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“ケータイ2.0”サービスが台頭するケータイコンテンツビジネスに迫る

インターネットメディア総合研究所 2007/5/25 11:58 | |

『ケータイコンテンツビジネス調査報告書2006-2007』ハイライト

一般サイトの利用が拡大“ケータイ2.0”サービスが台頭
公式サイトを中心としたビジネスモデルの転換が迫られる

2006年は4月にワンセグ放送、10月に番号ポータビリティ(MNP)が開始されるなど、制度上でも市場再編につながる動きがあり、ケータイ業界にとって大きな転機の年となった。こうしたなか、ケータイコンテンツにおいては、通信速度の高速化、端末機能の向上、着うたフルやデコメールに代表されるリッチコンテンツの普及、検索エンジンの搭載など、従来、通信事業者による囲い込みからオープン化へとビジネスモデルが大きく変わろうとしている。今後のビジネス戦略を探るためにインターネットメディア総合研究所(旧インターネット生活研究所)によるケータイコンテンツビジネスの現状を調査を紹介する。

著:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所

ケータイコンテンツ市場全体の規模は
前年比27%増の約4,000億円に

2006年のケータイコンテンツの市場規模は、約4,000億円(本調査報告書の予測値)になると考えられる。これは、NTTドコモの発表によるiモードの情報料(1か月あたり166億円)、KDDI/auの発表によるEZweb情報料(1か月あたり100億円)をもとに推測した数値である(図1)。

MCF(モバイル・コンテンツ・フォーラム)の発表によれば、ケータコンテンツの市場規模は、2002年が1,793億円、2003年が2,133億円、2004年が2,603億円、そして2005年が3,150億円というように、毎年対前年比20%程度の増加で推移してきている。2006年の市場規模が約4,000億円とすると、対前年比27%の増加ということになる。

図1 ケータイコンテンツ市場規模の推移

3G端末の普及により、急速に進む“ケータイ2.0”

まず2006年のケータイコンテンツ市場のトピックとして、次の4つがあげられる。

  1. 第三世代ケータイ(3Gケータイ)の普及によるリッチコンテンツ化
  2. ケータイ向け検索サービスの登場による、従来の公式サイトにおける有料課金モデルの転機
  3. SNSやCGMなどのPCのWeb 2.0がケータイにも波及
  4. HSDPA方式(NTTドコモとSoftBank)とCDMA200 1xEV-DO Rev.A方式(KDDI/au)の高速通信インフラの競争

コンテンツとして代表的なものとして、着うた、着うたフルなどの音楽系、ゲーム系、電子書籍/コミック、デコメールなどがあげられる。また、端末機能としては、通信速度の高速化のほか、GPSを搭載したケータイの普及も始まっている。

こうしたリッチコンテンツを利用できる3G端末の登場は、2006年に入り急ピッチで進むこととなった。この一年間の携帯電話全体の純増が476万台であったのに対し、第3世代携帯電話(3Gケータイ)の純増数は2,019万台となり、3G端末への移行が進んでいる。ちなみに日本国内の携帯電話の普及台数は、2006年12月現在で9,494万台となった。

この結果は、ケータイでの検索、ブログ、SNSなどのいわゆる“ケータイ2.0”とされるサービスに対する産業界や一般ユーザーの関心が高まっている状況を裏付けている。今後、公式サイトでのケータイ向け検索エンジンの採用などにより、さらに拡大すると考えられる。

また、一般サイト(勝手サイト)への利用者が増えることで、今後は従来の公式サイトを中心とした課金モデルだけでなく、PCのインターネットで一般的な検索連動型広告のようなビジネスモデルなども増えてくると考えられる。

一般サイトの利用率が公式サイトを上回る

実際にユーザーがどのように利用しているのか。以下、ユーザーの利用動向の調査結果を見てみよう(図2)。まずは、公式サイトと一般サイト(勝手サイト)の利用率である。

一般サイトと公式サイトの利用状況を見ると、「ほぼ公式サイトのみ」と「両方使うが、公式サイトの利用が多い」をあわせた公式サイト中心に使うユーザーは43.8%、もう一方の一般サイトを中心に使うユーザーは34.6%であり、公式サイト中心に使うユーザーの方がまだ割合が高いものの、若年層ほど一般サイトの利用割合が高く、男女ともに10代では一般サイトを中心に利用するユーザーが公式サイト中心に使うユーザー数を上回っている。

