基本無料のASP利用で月100件の問い合わせを獲得/ケータイサイト活用事例 - 携帯マーケ入門#10
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コアターゲットのケータイユーザーを獲得――株式会社サクシーオ
取材・文:編集部
留学センターを通じて海外生活をサポートする
※株式会社サクシーオは2010年7月に事業廃止しました。
サクシーオは、ワーキングホリデーやインターンシップ、語学留学といった海外留学を支援する留学エージェント会社だ。世界25都市、国内8拠点で展開し、すべての拠点に日本語で緊急対応できるスタッフを常駐してサポートをする。
「会社を設立した2003年当初は、航空券手配や海外傷害保険などの業務を取り扱っていたのですが、留学会社のビジネスモデルをほぼ踏襲したようなこと、いわゆる留学斡旋、留学エージェントといわれるようなスタイルで2004年から業務をスタートしました
」このように会社設立の経緯を語る、経営統括本部のディレクター氏は人材教育にも力を入れたいと続ける。
「単なる留学エージェントではなくて、人材教育をしていくビジネスモデル、“教育”を強調していきたいと思っています。教育には、留学を手配して手続きする業務もあるのですが、『現地で困らないためにどうしたらいいか。現地で自分が成長するためにはどうしていったらいいか』といったカウンセリングの部分、セミナー・説明会などで、現地にいくまでの間に『夢をかなえるためにどうしていったらいいのか』という部分も含めた業務を行うようにしています
」
問い合わせの9割以上をPCサイト経由で獲得
会社設立当初よりウェブでのビジネス展開を考えていたというサクシーオでは、問い合わせの9割以上を留学希望者向けのPCサイト「東日本/西日本留学センター」経由で獲得しているという。
「問い合わせのほぼ100%がPCサイト経由で、ほとんどのお客さんは検索をしてやってきます。たとえば、検索エンジンで“留学”と入力すると、今は検索連動型広告とかSEOで、だいたい留学エージェントが出てきます。あるいは資料請求サイト・一括サイトが多数あります。留学の場合は、情報収集が先というお客様が多いので、まずはキーワード検索をされて、いろんな会社の資料を取り寄せるパターンが大半です
」
ウェブ経由の問い合わせがほとんどを占める同社であるが、どのような集客を行っているのだろうか。
「基本は検索エンジンマーケティングで、オーバーチュア、アドワーズに重きを置いて、広告予算全体の5割近くを検索連動型広告、もしくはSEOに割いています。それ以外もウェブ関係で、資料請求サイトなどです。
一番大きなキーワードでは“留学”などがあると思いますが、最もインプレッションが稼げるキーワードもやはりこれです
」
コアターゲット獲得のためASPでケータイサイトをオープン
自然検索と広告を含め、月に600件〜700件の資料請求がPCサイト経由であるというサクシーオ。PCサイトの成果をより伸ばすことも考えられるが、ケータイサイトの活用を選択した。
「2年前ぐらいからASPを利用してケータイサイトを作っていたのですが、PCサイトのようにアクセスがあったわけではなく、ほとんどそのままだったのです。ですが、ケータイユーザーが、留学のコアターゲットであるF1層(20〜34歳の女性)に育ってきて見逃せない存在となっている。今はパケット定額制プランもあり、ケータイの流れがこれだけ来ているのだから、ちゃんとしたものを作ろうということになりました
」
コアターゲット獲得のため、それまで利用していたASPから、基本無料のマイネット・ジャパンの「katy」に2007年11月に乗り換え、本格的にケータイサイトの運営を開始している。広告代理店経由でkatyに行き着いたというディレクター氏は、導入の理由を次のように語る。
「ケータイサイトをやらなくてはと思っていましたが、ケータイに関してみんな素人だったので、予算感やどういったサイトが効果があるかというのも正直よくわかりませんでした。SEOなどもある程度しなければいけないし、予算をかけてもどれだけの結果がでるかわからない。弊社の会長が机上の計算ばかりに頼らずやってみようという人物ですので、予算抑えてできるなら、やってみようということになり、安くやりたいという希望にかなったのがkatyでした
」
運用費のみで月100件の問い合わせを獲得
katyを利用して、本格的にケータイサイトを運営し始めたところ、その週から問い合わせが来たとディレクター氏は言う。
「1日1件ほど、月に30〜40件の問い合わせから始まり、だんだん増えてケータイだけで月100件くらいの問い合わせが現状あります。PCサイトでのCPA(顧客獲得単価)は、4,000円〜4,500円ほどですが、ケータイは広告費をかけずに、サイトの運営費のみでお客様が来ていますので、CPAは数百円レベルになります。ただ、ケータイサイトからのお客様で、成約に至る件数はまだ伸び悩んでいます。ケータイは100件来ても成約に至るのは5件レベルです。やはり見込み客の質に関しては課題になるところではあります
」
誘導策として取り組んだのは「Yahoo!ビジネスエクスプレスモバイル」の登録ぐらいで、検索連動型広告などに広告費をかければ、さらに問い合わせを伸ばせるように思えるが、悩みもあるようだ。
「成約率が高くないので、集客に予算を入れていいのか迷っています。それよりもデザインであるとかのテコ入れを行おうと思っています。もうちょっとFlashを多用するなどして、資料請求までの流れ作る必要があるのではと。コンテンツも見直して、資料をもらえるから問い合わせをしましょう、という作りに変えたいなと思っています
」
アクセス解析にも力を入れたい
最後に今後の展開を伺った。
「ケータイの需要が高いことは市場的には間違いのないことなので、ケータイが重要だということは感じていますが、力を注ぎきれていない部分があります。
今は、マーケティングプロジェクトチームでミーティングを毎週やっていて、7月にケータイサイトをリニューアルする予定です。ただ、ケータイユーザーの場合、ユーザーの年齢が低いので、実際に留学するまでに時間がかかる可能性があるとも考えています。ですが、長い目で見てケータイでコンバージョン数を増やし、将来的にある程度もとが取れるような形で成長していければと思っています。すぐに成約と願いたいところですが、『留学といえばサクシーオ』というところに至ればいいですね。
また、PCサイトは代理店のツールやGoogle Analyticsで解析をしていますが、ケータイで広告などの施策を打つにしても、まずやってみようといったときに、効果検証ができないとなりませんので、解析にも力を入れたいとは思っています。そうしたとき、お客様がどういった動線を辿っているかをビジュアル表示できるような機能がkatyにつくといいですね
」
- ケータイサイトでコアターゲット=ケータイユーザーを獲得
- 初期参入コストを抑えるのに最適な基本無料のCMSを活用
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