
千趣会は前期(2023年12月期)、カタログからデジタルシフトを加速し、コスト削減効果によって通販事業の赤字幅は約25億円縮小したが、売り上げは想定の効果を得られずに431億円にとどまった。2年前のシステムトラブルに起因する会員数の減少も尾を引いており、来期の黒字化に向けて真価が問われる。「事業ポートフォリオの多様化にスピード感をもって取り組む」と話す梶原健司社長に前期の総括と今期の重点取り組みなどを聞いた。

――2023年度は厳しい1年だった。
2022年1月に発生した「ベルメゾンネット」のシステムトラブルでお客さまの信頼を損なってしまい、会員数が戻りきらないなかで前期がスタートした。カタログの制作費用が上がる一方でレスポンス率は落ちていたので、デジタルシフトに大きく舵を切った。
結果的に販促費用は大幅に削減できたが、カタログ発行部数を減らした分の売り上げをECチャネルで補い切れず、購入会員数は前年の200万人から163万人に減少した。デジタルシフトを急いだことで、カタログを好むお客さまにも紙媒体を削減してしまうなど、顧客分析が不十分だった。お客さま本位のおもてなしができていなかった。

――EC市場は激戦区だ。
激戦区に飛び込んだが新規会員の獲得数が想定より少なかった。PRやクリエイティブの内容を含めてベルメゾンの特徴を出し切れず、購入につながらなかったことが反省点だ。大手ECモールと比べた時のメリットも出せなかった。マーケティングコストのかけ方が課題だ。
――組織変更も行った。
昨年4月に、幅広いカテゴリーの商品を扱うベルメゾン事業を2本部制とし、それぞれに執行役員の本部長を配置した。下期からは、カタログが好きなお客さまにはしっかり届くようにするなどチューニングし直した。
――前期は商品数も削減した。
粗利率の改善を目的とした商品の絞り込みを行ったが、品ぞろえの魅力や新商品の投入数も減ってしまった。ベルメゾンはオリジナル商品が売り上げの7割以上を占めていて、武器になっている。事業として効率化を図ることは大事だが、EC市場では一定規模の品ぞろえの幅がないと魅力のない売り場だと思われてしまう。販売チャネルの特性やニーズに沿った品ぞろえのあり方を追求する。
――消費者も変化している。
お客さまは企業が発信することを鵜呑みにせず情報を精査しているし、さまざまなチャネルを賢く使い分けている。企業側からすると、購入経験のあるユーザーは「会員」として認識しているが、利用者側は登録しただけで、割引クーポンやセールなどを賢く利用して買い物をするケースが主流だ。1回だけの購入者、ライトユーザーを「会員」として従来通りの費用をかけてもLTVの向上には直結しない。前期は経営資源を投入し学びとなった。
――前期の成果は。
良かった点のひとつが外部ECモールでの販売で、ベルメゾンは「楽天市場」と「アマゾン」「ヤフー」「JRE MALL」に出店している。オリジナル商品を中心に売れていて、商品レビューの評価も高い。自社の会員に限定した商品開発をしているだけでは事業の成長につながらない。もっとオープンな市場で戦える商品を増やしていく必要があるし、そういう市場でもファンを作っていく。
――そのほかは。
協業・共創の取り組みでは、筆頭株主でもあるJR東日本と連携して展開しているエキナカ店舗が成長したほか、「JRE MALL」では専用の商品開発を強化して前年実績を上回った。また、オークネットとの不要品買取サービス「キマワリ」も申し込み件数が増えていて、ベルメゾンの継続利用に効果的なこともわかった。

コロナ禍でブライダル事業を切り離したこともあって、当社グループはほぼ通販一本足打法になった。本業の通販事業は今期と来期でしっかり立て直すが、同時に保育事業も含めてグループポートフォリオの多様化に取り組み、スピード感を持って第2、第3の柱を作っていく。
――老舗の強みを発揮したいところだ。
当社は来年、70周年という節目の年を迎える。取引先からも「過小評価しているのでは」と言われていて、信頼・安心のバリューや、長年培ってきたビジネスアセットとノウハウ、さまざまなネットワークを活用し、協業・共創を含めて新しい収益源を増やしていく。
――協業の際に重視することは。
当社は女性の支援をはじめ、事業そのものが社会貢献につながるという意識でビジネスをしている。当社の思想に共感してくれる企業と一緒に社会課題の解決をベースにした新しい取り組みをしたい。
スタートアップでも志を持って事業を展開している企業はあるので、社会貢献につながるような商品やサービスを目利きして、当社のお客さまに紹介するといったことも含めて「ベルメゾンネット」のあり方を模索していきたい。
――「キマワリ」もそうしたサービスのひとつだ。
その通りだ。カタログは質の高いお客さまが多く、「キマワリ」など環境に貢献するサービスへの関心が高い。「キマワリ」がスタートした2022年11月から2023年12月までの申し込み件数は5万件以上で、リピート率は30%と好評だ。新たに服を作ること、廃棄することを抑制して二酸化炭素や水の削減に貢献している。13か月間の二酸化炭素削減貢献量は2万1856トン、水削減貢献量は232万638キロリットルに上る。
来年に70周年を迎える会社として、しっかりと社会貢献しながらビジネスも成り立つことを確立したい。
――2022年に新設した子会社の現状は。
センシュカイメイクコーは、グループの顧客データの基盤整備を担っていて、データの整備、活用はけっこうできている。一昨年のシステムトラブルでサイトパフォーマンスが落ちたが、システム面も含めて改善している。新たなお客さまとのつながりを模索した取り組みでは、「キマワリ」や、産院での顧客接点を強化した。
数字には表れていないが、外部の協業先の知見も含めてデジタルマーケティングの活用スキルが底上げできたのは大きい。また、PoC(概念実証)を通じた新規事業やサービス開発を徹底してきたことで、成功率を確認しながら施策を進めるやり方が身についた。
――課題は。
やはりデジタルマーケティングで、販促費の削減はできたがチューニングが必要だ。また、法人向けの広告事業も計画未達のため、メニューを含めて見直さないといけない。4月以降にもう一段の組織改正を行い、千趣会とメイクコーの関係性を再構築する。
――ウェルサーブについては。
ウェルサーブはJFLAホールディングスと組んで2022年10月にワインのECからスタートし、昨年には「暮らすグルメ」として取り扱い商品をグルメカテゴリー全般に広げた。現在は自社ECだけでなく、5つのECモールに出店していて、最近は特に「JRE MALL」での売り上げが好調に推移している。ベルメゾンの食カテゴリーを補完するという側面もあるが、どちらかというと外部ECモールでオリジナル商品を含め広げていきたい。
――子会社で展開する理由は。
フラワーギフトを扱う千趣会イイハナと同様に、保管や出荷面を含めて千趣会本体では難しいが、あるカテゴリーに特化することで、きめ細やかな対応ができる。サイト訪問頻度や売り上げを高めるには、アパレル以外でも接触頻度を増やす必要があり、グルメは大事なカテゴリーだ。また、最近は大きな地震が多く、水や非常食といった災害時などに役立つ商品の取り扱いも増やしたい。

