LINEヤフーは、東京都が実施する「東京都スポーツ推進企業認定制度」において、「令和7年度東京都スポーツ推進モデル企業(スポーツの実践部門)」に初選定されたと発表した。評価された点は、「“オンライン”と“リアル”を組み合わせたウォーキング習慣の啓発」を中心とした運動習慣化施策。本制度における令和7年度のモデル企業は10社だった。
「東京都スポーツ推進企業認定制度」は、従業員のスポーツ活動の促進やスポーツ分野での社会貢献の取り組みを実施している企業などを、東京都が「東京都スポーツ推進企業」として認定する制度。
東京都は、スポーツを通じた社員の健康増進に取り組む企業など656社を「東京都スポーツ推進企業」として認定。そのなかから特に先進的な取り組みや波及効果のある取り組みを行っている企業を「東京都スポーツ推進モデル企業」として毎年選定している。
LINEヤフーは、すべての働く人が心身共に最高のコンディションで業務に従事できる企業をめざし、従業員の健康を支援するさまざまな取り組みを進めている。スポーツ推進施策としてオンラインウォーキングイベントなど、気軽に参加でき、継続しやすい“オンライン”と“リアル”を組み合わせた運動習慣化施策を実施。その結果、社員の運動習慣者率(健康診断の問診において「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」と回答した社員)は、2017年度の14.2%から2024年度には34.6%と、7年間で約20ポイント改善したという。実際に行っている取り組み内容は次の通り。
LINEヤフーは、「令和7年度東京都スポーツ推進モデル企業」に選定されたほか、スポーツ庁主催の「スポーツエールカンパニー2026」でシルバー認定を取得し、「第4回 Sport in Lifeアワード」では優秀賞を受賞。また、経済産業省および日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の「ホワイト500」にも選定された。
フューチャーショップは3月3日、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」向けのAIレコメンドサービスを全面刷新し、新サービス「future AI Recommend Plus」として提供を開始した。
従来の「future AI Recommend」を刷新。CV予測を軸に、画像解析やテキスト解析など複数のAI技術を横断的に活用し、サイト訪問者の関心や嗜好と親和性の高い商品をレコメンドする。
「future AI Recommend Plus」は、訪問者1人ひとりの嗜好に適した商品との出会いの創出を実現。購買につながるきっかけを広げ、発見性の高い買い物体験を提供する。
フューチャーショップによると、ランキング表示や閲覧履歴にもとづくレコメンドが一般化する一方で、EC事業者には次のような課題があるという。
「future AI Recommend Plus」は、商品情報をAIが解析する「テキストレコメンド」を標準搭載。商品名の類似性などをもとに、近いニーズを満たす商品同士を紐付け、比較検討を促す。
加えて、商品の色や形などの視覚的特長を解析する「画像レコメンド」、閲覧履歴や購買履歴などの行動データから購入可能性の高い商品を予測して表示する「CV予測レコメンド」もオプションで用意する。
そのほかのオプションとして、新商品の追加や販売終了商品の削除など商品データの変化を自動反映し、「在庫わずか」「値下げ」といった変化を検知して提案できるルールベースレコメンドも提供する。
各機能ではDeep Learning(深層学習)を活用。さらにフィルタ機能により、「セール品を除外」「カテゴリを限定」など、店舗の販売戦略に合わせたレコメンド設定も可能としている。
「future AI Recommend Plus」はレコメンド単体で完結するのではなく、フューチャーショップが提供・連携するMA・CRM関連機能との組み合わせも可能。たとえば「future Scenario Cast」や「LTV-Lab for futureshop」と連携することで、メールマガジンやシナリオ配信などの継続的なコミュニケーションへ展開。ECサイト内外を横断した商品提案を実現し、再訪・再購入につなげる構想を打ち出している。
