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パナマの解説本が米国で大人気! 著者のモナ氏に突撃インタビュー

SEOmozでは、キーワード広告(検索連動型広告)については、残念なことに頻繁には取り上げていない。それでも、ちょっとした巡り合わせがあり専門知識を借り受けられれば、この部分にも少々踏み込むことにしている。

そんなわけで、今回はページゼロメディアのモナ・エレセイリ(Mona Elesseily)氏を大きな喜びを持って迎える。モナは検索連動型広告の第一人者で、同じく米国北西部周辺の住人で(彼女はカナダだけど)、僕がぜひ一緒に過ごしたいと思っている人でもある。経歴、仕事、そして新しく出した著書『マスタリング・パナマ(Mastering Panama)』に関するSEOmozとのインタビューを、モナは快く承諾してくれた。

Mona Elesseily
モナの写真。サンノゼの新刊出版パーティーにて。

SEOmoz 経歴をあまりよく知らない人のために、簡単な説明をお願いできますか? 検索業界に入ったきっかけや、アンドリュー・グッドマン氏と働くようになった経緯など。

モナ 検索業界に入る前は、5年間、金融業界にいました(以前は公認投資コンサルタントだったのです)。そこでの仕事を通じて、自分はマーケティングが好きなのだと実感するとともに、インターネットが成長する中、またとないチャンスを目にしました。私はスキルを仕上げるべく、ブリティッシュ・コロンビア大学の大学院で(オンライン分野の)マーケティングを学び、Radiant Communicationsに就職しました(2006年にDevlin eBusiness Architectsが買収)。Radiantを務め上げたあとで、アンドリュー氏にコンタクトを取りました。ページゼロメディアとは縁があり、もう4年近くこの会社で働いています。

SEOmoz  新しい著書『マスタリング・パナマ』では、Yahoo!の新しい検索連動型広告管理インターフェイスに関する戦略が書かれています。このテーマを選んだ理由は?

モナ PPC広告のアカウントを使っていて、さまざまなプラットフォームの違いを理解するようになりました。これは混乱しがちなものでした。私は著書を念頭に置いて、スポンサードサーチについて学んだことを、ノートにとり始めました。そのノートは40ページの資料となり、それからスポンサードサーチに関する100ページ本になって最初に出版されました。スポンサードサーチがパナマで新しくなると、2冊目となる『マスタリング・パナマ』を執筆しました。『マスタリング・パナマ』は2007年8月7日に発売され、熱烈な賞賛を受けているんです。Yahoo!からも。

スポンサードサーチの公式ブログで『マスタリング・パナマ』を取り上げた記事

SEOmoz  Yahoo!の従来のインターフェイスとパナマの大きな違いを教えてもらえますか? パナマはとりわけ複雑な製品なのでしょうか? 習得するのに豊富な経験や専門的知識が必要な、わかりにくい部分はありますか?

モナ 鋭い質問ですね。新しいシステムということで学習曲線はあります。しかし、いったんシステムに慣れてしまえば扱うのは非常に簡単です。別のプラットフォームに慣れている人からすれば、大きな違いがあると思います。

『マスタリング・パナマ』の中で、私は「取り組み事項」と「役立つヒント」を挙げています。「取り組み事項」の情報は、アカウントで試してみることを広告主にお奨めするものです。「役立つヒント」では、経験豊富な広告主もつまづく可能性のある、より高度な情報を扱っています。また、さらに進んだ広告主には、新しい順位付けアルゴリズム、地域ターゲティング、キャンペーン予測といった強力な機能に関する情報を活用してもらえると思います。

大まかに言うと、パナマは広告テスト、予測、キャンペーン構成など、極めて重要な部分が大きく進歩しています。このため、最初はこれまでより熱心に取り組む必要があるのですが、広告主としては長期的な成果改善の達成につなげることができます。

SEOmoz  僕自身、本を書くことが巨大な壁として立ちはだかっています。何を励みにして書き上げることができたのでしょうか?

成し遂げるために、時間やエネルギーをどう管理しましたか? 誰もが話すように大変な作業でしたか?

モナ そう、本を書くというのは確かにハードな仕事で、最新の本を書き上げるのに約10か月かかりました。そのために、私は執筆について小さな目標(たとえば毎日の目標)を設定し、それを着実に達成することに努めました。大部分は、1冊の本ではなく短い作品や記事を書いているような感じでした。短い断片で考えるといいんです。

また、引き込まれるテーマを選ぶことが重要ですね。本当にスポンサードサーチに興味があり、その本を書くことは私にとっておもしろいことでした。書いている最中に、業界人(およびマーケティング担当者)がスポンサードサーチの新しいプラットフォームの情報を求めて大騒ぎしていたことも、やる気を維持するのに役立ちました。

SEOmoz  パナマとアドワーズ(Googleの検索連動広告プラットフォーム)を比較してみて、それぞれの、いちばんの良い点と悪い点は何だと思いますか?

