今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

モバイルアクセス解析は正しい製品選びから――PCと異なる解析情報を知る - 携帯マーケ入門#8

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[特集]今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイマーケティング入門

ケータイサイトのアクセス解析は、PCサイトのアクセス解析とは事情が異なる。PCサイトのアクセス解析とは何が違うのか、ケータイサイトならではの制約をどうクリアするのかを基本として、ケータイサイト向けのアクセス解析の基本を理解しよう。

キャリアや端末の仕様で取得できない情報を知る

来訪者のライフタイムバリューに密接なデータを得られるケータイの客観的なアクセス解析データは、ケータイサイトのビジネスを成功に導くためになくてはならない情報である。しかし、その解析手法はPCサイトとケータイサイトでは大きく異なる。

まず、ケータイサイトの解析では、「Cookie」「IPアドレス」「リファラ」の制約の影響を受ける(表1)。PCサイトでの「Cookie」は、同一訪問者による来訪を判断するキーとなり、「訪問数」「ユニークユーザー数」「再来訪数」などの指標に使われる。しかし、ケータイサイトの解析では、キャリアや携帯端末の仕様のために、こういった情報を取得できない場合があり、定型的な指標として取り入れることができない。

表1 ケータイアクセス解析では、「Cookie」「IPアドレス」「リファラ」の制約の影響を受ける
項目個体識別番号
(UID)
Cookieリファラ
ドコモ公式サイト××
非公式サイト×××
au注1注2
SoftBank注1注2注2
注1:UID通知設定OFFの端末からは取得できない。
注2:端末の仕様により、一部端末からは取得できない。

「IPアドレス」は、同一訪問者の接続元を判断するキーとして利用されることが多いが、ケータイは移動や接続のタイミングなどによって、キャリアごとのさまざまなゲートウェイを通過し、そのゲートウェイのIPアドレスによりアクセスするので一定ではなくなってしまう。

「リファラ」は、来訪者が解析対象サイトに来訪する前にいたページの情報であり、これを分析することで、広告バナーやテキストリンク、検索エンジン、検索キーワードなど、どのようなきっかけで来訪したのかが判別できる。しかし、ケータイではキャリアや携帯端末の仕様によって、カットされる場合もある。

制約をどのように乗り越えるか

ケータイの制約を解決するために、ケータイサイトでは「個体識別番号(UID)」と「セッションID」を利用して解析を行う。

UIDとは、携帯端末ごとに振られた個別のIDであるため、「訪問数」「ユニークユーザー数」「再来訪数」などの指標にできる。しかし、一部のキャリアでは仕様によって、公式サイト、勝手サイト、SSLのかかったページなどで情報の取得に制約がある。

「セッションID」は、URLに個を識別するためのパラメータを付与し、ページ遷移の際に同パラメータを引き渡すことで、ユニークユーザーの行動をとらえられるサーバー側での仕組みだ。しかし、一度解析対象サイトから離脱をしてしまうと、再来訪時には異なるパラメータが付与されるため、同一端末からの「訪問数」「再来訪数」の指標とするにはやや難がある。UIDとセッションIDの双方を組み合わせ指標とすることで、より正確なユニークユーザーの行動を追跡できる。

サイトのコンセプトと将来像を見据えた製品選びを

PCとケータイを問わず、アクセス解析を導入する際には、ツールの違いによるメリット・デメリットと、解析対象サイトのマーケティングニーズを照らし合わせ、比較検討を行うことになると思うが、大きなポイントとしては、解析対象サイトのコンセプトにある。

まず解析対象サイトがターゲットとするユーザー像をサイトコンセプトから導き出すことで、解析対象サイトが成功するための指標を知ることができる。さらに、将来的にサイトがマーケット共に成長していくイメージも結びつけて考えることで、どのような情報が得られれば、解析対象を成功に導くのに有効なレポートとなるのかイメージしやすいはずだ。このポイントに基づけば、解析ツールに求める機能も自ずと導き出しやすくなり、さまざまなツールを選定するうちに、ツールの機能に翻弄されることもないだろう。

製品名URL会社名
Mobile Directorhttp://www.mobiledirector.jp/株式会社シンクウェア
MobileMK Analyticshttp://www.mo-on.net/mmka/ダブルクリック株式会社
MOBYLOGhttp://www.mobylog.jp/株式会社セラン
RTmetricshttp://www.auriq.co.jp/rt/オーリック・システムズ株式会社
SiteCatalyst Mobilehttp://www.omniture.com/jp/オムニチュア株式会社
Visionalistモバイル解析http://www.visionalist.com/mobile/株式会社デジタルフォレスト
表2 ケータイサイト向けアクセス解析ツールの一例

※Web担編注 少し古い記事になるが(2007年9月)、Web担で過去に「携帯サイトのアクセス解析ツール9製品厳選ガイド~選定のポイントは? 製品の特徴は?」という記事を公開しているので、こちらも参考にしてほしい。

用語集
アクセス解析 / キャリア / ケータイ / ケータイサイト / セッション / モバイルマーケティング / ユニークユーザー / リンク / 検索エンジン / 訪問 / 訪問者
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