――子育て支援の拡大にも取り組む。
子育て領域には、当社グループの力を結集して強化する。もともと、マタニティやベビー・キッズなどの物販をしているが、もっと大きな視野で、少子化という社会課題の解決に少しでも貢献したい。子育て層は母親だけでなく、父親や祖父母なども含まれてくるのでターゲットを広げる。
当社グループは自治体、行政を通じて産院での検診や母子手帳配布の際など、出産する女性にアプローチできることや、商品をフルジャンルで展開できることが強みだ。
今後は、アパレルや既存の保育事業に加え、子どもの成長を考えた上で時短料理ができるミールキットなどの食や、妊娠期から出産後の子育て関連教室など、新米ママなどの不安を取り除けるようなサービスの紹介も含めて広げていければいい。
――シニア向けの通販については。
「大丸・松坂屋」の通販カタログを引き継いで「クラス」というシニア向けのカタログを展開してきた。2023年夏号からは「ベルメゾンクラス」にカタログ名を変え、より千趣会らしいカタログにしていく。
また、今年4月中旬には60代後半~70代女性向けのライフスタイル提案カタログ「わたしの彩り」を創刊したところだ。
――価値観や消費行動が多様化している。
当社はこれまでマスビジネスを行ってきたが、“千の趣(おもむき)”をベースに場づくりを進める。そのためにもキーワードをつかんでコミュニティを形成していく。テーマの集合体をいかに作るかが当社の生き残る道になると思う。ターゲットと切り口、コミュニティ形成がかみ合えば、あとはオリジナル商品を作ることができる。
――改めて今期の注力ポイントは。
今期は、一丁目一番地である商品と売り場を再構築する。商品の“使用価値の最大化”をめざしていて、愛着がわいて長く使ってもらえる商品を作るとともに、キーワードや話題性から逆算した物づくりにも注力する。また、業績が悪くなるとチャレンジングな商品が少なくなるので、R&D(編注:研究開発)を含めて別枠で挑戦しやすくする。そのうえで、外部ECモールを活用してオープンな市場で戦える商品を作っていく。
「ベルメゾンネット」の売り場は再構築する。4月の組織改正と人事で同サイトの責任者を明確にし、他者サイトと差別化でき、ユーザーに支持してもらえる売り場の構成、コンテンツ作りを、コンセプトを含めて見直す。「ベルメゾンネット」は自社ECでありながら千趣会のポータルサイト的な役割も担うため、物販やサービスの展開も含めたサイトのあり方を模索していく。
――カタログは。
カタログは効率改善を進める。従来のように約半年をかけて制作するのではなく、PDCAを回すのを本質的な構造改革として慣習を変える。直近のシーズンの状況を踏まえて費用のかけ方をチューニングしていく。
――そのほかは。
もうひとつはコスト削減の部分で、すでに発表している物流拠点の統廃合を進める。元々は売上高700億円~800億円規模のECを前提にしていて、システムの固定費や業務委託費用がかさむので、2024年~2025年にかけてダウンサイジングする。
また、今後はコールセンターや物流・フルフィルメントといったハード面では、通販各社が手を取りあって固定費などの効率化を進めるケースも出てくると思う。
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オリジナル記事:千趣会の立て直し戦略を梶原社長が語る。子育て領域強化、デジタルマーケのボトムアップなどで黒字化を計画 | 通販新聞ダイジェスト
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楽天グループはこのほど、ECのノウハウを提供する学習サービス「楽天大学」が運営するEラーニング型の動画講座「RUx」(アールユーエックス)において、AI技術の基礎知識やAIツール活用法を学べる出店店舗向けの動画講座「楽天AI大学」を公開した。
出店店舗のAI活用を推進し、店舗運営の効率化や生産性向上の支援をさらに加速させる。
「楽天AI大学」の運用は、AI技術に関する理解促進と店舗運営におけるAIツールの活用推進が目的。AIの基礎知識に加え、AIが商品ページの文章作成や店舗運営の相談に乗るなどの機能を備えた「RMS AIアシスタント β版」で提供する各機能の利用方法や出店店舗の活用事例などを学ぶことができるという。
将来的には、ビジネスパーソン向けWebメディア「楽天大学ラボ」で、業界の有識者の知見を交えたAIに関する知識や教養を身に付けるための動画コンテンツを一般ユーザー向けに配信。順次コンテンツを拡充する。

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オリジナル記事:楽天グループ、AIツール活用法を学べる出店店舗向けの動画講座「楽天AI大学」を公開
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セブン&アイ・ホールディングスは5月9日、グループのニッセンホールディングスを、医療品通販の歯愛メディカルに売却すると発表した。
セブン&アイ・ネットメディアが保有するニッセンHDの全発行済株式を、歯愛メディカルが41億円で譲り受ける。株式譲渡実行日は7月1日の予定。
ニッセンHDは2024年2月期まで、負債が資産を上回る「債務超過」状態が続いており(2024年2月期の純資産は237億円のマイナス)、外部金融機関からの借入ではなく、グループ内からの借り入れで事業を継続してきた。歯愛メディカルによるニッセンHD買収は、グループ内貸付の全額返済、債務超過の解消が前提としている。
株式譲渡実行日までに、セブン&アイ・ネットメディアがニッセンHDが実施する第三者割当増資を引き受け、グループ内貸付の全額返済、債務超過を解消する。
歯愛メディカルは歯科医院や歯科技工所を中心に、各種医療機関への通信販売が主力事業で、女性医療従事者へアプローチしやすい環境がある。ニッセンHDの商品開発力を合わせることで、働く女性の持つ潜在ニーズに対応した事業を協働で展開できると判断した。
ニッセンHDは2014年12月期に連結売上高2000億円を突破。その後、業績不振に陥り、2016年にセブン&アイ・ホールディングスグループの傘下に入った。「ゼロベースで経営全体の『選択と集中』を推進し、早期黒字化を実現する」(セブン&アイ)とし、「総合カタログ依存モデルからの脱却」「EC主体型への戦略転換」などを進めた。
ピーク時は2000億円を超えた売上高は2024年2月期に395億7100万円へと縮小。一方で、営業利益は2億1100万円、当期純利益は1億1500万円。利益を計上できる経営体質へ改善している。
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オリジナル記事:セブン&アイがニッセンHDを売却、医療品通販の歯愛メディカルが41億円で取得
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オリジナル記事:2023年の通販・EC市場規模は約16兆円/ファンケルが「送料無料」表示を見直し【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング
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間接資材のECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROが配送サービスレベル向上に着手する。5月31日に「置き配」サービスをリニューアルし、対象顧客やエリアを拡大する。
法人・個人事業主の顧客が「置き配」の対象だったが、リニューアルで個人顧客にも広げる。これにより、「モノタロウ」で注文したすべてのユーザーが「置き配」を利用できるようにする。
現状の「置き配」対象エリアは首都圏など14都府県だが、これを全国で利用できるように拡大。現状は顧客の不在時に指定場所へ配達しているが、リニューアルで利用者が在宅していても指定場所に商品を届けるようにする。
指定可能な「置き配」場所は、玄関ドア前、建物内受付/管理人預け、宅配ボックス、車庫、ガスメーターボックス、物置、自転車のかごなど。配送委託先はヤマト運輸。

「置き配」の設定は、ECサイト「モノタロウ」のマイページから「ご登録情報」によって届け先ごとに設定する仕組み。設定を希望する届け先の「お届け先情報」にある「置き配サービスの設定を変更」ボタンで利用できる。
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オリジナル記事:モノタロウの配送サービス向上施策とは? 置き配サービスの刷新+配送エリアを全国に拡大
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スクロールは3か年の中期経営計画(中計)を策定、中計最終年度となる2027年3月期に連結売上高900億円、経常利益80億円、当期純利益54億円をめざす数値目標を掲げた。
前期の2024年3月期連結業績は、売上高が前期比1.5%減の798億2600万円、営業利益は同13.2%減となる53億1300万円、経常利益は同11.0%減の55億1200万円、当期純利益は同12.5%減の36億4900万円だった。
連結売上高は当初830億円を見込んでいたが、eコマース事業の売上高が190億円の計画に対して159億4200万円にとどまった。子会社のナチュラムが手がけるアウトドア・キャンプ用品の市場縮小、AXES(アクセス)によるブランド用品販売は競争の激化など市場環境が悪化、減収に影響した。

こうした環境を踏まえ、新中計では従来のダイレクトマーケティングソリューションカンパニー(DMSC)から、マーケティングソリューションカンパニー(MSC)への進化を掲げた。事業ドメインの拡大に取り組むとし、既存事業に対して機能やテクノロジーを追加して、提供価値を高めていく。

新中計のけん引役は、他社の通販事業を支援するソリューション事業の領域拡大。BtoBに対する物流代行事業に向けた事業ドメインの拡大、新たな市場開拓として食品ECへの支援事業への着手、M&AによるBPO事業や決済代行事業の拡大と安定化を図る。
その一環として4月11日付で、連結子会社のスクロール360が多言語同時通訳を強みとしたコールセンター業務のビーボーンの全株式を取得した。

