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安値と高値の傾向が明確に分かれたレンサバ事情/『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』

レンタルサーバー業界の最新動向でつかむ
サービス選択のポイントと最新トレンド

『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』
ハイライト

レンタルサーバー事業者が提供するサービスは、今や国内だけで1500件以上にも上り、毎年のように各社が新しいサービスプランをリリースしている。

企業がビジネス利用を考える際、単純な価格や容量だけではなく、さまざまなサービスを比較検討する必要があるが、数ある中から最適なサービスを選択をするのは難しいものだ。本記事では、2007年1月に発行された『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』の調査内容の一部を紹介するので、今後の利用を考える際の指標に役立ててもらいたい。

インプレスR&D インターネット生活研究所

調査概要
  • 調査対象事業者数:280事業者(1,733件)
  • 共用サーバーサービス:994件
  • 専用サーバーサービス:614件
  • 仮想専用サーバーサービス:125件
調査方法

統計的集計および分析には、2006年12月に280の各レンタルサーバー事業者に調査を依頼し、ウェブを使った回答フォームに各社のサービス内容などを入力してもらったものを使用している。「非公開」となっているサービスは、調査時点でレンタルサーバー事業者よりデータを取得できなかったサービス、及び事業者がデータを公開していないサービスを表す。

安値傾向の共用サーバーと高値傾向の専用サーバーが明確に

レンタルサーバー3年間の利用費用

図1 レンタルサーバー3年間の利用費用

3年間の利用費用に関しては、共用サーバーでは73%が30万円以下だが、専用サーバーでは50%が200万円以上となっている。

月額料金の価格帯による内訳を見ると、「共用~2,100円」ではほぼすべてのサービスが「10万円未満」で、「共用2,100円~5,250円」では87.8%が「30万円未満」、「共用5,251円~」では「50万円未満」が40.4%、「30万円未満」が27.2%となっている。

「専用~5万2,500円」では「200万円未満」が58.2%だが、「専用5万2,501円~」では「200万円以上」が90.3%を占めたのが特徴的だ。

レンタルサーバーの契約完了から利用開始までの時間

図2 レンタルサーバーの契約完了から利用開始までの時間

契約完了から利用開始までの時間を見ると、共用サーバーでは、価格帯が高くなるほど利用開始までの時間も長くなり、「1日未満」「2日未満」「3日未満」を累計した割合も、「~2,100円」は7割強であるのに対し「5,251円~」は約5割である。

専用サーバーも「5万2,501円~」では2週間以上である「それ以上」が41.8%と「~5万2,500円」の24.0%より約18ポイント高い。

仮想専用サーバーでは「2日未満」が44.6%、「3日未満」が24.8%と両者で約7割を占めている。

大容量化が促進、高価格帯ほどマルチドメインに対応

利用可能なウェブ用ディスク容量

図3 利用可能なウェブ用ディスク容量

共用サーバーのウェブ用ディスク容量を価格帯別に見ると、「~2,100円」では「300MB未満」が32.5%と最も高い。「2,101円~5,250円」では「300MB未満」が30.3%と最も高いが「1000MB以上」も27.9%と肉薄。「5,251円~」になると「1000MB以上」が44.9%と半数近くを占めトップとなっている。

データバックアップ(ユーザーによる復元)

図4 データバックアップ(ユーザーによる復元)

ユーザーが利用できるバックアップのサービスに関しては、共用サーバーでは「不可」がどの価格帯においても5割前後を占めている。提供している場合、共用サーバー全体では「無料」が23.7%、「有料」が7.8%となっている。

専用サーバーでは、「~5万2,500円」が「無料」32.9%、「有料」30.2%と、提供しているサービスが6割を超えるのに対し、「5万2,501円~」では4割に過ぎない。