既存の「futureRecommend2」および「future AI Recommend」は今後「future AI Recommend Plus」へ統合していく。リリースを記念し、新規導入店舗向けに初期費用無料、既存利用店舗向けに初期費用無料に加え月額費用(設定初月+1か月分)無料とするキャンペーンも実施する。
Criteo(クリテオ)がこのほど公表した集計データによると、「ChatGPT」などのLLM(大規模言語モデル)プラットフォーム経由でECサイトへ流入したユーザーは、他のリファラルチャネルと比べてCVR(コンバージョン率)が約1.5倍高いという。
データは、Criteoの米国クライアントのうち小売業者500社をサンプルに、2026年2月に観察した結果をまとめたもの。対話型AIによる情報探索が広がるなか、LLM経由の流入が「高い購入意欲」に基づく行動である可能性を示す結果だとしている。
またCriteoは3月2日、米国において「ChatGPT」(無料プランおよびGoプラン)上で実施されるOpenAIの試験的な広告プログラムで、最初に組み込まれる広告テクノロジーパートナーになったと発表した。
Criteoはこの試験プログラムを、「ブランドがChatGPT内でどのように広告を展開できるのかを慎重に検証する機会」と位置付ける。小売業者や広告主・ブランドにとって、自社サイトへの需要創出を後押しする取り組みになるとしている。提供は今後数週間のうちに、米国で順次開始する予定だ。
エイチレフスは、グーグルの「AIによる概要(AI Overviews)」がゼロクリック化に与える影響を分析。検索結果1位のクリック率は、2年前と比較するとグローバルでは58.0%低下し、日本では37.8%低下しているという。
Update: AI Overviews Reduce Clicks by 58%
https://ahrefs.com/blog/ja/ai-overviews-reduce-clicks-update/
楽天グループとタイミーは3月2日、地域創生に向けて地域の「関係人口」を創出するパートナーシップを締結したと発表した。
楽天が自治体などと進めてきた地域創生のノウハウと、タイミーがスポットワーク導入支援で培ってきた雇用創出の知見を組み合わせ、関係人口の拡大と地域事業者・宿泊事業者の人材確保を支援する。
今回の取り組みは、政府が創設をめざす「ふるさと住民登録制度」の社会実装を推進するため、楽天が2025年9月に設立した「ふるさと住民応援コンソーシアム」の活動の一環。楽天は「ふるさと住民応援コンソーシアム」の事務局を務め、企業や自治体などと連携して制度の社会実装を後押ししている。
楽天は「楽天市場」内に「ふるさと住民登録制度」に関する特設ページ「集まれ!未来のふるさと住民」を開設。地域特有の一次産業などにおけるスポットワークの魅力や詳細情報を紹介する。
ユーザーは特設ページからタイミーの特集ページへ遷移し、所定の手続きを行うことで実際にスポットワークへ応募・就業できる。地域の事業者や宿泊事業者は、この導線を通じて人材を確保し、地域経済の活性化につなげる狙いだ。
楽天は70以上のサービスを有機的に連携させた「楽天エコシステム(経済圏)」を活用し、自治体と地域創生に取り組んできた。今回、その枠組みにタイミーの雇用創出ノウハウを掛け合わせることで、地域と継続的に関わる人を増やす「関係人口」の創出をめざす。
楽天とタイミーは今後も、地域における雇用機会の拡大と関係人口の創出に向けた取り組みを進め、地域産業のさらなる成長を支援するとしている。
楽天グループと、福島県・茨城県を中心に食品スーパー「マルト」を展開するマルトは3月3日、マルトが楽天のネットスーパー支援プラットフォーム「楽天全国スーパー」に出店したと発表した。茨城県の一部地域で3月20日から「楽天全国スーパー」での受注を開始し、3月23日から配送を始める。
「楽天全国スーパー」は、全国のスーパーマーケット事業者向けにネットスーパー運営を支援する出店型プラットフォーム。注文管理やオンライン決済などの機能提供に加え、集客・販促、配送オペレーションの構築まで一気通貫で支援する。ユーザーは楽天IDでログインすることで、登録済みの住所や決済情報を利用できるほか、楽天ポイントの付与・利用も可能だ。
