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1位は新潟県、全体的にインタラクティブが進化 - 都道府県・政令市サイト ユーザビリティ調査ダイジェスト

主要な自治体65サイトのユーザビリティ(使い勝手)を評価。

日経BPコンサルティングは、主要な自治体65サイトのユーザビリティ(使い勝手)を評価した「都道府県・政令市サイト ユーザビリティ調査」を実施した。

自治体のWebサイトは、現在の住民に対して生活に必要な情報を提供するほか、観光を目的とするサイト利用者や、受発注にからむさまざまな情報開示を目的とする利用者にも情報を提供する必要がある。幅広い利用者を持つため、目的の情報が探しやすい構造でなければならない。サイトの使い勝手(ユーザビリティ)の良さが求められると同時に、誰でも使える(アクセシビリティ)への配慮も不可欠となる。

今回の調査では、トップページの使いやすさ、ナビゲーションの統一、音声ブラウザ対応、サイト利用者との接点、個人情報保護方針などについて5つの診断軸を設け、細目を含め計59項目を審査した(詳しくは調査概要を参照)。

総合スコア1位は新潟県、2位に京都府

総合スコアベスト5(100点満点)
順位自治体名総合スコア
1新潟県85 (82)
2京都府80 (61)
3佐賀県80 (71)
4静岡県79 (64)
5名古屋市77 (75)
※同一スコアの順位は小数点以下の得点による。
※総合スコア欄のかっこ内の数値は前回(2007/2008)の調査結果

調査の結果、最も使いやすいサイトは新潟県で、100点満点中85点を獲得した。新潟県は前回(2007実施の「全国自治体サイト・ユーザビリティ調査2007/2008」)に引き続き、高いレベルを維持している。

政令指定都市は都道府県よりも好成績

自治体種類別の総合スコア平均(100点満点)
 総合スコア(100点満点)
全体平均58.49 (56.99)
都道府県平均58.33 (56.15)
政令指定都市平均58.89 (59.18)
※かっこ内の数値は前回(2007/2008)の調査結果
※前回の政令指定都市平均スコアには岡山市を含む

総合スコアの全体平均は58.49ポイント、前回と比べて1.5ポイント向上した。前回と同様、政令指定都市が都道府県の平均を上回っているが、その差は0.56ポイント。前回3.03ポイントと比べ、大きく差が縮まる結果となった。

優秀なのはインタラクティブ、苦手なのはプライバシーとセキュリティ

各カテゴリーの平均スコア(対前年比較)
前回との比較グラフ
※すべて10点満点
※前回の政令指定都市平均スコアには岡山市を含む
各カテゴリーの平均スコア(自治体種類別比較)
 トップページ・
ユーザビリティ
サイト・
ユーザビリティ
アクセシビリティインタラクティブプライバシーと
セキュリティ
全体平均6.66 (6.31)4.40 (4.41)5.90 (5.78)8.62 (7.76)4.95 (5.12)
都道府県平均6.68 (6.27)4.54 (4.40)5.90 (5.76)8.79 (7.78)4.68 (4.77)
政令指定都市平均6.61 (6.40)4.04 (4.43)5.88 (5.81)8.15 (7.72)5.65 (6.02)
※すべて10点満点
※かっこ内の数値は前回(2007/2008)の調査結果
※前回の政令指定都市平均スコアには岡山市を含む

各カテゴリの全体平均を見ると、サイト利用者との接点に関する「インタラクティブ」の得点が10点満点中8.62ポイントと飛びぬけて高く、前回調査と比較して0.86ポイント増と、伸び幅も最も大きかった。

一方、個人情報保護方針に関する「プライバシーとセキュリティ」は4.95ポイントと低い水準で、前回より0.17ポイント低下した。

底上げの原因はインタラクティブ性の向上にある。調査項目を見ると、特にRSSによる新着情報配信の普及が得点増につながっている。個人情報の授受を要しない情報発信手段が整備され、自治体サイトが多機能化しているといえる。

反対に懸念されるのは、プライバシーポリシーの整備が遅れていることだ。行政に関する意見募集コーナーに代表されるように、ビジターと自治体がじかに接する場合、個人情報をどのように取り扱うか、自治体の方針と運用実態を具体的に示す必要がある。

調査概要

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  • 調査の目的
    本調査は、2007年『全国自治体サイト・ユーザビリティ調査』として実施した調査を一部改訂し、都道府県と政令指定都市の65サイトに対象を絞るとともに、調査対象ページの選定基準や審査項目を一部変更し、外国語対応、SEO対策の項目などを追加、強化した。主要な自治体サイトを同一の評価項目で横並びにチェックすることにより、自治体が陥りやすい欠点を明らかにすると共に、優れた自治体サイト作りのポイントを提示することが目的である。

  • 調査方法
    Giga Information Group(米国・Forrester Researchの一部門)が開発したWebサイト・スコアカード(=WSSC)をベースに、日経BPコンサルティングが自治体サイトに必要な要素を考慮に入れて独自の診断軸を考案した。

    診断軸は以下5つのカテゴリーで、49項目(細目を含め計59項目)を審査した。

    1. トップページ・ユーザビリティ ―― サイトで提供している情報や機能を分かりやすく提示しているか
    2. サイト・ユーザビリティ ―― サイト全体が使いやすい構造になっているか
    3. アクセシビリティ ―― 音声ブラウザ利用者を中心に、誰にとっても使いやすいか
    4. インタラクティブ ―― サイト利用者との接点が用意されているか(問い合わせ、フィードバック窓口の提示、RSS配信など)
    5. プライバシーとセキュリティ ―― サイト利用者が提供する個人情報に関する保護方針、セキュリティ対策が明らかになっているか

    調査員が実際にサイトを閲覧しながらチェックを実施。ブラウザは「Microsoft Internet Explorer」(バージョン7.0)を使用した。

  • 調査期間
    2009年11月中旬~2010年1月中旬

  • 調査対象
    都道府県、政令指定都市65サイト

  • スコアの算出方法
    各審査項目について、基準を満たしていれば「1」、基準を満たしていない場合は「0」と採点した。5つの調査カテゴリを10点満点でスコア化し、総合スコアを100点満点で算出した。

  • 調査企画/実査
    日経BPコンサルティング

調査報告書イメージ

調査結果の完全版は、調査報告書として日経BPから販売されている(A4冊子、税込価格5万2,500円)。

http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/sales/od-city/2010/

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