実際に利用経験のある情報サービスのジャンルを見ると、全体では、「ニュース・天気予報」が59.7%でトップ、ついで「電車や道路等、交通情報」が46.2%、「着メロサービス」の39,9%、「ネットオークション」の36%の順となっている(複数回答)。

「ネットオークション」や「オンラインショッピング」の利用経験は10~40代の年代が高く、女性10代では「着うたサービス」や「ゲーム」が75%以上と圧倒的な割合を占めているのが特徴だ。

図2 性年齢階層別一般サイトと公式サイトの利用状況構成

利用の中心は「ニュース・天気予報」の60%
女性10代では着うたが75%と圧倒的

利用経験のある情報サービスのジャンルをみると、全体では、「ニュース・天気予報」が60%でトップ、ついで「電車や道路等、交通情報」が46%、「着メロサービス」の40%、「ネットオークション」の36%の順となっている(図3)。

性年齢階層別にみると、男女とも10代を除くと「ニュース・天気予報」が最も高く、ついで「電車や道路等、交通情報」というパターンが多い。これらの情報は、日常生活のなかで年齢性別を問わず利用される情報であることからも、どの世代でも平均して利用率が高い。

「ネットオークション」や「オンラインショッピング」は10~40代の年代で高い割合となっており、女性10代では「着うたサービス」や「ゲーム」が75%以上と圧倒的に高い。

図3 性年齢階層別利用経験のある情報サービスのジャンル構成(複数回答)

10代の女性4人に1人は有料コンテンツを1,000円以上利用

次に、有料コンテンツの利用状況を見てみたい(図4)。

1か月に支払うコンテンツ料金を見ると、全体では「0円」が51%を占め、有料コンテンツの利用は限定的である。有料コンテンツ利用者全体では「300円~500円未満」が13%と最も高い。

性年齢階層別に見ると、若年層ほどコンテンツに支払う料金が多いという傾向がある。最も支払っているのは、女性20代の505円、ついで女性10代の499円である。

女性10代の4人に1人は月に1,000円以上支払っているが、これは前述した「着うたサービス」や「ゲーム」の利用率が高いことに起因していると考えられる。対して、60代以上の場合、有料コンテンツを利用していない割合は女性が79.5%、男性が74.1%となり、携帯電話の利用シーンの違いがはっきりと見て取れるだろう。

図4 性年齢階層別コンテンツ料金構成

女性を中心にパケット定額制利用者では
50%を超えるショッピングの利用

ケータイにおけるショッピングの利用経験を見ると、「利用したことがある」経験者は男女合計で23.9%である(図5)。

そのうち男性の利用経験者は19.6%、女性の利用経験者は28.4%であり、女性の方が全体的に利用経験者の割合が高い。

年代別では若い年代ほど利用率が高い傾向が見られ、女性10~30代での利用率が高い。

ここでは触れていないが、パケット定額制加入者では、女性10~30代の利用率が50%を超え、男性でも20代の利用率が20~40%と高い数値を示している。

図5 性年齢階層別ケータイショッピングの利用状況構成

続いて、ケータイでのショッピングの購入商品を見ると、男女合計で「衣料・アクセサリー、ファッション」が43.1%と最も高く、ついで「書籍・雑誌」が36.6%、「CD、ビデオ、DVD」が31.9%と続く(図6)。

性年齢階層別に見ると、女性は「衣料・アクセサリー、ファッション」が10~20代で50%以上、合計でも53%と最も高い結果となった。ケータイ向けのショッピングサイトが充実してきたこともあるが、店頭で直接商品に触れて購入するという従来型の消費スタイルに加え、ケータイでの購入が一般化しつつあることが伺える。なお、男性では「書籍・雑誌」が40%でトップである。

図6 性年齢階層別ケータイショッピングの購入商品構成(複数回答)