マルトは1964年創業。福島県と茨城県を中心に食品スーパー「マルト」を37店舗展開している(2026年3月時点)。近年は楽天との連携を強化しており、2023年に「楽天市場」へ「マルト楽天市場店」を出店。2023年4月からは「楽天ペイ(アプリ決済)」を全店舗に導入するなど、楽天グループのサービスと連携しながらデータマーケティングや販促施策を推進してきた。
今回の「楽天全国スーパー」出店により、マルトは実店舗の強みを生かした利便性の高いネットスーパーサービスを地域顧客に提供していく考え。楽天とマルトは今後も同プラットフォームを通じてサービスの拡充を図り、地域社会への貢献を進めるとしている。
3月10日(火)にオンラインイベント「Digital Commerce Frontier 2026」を開催します。イベントに先駆け、3月9日(月)16時00分までスペシャルコンテンツをオンデマンドで配信中。ヨドバシカメラ、サンドラッグ、中川政七商店、TENTIAL、フェリシモ、日本アクセスなど著名企業の実践的事例や最新戦略を学べるセミナーを多数ご用意しています。視聴は無料です(事前登録制)。まだお申し込みをしていない人のために、編集部おすすめコンテンツの見どころをご紹介します。
3月10日(火)16:30~17:15 KA-8特別講演
中川政七商店とTENTIALは業務効率化やデータ分析などにAIを導入しており、クリエイティブの生成から市場分析まで幅広く役立てています。社内勉強会の実施やAIに精通した人材の分散配置を通じて、技術を組織全体に浸透させる工夫、ツール選定、実務への定着に向けた技術的・組織的な試行錯誤などについて解説します。

TENTIAL ECグループ マネージャー(テクノロジー本部) 稲垣 勇馬氏
ECサイトをフルスクラッチで構築し、EC事業の開発全体をリードしています。顧客体験の向上や決済まわりの改善、生成AIの活用に加え、社内業務の改善・効率化にも取り組んでいます。また、社内横断での技術力向上や品質改善、VOC分析をもとにしたプロダクト改善にも注力しています。

中川政七商店 経営企画室 DECA プロダクトアドバイザー SproAgent AI プロダクトアドバイザー synergy! プロダクトアドバイザー 中田 勇樹氏
1989年生まれ。AOKIで商品開発と新規事業立ち上げを担当、2019年からEC・デジタルマーケティングのコンサルタントを経験。2021年中川政七商店に入社、データとテクノロジーを活用し、顧客と従業員の「心地好い体験」づくりを推進。加えて複数のSaaS製品における製品開発アドバイザーも務める。
EC・小売事業者の皆さん、AI活用で売上と業務効率を劇的に変えませんか? 本セッションでは、中川政七商店とTENTIALの実践的なAI活用術を公開します。売上データと日報を掛け合わせた高度な分析、メルマガABテストの自動化、商品開発のための市場・競合分析など、明日からEC運営に直結するノウハウが満載。さらに、社内の「AIアレルギー」を克服し、組織全体で使いこなすための独自の育成秘訣も必見です。
イベントに事前登録の上、当日聴講した人のなかから抽選で10人に書籍を、30人に「Amazonギフトカード1000円分」をプレゼントします。
<本キャンペーンについての注意事項>
※書籍は当選者に郵送いたします
※Amazonギフトカードの当選は発送を持って代えさせていただきます
※本イベントに事前登録の上、ご聴講いただいた方が対象
※登録内容に虚偽や不備があった場合はご応募を無効とさせていただきます。
※ご応募はお1人様1回限りとさせていただきます。代理登録は行えません。
※電話番号・メールアドレスは所属会社、団体発行のもののみ有効です。フリーメールアドレスでのご登録はキャンペーン対象外となります。
※キャンペーン主催は株式会社インプレスです。
※AmazonはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

次回はまた別のオススメ講演をお伝えします!
