Web担当者なら知っておきたいケータイCMSとウェブCMSの違い - 携帯マーケ入門#9
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Movable Typeなど、大企業はじめ一般的なウェブサイト制作現場でも更新稼働の軽減という理由から、CMSを活用した案件も急増してきている。しかし、PC向けCMSとケータイCMSで違いは多い。
基本はPCと同じでケータイCMSはケータイサイトに特化したサイト管理・運用システムである。携帯電話で作業するわけではなく、PCから管理画面にログインしてページの作成や管理、更新を行う。利用形態はPC向けCMS同様に、サーバーインストール型やASP型、ライセンス型などがあり、コンテンツ規模やビジネスモデルなどによって使い分けられる。
以下、PC向けのCMSを「ウェブCMS」として、ケータイサイト向けCMSとの違いを見ていこう。
ケータイCMSに求められる3キャリア対応機能
一般的にケータイサイトで必須となる機能は、ケータイキャリア別の対応機能だ。これはPCでいうブラウザの違いよりも頭を悩ませる。
日本の携帯電話事業者は、従来から、HTMLを拡張した独自の仕様でそれぞれサービスを運用してきており、具体的にはサイトのコーディング、画像形式や画像サイズ、絵文字などキャリア独自の仕様に従う必要がある。したがって、通常ケータイサイトを構築する場合は、キャリアごとにサイトを構築する必要があるが、ケータイCMSにはこの一番厄介な部分を解決するために、自動的に3キャリア分のサイト(ページ)を生成する機能がある。このため、きわめて低コストで、かつ最適化されたケータイサイトを構築できる点が大きなメリットだ。
ケータイサイトはウェブCMSでも作成できるか?
ウェブCMSを使っている企業は多いと思うが、残念ながら通常のウェブCMSはケータイキャリア別機能に対応されていないため、生成したページを携帯電話から閲覧することはできない。ケータイCMSは以下の点において、各キャリアの携帯電話に特化したサイトやページが生成できるようになっている。
- 携帯キャリア別ページ生成機能
- キャリア別のHTMLタグ、コードの最適化
- 1ページあたりの容量制限
- 画像形式変換(jpg、gif、png)
- 絵文字対応
- 問い合わせフォームなどでのフォーム数の上限設定
- ケータイキャリア別メール配信最適化
- ケータイ専用のアクセス解析への対応
- ケータイキャリア別動画配信への対応
- Flashなどリッチコンテンツの機種判別表示
- おみくじ機能やシリアル番号による抽選機能
このように絵文字などケータイサイト向けならではの機能を搭載しているものも多い。ケータイCMSを選ぶポイントだが、まず携帯電話のキャリア別対応機能が十分なのかを確認すること。可能であればサービスを試用したうえで、各キャリアの実機でサイトを確認したほうが無難だ。また、ケータイ端末の高機能化により、CMSの中でケータイ動画やFlashといったリッチコンテンツが利用できるサービスも増えてきた。ケータイ動画も、HTMLと同様キャリアごとのエンコーディングが必要であり、Flashは端末ごとのブラウザキャッシュに応じた表示が必要となる。
また、サイトの位置づけにあわせ、リッチコンテンツやSEOへの対応が適切に行われているかを確認すること。既存のCMS向けにケータイサイト用プラグインが提供されているものもあるが、PCとの連動を主眼に置いているため、ケータイ独自のサービス展開やコンテンツ提供を行う場合はケータイCMSの導入検討を勧めたい。
※Web担編注 少し古い記事になるが(2007年8月)、Web担で過去に「携帯サイト向けCMS厳選8製品ガイド」という記事を公開しているので、こちらも参考にしてほしい。
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