話。うまくいかない場合もあるのです。
しかし、そもそも盗用されたコンテンツならば、それを検索エンジンで探せない状態にしてしまえばいいのです。
権利侵害コンテンツの申し立て(グーグル)
グーグルは、検索結果その他グーグルのサービスでの著作権侵害コンテンツの扱いに関する申し立てをどのように行えばいいかを解説しています。
※2011-03-17追記 現在は、「Google からコンテンツを削除する」のページから、オンラインフォームによる著作権侵害申し立てを行えるようになっています。また、渡辺隆広氏が実際に削除要求を行った際には2営業日程度で対応されたということです。
・権利侵害コンテンツの申し立て(グーグル デジタル ミレニアム著作権法)
→ http://www.google.com/intl/ja/dmca.html (日本語)
→ http://www.google.com/intl/en/dmca.html (英語)
具体的には上記ページに書かれているとおりなのですが、手順を改めて示しておくと次のようになります。
侵害されている著作物を明記する
侵害しているページなどを明記する(どのキーワードでの検索結果で表示されるどのURLやドメイン名か)
あなたの連絡先を明記する(メールアドレス)
侵害している人の連絡先がわかれば明記する
次の文章を記載する:
私は、上記の著作物に著作権侵害の疑いがあり、著作権の所有者、代理人、または法律による許可なく、使用されていると確信しております。次の文章を記載する:
私は、不実記載における罰則および偽証罪の適用に関する事項を確認の上、本状に記載されている情報に偽りがなく、本状で著作権の侵害を申し立てた著作物の著作権所有者、または著作権所有者からの委託を受けた代理人であることを誓います。書類に署名する
米グーグルに送付する:
Google, Inc. Attn: Google Legal Support, DMCA Complaints
1600 Amphitheatre Parkway, Mountain View, CA 94043, USAまたは次の番号にFAXを送信する:
+1 (650) 644-0396, Attn: Google Legal Support, DMCA Complaints
これによって、あなたの著作権を侵害しているコンテンツがグーグル検索で表示されないようになるとのこと。ただし、次の3点には注意が必要です。
この申し立てをする人は、侵害されている著作権を所有している人、または、その人の代理人であること。第三者が「このページはあの人の著作権を侵害している」と申し立てることはできません。
申し立てがあったことは、侵害しているページ(つまり表示されないようにしようとしている対象のページ)を掲載した人にも伝えられ、そこから異議申し立てがされる可能性があります。
あなたの申し立ては他人の表現行為を制限する性質があるものであるため、「悪意を持って法律を利用して他人の権利を侵害しようとする行為からオンラインでの表現活動を助けるための組織」(Chilling Effectsなど)に送られ、第三者が確認できる状態になる場合があります。
また、上記ページでも解説されていますが、あなたが権利をもっていない著作物に対して権利を行使しようとするような不正があった場合は、相手方に対して賠償責任が生じる場合があります。
さらに言うと、上記ページでグーグルが解説しているように日本語で申し立てを作ってそれをマウンテンビューのグーグルに送れば正しく処理されるのかは不明です。日本語で送ったが待っても待っても処理されなかったという話を以前に聞いたことがありますので、可能ならば上記の英語ページを参考に英語で申し立てをするのが確実なのかもしれません。
いずれにせよ、申し立てを行う場合は、上記グーグルの解説ページ「デジタル ミレニアム著作権法」の内容を改めて確認し、そこに記載された内容に従うようにしてください。
ヤフー+グーグル後はグーグルでインデックスから消せばOK
このDMCAレポートはかなり前からあったのですが、あえてこのタイミングで紹介するのは、もちろんYahoo! JAPANの動きが理由です。ヤフーがグーグルのエンジンを採用したあとは、この方法でグーグルのインデックスから著作権侵害コンテンツを消し去れば、ヤフーでも表示されなくなるというわけです。
逆に言うと、あなたのサイトが第三者から同様にして消し去られる可能性があります。多くはないでしょうが、悪意をもった人が著作権者を装って、あなたのサイトが権利侵害していると申し立てれば、あなたのサイトがグーグル八分になってしまう可能性があります。
その場合は、「異議申し立て」を行う必要があります。異議申し立ての方法に関しては、上記ページの「異議申し立て通知」セクションに記載されていますので、メモしておきましょう。
・異議申し立て通知
→ http://www.google.com/intl/ja/dmca.html#counter
ちなみに、Yahoo!検索にも、問題のある検索結果に関する連絡のフォームは用意されています。
・Yahoo!検索の問題となる検索結果に関するご連絡 - 情報提供フォーム
→ https://ms.yahoo.co.jp/bin/abuse-search/feedback
とはいえ、こちらは「検索結果からの情報削除に関しましては、個別の見解および検討結果を含め、返答はいたしておりません。ご了承ください」というものなのが残念なところ。いずれにせよ、グーグル採用後はヤフーの「情報提供フォーム」も必要なくなるでしょう。
ヤフーがグーグルの検索エンジンを採用したら、ヤフーもグーグルも同じインデックスを参照することになります。管理は楽になるのですが、こうした「グーグル八分」の影響は大きくなるので、注意が必要ですね。
コメント
googleが著作権侵害を
googleが著作権侵害をしてるイメージしかない
実際には
グーグルさんは、一般論としてのプライバシーへの配慮は非常に低いですが、著作権に関しては自ら侵害する結果とはならないように努力している印象がありますね。ブックサーチの件でも、一時期は強引に進めようとしていた印象がありますが、実際にはちゃんと対話する仕組みを設けていますからね。