北米の大手EC・小売事業者が利用する人気EC支援プラットフォーム各社は、ライバル企業に差をつけ、そして企業から選ばれるために、“AIをどう使えば便利になるか”という具体的な活用イメージの具体化を進めています。たとえば、複数の業務プロセスを統合・連携させるインテグレーションや、エンドユーザー向けのAIエージェントなど、大手ベンダー企業が提供するAI活用サービスの取り組みを紹介します。
2026年におけるEC支援プラットフォームの新たな重要機能には、EC業界に携わる人なら誰もがうなずく「共通の軸」があります。それは、AI、特に消費者と販売者の両方に利益をもたらす「AIエージェント」の提供です。
ユーザーに代わってタスクを実行するAIモデルを活用した「エージェント」は、OpenAIやGoogleといった大規模言語モデル(LLM)を持つ企業だけでなく、実店舗でのショッピング体験との競争にさらされているECプラットフォームからも、さまざまな形で小売事業者に提供されています。

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』の2026年版「ECプラットフォームスペシャルレポート」では、年間EC売上高に基づいて販売者をランク付けする「北米EC企業トップ2000社」において、北米の主要な小売事業者に最も多く利用されているEC支援プラットフォームを比較しています。
この記事では、Adobe、Salesforce、Shopify、Commerce.com、その他のEC支援プラットフォームにおいて、2026年に他社との差別化を図るためにリリースされた最新機能から、3つの主要なテーマを紹介します。
EC支援プラットフォームは、消費者の「発見から購入まで」の道のりをより効率的にするため、サードパーティのAIモデルに注目し、場合によっては提携を進めています。2026年のランキング上位のプラットフォームの多くに、その顕著な例が見られます。
たとえば、Shopifyは2026年2月に「エージェント型ストアフロント」を発表しました。これは販売者向けの管理画面内で動作し、OpenAIの「ChatGPT」やMicrosoftの「Copilot」を活用したECインテグレーションを管理するインターフェースです。
SalesforceのAIエージェント「エージェントフォースコマース」は、BtoC-ECのエンドユーザー向けの、ガイド付きショッピングエージェントの機能を提供しています。このエージェントの目的は、一つの会話の流れの中で、ナビゲーション、在庫確認、問い合わせへの回答を先回りして提供することにあります。
他にも、EC支援のSaaS企業VTEXや、レコメンドAIツールを提供するKiboが独自のエージェントを立ち上げ、カスタマーサービスの問題解決、商品に関する質問への対応、マーチャンダイジングの意思決定の自動化、注文サポートなどを行っています。
AIを活用したインテグレーションは、発見、決済オプション、外部のエコシステムにフォーカスすることが多く、消費者の検索習慣が変化し続けるなかで小売事業者が注目すべき分野となっています。ShopifyとSalesforceはここでも顕著な例ですが、Commerce.comのデータへのアプローチも注目に値します。
Commerce.comは2025年にBigCommerce Holdingsからの社名変更(これに伴い、サービス名も「BigCommerce」から「Commerce.com」に変更)発表、AIとデータの活用を優先事項に掲げました。Commerce.comは「モジュール化されAIが統合されたインフラへのニーズが高まっている」と明言。「ChatGPT」や「Gemini」などの生成AIプラットフォームを利用する消費者にとって、従来のECサイトを一度も訪れることなく検索と購入までを完結する可能性があると考えています。
Commerce.comのCEOであるトラビス・ヘス氏は、2025年11月に発表した2025年1-9月期(第3四半期)の決算説明会で次のように話しています。
商品の発見がホームページからではなく、プロンプトから始まるようになると、消費者に発見され、選ばれ、購入されるかどうかを決めるのはデータの質になります。