生協組合員向けに事業を展開する通販事業は、事業・商品・業務価値を高めることで収益力の向上を図る。新サービスとしてアパレルAIシステム「Lightchain(ライトチェーン)」の提供を開める。子会社のスクロールインターナショナルがアパレル商品企画・開発に特化した生成AIシステムで、ユーザーが商品画像(元データ)をアップロードし、変更内容を指示すると、それを反映した商品企画案をAIが生成する。デザインや色・柄の変更を数クリックで実現し、アパレル企画業務の大幅な時間短縮が期待できるという。
課題のeコマース事業では、「止血を最優先」とする。事業領域を縮小し、赤字脱却を優先すると同時に事業転換の方向性を模索。健康・美容・旅行を手がけているHTB事業は今期からeコマース事業へ統合する。eコマース事業による2024年3月期のセグメント損失は11億2900万円。同事業による売上高、セグメント利益ともに第4四半期(2024年1-3月期)の落ち込みが際立っており、早急に業績悪化の歯止めをかけていく。

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オリジナル記事:売上高900億円、マーケティングソリューションカンパニーへの進化をめざすスクロールの中期経営計画とは
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LINEヤフーの2024年3月期連結業績におけるeコマース取扱高は前期比2.0%増の4兆1954億円だった。
eコマース取扱高のうち、国内物販系の取扱高は前期比1.7%増の3兆380億円だった。BtoB通販のアスクルや、ファッションECモール「ZOZTOWN」の取扱高増加が寄与した。
国内物販系取扱高の内訳は、「Yahoo!ショッピング」「LINEギフト」「ZOZOTOWN」「LOHACO」などによるショッピング取扱高が同1.7%減の1兆6658億円。2022年10-12月期(第3四半期)から四半期ベースで5四半期連続のマイナス成長が続いてきたが、2024年1-3月期(第4四半期)に前年同期比8.2%増の4231億円にプラス成長に転換。「国内ショッピング取扱高は底打ち」(LINEヤフー)と説明している。
「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」「ZOZOUSED」によるリユース事業の取扱高は前期比1.5%増の1兆11億円、その他(物販事業)の取扱高は同23.4%増の3710億円だった。
「一休.com」「Yahoo!トラベル」「Yahoo!ロコ」「出前館」などによる国内サービス取扱高は堂4.8%増の6429億円。

なお、LINEヤフーの2024年3月期連結業績における売上収益は、前期比8.5%増の1兆8146億6300万円、営業利益は同33.8%減の2081億9100万円、当期純利益は同26.5%減の1390億7300万円。コマース事業による売上収益は同3.6%増の8215億円となっている。
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オリジナル記事:【LINEヤフーの2024年3月期】ショッピング取扱高は1.7%減の1.6兆円。5四半期連続のマイナス成長から4Qにプラス成長へ転換
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上新電機の2024年3月期連結業績によると、EC売上は前期比14.5%減の646億1800万円だった。減収は2期連続。
連結売上高は同1.2%減の4036億9200万円。連結売上高に占めるネット販売の構成比を示すEC化率は16.0%。前期比では2.5ポイント減少した。

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オリジナル記事:上新電機のEC売上は646億円で14.5%減、2期連続減収。EC化率は16%【2024年3月期】
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IKEA(イケア)が従業員に対してAI(人工知能)のトレーニングを計画していると発表しました。従業員がAIを理解し活用することで、新たなイノベーション、今後の人材採用にも好影響をもたらすことをめざしています。
欧州の家具大手であるIKEAは、3万500人の従業員に人工知能(AI)のリテラシーを活用するための研修を計画していると4月に発表しました。AIの開発と人材教育の両方に投資する計画で、IKEAは従業員がAIテクノロジーを活用し、これまでにないイノベーションを起こせるようにしたいと考えています。
プレスリリースによると、IKEAは「組織全体にAIに対する深い理解を根付かせ、技術を活用する際にIKEAならではの価値観が反映されるようにしたい」と考えているようです。

IKEAを運営するIngka(インカ)グループの中核事業であるIKEA Retailのパラグ・パレク氏(チーフ・デジタル・オフィサー)は、プレスリリースのなかで「この取り組みは、従業員がテクノロジーを活用してより高い創造性、効率性、結果を達成できると、IKEAが信じている証です」と話します。
米国の調査会社Forrester Researchのアナリスト、ブレンダン・ウィッチャー副社長兼主席はこれはIKEAにとって賢明な投資だと指摘しています。
今回の取り組みは、従業員に対するIKEAの積極的な関与の事例と言えます。今後のデジタル戦略や、小売戦略の主要な部分を担うスキルを持つ人材の確保にもつながります。(ウィッチャー氏)
IKEAはAIの研修を受講する3万500人の従業員のうち、3万人を対象にAIの基礎など、社内の役割に応じた複数の学習トレーニングコースを提供する予定です。
受講者のうち500人のリーダー層に対しては、AIの可能性とIKEAのビジネスにおける優先事項を結び付ける学習トレーニング「AI Exploration Days」を提供します。IKEAは、それがどのようなトレーニングであるか詳細は明らかにしていません。
ウィッチャー氏は、このような学習プログラムを提供することで、IKEAは人材採用においても優位に立てると話しています。
従業員が離職せずに定着するかどうかという議論は別として、既存の従業員への投資に対する将来的なリターンを評価するのは、企業にとって難しいことです。しかし、IKEAがこのように人材教育に取り組んでいることは、実務の労働と引き換えに給料を支払うだけの他の小売事業者よりも、人材獲得に有利に働くと考えられます。(ウィッチャー氏)
IKEAにとって、AIの活用はこれが初めてではありません。最近、マイクロソフトと共同で「The Hej Copilot」と呼ばれる生成AIツールをリリースしました。このツールは、イメージの作成、アイデアの創出、プレゼンテーションの作成など、従業員の作業をサポートするように設計しています。
プレスリリースでは、「The Hej Copilot」のテクノロジーは人間の能力を増強し、従業員がより価値の高いタスクに集中できるようにするための代表的な例だと説明します。
さらに2月、米OpenAIが提供するカスタムAIチャット「GPTs」で作成したアプリを公開できる「GPT Store」を通じて、生成AIショッピングツール「IKEA AIアシスタント」を発表。このツールは、IKEAカタログや店舗間の商品在庫に関する質問に答えることで、顧客の買い物をサポートすることを目的としています。

IKEAの事例だけにとどまらず、生成AIショッピングツールは現在、小売業界で多くの投資と関心を集めています。
米Salesforceと米Retail AI Councilが2023年3月、世界の小売事業者1390社を対象に実施した調査では、小売事業者の81%が「AI専用の予算を確保している」と回答しています。
さらに、調査対象となった小売事業者の93%以上が、「パーソナライゼーションのために生成AIを何らかの形ですでに使用している」と回答しています。これには、顧客ごとにパーソナライズされたEメールのテキスト作成や商品のレコメンドなどが該当します。
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オリジナル記事:イケアが3万人超のスタッフにAI研修をする理由は? 新たなイノベーションの創出、優秀な人材を獲得する取り組み | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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楽天グループは5月8日、フリマアプリ「楽天ラクマ」内でリユース事業者が出店する「ラクマ公式ショップ」の一部出店者の商品を、「eBay」に出品する試験運用を始めた。
「eBay」の米国サイト「eBay.com」を利用するユーザーは、「ラクマ公式ショップ」に出品されている一部商品の購入が可能になる。

