今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

モバイルSEOに広がる5つの世界――Yahoo!とGoogleだけじゃない! - 携帯マーケ入門#5

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[特集]今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイマーケティング入門

Yahoo!とGoogleだけじゃない!
ケータイSEOに広がる5つの世界

2006年のauとGoogleの提携以来、ケータイ検索市場は大きく動いている。市場拡大は3G端末やパケット定額制サービスの普及でさらに加速し、いまやPCサイトと同様にケータイサイトのSEOも必須なのである。しかし、PCとケータイのSEOでは大きく異なる点が存在する。ここでは、ケータイサイト向けのSEOで押さえておきたい基本を紹介しよう。

文:中島 淑史(アウンコンサルティング株式会社)
監修:棚橋 繁行(アウンコンサルティング株式会社 取締役 兼 常務執行役員)

ケータイSEOの5つの世界

Yahoo!モバイル39.7%
キャリアのメニュー検索29.5%
Googleモバイル21.9%
F★ROUT3.8%
gooモバイル1.5%
モバ検索1.0%
CROOZ!0.3%
その他2.3%
表1 ケータイで最も使う検索エンジンは?

PCではYahoo!とGoogleが合わせて検索エンジン市場の90%を超えるシェアを持っており、この2つの検索エンジンのSEOを考えるのが基本だ。では、ケータイでも同じかというとそうではない。

アウンコンサルティング、インデックス、ポイントオンの3社でポイントオンモニタを活用したアンケート調査を実施したところ「ケータイで最も使う検索エンジンは?」という問いに対して表1のような結果となった。

ケータイでは、3キャリアの公式メニュー検索合計と、Yahoo!モバイル、Googleモバイルの5つで91%を占めており、キャリア、Yahoo!モバイル、Googleモバイルの3強の情勢が明らかになった。

またキャリアはそれぞれ異なる検索エンジンを導入しているため、ケータイSEOを実施する場合は3キャリア+Yahoo!モバイル+Googleモバイルの5つの検索エンジンを念頭に考えなければならない。とはいえ、GoogleとYahoo!が重要であることに変わりはないので、まずはこの2つの検索エンジンに対して、自社サイトを以下のツールから登録しておこう。

このように、ユーザーの検索行動だけでもPCと大きな違いがある。また、携帯電話はPCよりも画面サイズが小さいため、一画面に表示できるコンテンツは、ケータイサイトの方が当然少ない。また、3G端末が普及したとはいえ、端末の容量制限や通信速度の制限から1ページに含められるサイズも限られている。すなわち、表現できるコンテンツ、SEOで重要なテキスト要素が限られてくることになるのだ。

ケータイ検索の精度アップにはサイト運営者の協力が不可欠

また、アンケート調査からは、ケータイ検索への不満が多くあることも見えてきている。

「携帯検索エンジンに対して不満な点は?」という問いに対して「検索キーワードと検索結果が一致しない」という回答は36.9%。「信頼できるサイトが検索結果に見当たらない」という回答が16.9%となり、実に53.8%のユーザーが検索結果に不満を抱えていた。

この問題はケータイ検索エンジンの提供会社が精度を上げるだけでは対応が難しく、サイト運営者側の対応が必要だ。ケータイ検索をユーザーにとってより使いやすいものにするためにも、この記事で紹介するケータイSEOのポイントを考慮したサイト運営に取り組んでいただきたい。

ケータイSEOの基本は各種検索サービスの理解から

実際にケータイではどのような検索が行われるのか。検索結果の画面サンプルを見ながら、5つの世界を見てみよう。

※以下ドコモの検索サービスを「iメニュー検索サービス」、auの検索サービスを「EZweb検索サービス」、SoftBankの検索を「Yahoo!ケータイ」とする。表示パターンは2008年5月時点。

ドコモiメニュー検索サービス

ドコモiメニュー検索サービス
利用可能端末:ドコモ端末
検索対象:ドコモ公式サイト

検索結果の1画面目には公式サイトが4件と一般サイトが4件、PCサイトが2件表示され、2画面目以降はそれぞれ10件ずつ表示される。

公式サイトの検索にはドコモオリジナルの検索エンジンが使われているが、一般サイトとPCサイトについてはGoogleのエンジンが使われている。

広告表示は、検索結果の1画面目にGoogleのアドワーズモバイル広告枠が4枠、D2Cの提供するiMenu検索連動型広告が1枠表示される。

2画面目としてiMenuサイトの検索結果を選択した場合は上下にiMenu検索連動広告が、その他の携帯電話サイトやPCサイトを選択した場合はアドワーズモバイル広告が表示される。その他の携帯電話サイトの検索順位は概ね、Googleモバイルの検索結果に準じている。