Commerce.comの取り組みの1つが、商品カタログをGoogleショッピングやMetaなどのチャネルと接続し最適化するためのツール「フィードノミクスサーフェス」です。ヘスCEOは株主に対し「『Commerce.com』のダッシュボードからアクセスできるこれらのオプションに、初期段階から高い関心が寄せられている」と説明しました。
ECサイトやその運営を管理するチームにとって、AI活用はカスタマー対応をはじめとする“表舞台”だけでなく、自社のサイト運営を支える裏方の業務でも、着実に実績を積み上げています。UI、サイト開発、在庫管理、商品の補充など、ネットショップを動かすために必要な数多くの実務をAIがこなしています。
たとえば大手テクノロジー企業オラクルの子会社Oracle NetSuiteと、Microsoftは、どちらも事業者向けのAIアシスタントを提供しています。
業務管理プラットフォーム「NetSuite」の「スイートエージェント」を使えば、利用企業は自社サイト専用のAIを開発するためのベース(基盤)として活用できます。
同様に、Microsoftも自社が提供する業務管理プラットフォーム「ダイナミクス365」において、商品の詳細情報を拡充する「カタログエンリッチメントエージェント」や、サプライヤーとのやり取りを支援する「サプライヤーコミュニケーションエージェント」など、小売業界に特化したエージェントを提供しています。
アパレルECの夢展望は4月から、中国の上海・五角城エリアで期間限定で展開していたポップアップ店舗を常設店舗として運営する。ポップアップで確立した独自の運営モデルを横展開し、同4月から順次、上海・南京東路でのポップアップ展開、主要都市への新規出店を開始する。
すでに運営中の拠点を含めて、2026年は中国で6拠点の実店舗展開を予定している。
夢展望は、上海の五角城エリアにおけるポップアップ店舗にて、中国市場における実店舗展開の検証を行った。
2025年12月に19万6904元(約394万円)を売り上げ、2026年1月には23万2092元(約464万円、前月比約18%増)に拡大。2026年2月も第1週時点で5万614元(約101万円)を売り上げ、堅調に推移している。2か月連続で同フロアでの売上上位を達成したという。
2026年2月第1週時点では、客単価が575元(約1万1500円)まで上昇。夢展望は「現地の若年層消費者のニーズを的確に捉えている」と見ている。
この成果の背景について、夢展望は「SNS(小紅書)での拡散を店舗来店やまとめ買いへとつなげる導線と、中国国内での生産・販売を直結させ短納期での追加生産を可能にする『現地完結型の供給体制』がある」と説明している。
夢展望は2026年、上海での成功プロセスを「標準フォーマット」と位置付け、上海五角城店(常設店舗)、上海南京東路店(POP-UP店舗)、成都店(常設店舗)、深セン店(常設店舗)、上海静安大悦城店(常設店舗)での実店舗展開を予定している。すでに運営中の「杭州ゴン連CC」を含めた計6拠点の運用体制となる見込み。
出店先となる成都の「天府紅」などは、若年層に支持される「二次元文化」やアニメ・IP関連ショップが集積する中国屈指のトレンド発信地だという。すでにターゲット層が形成されているこれらの商圏へ進出することで、高い成約率とブランド認知の拡大を狙う。
今後は、実店舗からのライブ配信による送客強化や、天猫(Tmall)旗艦店との連携を深化させた「O2O(Online to Offline)戦略」を推進する。SNS起点でのOMOモデルと現地販売拠点の確立を軸に、中国市場における成長をめざす。
宝島社はこのほど、新規事業としてファッション誌がプロデュースする2つのアパレルブランドと、社内公募から誕生した2つのオリジナルアパレルブランドを立ち上げた。3月4日、ZOZOが運営するファッションEC「ZOZOTOWN」内に出店しているショップ「宝島社STORE」で販売を開始した。
自社アパレルブランドの本格展開は、宝島社の創業以来初めて。宝島社が発行するファッション誌「smart」「SPRiNG」それぞれの世界観を体現した2ブランドに加え、社内公募によって生まれた2ブランドを展開する。