「楽天ラクマ」経由で「eBay」に出品する試験対象ショップは、ファッションカテゴリー商品を取り扱う「ラクマ公式ショップ」のうち、需要が高いと考えられる「レディス アパレル&バッグ ブランド小物」「時計・パーツ&アクセサリー」「メンズ アパレル&バッグ ブランド小物」など7ショップ(2024年5月8日時点)。対象ショップは今後、順次拡大する予定。
日本のリユース品は保存状態が良い「高品質・低価格」として注目を集めており、海外バイヤーは「Used in JAPAN」と呼んでいる。また、円安の影響で、海外と日本における越境取引が活性化しているという。
「eBay」の主力マーケットである米国ではリユース品需要の高ままっており、「楽天ラクマ」の出品商品を「eBay」に出品することで、日本のリユース品のさらなる販路拡大が可能になると判断。楽天は「eBay」との試験運用を開始することにした。
「楽天ラクマ」は「eBay」への出品開始で、「ラクマ公式ショップ」の販路拡大と出店者の海外販売促進を図る。今後は試験運用によるユーザーの反応を見極め、サービスの本格提供を検討していく。
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オリジナル記事:「ラクマ」出品で海外展開。「ラクマ公式ショップ」一部出店者の商品を「eBay」で販売する取り組みを試験運用
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楽天グループでは、運営する仮想モール「楽天市場」において、「安心・安全なショッピング環境」を提供するための取り組みを継続して行ってきた。近年は、他の仮想モールで問題となっている「不正レビュー」や「転売」に関する対策も強化。消費者にとって、安心して商品が買える仮想モールをめざすとともに、他社との差別化も図る。
同社コマース&マーケティングカンパニーコマース品質管理部の半井大輔ジェネラルマネージャーは「ECの世界は、楽天市場だけではなく、消費者にとっていろいろな選択肢がある。こうしたなかで、運営者である楽天に求められているのは『良い購買体験を提供する』ことと『嫌な購買体験を減らす、防ぐ』ことの2つではないか」を話す。

同社のめざす「安心・安全なショッピング環境」の実現は、「嫌な購買体験を減らす、防ぐ」ことにつながる。商品の良し悪しもさることながら、「法令違反表記など商品説明が不適切」「商品が偽物かもしれない」「レビューがやらせではないか」――といった消費者の「不安」を、プラットフォーマーである楽天が減らしていくことが重要だ。
そのため、ユーザーが安心して利用できるとともに、期待に沿うことができる環境を整備している。

同社が考える「安心・安全」に関連した重要な要素は4つ。
「事業者/出品者」については、楽天が定めた基準を満たす企業や個人の出店・出品に限定。さらに基準を満たした「商品/サービス」の流通を促進する。
「販売行為/店舗運営」については、ルールを順守した販売行為と倫理観のある運営を促す。そして「ルール」については、網羅性と店舗に理解してもらうための明確さを意識し制定、出店者にはルールを認知してもらった上で理解を促し、実効性を担保する。
それぞれの要素について詳しく見ていく。「事業者/出品者」に関しては、まず「入り口」である出店審査を厳格に行っている。販売者の実在確認はもちろんのこと、営業実態も確かめている点が大きいという。
たとえば、最近他の仮想モールで問題となっている「自社では在庫を持たず、出店者がアマゾンなどで代理購入した商品を直接消費者に配送する」、いわゆる「無在庫転売」を行う店舗。半井ジェネラルマネージャーは「きちんと商品を仕入れて、販売しているかを確認することで、無在庫転売の店舗や、名義貸しの出店を出店審査の時点で弾くことができる」と指摘する。
こうした実態審査は、出店審査時だけではなく、出店後に運営への疑義が生じた場合にも実施するという。
「商品/サービス」に関しては、販売に関して許認可が必要な医薬品や中古品、酒類などはもちろんのこと、ユーザー保護のため、同社独自で審査が必要な商材や禁止商材を定めている。
中古ブランド品・中古ブランドノベルティー品・中古パソコン・中古医療機器に関しては、古物免許の有無だけではなく、業歴1年以上を取り扱い許可条件としている。
特に中古ブランド品については、真贋(しんがん)を鑑定するマニュアルがあるかどうかもチェックし、偽ブランド品の流通を食い止めている。
法規制前であっても、人体や生命に危険をおよぼす商材は禁止していている。たとえば、「大麻グミ」による健康被害が相次いだ問題で、大麻に似た合成化合物「HHCH」を含んだ商材の販売自粛を通知するとともに、健康被害恐れがある類似成分「HHCP」も法規制前に禁止商材化し、モニタリングを実施している。
楽天市場ではCBD含有商品を取り扱う際、違法成分であるTHCが含まれていない書類を商品ページに記載する必要がある。ただ、疑わしい商品が出てきた場合でも、その判断には違法成分を所持し鑑定する必要があるため、国内での鑑定は難しい。そこで、大麻由来成分を鑑定するために、アメリカの検査機関「Anresco」との連携も開始した。
「販売行為/店舗運営」については、まずユーザーが店舗の不適切な行為や不適切な商品を通報するためのフォームを実施。昨年からは「根拠がないにも関わらずSDGsをうたう行為」の通報にも対応した。また、人工知能(AI)による景品表示法違反・薬機法違反・不正レビューのモニタリング監視も強めている。
近年、強化しているのは不正レビュー対策だ。X(旧ツイッター)に「不適切レビュー担当」というアカウントを開設。最近は、店舗が自作自演でレビューを投稿するのではなく、外部事業者が「やらせレビューのバイト」をSNS上で募集するケースが増えているためだ。「『楽天レビュー募集中!』といった募集ポストを発見した場合は、X社に通報してアカウント停止をお願いするとともに、公式アカウントが返信して公開の場で警告することで、ユーザーの応募も未然に防いでいる」(半井ジェネラルマネージャー)
こうした地道な活動が功を奏し、「あくまで当社の調査ではあるが、Xで『レビュー募集』などのワードで検索をすると、楽天市場を対象とした、やらせレビューの募集ポストは、競合他社よりかなり少なくなっている」という。
運営する仮想モール「楽天市場」において、「安心・安全なショッピング環境」を提供するための取り組みを継続して行っている楽天グループ。同社が考える「安心・安全」に関連した重要な要素の4つ目は「ルール」。楽天市場の出店規約をもとに、各種規約やガイドラインを制定している。最近の例では、定額課金を伴う電子機器などが増えてきたことを受けて、取り扱いガイドラインを決めた。
たとえば「5万9800円の会話AIロボットを利用するのに、ソリューション代金として月々1500円必要」という商品。一部でユーザーとの間にトラブルが発生していたことから、こうしたサブスク型商品については「別途楽天市場外での課金契約が必要となる」といった「必須記載事項」を商品ページに明記することを順守するよう求めている。
また、外部機関や企業との連携も進めている。模倣品対策としては、2012年から権利者との提携で権利侵害取り締まり活動を開始。現在では1750以上のブランドが鑑定可能となっている。「物の善し悪しは当社では判断できない部分もあるので、ブランド権利者からの申し出や確認をベースにしながら、店舗にも事実確認を行い、権利侵害品が流通しないようにしている」(半井ジェネラルマネージャー)
さらに、2014年から実施してきた財務省関税局との連携に関しては、2023年12月に覚書を締結。楽天と関税局は意見交換の場を設けるほか、楽天と税関による情報交換を強化し、模倣品業者の特定と取り締まりを行うというものだ。
近年、強化を進めているのは、メーカーと連携した転売対策だ。半井ジェネラルマネージャーは「法律で規制されていない領域なので、取り組み自体が難しい」としながらも、「消費者心理としては『買いたいものが買えず、適正価格より高く売られている』ことへの不満は大きい」ことから、3つの観点から対策を進めている。
1つは自然災害などに乗じた便乗値上げの禁止。これは、コロナ禍におけるマスクや消毒液などの転売がわかりやすい例だ。
2つ目は、食品の転売禁止。楽天市場においては、小売店で一般消費者向けに販売された食品の販売行為を禁じている。食品は保管状態に問題がある恐れがあるほか、購入後ユーザーに届くまでの日数によっては品質に影響がおよぶ可能性があるなど、健康被害が生じる危険性があるからだ。
さらに3つ目として、メーカーが転売禁止を公表している商品の転売も禁じている。2021年8月には、食品メーカー12社との取り組みを開始。各社からの反響もあり、提携先は今年2月時点で50社まで拡大している。
たとえば、鎌倉紅谷の「クルミッ子」という菓子は、人気商品のため店頭でも品薄が続いている。「正規価格の倍以上で売られているケースもあった。そのため、店舗側に仕入れルートを確認し、小売りで買った商品を転売していることが分かった時点で出品を取り下げさせた」(半井ジェネラルマネージャー)
メーカー各社とは定期的に会合を行っており、「転売とみられる事業者から購入した消費者からの問い合わせが減った」という好意的な声が出ている。
こうした取り組みにより、楽天市場におけるショップレビューの平均点はここ4年ほどで上昇しているほか、低評価のレビューを投稿されるショップの率も減少傾向にあるという。半井ジェネラルマネージャーは「“嫌な購買体験”を起こさせない仕組みを作るために、AIを活用したモニタリングを進めていきたい」と展望を語る。
昨年には、リコール製品や安全ではない製品から消費者を守るための日本版「製品安全誓約」がスタートした。販売される製品の品質を高めていくことは、プラットフォーマーにとって喫緊の課題といえる。
半井ジェネラルマネージャーは「楽天だけで対応するのは難しいので、低評価レビューを分析して『商品の何が良くないのか』『どこを解決しなければいけないのか』を割り出し、販売する事業者やメーカーと連携することで、品質改善まで踏み込んでアドバイスできる仕組みを作っていきたい」と意欲を語る。
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オリジナル記事:「楽天市場」が強化している「不正レビュー対策」「転売対策」とは? 安心・安全に買い物できる環境作りの取り組み | 通販新聞ダイジェスト
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「通販新聞」について
「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。
このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。
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美容商材通販のビューティガレージは5月7日、美容業界専門メディアを運営する出版社である女性モード社の全株式を美容業界新聞社から取得し、4月30日付で連結子会社化したと発表した。
女性モード社は1960年の創業で、国内の美容文化の情報発信を手がけてきた老舗の美容業界専門出版社。月刊誌「HAIRMODE」、美容師向けの専門書籍、技術本、動画コンテンツのほか、近年は電子書籍やデジタルメディアを提供している。
美容業界における従来型の流通スタイルは、“モノ”と同時に“情報”が提供されるのが一般的な慣習という。女性モード社の買収で、メディアとしてのブランド力、デジタル化の加速によるノウハウ・ナレッジの価値を高め、美容業界の発展に寄与するとしている。
ビューティガレージは創業以来、美容従事者向けのECプラットフォームを運営してきたが、美容業界の情報流通は業界内格差や偏りが大きく、課題があると認識していた。
美容業界には体系的にまとめられた公平性の高い情報は大きな価値があり、業界プラットフォームを運営するビューティガレージが、新たな形でその価値を最大化できると判断し、買収を決めた。
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オリジナル記事:美容商材通販のビューティガレージが専門出版社の女性モード社を買収
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三菱UFJ銀行が、サイバーエージェントと提携して推進しているデジタル広告事業「Bank Ads」を紹介。

