経済産業省の調べによると、2022年におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は420兆2354億円で前年比12.8%増。EC化率は37.5%で同1.9ポイント増だった。
BtoB-EC市場規模の推移
BtoB-EC市場の業種別内訳を見ると、市場規模が最も大きいのは「卸売」で112兆8794億円。「輸送用機械」が58兆8775億円、「電気・情報関連機器」が45兆282億円で続いた。
「その他」を除いた前年比の伸び率では、「運輸」が前年比20.3%増。「繊維・日用品・化学」が同18.8%増、「電気・情報関連機器」が同15.1%増で続いている。
EC化率で見ると、最も大きいのは「輸送用機械」の76.7%。「食品」が70.7%、「電気・情報関連機器」が66.3%だった。
BtoB-EC市場規模の業種別内訳
食品
市場規模は前年比9.4%増の29兆6443億円。消費者の外出機会が増え、外食やホテル需要が増加し、業務用食品市場規模等が拡大した。「食品」の商取引市場規模が増加したと見られる。EC化の動きも加速し、EC化率は前年比3.5ポイント増加の70.7%となった。
産業関連機器・精密機器
市場規模は同14.6%増の20兆7734億円、EC化率は42.0%。EC化率は前年から1.3ポイント拡大した。
情報通信
市場規模は同9.4%増の18兆2616億、EC化率は22.3%。全体の市場規模が増加したことに加え、ECによる取引が拡大したとしている。
鉄・非鉄金属業
市場規模は同13.5%増の28兆6620億円、EC化率は44.1%。2022年の法人企業統計データによると、鉄・非鉄金属業全体の総売上高は2020年に50兆408億円、2021年に59兆1045億円、2022年は64兆9856億円と推移、全体の市場規模拡大がEC市場の拡大につながった。
卸売
市場規模は同12.2%増の112兆8794億円、EC化率は34.9%。大手GMS、大手スーパーマーケットを中心に、流通BMSのEDI標準化が進んだことがEC化率の増加要因としている。
国内BtoB-ECのトピックスは「IP網化に伴うINSネットの廃止」「インボイス対応」
IP網化に伴うINSネットの廃止
2024年1月にISDN回線「INSネット(デジタル通信モード)」サービスの終了が予定されており、BtoB-ECで同サービスをインフラとしているEDIの仕組みは更新を迫られている。
ビジネスシーンにおいては、EDI(電子データ交換)においても通信回線としてISDNが広く利用されてきた。BtoB分野ではEDIを用いた商品や部品の受発注で活用されているため、多くの企業に影響が及ぶ可能性がある。EDIをカバーする方法として、インターネットEDIへの移行のほか、BtoB-ECへの切り替えに注目が集まっている。
インボイス対応
2023年10月1日からインボイス制度が導入される。制度の導入で、請求書の発行・受領フローが複雑化し、現場の業務量が増えるだけでなく、場合によっては支払う税金が増えてしまう可能性がある。
インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」。事業者が納める消費税に適用される仕入税額控除に関わる制度のこと。
売り手側・買い手側の双方に関わるのが保存要件で、請求書を発行する側も受け取る側も、請求書を7年間保存しなければならない。税計算もこれまでと形式が変わり、納品単位か請求単位かを選ぶ必要がある。請求書を提出する側は、適格請求事業者として税務署へ事前登録をしなければならない。
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オリジナル記事:法人向けのBtoB-EC市場規模は420兆2354億円。最新トピック+業種別の市場規模、EC化率は?【2022年の電子商取引調査】
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