各誌が長年培ってきたトレンド分析力やスタイリング提案力を商品開発に反映し、アパレル領域における新たな価値を創出する。価格、品質、トレンド性を兼ね備えたアイテムを販売するとしている。
誕生したブランドの1つ「DAWNCE(ダウンス)」は、メンズファッション誌「smart」がプロデュースを手がけるシティウェア。着こなしの幅が広く合わせやすいデザイン、シルエット、着心地のよい素材、写真や動画で映えるトレンド感、イージーケアであることを軸に、「smart」ならではの視点でプロデュースした。
動きやすさや着心地のよさ、そして写真や動画を撮ったときに映える気が利いたデザインや素材感に特にこだわった。また、男女ともに着られるユニセックスなラインナップをめざしている。(「smart」編集長 鈴木香奈子氏)
ブランド「Obis&(オビスアンド)」は、雑誌「SPRiNG」の編集部がプロデュースする、ファッション・ライフスタイルブランド。イメージは東京で生活する30代女性。ビジネスシーンにも対応できるがコンサバすぎない、30代がリアルに必要なものを探求する。
忙しい朝にサッと着るだけで様になるよう、ディテールにこだわった。さまざまな身長・体形のスタッフが試着を重ね、動きにくくないか、気になるボディパーツはカバーできるかなど、細かく調整した自信作となっている。レイヤード風や2WAYのアイテムも多く、お得感を感じる仕掛けも盛り込んだ。(SPRiNG編集長 丸山摩紗氏)
「Tiny EDEN(タイニーエデン)」は、社内公募から生まれたオリジナルのアパレルブランド。甘さとモード感を絶妙なバランスで融合させている。大人の女性へ向けたブランド。さりげなくも目を引く装飾や、ドキッとさせるような質感のギミックを「デザインの割に安い」というコストパフォーマンスで提供する。
ただ可愛いだけでなく、大人の色気(セクシーさ)と遊び心、そして「自分がハッピーになれるかどうか」をモットーに、デザイン性が高い割に求めやすい価格にもこだわった。(雑誌「sweet」編集長 山口真澄氏)
「COLORME(カラーミー)」も社内公募のオリジナルブランド。身長160cm以下でありながら、世の中のSサイズブランドは華奢すぎて入らないメンバーで立ち上げたブランドという。
丈は長すぎず、落ち感やゆるさで着やせも意識し、ウエストはゴムを採用。あるようでなかったサイズ感にこだわった。また、数回着たら飽きる可能性がある“主役服”を作るのではなく、あらゆるかけ合わせを楽しめる“着まわし力”に特化している。
ブランド立ち上げに携わった全員が偶然160cm以下だったこと、そのなかでもいろんな体形、年代がいたこと、そして着まわし特集の需要という編集者の知見がブランドコンセプトにつながった。ベーシックカラーは押さえつつ、心ときめくカラーも投入することにこだわった。(雑誌「mini」編集長 見澤夢美氏)
富士キメラ総研が実施した国内企業のIT関連投資に関する企業規模別・業種別調査によると、2025年度の国内IT投資額は25兆8952億円となる見込みで、2030年度には2024年度比31.2%増の31兆8763億円に拡大すると予測している。
関税問題やインフレ、人件費高騰といった世界的な情勢変化に加え、少子高齢化や生産年齢人口の減少といった国内課題を背景に、各産業で業務効率化や社会環境の変化への対応を目的としたIT投資が活発化。近年は、レガシーシステムを刷新・最適化する「モダナイゼーション」や、システム・アプリケーション・データを新環境へ移行する「マイグレーション」が成長要因になっているという。
小売・卸売業では、慢性的な人手不足解消に向けた投資が継続的に行われ、利幅の少なさから人件費削減や業務効率化といった、コスト削減目的の投資が優先される傾向にある。一方、ECを中心としたマルチチャネル化の進展により、営業・マーケティング関連投資も活発化している。
今後も省人化・自動化への継続的な投資が見込まれ、これまで代替が難しかった接客業務においても、ロボットやアバター活用への投資が進むと見ている。小売・卸売業のIT投資額は、2025年度に2兆2910億円、2030年度には2兆6860億円に拡大すると予測している。