コロナ禍によって大きく見直されたのが“リアル”の価値。「手に取ってみたい」「試したい」など、リアルでしか提供できないその価値に改めて気付いた消費者は少なくありません。事業者側も同様です。COUNTERWORKSがマーケティング・宣伝・広報担当者に対して実施した「ポップアップストアに関する実態調査」では、2024年に強化したいマーケティング施策として「ポップアップストア」が3位にランクイン。リアルでのマーケティング活動に関する注目度の高さがうかがえます。
本記事では、ポップアップストア業種内で一定の割合を占める「食物販」に着目。メリットや出店費用、費用対効果など、「食物販」のポップストアを解説していきます。
そもそも「食物販」とは、食品の販売を指します。レストランやカフェといった食事がメインの業態は「飲食店」、その場での調理を伴わず、個包装された食品を販売する場合は「食物販」と分類されているケースが多いです。
ただし、「食物販」であってもフード・ドリンクの試食・試飲を提供する場合は「飲食店の営業」に該当するケースがあることには注意が必要です。
また、期間限定のポップアップストアでも食品を販売する場合には食品営業許可の取得が義務付けられています。
そのような食物販でポップアップストアを実施するメリットは、以下の3つがあげられます。
それぞれ解説しますので、詳しくみていきましょう。
比較的リーズナブルな価格で1個から購入できるケースの多い食物販は、購入者が自身の思い出作りの一環として、購入商品をInstagramやTikTokに投稿するケースが自然発生しやすいカテゴリーです。販売ブランドのアカウントタグ付けや新規フォローでトッピング無料や割引といったコンテンツを準備することで、出店効果を最大化できます。

コロナ禍を経て、食物販においても自社ECサイトで商品を消費者に直接販売する「D2C」を採用するインターネット発のブランドが増えています。一方で日本国内におけるEC化率は10%にも満たず、ほとんどのブランドが実店舗出店、また店舗数の拡大を検討しています。
上記の出店過程において、自社ブランドに合う顧客やエリアをリサーチするためにいくつかのエリアで数日間のポップアップストア出店を実施し、本格的な実店舗展開などに向けた予測精度を高めることができます。
食物販は季節イベントやマスメディア・SNSによる反響で需要が突発的に激増するシーンが見られます。そういった機会を最大化する目的で、自店舗の近隣でのサテライトショップの設置、通常オンラインのみのD2C食品ブランドが、たとえばクリスマスなどの繁忙期に数日間限定のポップアップストアを開催といった拡販手段として、ポップアップストアは有効です。
食物販の初出店においては、以下のスペースタイプが適しています。
マルシェとはフランス語で「市場」を意味する言葉で、個人単位(またはそれに近い規模の業者)が人通りの多い場所に集まって出店した集合体を指します。
多くの人々が集まる場所に、決まった日時で開催される形式でコンビニや商業施設などでは購入することが難しい産地直送素材やオーガニックな生鮮食品、1点モノのアイテム、思わぬ掘り出し物などの希少な商品を発見できます。その独自性によって、消費者にとっては足を運ぶたびに新鮮で珍しい体験が期待できる場として人気を集めています。
出店者目線では、手頃な金額の出店料のほか、イベントによりますが什器の貸出も対応しているマルシェイベントもあり、準備コストを最小限にしてポップアップストア出店にチャレンジできる利点があります。

マルシェでは消費者とのダイレクトな交流が生まれ、商品の魅力をたっぷりと伝えられたり、消費者のニーズをヒアリングできたり、新規顧客を開拓できたりと、事業に生かせる点がたくさんあります。
こうした交流は消費者にとっても嬉しいポイントとなっています。生産者の顔を見られる上、どのように商品が作られたのかも聞けるので安心して購入できたり、食材であれば調理のコツを聞けたりと、安心感やプラスアルファの情報を得られる機会にもなるのです。
さらに、ほかの出品者との交流が生まれ、情報交換やコラボレーションにつながることもあります。
「オフィスビル」は、事務所・業務に使用される用途の建物部分が多く占める建物のことを指します。商業地区やビジネス地区などに位置していることが一般的です。
オフィスビル内では、ロビーエントランスをはじめとして、エレベーター前やエスカレーター横の人流が発生するちょっとした遊休スペースでポップアップストア出店が可能です。
気分転換で通常とは異なるお菓子、コーヒー、紅茶などの嗜好品を欲しているオフィスワーカーにとって、遠出せずとも非日常シーンを演出できるアイテムと出会えるのがオフィスビル内のポップアップストアの特徴です。
上記に加え、オフィスビル内では入社や昇進祝い、退職時の労い等、様々な歓送迎のシーンがあり、プチギフトの需要があるほか、取引先への手土産として地方特産品やトレンドアイテムを購入される需要もあります。
毎週火曜日に〇〇屋さんが出店するので出社する、といったアンケート結果が寄せられているオフィスビルもあり、ブランドのファン作りにも効果が見られます。