モナ スポンサードサーチを使う最大の利点の1つには、もちろん広告到達範囲の広さがあります。Googleには後れを取っていますが、2番手を無視できるわけではありません。Yahoo!が大幅に有利に見える分野もあります(ただ実際には、こうした違いはそれを各自が活かしていく必要があるものであって、どちらのプラットフォームだから有利だとか不利だとかは必ずしも言えないものです)。

わかりやすい例として、スポンサードサーチではアドワーズに比べ、より文字数の多い見出しが使えます(アドワーズの12文字に対してスポンサードサーチは15文字)。これを使って製品やサービスの特徴や提案を追加することで、単にアドワーズから広告コピーをコピー&ペーストしている広告主に対して、差別化を図ることができます。

広告主がスポンサードサーチを理解する時間を設け、それに従ってキャンペーンを調整すれば、大きな可能性が広がります。もちろん、具体例はもっとたくさんあります。それぞれのマッチング技術まで私に話をさせないでね! 多くの広告主が重大な誤りを犯しているという事実を念頭にプラットフォームの違いを理解すると、広告主がスポンサードサーチのシステムを活用する際に役に立つでしょう。

SEOmoz  検索連動型広告に関する、より一般的な話に移ります。主要な検索エンジンによる、バーティカルなものや新しい広告製品は、どんなものが人気になると予測していますか? Googleのラジオ広告や印刷広告は大きな影響をもたらすでしょうか? 行動分析をこれまで以上に利用し、検索履歴をディスプレイ広告と融合させようとする動きは出てきますか?

モナ オンラインマーケティングはまだ初期段階にあります。インターネットの成熟が進むと、オンラインマーケティングと、「従来型」のオフラインマーケティングとされているものとの統合が進み、おそらくは意味するところがほとんど同じものになっていくと思います。マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏はこの考えに同意するようです。バルマー氏は最近、「やがて、すべてのメディアがデジタルに移行し、すべての広告費がデジタル広告のプラットフォームを通過するようになる。広告はすべてデジタル化する」と発言しました。Googleがラジオ、印刷、そして新たにテレビ広告の提供に向かっているという事実は、オンラインの世界が統合という面をより考えるようになっていることを表しています。

統合によって、オンラインの世界はテレビやその他のマーケティング媒体にアカウンタビリティと可測性をもたらします。テレビやラジオなどのオフライン媒体を利用する広告主は、ウェブ(および関連トラフィック)を使うことで、オフライン広告の効果を測定できます(これまで、テレビなど従来型の媒体は測定が不可能でした)。

SEOmoz  パナマについて、特に効果があるぞという、ユニークで具体的な戦術はありますか? 本に書いた内容から、僕らを焦らすような話はありませんか。

モナ 私の関心は、広告テストの方に深く分け入っていきがちです。重大な秘訣をお教えしましょう。製品の利便性を率直に評価すること、そして消費者を深く理解することを手始めに計画立案すると、キャンペーンは成功します。個々の人物について深く調査し、長々とした計画立案プロセスを経なければならないと言っているわけではありません(ページゼロメディアでは、こうした調査は手早く短期間で行います)。ただ、キャンペーンに向けたマーケットリサーチは、その土台の部分が、誠実さのようなものとターゲティングという消費者に結びつくものとの関係で進む傾向があります。

確かに私たちは、多変量の広告テストに関してヒントを紹介できますし、それは大規模なキャンペーンで大いに役に立ちます。ただ、細かなヒントや策略ばかりを求めていても、それをすばらしい戦術と結びつけなければ、失敗してしまうのです。この点はまさにSEOと似ていますね。

そこで広告テストの話をすると、多くの広告主が、広告コピーとランディングページの作業でCTR(クリック率)とROI(費用対効果)の両方を改善できるという逆説的とも言えるような状況について、可能性の検討ができていません。CTRとROIは純粋なトレードオフなのではなく、ときには2本の平行線が交わるようなことになり、あるキーワードでクリック数が増え、同時にコンバージョン率が上昇することがあります。私たちが求めるのはこういった状態です。私が書いたものを読んでもらえれば誰もが、このシステムで自分たちの計画を実行に移して、怖じ気づいているライバルに先んじることがどういうことなのかを、理解できると思います。ここで言う「計画」には、広告コピーや、URL表示、配信オプション、入札などの詳細が含まれます。

SEOmoz  次の大きなプロジェクトは何ですか? 新たな著書は? テーマについてヒントをもらえますか?

モナ 私が書けるような関連テーマがあるというのはその通りです。実際に、Googleのアドワーズに関する世界最高の本を考えているところです。このテーマについては、これまでに十分に書かれてはいないと思います(特にアンドリュー・グッドマンのものなんか特にね)。

あと近い将来に、とても重要な「大規模プロジェクト」があります。インド旅行です。むこうで次の執筆について「熟考」することになると思います。SEOmozへの書き込みはきっと続けますよ。

◇◇◇

本当にありがとう、モナ。洞察と貢献に感謝している。モナとYahoo!のパナマについてもっと詳しく知りたい人は、書籍紹介ページを良く読むか、WebProNewsにあるモナの動画が参考になる。

用語集
CTR / PPC / SEO / panama / アドワーズ / アドワーズ広告 / オーバーチュア / キャンペーン / キーワード広告 / クリック率 / コンバージョン率 / スポンサードサーチ / 検索エンジン / 検索連動型広告
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