CMSとは――導入から構築まで

CMSの理解からはじめる正しい製品選び。知っておきたい製品の違いと特徴/CMS特集#2

CMSを選ぶ際に押さえておきたい基本機能の違いや製品選びのポイントを解説

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CMSとは――導入から構築まで

CMSは多くの製品があり、自社にあった製品を選ぶのは難しいもの。数あるCMSから最適なものを選択し、メリットを最大限に活用するために必要な知識を、CMSの基本的な仕組みや機能を中心に解説していく。CMSではこんなことができて「うちの会社で解決したいことはCMSならできる」「Webサイト作成ツールと思っていたけど、こんな製品なんだ」と、理解できるようになれば幸いだ。

CMSの基本的な仕組みと分類

まずはCMSの仕組みについて整理しておこう。CMSは、コンテンツをどこに保管し、Webブラウザへどう配信するかによって、PCアプリケーションタイプ、Webアプリケーションタイプ、CMSサーバータイプの3つに分類できる。

CMSの分類と仕組み
図1 CMSの分類と仕組み

PCアプリタイプは、ホームページビルダーやDreamweaverに近いのでわかりやすいだろう。CMSがインストールされたPC上でHTMLを編集すると、CMSが更新されたファイルをWebサーバーへFTPなどで自動転送する。更新の競合を完全に防ぐことはできないが、ローカルにバックアップがあるのでWebサーバーにトラブルがあっても復旧しやすい。このタイプのCMSが通常のページ編集ソフトと異なるのは、「複数のユーザーによる作業の分業がしやすい」「Webサーバーへのファイル転送が自動で行われる」「Webに詳しくないユーザーでも使えるように機能やUI(ユーザーインターフェイス)が設計されている」という点だ。日本でメジャーなのはAdobeのContributeくらいで、選択肢はあまり多くない。

多くのCMSは残りの2タイプにあたる。WebアプリケーションタイプとCMSサーバータイプは、CMSをサーバーへインストールするため、作業者は自分のPCにソフトをインストールせずに、WebブラウザのみでCMSを操作し、コンテンツの管理や配信が行える。また、コンテンツもPCではなくDB(データベース)やサーバー上で保管するため、チームやサイトが大きい場合は容量や堅牢性、バックアップなどの面で優れている。同じファイルを別のユーザーが同時に編集し、変更が上書きされたり、先祖がえりを起こしたりすることを防ぐ仕組みもある。

ただし、通常のPCアプリケーションとは異なり、インストールするためには環境に応じた個別設定やセキュリティへの配慮などのため、専門性を持ったベンダーや技術者に依頼する必要がある。また、製品ごとに必要なサーバー環境(OSやPHP、データベースのバージョンなど)が異なるため、レンタルサーバーによってはインストールできず、CMS用に専用サーバーが必要になることもある。

3つのタイプのうち、商用として普及しているのはCMSサーバータイプだが、その中でも価格や機能は幅広い。また、最近はインストール不要のASP(SaaS)型サービスも充実しつつあり、初期のコストや労力を抑えて気軽に導入することもできる。

ライセンス形態とコストの関係。パッケージ販売とASPの違いは

CMSはライセンス形態によってパッケージ販売とASP(SaaS)に分けられる。それぞれにメリットとデメリットがあり、コストも変わってくる。

パッケージ販売 ASP(SaaS)
サーバーインストール 必要 不要
コンテンツ保管場所 社内ネットワーク内 社外のサーバー
カスタマイズ性 高い 低い
初期費用 高い 安い
図2 一般的なCMSの形態とコスト ※製品によって異なる

CMSを自社サーバーへインストールするパッケージ型のCMSは、社内ネットワークの中で管理を完結でき(個人情報や機密情報が含まれる未公開コンテンツを社外に持ち出すことを情報管理ポリシー違反とする企業もある)、カスタマイズやメンテナンスの日程調整などの自由度が高い反面、日々のシステム運用の手間とコストが発生する。インストール不要のASPタイプはその逆で、導入や運用に関する社内の負担が軽くなるが、機能や運用面の個別対応が難しい。