また、オフィスビルのピークタイムは主にランチタイム(11時~13時)と退勤時間帯(17時~19時)に二分されるため、該当時間帯に2人体制にする、商品のタイムセールを実施するなどの調整がしやすく、出店費用以外の見えない出店コストの削減にもつなげることが可能です。
食物販に最適なスペースタイプをご紹介しましたが、気になる出店費用はいくらくらい掛かるのでしょうか? タイプ別にいくつかピックアップしてみます。
出店費用の相場:1万円〜1万5000円
出店効果:マルシェは駅直結施設や駅周辺でイベント開催されることが多いため、通行客はもちろん、SNSで事前告知することで、既存顧客の来場を促すことも可能です。また、来場者との距離感が近いイベントであることも特徴であり、来場者から商品に関する質問が積極的に飛んできます。その他、出店者同士の交流によって、出店場所やノウハウの共有も実施できるメリットもあるようです。
出店費用の相場:5000円〜2万円
出店効果:オフィスビルは、イベントや商品の口コミ効果の波及が期待できます。購入された商品が営業先への手土産となったり、オフィスに持ち帰って食べたり、利用するシーンを他のオフィス内メンバーが見るといったシーンにおいて、購入客1人1人を通じた小さなプロダクトプレースメントにつながるとも言えます。出店費用も商業施設と比較してリーズナブルな設定であるため、毎週〇曜日に出店する、といった一定の頻度を意識した継続出店でコアなファンを作り出すスペースとして有効活用できます。
食物販イベント実施にあたって、各市町村区の管轄保健所への営業許可に関する問い合わせ・申請が必要です。
イベント来店者に無料でコーヒーを提供するなど商用目的でない飲食物提供の場合は許可申請を必要としないケースも多いですが、市町村区ごとの管轄保健所で方針やルールが異なるため、電話でイベント概要と提供したい内容を伝え、適切な対応に向けた情報収集はすべきです。
また、利用したいスペース別に必要な手続きが異なります。大型商業施設では営業許可、本人確認書類、イベント実施履歴(写真)に加え、PL保険の加入や検便検査結果報告書の提出も必要となるケースもあります。
結果が出るまでに時間を要する検査もあるため、1か月前には出店希望スペースの必要書類を把握し、準備をしておくことを推奨します。
食物販のポップアップストア活用事例として、“みんなの故郷「白馬」をつくる”をミッションに掲げ、長野県や東京都を中心に自社醸造のクラフトビール「HAKUBA CRAFT」を展開するrethを事例として紹介します。

商材:クラフトビール
主な販売チャネル:自社EC、卸販売(長野県内、東京都内の小売店、飲食店、宿泊施設)
ポップアップストア出店を検討したきっかけ:自社商品の認知拡大
rethは自社の醸造拠点である長野県栂池高原に位置する「HAKUBA BEER GARAGE」で飲食提供を実施しているものの、今後のさらなる事業発展のためにポップアップストア出店を検討し始めました。
まずは、長野県内のビール祭りやサマーフェスティバル、マルシェといった集合出店スタイルのイベントに参加しながら、自社の商品がどんな顧客層に人気なのか、どのように手に取られるかといった顧客理解を深めていきました。

ポップアップストア出店にチャレンジするなかで予想外だったのは2点。1点目は食品衛生法に沿った営業所申請や届け出が想定より実務的なコストが少なかったこと。5日以内の臨時営業である場合は、一般営業施設(固定店舗)許可の手続きと異なり、臨時出店届出で対応可能だった点もあり、スペース選定や商品展開に関するアイデアの検討に時間を投下することができました。
2点目は、デパ地下や駅ナカといった人気の食物販スペースの出店ハードルや競争率が高いという点です。来店数も多く、認知度も高いスペースほど人気の出店スペースとなりますが、多くの商業施設では出店経験の有無、商品展開のイメージが出店申込時に必要とされており、初出店のフェーズではハードルが高いことを学びました。
上記のような経験を重ね、ポップアップストア出店の目的を明確化できました。季節限定商品や新商品は、海外観光客向けに英語の商品説明POPがあるだけで試飲がなくとも購入されることが多かったのは、試飲ありきで出店条件を想定していたのとギャップがありました。
今後は東京都内で2年以内に常設店舗をオープンすることを目標に、都内で有力な出店エリアを模索するポップアップストアを定期開催していく予定です。
本記事では、食物販のポップアップストア展開における解説をしました。
ポップアップストアは実店舗展開のチャネルとしてリーズナブルな手法ですが、出店目的や経験に沿って、出店スペースを選定し、適切な出店経験を重ねていくことで効果を最大化できます。
出店費用や必要な手続きに加えて、何のためにポップアップストアの出店をしたいのか、ぜひ考えるきっかけとしていただければ幸いです。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:食物販のポップアップストア、費用対効果はどうなの? コストはどの程度かかる? 出店の基礎情報から事例を徹底解説 | その道のプロが解説するポップアップストア出店の“いろは”
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筆者からのお知らせ
筆者が所属するカウンターワークスでは、商業施設・路面店舗・駅・マルシェ・ギャラリーなど全国の出店スペースをかんたんに予約できる「SHOPCOUNTER」を提供しています。

そごう・西武は、公式通販サイト「e.デパート」に、ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入した。
「e.デパート」では、百貨店ブランドのコスメ、デパ地下グルメ、母の日・お中元・お歳暮といった季節のギフトなど、幅広いカテゴリーの商品ラインアップを展開している。
商品詳細ページ内の商品説明などのテキストからキーワードをハッシュタグとして自動生成することで、関連性の高い商品との接触機会を創出し、サイト内の回遊率向上につなげるという。

その時々のホットワードを抽出し「トレンドキーワード(ハッシュタグ)」として表示する機能を実装。さらにハッシュタグを軸としたキーワードごとのLPを量産することで、ブランドやカテゴリーの垣根を越えた商品検索を行えるようにし、サイト横断のきっかけ、新たな商品との出会い創出につなげる。

主にECサイトなどWebサイトのなかの説明文やカスタマーレビューのようなテキスト情報をAIで解析し、関連するキーワードを抽出してLP(ランディングページ)を自動生成するソリューション。ECサイトでは、商品の見た目の形状、使い方などに関連するテキストタグを活用して商品検索ができる。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:そごう・西武が公式通販サイト「e.デパート」にハッシュタグを表示。回遊性向上や商品との出会い創出をめざす
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「越境EC市場への参入を検討しており、日本企業の成功事例を知って参考にしたい」「越境ECで成功するための要因が知りたい」。世界的な越境EC市場の拡大を受けて、越境EC市場への参入を検討している方もいるのではないでしょうか。本記事では「日本企業の越境EC成功事例14選」と「越境ECにおける人気商品ランキング」を中心に解説します。越境EC市場参入に向けての判断に役立つ内容のため、ぜひ最後までご覧ください。
越境ECとは、国境を越えて行われる電子商取引のことです。たとえば、ECサイトを通じて「日本企業が海外の消費者に向けて商品を販売する」「日本の消費者が海外から商品を購入する」といった取引が越境ECに該当します。
近年、越境ECは非常に多くの企業が乗り出し始めています。日本国内だけでのEC事業に比べて、単純に市場が大きくなるため「売り上げを高めやすいのではないか」と感じている方も多いことでしょう。
しかし実際は、国内ECと同じ感覚で越境ECに臨み、失敗してしまう企業が多いのも事実です。日本企業の成功事例を紹介する前に「事前に知っておくべきこと」を紹介します。
越境ECで商品を売るためには、現地での認知度が重要です。事前に越境先の国での認知度を高める施策が必要です。
そのために「SNSなどを通じてインフルエンサーマーケティングを行う」「現地のプロモーション企業とパートナー契約を結び活動する」などの工夫が必要になります。
なお、SNSは現地でのアクティブユーザーが多いアプリケーションを選ぶ必要があります。中国であれば「WeChat」や「Weibo」となります。韓国であれば「カカオトーク」などです。
越境ECを行うにあたり、中国や東南アジアなどの人気の国をターゲットにする方も多いと思います。
しかし、進出する国を選ぶ際は、まずは現状のデータを確認して「どの国のユーザーが流入しているか」を確認しましょう。そのうえでロジカルに決める必要があります。
越境ECを始める前には、必ず実際に現地に行きましょう。そこで「本当に自社商品が使われるか」を確認することをおすすめします。またプロモーション担当の企業とコンタクトを取ることもおすすめです。
消費者の習慣は国によって大きく変わります。これにより、意外な理由で顧客のニーズから外れてしまうケースは多々あります。
たとえば、ある化粧品会社は国内で販売していたシャンプーをヨーロッパで販売することになりました。しかし現地の人にモニターとして使ってもらうと「水質の違いによって泡立ちが悪くなり使われない」ということに気付きました。
こうした「現地だから体感できること」を知っておくべきですので、事前に現地に行って確認をしてみましょう。
また、特に越境ECで盲点になりがちなのが「商標登録」に関する問題です。商標が既に登録されている場合、本家であっても商標を使用できないという事態に陥る可能性があります。この場合、日本での販売実績があれば、手続き・裁判を経て認められるケースもあります。
特にアパレル分野などでは「日本品質の商品であれば売れる」という考えは過去のものになりつつあります。現在は海外製品の品質も大幅に向上しています。日本製の強みに頼った販売戦略は危険です。
先述したシャンプーの例でわかるように、商品の特性が地域にマッチするかどうかを調査することも重要です。たとえばシャンプーの場合「現地の水質と相性の良いシャンプー」を作る必要があります。
令和4年度の経済産業省の報告書によると、2021年の世界の越境EC市場規模は7850億USドルと推計されています。2030年には7兆9380億USドルまで拡大すると予測されており、越境ECの市場規模はますます大きくなる見込みです。(参考:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」)
世界のなかで、BtoC-ECの市場規模が大きい中国・アメリカと日本の越境EC取引額を紹介します。
世界でトップシェアを誇る中国消費者が日本事業者から購入した額は、2兆2569億円となっています。前年と比べると、5.6%増加しています。
また、アメリカ消費者が日本事業者から購入した額は1兆3056億円です。前年比6.8%増で、こちらも増加した結果となりました。

