企業ホームページ運営の心得

モンスターハンターにみる日本人。セカンドライフとオススメギフト

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の七十

任天堂快進撃に立ちこめる暗雲

家庭用テレビゲーム市場は昨年来「任天堂のひとり勝ち」と報じられています。携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」のヒットに続き、快進撃を続ける「Wii」の姿は「ゲームボーイ」と「スーパーファミコン」の栄華を思い出してしまいます。昨年12月に発売した「Wii Fit」は1か月で100万個のセールスを記録し、メディアでは任天堂礼賛が踊ります。

ところがこの春、ゲーム業界の話題の主役は任天堂ではありませんでした。3月27日の発売からわずか6日で100万本を出荷し、店頭で品切れが続いたゲームソフト(以下、ゲーム)を中心に動いたといっても過言ではありません。

名前は「モンスターハンター ポータブル 2nd G(以下、モンハン)」といいます。ソニー(SCE)の携帯ゲーム機、「PSP」用ゲームで、あまりの人気に予約を打ち切る店が続出し、販売後の「追加入荷分の予約」もすぐに定数に達する日々が続きました。

モンハンとは何だ?

笑い飯の西田、次長課長の井上といった吉本のお笑いタレントの4人が楽屋でPSPをプレーするCMを見たことがあるでしょうか。PSPの通信機能を使い、最大4人でタイトル通り「モンスターを狩る」ゲームです。

シリーズを重ねるたびに人気は高まり、PS2、Windows版などが発売されていますが、人気を決定づけたのはPSP版で全作品がミリオンセールスを記録しています。2007年2月22日に発売された前作は、翌月には100万本を突破しており、SCE発表による同時期のPSPの国内出荷台数の692万台(アジアも含む)ですから、PSPユーザーの7人に1人以上が購入したということです。

店頭では「中高生」がPSP本体とセットで購入していきます。彼らはPSPの無線通信機能を使い、友人達と膝をつき合わす距離で狩りに出かけます。

知っている人と群れたがる国民性

PS2版やWindows版も人気で、こちらは「オンライン」で狩りの仲間を探すことができます。ところが、どちらも2008年4月現在100万本(ユーザー)を越えておらず、ミリオン越えのPSP版とは「桁違い」です。両者の単純な比較には無理がありますが、顔見知りしか参加できないPSP版の人気の高さに「日本人」を見つけました。それは「非匿名性」を謳ったmixi(非匿名性の実態はともかくとして)のように。

今さらですが携帯メールしかしない30代の主婦を「mixi」に招待しました。未体験の「ネットコミュニティ」に不安と不信を隠そうともしません。「個人情報は大丈夫か?」「トラブルは?」。そこで「出身中学校コミ」を紹介すると、ハンドルネームと書き込みから同級生を特定できるといい、その発言を漏らさず読み「楽しい」と笑顔がこぼれます。

ネット社会の匿名性は問題視されますが、実際にコミュニケーションをとる場合、日本人は「顔見知り」を望むのです。

自由な外国人、不自由を好む日本人

オンラインゲームでアメリカ人とおぼしき外国人が近づいてきました。彼らはためらいもなく「hello!」と声をかけてきて一緒に旅をしようと迫ります。押しに弱い日本人は、愛想笑いを浮かべつつ旅に出ました。

モンスターと出会いバトルが始まります。日本人同士なら互いに協力して戦います。陽気なヤンキーは思うままに攻撃し、気兼ねなく「バトル」を満喫します。そして自分の都合で「bye!」と帰っていきます。日本人同士の場合、一定の時間や「区切り」までは付き合うものですが、そんなの関係ないと取材した日本人のゲーマーは吐き捨てます。

日本人は不自由でも社会的合意といった「約束」を好み、個人と自由を貴ぶ国民とは温度差があるのです。

ネットサービスにもペルソナを

PSP版モンハンと仮想空間「セカンドライフ」に日本のIT界は学ぶべきものあるのではないでしょうか。制約のあるモンハンに自由なセカンドライフ。顔見知りと遊ぶゲームと、不特定多数と知り合えるコミュニケーション空間。「チェリーコーク」に対する日米の評価が重なります。

ネット業界は「アメリカ志向」が根強く、シリコンバレー万歳礼賛が幅を効かせています。しかし、ネットサービスも「商品」ですから、一般的な日本人という「ペルソナ」を見直すべきでしょう。

そして物心ついた時にはケータイもネットもあった「平成生まれ(1989年以降)」の現在の中高生が、不特定多数無限大のネットの「あちら側」ではなく、リアルなこちら側(クラスメイト)を求めた事実は見逃せません。

別のレイヤーでという専門家に注意

アメリカのトイザラスが元のおもちゃ屋「トイザらス」では、「3999」と下1桁を「9」と表記しますが、日本人は「3998円」と「8」を好みます。わずか1円の差ですが大きな隔たりがあります。自分でチョイスするか、「店長のお薦めセット」を好むのかも国民性です。「ヤフーで問題ないし」という気質と重なるかも知れません。国民性の違いと構えるまでもなく現場では当たり前のことです……が、この業界、客を知らない「専門家」は少なくありません。

一例を挙げましょう。すぐに「ネットで検索」という人は危険です。誰でも常にネットを利用できる環境にいるという前提で話しをしています。「レイヤー」という単語には身構えましょう。直訳で「層」ですが、ニュアンスには「次元」「世界」「立場」「評価」などが含まれていることがしばしばあり、適切な日本語を使えない人のアドバイスは客を怒らせることがあります。

同じIT系企業だからといって、やれWeb 2.0だCGMだといったネット業界の中に居る人達の常識はあてはまりません。自由にネットにつながるPCがデスクにあるわけではありません。業界人からすると有名な、はてなの近藤社長やウェブ進化論の梅田望夫氏も外にでればほとんどの人が知りませんし、世間一般のネットの有名人といえば、楽天の三木谷氏やソフトバンクの孫正義氏でしょう。

とはいえ「専門家」の意見を丸呑みするのも日本人の国民性だったりもしますが。

最後に余談を。

モンハンに熱中する中高生。「ポケモン」発売から12年。幼稚園や小学校低学年当時「ピカチュウ」を筆頭にモンスターが友達だった子供達が、21世紀となりモンスター狩りに熱中しています。彼らにとって「モンスター」は大人が思う以上に「リアル」なのかも知れません。

♪今回のポイント

日本人は完全な自由と自由な空間を好まない。

モンハンって何? という方は『検索』を(笑)

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