ECサイトの“4分限界”とは?

購入手続きに4分以上の手間を取らせると離脱される可能性が高くなる。その理由とは。
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エイケア・システムズが業務資本提携を結んでいるエクスペリアン社が昨年12月に発表した調査によると、英国内のオンライン小売業において、ユーザーがコンバージョンするまでの過程で、個人認証やセキュリティチェックに4分以上の時間がかかると、オンラインショッピングを途中で放棄する傾向が強いということが分かった。

この調査はエクスペリアン社がInternational Fraud Prevention Research Centreと共同で発表したもので、英国のオンライン小売サイトにおいて、個人認証あるいはセキュリティチェックの作業でユーザーが許容できる時間は“4分”で、それ以上を過ぎるとフラストレーションが溜まり、そのプロセスを放棄して競合サイトへ乗り移る傾向が強いという結果が出た。公表データによると、回答者のうち44%が“手順が長すぎるため”にそのサイトからの購入を放棄し、また、43%が“煩雑な手続きに不満を感じて”競合サイトへ乗り移ったことを認めている。

さらに、過去1年間で「セキュリティチェックの長さ」が起因となり、購入までのフローを放棄したユーザーを年齢層別に集計すると、35歳未満の成人で35%存在し、うち“頻繁に”放棄する人は13%という結果であった。35~54歳では、それぞれ36%と10%、55歳以上の場合は32%と8%という結果であった。このことは、個人認証に関わる処理時間の長さが売上に影響を与えていることを指し示している。

また、当調査はオンライン小売業以外の業種も対象となっている。なかでも特徴的なのはオンラインゲーム業で、公表データの中では最も短く、放棄までのデッドタイムは“3分”という結果であった。つまり、オンラインゲーム内で個人認証フローを行う場合、3分を過ぎるとフラストレーションが溜まり、離脱の可能性が高くなるということを示している。ちなみに、旅行サイトの場合は“6分”、保険サイトの場合も“6分”、オンラインバンキングの場合は“5分”という結果で、休暇を楽しむためのものや、よりプライバシーが重要視されるサイトの場合は、長い処理時間でもそれを受け入れるユーザーが多いようだ。このように、サイトの特性によって処理プロセスの時間の捉え方に差異があることが伺える。ただ、いずれにしてもある程度の時間を過ぎるとユーザーにイライラ感を与え、サイトの印象が悪くなる可能性がある。

しかし、だからといって認証処理フローを極端に短くすれば良いかといえば、そんな簡単な話ではない。ECでは重要な個人情報、決済情報などをやり取りするため、外部からのウイルス侵入や詐欺から確実に身を守る必要があるし、その努力を怠った結果、ユーザーが事件の被害者になっては元も子もない。そう考えると処理時間にある程度の時間を割かれることは仕方がないことだが、大切なのは、セキュリティのレベルを損なうことなく、可能な限り迅速かつ簡単に処理が行えるよう、技術面でユーザビリティ向上の成果を出すことにある。

エイケア・システムズでは、フォームの作成が行えるFormFactory(当然メール配信も可能)をASPとして提供しているが、例えば会員登録などのフォーム入力時においても、ユーザーは、項目が多いことを嫌う傾向がある。その場合、せっかく訪れた客人を入り口で帰すことになりかねない。フォームの項目を決める際には、この調査結果を参考にしてみてはいかがだろうか。

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吉澤和之

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