日・米・中のいずれの国家間でも取引額が増加しており、日本を取り巻くEC市場が拡大していることがわかります。
世界のEC市場が拡大するなか、日本企業でも越境ECの成功事例が生まれています。ここからは、日本企業の越境ECの成功事例を紹介します。

「ヤーマン」は、美容家電を中心に展開しているヤーマンが運営する越境ECです。中国の大手ECモール「天猫国際(Tmall Global)」が開催する「独身の日」のセールにおいて、電子美容機器の美容機器部門の販売実績5年連続1位を獲得しています。
中国の若い女性をターゲットにライブコマースを配信し、商品の魅力を伝えているのが特徴です。また、コロナ禍で在宅時間が長くなったことから、ヤーマンが扱う「美容健康機器」のカテゴリの人気が高まり、売り上げに直結しています。

「BENTO&CO」はベルトランが運営しており、実店舗もある越境ECです。弁当、箸、風呂敷、調理器具などの商品を取り扱っています。
ECサイト上のブログを通じて、商品の魅力を伝えて認知度アップにつなげています。また、リーマンショック後の世界情勢に「日本のお弁当箱」が受け入れられたことも追い風となって成功した事例です。
「Tokyo Otaku Mode」は、アニメ・マンガの関連グッズを販売する越境ECサイトです。日本の強みであるアニメをはじめとするポップカルチャーに特化しているため、一貫性があるECサイトとなっています。
150ドルを超えるほとんどの商品に関しては「船便の送料無料」「EMS航空便は半額」といった、海外ユーザーが気軽に購入できるような工夫をしています。

「北海道お土産探検隊」は、北海道に拠点を置く、山と小笠原商店が運営する越境ECです。「白い恋人」や「六花亭」をはじめとする北海道で定番のお土産品を販売しています。
翻訳機能を活用して海外からの問い合わせに対応し、外国語が堪能な人材が海外販売を担当するなどの取り組みにより、越境ECを成功させています。
「SAMURAI STORE」は、甲冑、兜、模造刀を販売する越境ECサイトです。サムライストアが運営しており、2002年に越境ECを開始してから多くの海外ファンが利用しています。主力商品がすぐわかるデザインのほか、目当ての商品にたどり着きやすいように「甲冑」「兜」「その他の商品」といったわかりやすいカテゴリ分けをしています。
また、世界で多く利用されているオンライン決済サービス「PayPal」の導入も海外ユーザーの利便性を高めています。発送に関しても、海外ほぼすべての国に対応している越境ECです。

「トラスト企画」はトラスト企画が運営する越境ECです。「ニッサン・スカイラインGT-R」をはじめとした、国産車のパーツを販売しています。
海外に愛好家が多い車種の部品を販売し「日本の純正部品を購入したい海外ユーザー」のニーズに応えているのが特徴です。
「Fake Food Japan」は、食品サンプルを製造・販売するJDクリエーションズが運営する越境ECです。本物の料理・食材のように精巧に作られたサンプルは、レプリカや小物類に加工して販売されています。
食品サンプルは、お土産として来日観光客からの人気が高く、越境ECでの販売も成功した事例です。

「多慶屋」は、東京都の御徒町に店舗があるディスカウントショップです。2015年時点で訪日外国人が年間約43万人訪れており、リピート買い促進のために越境ECに取り組んでいました。
実店舗に来店した訪日客に対し、ECサイトのURL・QRコードを記載したチラシを配付しています。その結果、気軽にリピート購入できる導線作りに役立ちました。また、中国の決済システム「Alipay(アリペイ)」を日本でいち早く導入し、中国ユーザーが購入しやすい環境を整えています。

「GLOKEN」は、一般社団法人グローバルけん玉ネットワークが運営する越境ECです。けん玉の開発から製造まで行い、オリジナルなけん玉を多く扱っているのが特徴です。けん玉の販売だけでなく、情報発信も積極的に行っています。
けん玉の世界大会である「けん玉ワールドカップ」を開催しており、2023年には17の国と地域のプレイヤーが参加しています。オンラインでの参加も可能で、世界中のユーザーが楽しめるイベントを実施しています。販売から啓蒙活動まで行う越境ECサイトです。

「Kakimori」は、東京都台東区にある、ほたかが運営する越境ECです。高品質な文具を取り扱っており、越境ECを始める前から実店舗には海外のファンが訪れていました。実店舗1店とECサイトのみの運営に専念することで、ブランド価値をさらに高めることに成功しています。
「ECサイトとInstagramを活用したアメリカ・ヨーロッパの消費者に対するPR」や「ECサイトのコラムでの商品製作ストーリーの発信」「SNSでのコミュニケーション」などの取り組みにより、越境ECが成功した事例です。

「CD Japan」は、ネオ・ウィングが運営する越境ECです。CDや本といったカルチャー関連の商品を扱っており、20年以上もの歴史があるサイトです。
購入者に対し、ポスター、マウスパッド、写真などの限定の特典を付与し、「CD Japan」で購入する付加価値を付けています。また、英語・フランス語・スペイン語のカスタマーサポートを実施しており、幅広い海外ユーザーからの問合せに対応できる体制を整えています。

「タビオ」は、全世界のマーケットをターゲットに展開している靴下専門のブランドです。運営するタビオは1968年に創業し、2021年10月から越境ECを開始しました。サイトのトップページでは上質なブランドを意識したデザインで、「日本製ならではの品質の高さ」や「細部までこだわる職人技」などのポイントを前面に押し出しています。

「レトロアジア」は、日本の中古ゲーム機、ゲームソフトを販売する越境ECです。海外では入手するのが困難な、日本の中古ゲームに特化しています。
日本在住のフランス人男性が運営しており「海外ユーザーのニーズに合ったカテゴリ選定」や「刺さる商品の見せ方」などは、日本企業が越境ECに取り組むうえで参考になる事例です。

