ダメな企画書で足りないもの
ダメな企画書で足りないもの
いつも言っているが、現状どうなっているかのデータや分析は企画書の導入部分において必要不可欠の要素である。これを怠ると、上司を納得させるための要素の半分以上が失われると言ってもいい。今の状態が良いのか悪いのか、自分でそれを判断できなくても、今どういう状況にあるのかなどを正確に相手に伝えることで、その後に記述する施策がどんな意味を持っているのかを理解させることができ、最後の肝となるROIの根拠としても利用できる。
そして、実施する戦略と施策の具体的な内容だ。これは具体的に記述しないと、企画書を判断する立場の人がイメージできないため、できるだけ具体的に書く。ただし、だらだらと書いても意味がない。ポイントを絞って具体性を持たせることが重要である。
そして、ROIの視点に基づき、成功への指標を記述して、最後に想定されるコストを算出する。
以上のことをまとめると、企画書に必要な要素は以下のようになる。
- 課題や目標
- 現状の売上とその分析
- 戦略・施策内容
- 成功の指標
- コスト
ネットショップの立ち上げと運営について
ここで、若干話はそれるが、ネットショップの立ち上げについて記述しておく。重要なことなので、頭に入れておいてほしい。
そもそもネットショップを立ち上げることは、ネットショップそのもので収益を上げることが可能なため、企業としては1つの事業として成り立つ。そのため、私が以前から書いている「インターネット広告予算の獲得」「SEO導入予算の獲得」「アクセス解析導入予算の獲得」とは、企業及び上司の判断の視点が変わってくる場合があることを前もって理解してほしい。というのも、単に1回だけ予算を獲得して立ち上げるだけでは済まない場合が多いのだ。なぜなら、ネットショップの展開状況によっては企業の販売形態や戦略が変わってくる場合もあるからだ。
たとえば、あなたの会社がメーカーで、基本の営業展開は直販ではなく、卸会社(流通)への販売だとする。その場合、ネットショップを展開することで、あなたの会社は直販のルートを持つことができ、そこで独自の販売展開が可能となる。これは、卸会社やその先の販売店との競合を意味する。自社のネットショップを立ち上げることで卸会社や販売店から圧力がかかることはあまりないと思うが、卸会社への営業を行っている社員などからするとやりづらい状況が生まれてくることがある。
また、自社以外の既存のネットショップなどにすでに商品を卸している場合も同様の状況となる。よくあるのが、自社のネットショップでの販売強化だけを意識して自社のネットショップでディスカウントなどの展開を派手に実施した場合、卸会社を通して販売店からクレームが入ったりする。
ただ、インターネットでの販売については、今後無視できないものだということも、さすがに上司は理解しているだろうから、ネットショップでの販売は、会社としての今後の営業戦略に組み込む必要性がでてくる。
このようなことから、単にWeb担当者が良い企画立案をしたからといって、それだけで進めることができない場合もあるのだ。
「だったら、そもそもWeb担当者が企画しても通る可能性が少ないじゃないか」と思うかもしれない。しかし、あえてチャレンジしてみてほしい。何も、あなたに会社全体の営業戦略を考えろと言っているのではない。きちっとしたネットショップ企画を立案し、その企画が根拠のあるもので上司を説得することができれば、それが会社全体の今後の方向性を変えるきっかけになるかもしれないのだ。
新事業展開として小さなところから企画立案して、それを展開していくことで、Web担当者もしくはWeb担当部署が、収益を上げる1つの事業部署として会社を担うこともあるのだ。
つまり、難しい企画かもしれないが今後大きな展開を見込むことができるものなので、Web担当者であれば1度はチャレンジしてみてほしい企画の1つだと思う。
準備しなければならないデータ
企画書の作成に戻る。まずは、現状どうなっているかのデータが必要だ。目的が売上アップならなおさらである。楽天やヤフーでショップ展開しているならば、それぞれのショップについて、
- 過去の売上推移データ
- プロモーションなどの実績
- アクセス数
- コンバージョン率・数
など、まずは現状どうなっているかを把握・分析することが必要である。
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