コストに関しては体系が複雑なため、どちらがリーズナブルかはケースバイケースだ。ASP型のサービスの場合、管理できるページ数や作成できるユーザーアカウント数などによってベーシックやプレミアムのようなコースに分かれることが多い。

ソフトウェアの場合は、基本ライセンス費に加えて、その後のサポートやバージョンアップのために保守費(ライセンスの10%~20%程度が多い)が毎年発生することもある。基本ライセンス費もユーザー数や管理対象ページ数、サイトの数、サーバーのCPU数などによって上下する。そのため、会社全体で数百名が使うような場合はサイト数やCPUライセンスを検討するのがいいだろう。管理ページ数に制限がある場合は、サイトの規模が大きくなるにつれて追加コストが想像以上に増えていくことがあるので、選定時に将来の予想と見積もりを忘れないようにしたい。また、追加コストが必要なオプション機能もある。どの項目によって価格が上下するかは製品によって異なるので、自社の運用方法とあわせて確認しておこう。

CMSでWebページはどうやって作られているか

次に、CMSがWebページをどう管理するのかについて整理しておこう。CMSでは、Webページの構成要素を次のように分けて管理する。

  • コンテンツ(テキスト・図・動画)
  • レイアウト(テンプレート)
  • ナビゲーション
CMSを使ったWebページ生成の仕組み
図3 CMSを使ったWebページ生成の仕組み

これらの構成要素の中には、ページ固有のものもあれば、サイト内で繰り返されるものもある。たとえば、印刷用ページでは、通常ページとコンテンツ(本文)部分は同じ状態のまま、ナビゲーション部分を省略し、印刷してもはみ出さないようにレイアウトを狭く(または可変にする)などの加工を行う。フッターはコピーライト表記のテキストやロゴ画像、リンクなどで構成され、サイト内のすべてのページで繰り返し使われる。また、本文の概要文(サマリー)部分が、そのページへのリンクの紹介文として使われ、トップページや最近の記事、カテゴリ別の記事一覧ページ、さらにはRSSなどで流用されることも多い。

同じようなコンテンツがいろいろなところで繰り返し使われるのが、Webコンテンツ管理の特徴だ。そのため、1つのページを追加するだけでも、似たようなページを生成したり、他の複数のページへリンクを追加したりするなど一連の作業が発生する。ページを削除する場合は、そのページへのリンクも漏れなく削除しないと、リンク切れが発生してしまう。CMSでコンテンツとレイアウト、ナビゲーションを分けて管理し、それらを組み合わせてページを生成させることで、このような煩雑な作業を自動化できる。

コンテンツの制作・保管・配信を管理するCMSの機能とは

基本的なCMSの仕組みをおさらいしたところで、実際にどういった視点でCMSを選べばいいのか、CMSの機能を掘り下げて見ていこう。CMS製品は数多く存在するが、基本的な管理のアプローチに大きな違いはない。ただし、どのようなシチュエーションでのコンテンツ管理を想定し、どの機能を重視するか、どこまで作りこむかによって具体的なデザインや操作性が異なり、その結果、製品価格も変動する。すべての機能を盛り込んだ製品もあれば、ある機能を完全に切り捨てたCMSも存在する。製品選定で重要なのは、自社のニーズは何かを理解し、それに合致するものを選ぶことだ。有名だから安心、高いほど良い、というわけではない。

今回は、多くのCMS製品に共通する基本的な機能を「制作」「保管」「配信」に分類し、それが必要となるシチュエーションや製品による違いを浮き彫りにしながら解説していく。

制作 保管 配信
  • ナビゲーション自動生成
  • テンプレート
  • 自動フォーマット変換
  • メタデータ検索
  • バージョン管理
  • ワークフロー
  • 動的/静的配信管理
図4 CMSの3つの基本機能
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