「サクラマート」は、ライズネクストが運営する越境ECです。日本で人気の高い食品や菓子類、化粧品、ホビーなどを中心に販売しています。2024年3月時点でアメリカや台湾、オーストラリアをはじめとした19か国への配送に対応しています。
「ポップなサイトデザインを採用している」「トップページでカテゴリ別に商品を表示している」といった点から、ブランディング・ビジュアル戦略が優れているのが特徴です。また海外ユーザーに商品が届くまでの期間が短く、丁寧に梱包されているのも人気の理由の1つです。
日本企業が越境ECに成功している事例からわかるとおり、越境ECの展開によって「販路拡大」や「売上向上」につながる可能性が期待できます。
日本企業が越境ECを展開する方法は、次の2つです。
日本国内でECサイトを構築して、越境ECを始める方法です。既にECサイトを運営している場合は必要な機能を実装すれば、越境ECとして運営できます。
自社で越境ECを運営する場合、ターゲットとする国・地域に応じて、デザインや言語、決済方法、サポート体制などをローカライズする必要があります。サイト上で「自社の世界観が演出できる」「顧客情報が取得できる」などのメリットがある一方で、集客が難しい側面もあります。
越境ECを始める際、現地のECモールに出店する方法もあります。たとえば、中国であれば「天猫国際(TmallGlobal)」や「京東国際(JD.hk)」、アメリカであれば「Amazon」や「eBay」などがあります。
「ECサイトの構築」や「多言語対応」などが不要なため、始めやすいのが特徴です。一方で出店する条件に「一定以上の売上を出している」という条件があるケースがあります。
さらに、保証金やソフトウェアサービス費、販売金額に応じた手数料、高額な初期費用がかかるモールもあるため、事業規模によっては出店そのものが難しい可能性があります。
日本企業が越境ECに取り組むメリットは、次の3つです。
日本国内だけでなく海外にも展開することで、新規ユーザーを獲得し、販路を拡大できます。また、日本製品の需要が高い国に進出することで、安定的に利益を生み出す可能性が高まります。
海外に実店舗を出店する場合、土地や倉庫の用意、店舗の建築、人件費などに莫大なコストがかかります。また、人材採用・育成や店舗の運営ルール策定などに手間がかかるため、コスト以外に時間も費やす必要があります。
一方、越境ECの場合はネット上で店舗を運営するため、実店舗と比べてコスト・手間が少なく済みます。インターネット環境さえあれば、どの国・地域であっても進出できるため、実店舗よりも出店しやすいのが特徴です。
越境ECと実店舗の両方を運営している場合、越境ECを通じて購入したユーザーが訪日した際、実店舗に訪れてくれるケースがあります。一方、訪日観光客が実店舗で買い物して帰国したのちに、越境ECでリピート買いしてくれるケースもあります。
このように越境ECは、相乗効果を生み出して「顧客のロイヤリティ向上」を実現させることが可能です。
日本が越境ECに取り組むメリットがある一方で、以下のような注意点もあります。
海外に自社倉庫がない場合、日本国内から商品を発送します。送付先の国・地域によっては、配送料以外に関税もかかるため、商品を届けるために多くのコストがかかる点を認識しておきましょう。
購入者に関税の支払い義務が生じる場合、支払額が高額となって受け取りを拒否されるケースがあります。そのため関税に関する情報を明記し、購入者にも事前に認識してもらうようにしましょう。
また、輸送に多くの時間・プロセスが必要な分、紛失・破損などのリスクも高まります。そのため「保証金額が高い配送会社を選ぶ」「丁寧に商品を梱包する」といった対応も必要です。
国・地域ごとに異なる法律・規制が定められているため、現地のルールに則った対応が必要です。
たとえば、EU加盟国では「GDPR(一般データ保護規則)」が定められています。EUに居住する個人のデータの収集・保存および使用にあたって、事業者が従うべき規制が定められています。違反した場合「最大2000万ユーロ」または「全世界年間売上の4%まで」のいずれか高い方が課されます。
このように国・地域によって、さまざまな法律・規制が定められています。越境ECに取り組む際は、進出先のルールを確認したうえで、必要な対策を講じましょう。
顧客に安心して購入してもらうために「ECサイト上の言語翻訳」や「現地言語に対応できるカスタマーサポートセンターの設置」が必要です。特に、購入者からの問い合わせに対応できなければ、キャンセルや返品に対応できずに信頼を失う可能性があります。そのため越境ECにおいて、現地の言語に対応できる体制構築が必須であることを認識しておきましょう。
現在、日本ではインバウンドの回復とともに、越境ECの規模拡大が期待されています。しかし、越境ECへの参入を検討する際「自社商品が越境ECで売れるのかどうか」が気になる場合もあります。
BEENOSの発表によると、2023年に越境ECで多く購入された商品カテゴリは、以下の表のとおりです。(参考:BEENOS「BEENOSが「越境ECヒットランキング2023」を発表 ~「世界総オタク化消費」で、日本の越境EC市場が拡大~」)
カテゴリ別ランキング2023 | |
| 1位 | おもちゃ・ホビー・グッズ |
| 2位 | 音楽 |
| 3位 | フアッション |
| 4位 | トレーディングカード |
| 5位 | フィギア |
| 6位 | ゲーム |
| 7位 | 自動車・オートバイ |
| 8位 | コミック / アニメグッズ |
| 9位 | スポーツ・レジャー |
| 10位 | アクセサリー / 時計 |
訪日客が日本の商品・コンテンツに触れて購入する機会が増えており、帰国後の接点として越境ECを活用する流れが拡大しています。越境EC市場への参入検討時には、上記のランキングを参考資料としてお役立てください。
越境EC市場では、多くの日本企業が成功を収めています。日本だけでなく、世界の市場規模もさらなる拡大が予測されており、越境ECを始めることで「販路拡大」や「実店舗への集客効果」などの成果が期待できます。
しかし一方で、難易度が高いことも事実です。「現地での知名度を高めておく」など、事前にきちんと準備をしなければ成功できません。きちんと準備をして慎重に進めましょう。
本記事で紹介した日本企業の成功事例を参考に、越境ECに取り組むかどうかを検討してみましょう。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:越境ECのメリットや課題点とは? 日本企業の成功事例14選に学ぶ成功のポイント | E-Commerce Magazine Powered by futureshop
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この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

富士経済が実施した通販市場の最新動向調査によると、2023年の国内通販市場規模は約16兆円で、2035年には約19兆円、EC化率は18.9%にまで拡大すると予測した。
2023年の国内通販(物販)市場規模は15兆9124億円。内訳はECの市場規模が14兆1662億円、カタログ・テレビ・ラジオ・その他の通販が1兆7462億円。

「Amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった大手ECモールの拡大、カタログ・テレビ通販からのECシフトによって市場規模は拡大。コロナ禍で生鮮品や消耗品をECで購入する消費者が増え、利用の定着化が進んだ。また、小売事業者によるOtoO(Online to Offline)施策の推進も市場拡大に寄与している。
国内EC市場は今後、日常の購入手段として活用され、メーカーや通販事業者におけるECの注力度が高まっていくと予測。即日・翌日配送、AR・VR技術を用いた商品シミュレーション、チャットやライブコマースといった販売手法も浸透するという。
一方、カタログ・テレビ・ラジオなどは、注文方法のECへのシフト、コスト削減のためカタログの発行部数減、SNSマーケティングやライブコマースへの注力などにより、市場は長期的に縮小するとしている。
2035年のEC市場規模は2023年と比較して25.4%増の17兆7668億円まで拡大する予測。カタログ・テレビ・ラジオ・その他通販市場予測の1兆5513億円を加えると、通販市場は19兆3181億円規模に達するとしている。
EC化率について2023年の数値に言及はしていないが、2019年時点では10.9%。新型コロナウイルス流行の影響を受けて、2020年のEC化率は13.3%に上昇したという。今後もECの利用率は高まると予想しており、2035年のEC化率は18.9%に拡大する見通し。
対象の商品カテゴリは、「食品・生鮮品」「健康食品」「化粧品」「医薬品」「生活雑貨」「アパレル」「家電製品・パソコン」「書籍・ソフト」「家具・インテリア・寝具」。

ネットスーパーの市場規模については2023年は3040億円と推計。オンライン購買に対する需要の増加で、利用者数や利用頻度、客単価が増加していると見ている。
ネットスーパーについては近年、「楽天全国スーパー」(楽天グループ)や「Stailer」(10X)など、ネットスーパー事業を支援するプラットフォームや流通企業向けサービスを活用によって事業規模が活発化。2025年の市場規模は2023年比22.0%増の3710億円に拡大すると予測している。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:【通販・EC市場規模】2023年は約16兆円、2035年は19兆円でEC化率は18.9%に
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