仮想専用サーバーでは「無料」が71.2%と大半を占めている。

マルチドメインの利用可否

図5 マルチドメインの利用可否

マルチドメインの利用可否に関しては、共用サーバーでは「不可」が5割弱であるのに対し、専用サーバーと仮想専用サーバーでは「無制限」が5割弱をしめている。

共用サーバーでは低価格帯ほど「不可」のシェアが高い。

専用サーバーでは、「無制限」のシェアが高価格帯より低価格帯で約16ポイント高いが、高価格帯においても「利用可(個数未公開)」のシェアが高く、利用可能全体の累計に大差はない。

どのサービスでも60%を超えるアクセス解析の利用可能率

ショッピングカート機能の提供状況

図6 ショッピングカート機能の提供状況

ショッピングカート機能の提供状況に関しては、共用サーバー、専用サーバーではどの価格帯においても「なし」が最も高い割合である。

ただし、「無料」「有料」を合わせると、専用サーバーの「~5万2,500円」では利用できるサービスの割合の比率が高くなる。

仮想専用サーバーでは、「無料」が37.6%と最も高く、「有料」の16%をあわせると半数以上のサービスで利用できる。

決済代行サービスの対応状況

図7 決済代行サービスの対応状況

ネットショップなどで利用可能な決済代行サービスは、全体的に「提供なし」のサービスの割合が高くなっている。

専用サーバーでは、低価格帯の「~5万2,500円」の方が「5万2,501円~」より「あり」の割合が20ポイント近く高く、「非公開」を除くと高価格帯、低価格帯とも「あり」「なし」の構成に大きな差は見られない。

アクセス解析機能の提供状況

図8 アクセス解析機能の提供状況

マーケティングなどに利用可能なアクセス解析の機能に関しては、どのサービスにおいても「あり」が6割を超えており、多くのサービスで利用可能となっている。

共用サーバーでは高価格帯ほど「あり」の割合が高く、「5,251円~」では76.3%で利用可能になっている。

仮想専用サーバーでは、「あり」が91.2%と、ほぼすべてのサービスでアクセス解析が利用可能となっているのが特徴的だ。

仮想専用サーバーの高対応率が目立つMovable Type

Movable Typeサポートの有無

図9 Movable Typeサポートの有無

日本で最も人気のブログツールMovable Typeのサポート状況を見ると、共用サーバー、専用サーバーともに高価格帯ほどサポートが「なし」及び「非公開」の割合が高く、「無料」の割合が低くなっている。

仮想専用サーバーでは「無料」が60.2%と大勢を占め、「有料」の16.5%を含めると8割近くがサポートしているのが特徴的だ。

動画配信対応

図10 動画配信対応

ストリーミング系のコンテンツサービスも増加してきているが、動画配信対応が「可」なのは共用サーバーの場合では3分の1程度だ。専用サーバーでは5割強、仮想専用ではほぼ5割が対応している。

レンタルサーバー業界の最新市場動向を網羅
レンタルサーバー事業者調査報告書2007

『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』のさらに詳しい目次や購入に関する情報は、『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』のページから。

本記事で紹介した内容は、調査報告書『レンタルサーバー事業者調査報告書2007』の内容を抜粋したものである。

調査報告書では、レンタルサーバー事業者を、サービス内容に応じて、専用サーバー、共用サーバー、仮想専用サーバーに分類し、さらに価格帯、ハードウェア仕様、ネットワーク仕様、運用体制、セキュリティー関連サービス、アクセス解析機能、ショッピングカートや決済代行などの付加サービスを詳細に分析している。また、本記事には掲載していないが、前年度データを使った時系列の分析、利用者へのアンケート調査も行っている。調査対象企業一覧とそのサービス内容もあわせて掲載している。

  • 発売日:2007年1月29日
  • 定価:書籍:16万円(税別)
  • 定価:PDF版(プリントアウト可):16万円(税別)
  • 定価:PDF版(プリントアウト不可):8万円(税別)
  • サイズ・判型:A4版
  • ページ数:722P
  • 調査・執筆:インプレスR&D インターネット生活研究所
  • 発行:株式会社インプレスR&D
  • 発売:株式会社インプレスコミュニケーションズ

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.5』 掲載の記事です。

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