次に、ケータイでのオークションの利用状況を見ると、男女合計で「サイトの閲覧のみ」が10.8%、「物品を競売、入札、売買したことがある」が15.7%であり、サイトにアクセスしたことがあるユーザーは26.5%であることがわかる(図7)。

男性より女性の利用経験がやや高く、年代が若いほど利用経験者の割合が高い傾向がある。特に女性10~20代で利用経験の割合が多く、26%が実際に物品の売買などを行っている。

パケット定額制加入者では、男性20~30代、女性10~30代で物品の売買などを行っているユーザーは30%超となっている。

入札経験のある商品では、女性はショッピングと同じく「衣料・アクセサリー、ファッション」が41%と高い。男性では「衣料・アクセサリー、ファッション」と「CD、ビデオ、DVD」が23%、22%とトップを分け合っている。男性では高年代を中心に「パソコンなどコンピュータ関連製品ハードウェア」の割合も高い。

図7 性年齢階層別ケータイオークションの利用経験構成

定額制サービスの普及により
リッチコンテンツの利用シーンが拡大

利用されているコンテンツのうち、今後注目すべきだと思われるものとして、動画、電子書籍/電子コミックの利用状況を見てみたい。

動画ダウンロード機能の認知度・利用状況を見ると、認知度は68.3%、ダウンロード利用は23%となっている(図8)。認知度は、男性が70.7%と女性より5ポイント高いものの、ダウンロード利用率はともに23%と差は見られない。

年代別では、若い年代ほど、認知度、ダウンロード利用率ともに高くなり、女性10代では57%がダウンロード経験者であり、男性10代の45%、女性10代の40%と続く。男女とも50代以上のダウンロード経験者はわずかである。

図8 性年齢階層別動画ダウンロード機能の認知度・利用状況構成

電子書籍の認知度・利用状況を見ると、認知度は65.9%、利用率は12.7%にとどまる(図9)。

男性の利用率は11.2%、女性の利用率は14.3%となっており、女性のほうがわずかに高い。年代が若いほど利用率は高い傾向が見られ、特に女性10代の利用率は36%、女性20代では21%と高い利用率である。

パケット定額制サービス加入者の割合で見ると、女性10代が43%、女性20代が33%、男性10代が31%と高い利用率を示した。一方、パケット通信料が掛かることからか、非加入者では、最も高い女性10代でも17%にとどまっている。

図9 性年齢階層別電子書籍の認知度・利用状況構成

『ケータイコンテンツビジネス調査報告書2006-2007』好評発売中

公式サイトによるクローズドなビジネスモデルから、PC型の検索エンジンによるオープンなビジネスモデルへと、大きく変わり始めたケータイコンテンツ業界。本調査報告書は、その最新動向を、コンテンツプロバイダや通信事業社などに直接取材しまとめたものである。ケータイコンテンツ市場の市場規模や、リッチコンテンツとして注目される「着うたフル」、電子書籍や電子コミック、さらにはモバイルSNSの動向など、リッチコンテンツから“ケータイ2.0”的なサービスまで、幅広く網羅している。


構成

  • 第1章 ケータイコンテンツビジネスの最新動向
  • 第2章 ケータイコンテンツビジネスの現状
  • 第3章 ケータイコンテンツ利用実態調査
  • 発売日:2007年2月1日
  • 定価:書籍:50,000円(税別)
  • 定価:PDF版(プリントアウト可):50,000円(税別)
  • 定価:PDF版(プリントアウト不可):25,000円(税別)
  • サイズ・判型:A4版
  • ページ数:216P
  • 調査・執筆:インプレスR&D インターネット生活研究所
  • 発行:株式会社インプレスR&D
  • 発売:株式会社インプレスコミュニケーションズ

『ケータイコンテンツビジネス調査報告書2006-2007』のさらに詳細な目次や購入に関する情報はこちらをご確認ください

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CGM / SNS / Web 2.0 / ケータイ2.0 / ケータイコンテンツ / ダウンロード / 市場動向 / 携帯電話 / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 調査 / 調査報告書
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