KDDI EZweb検索サービス

KDDI EZweb検索サービス
利用可能端末:au端末
検索対象:au公式サイト

検索結果の1画面目には公式サイトが4件と一般サイトが3件、PCサイトが3件表示される。2画面目以降はぞれぞれ10件ずつ表示される。

ただし、「着うた」を含む検索クエリの場合は公式サイトだけが表示されるようになっており、公式サイトが1ページに10件ずつ表示される。

Googleと提携するauでは、公式サイト、一般サイト、PCサイトの3つともGoogleのエンジンが利用されているのが特徴だ。

また、検索結果の1画面目にはGoogleの提供するアドワーズモバイル広告が3枠表示され、2画面目以降には2枠表示される。

SoftBank Yahoo!ケータイ

SoftBank Yahoo!ケータイ
利用可能端末:SoftBank端末
検索対象:SoftBank公式サイト及び一般サイト

ドコモとauでは、公式サイト、一般サイト、PCサイト、それぞれ表示枠が3つに分かれているが、Yahoo!ケータイではケータイサイトとPCサイトの2つの枠に分かれており、1画面目にはケータイサイトが5件、PCサイトが2件表示される。

ケータイサイトの枠では公式サイトと一般サイトの区別がなく、両方が表示される。表示順位はYahoo!のアルゴリズムで決まる。

2画面目以降にはそれぞれ10件ずつ表示される。Yahoo!ケータイでは、1画面目に1位から5位が表示され、2画面目には1位から10位までが表示される。つまり、1位から5位のサイトは1画面目と2画面目の両方に表示されることになり露出機会が増える。

また、広告にはオーバーチュアのスポンサードサーチモバイルが4枠表示される。

Yahoo!モバイル

Yahoo!モバイル
利用可能端末:ドコモ端末、au端末
検索対象:一般サイト

1画面目にはケータイサイトが5件、PCサイトが2件表示される。Yahoo!ケータイと同様に、1画面目に1位から5位が、2画面目には1位から10位までが表示される。

また、SoftBank端末はYahoo!ケータイにリダイレクトされる仕組みになっており、Yahoo!モバイルにはアクセスできない。

スポンサードサーチモバイル広告は検索結果の上と下に2件ずつ、計4件が表示される。

Googleモバイル

Googleモバイル
利用可能端末:ドコモ端末、au端末、SoftBank端末
検索対象:一般サイト

公式サイト、一般サイトの区別なく、Googleの検索ロボットがクロールしたサイトがすべて検索対象になる。

1画面目にはケータイサイトが5件、PCサイトが5件表示されるほか、検索キーワードによって関連する画像・ニュース・エリア情報が検索結果上部に最大3件表示される。

Goolgeモバイルの検索結果はドコモ公式サイト、au公式サイトにも提供されている。

広告は、アドワーズモバイル広告がPCサイトの表示枠の下に2件表示される。

ケータイ文化から生まれる検索キーワードの相違点・共通点

SEOで最も重要な要素の1つにキーワード選びがあるが、ケータイとPCでは相違点と共通点がある。

相違点は「キーワードの正確さ」だ。ほぼすべての携帯電話には予測変換機能が搭載されており、はじめの1文字2文字を入力すれば、たいていは自分の意図する単語が表示される。固有名詞も辞書に登録されているため、「Mr.children」や「B'z」など正しい名称で検索されることが非常に多い。SEOを意識したライティングでは、必ず正式名称も入れるようにしよう。

また、「待ち受け」「待受け」「待受」のように、複数の表記が存在する単語があるが、これらも予測変換の影響を強く受ける。上記の例では、予測変換で一番初めに表示される「待ち受け」の検索が最も多いようだ。

共通点は、「ケータイでもロングテール化」が進んでいること。前述にある「ケータイで最も使う検索エンジンは?」のアンケート調査で「携帯検索エンジンに不満な点は?」という問いに対して、13%のユーザーが「検索ボックスに入力が面倒」と回答した。これを多く見るか少なく見るかであるが、PCのキーボードによる入力になれたユーザーからすると少ないと映るのではないだろうか。携帯電話を主として使うユーザーにとっては、テンキーを使った入力はそれほど苦にならないようである。事実、2007年4月に開かれた「次世代モバイル技術セミナー」のGoogleの発表によると、上位100のキーワードが検索された割合はわずか12%であるという。

実際に、アウンコンサルティングで病院検索サービスを提供するサイトの検索キーワードを調査すると、「東京都病院」や「北区赤羽眼科」などのような2語3語を組み合わせた検索キーワードを用いて流入する割合が過半数となっていた。

このようにケータイでも「ロングテール化」が進んでいるのだ。

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