Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

有力なスパム手法にのしあがってきたパラサイトホスティング

今日は驚いたよ。パラサイトホスティングがものすごく有効になっているんだ。「パラサイトホスティング」の考え方がよくわからない人のために説明しておくと、パラサイトホスティングとは、強力かつ正当なドメイン名上にスパム業者がキーワードを定めたページを作成することだ(パラサイト:寄生)。

つまり、ページのコンテンツをコントロールできれば、検索結果で上位入りを達成したり、ページやサイトを選んでトラフィックを自由にリダイレクトしたりできるってわけ。たとえば、Googleで「buy viagra」(バイアグラ購入)と入力して検索してみるよ。

"Buy Viagra"(バイアグラ 購入)に対するグーグルの検索結果

なんと、10件のうち8件が大学のウェブページ(.eduドメイン名)上にホスティングされていて、訪問するとバイアグラ販売サイトにリダイレクトされる仕組みになっている。

※Web担編注

cialis(シアリス)はバイアグラと同様のED治療略、celebrex(セレブレックス)はファイザーの開発した関節炎の処方薬で、generic celebrexはそのジェネリック版(製造方法などに関する特許権が切れ、同じ成分などで他の製薬会社から出された安価な医薬品)を指す。

素敵なのは、比較的良いユーザー体験を得られるということかな。たどり着いたページは確かにバイアグラを販売しているんだからね(買おうとしたことはないから、顧客サービスがどうなのかは知りようがないけど)。そして興味深いのは、パラサイトページが上位にランクする力だ。ためしに、「cheap cialis」(格安シアリス)や「generic celebrex」(ジェネリックのセレブレックス)を検索してみよう。同様の結果がみられるだろう。

パラサイトホスティング自体はまったく新しい手法というわけじゃないけど、歴史ある強力なドメインを好むというGoogleの傾向をうまく利用している。各テーマでの人気度が、ドメインの信用度と比べて二の次にされていることを示す好例でもある。皮肉なことに、信用度の高いドメインのコンテンツほど上位にランクする方針にGoogleが移行したのは、数年前に横行していたスパム行為への対処だった。テーマに着目して人気度を算出するアルゴリズムが悪用されるので、それに対応したんだ。僕が思うに、振り子はこれからも揺れ続けるよ。

ところで、正義のマーケティング担当者としては、この情報をどのように活かせるのだろう。

戦略が得られるよね。現在のSEO界において2つの選択肢があることがわかるはずだ。たくさんの検索で上位にランクする、力をもった権威あるドメインになるか、それとも、パラサイトホスティング合戦に合法的に参加し、ドメイン上のスペース購入やレンタルを通じて目標順位の達成を目指すか。うちとしては、とりあえずどちらも試しているのだけど、個人的な好みを言うと、権威は自分で確立して成否の鍵はよそに握らせないという方がだんぜん好きだな。ただ、クライアントのために他サイトの「全面」広告枠を購入したことはあって、これは今後もやっていくと思う。これは禁じ手にはしないからね。

個人的な話だけど、検索スパムには興味をそそられつつある。検索スパムについてもっともっと詳しければ、もっと素晴らしい正義のマーケティング担当者になれるんじゃないかって、そんな気がしているんだ。

ところで、何かもっと良い例はないかと探していて「mesothelioma attorney new york」(中皮種 弁護士 ニューヨーク)という検索を思いついた。これだとグッドなスパムがすごくたくさん出てきたよなと思い出してね。

"mesothelioma attorney new york"(中皮種 弁護士 ニューヨーク)に対するグーグルの検索結果

まずは、トップの検索結果(www.belluckfox.com)は良い仕事をしているなと思った。でも、リンク検索をやって、もう少し深く追求していくうちに、リンクファームの驚くべきシステムが見えてきた。2003年当時みたいなことが行なわれている(注:やむを得ずリンクを購入するところを僕が責めるつもりはないんだ。評判を落としてやれと画策するライバルからは非難されるかもしれないんだし)。あと、リンク元の1つでもあるこのページなんか好きなんじゃないかな。典型的だよね。

※Web担編注:上記「このページなんか好きなんじゃないかな」のリンク先は、Forbesという評価の定まったサイト内に中皮種のテーマに絞ったページを出して自社にリンクを張っている全面広告ページ。

追伸:MattとVanessaとAaronとGregへ(もっとも、Gregはこのところ、ポーランドのブログを読むことが多いのだろうけど)。君たちはこの記事を読まないでくれよ! 検索しているとたまたま上位に出てきたという理由で、彼らを面倒に巻き込むつもりは毛頭ないんだから。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

CSS
「Cascading Style Sheets(カスケーディングスタイルシート) ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]