交通・運輸・物流業では、法改正などの規制対応や顧客満足度向上に向けた投資が拡大。今後はAIやロボットの活用による人件費削減、管理システム導入の増加が見込まれる。さらに、将来的な輸送力不足を見据え、次世代交通や共同配送の実現に向けた投資拡大も期待されている。
サービス業では、業務効率化や人件費との比較によるコストメリットを背景にIT投資が進む。宿泊業では宿泊施設管理システム(PMS)やセルフチェックイン、外食業ではモバイルオーダーや予約管理システムが伸長している。
投資規模では製造業が最大で、全体の約3割を占めた。独自性や属人性の高いシステムの継承が課題となるなか、個人依存を低減する柔軟なシステムへの刷新が進み、今後もモダナイゼーションの流れが続くと見ている。
企業規模別では、資金・人材面で余力のある大手企業の投資規模が最も大きい。一方で、中堅・中小企業においてもIT投資の必要性は高まっている。
大手企業がスクラッチ開発したシステムをベースに、ITベンダーがパッケージやSaaSとして展開することで、中堅・中小企業への普及が進み、高い成長率が見込まれるとしている。
中小企業では、IT要員に加え、戦略策定やIT活用を推進するマネジメント層の人材不足、導入・運用における検討事項の多様化・複雑化が課題となっている。このため、戦略策定から日常運用、セキュリティ対策までを包括的に支援するマネージドサービスの需要が拡大。業務プロセスを含めたアウトソーシングとしてBPaaS(Business Process as a Service)の需要も高まると見ている。
富士キメラ総研は、注目分野の1つとして物流現場向けの「トラック受付サービス」をあげる。工場や倉庫で荷物の積み下ろしを行うバースの予約・受付を管理するシステムで、荷待ち時間の削減による物流コスト低減やドライバーの労働環境改善に加え、周辺道路の混雑や路上駐車対策としても注目されている。
2025年4月の法改正により、全トラックで荷役時間の記録が義務化されたことを受け、荷役時間削減に向けた動きが活発化。効率的なバース管理を目的に導入が進んでいる。人件費高騰により事務コスト削減ニーズも高まっており、市場は2桁成長が見込まれる。
2025年の市場規模は前年比12.5%増の45億円、2030年度は2024年度比65.0%増の66億円と予測。今後はWMS(倉庫管理システム)や車両運行管理システムとの連携、生成AIやロボット技術の活用が進み、庫内業務の効率化・自動化が加速することで、堅調に推移すると見ている。
外食業向け予約管理システムの拡大にも注目している。予約情報を電子化し、予約業務の効率化を図るシステムで、店舗における業務効率化ニーズの高まりや、コロナ禍以降の外食需要回復を背景に市場が拡大している。
予約手法の多様化による管理業務の複雑化への対応に加え、インバウンド需要の増加も市場を後押ししている。都市部では導入が進んでいるが、地方では未導入店舗も多く、拡大余地が残る。
今後は予約の一元管理にとどまらず、データ活用によるマーケティング支援や顧客管理機能の高度化により単価上昇も見込まれ、市場を押し上げると予想。2025年の市場規模は前年比17.9%増の79億円、2030年度は2024年度比2倍の135億円に拡大すると予測している。
ディー・エヌ・エー(DeNA)はこのほど、ソーシャルコマースアプリ「カウシェ」を運営するカウシェに出資し、業務提携を締結した。提携によりDeNAはカウシェの株式の一部を取得する。カウシェは独立した経営体制を維持しながら、DeNAがゲーム・ソーシャル領域で培ったプロダクト開発力やAI活用の知見を取り込み、プロダクトと組織の両面を強化する。
「カウシェ」は、アプリ内で毎日水やりをして作物を育て、収穫すると対象の野菜を実際に獲得できるゲーム機能「カウシェファーム」を搭載した買い物アプリ。食品・日用品・美容・家電などの日替わりセール商品の購入ができるほか、購入商品のシェアによってコインが貯まる仕組み、ユーザー投稿から商品を発見できる点も特長だ。当初は共同購入の仕組みを採用していた。
DeNAは、カウシェのプロダクト力と成長ポテンシャルに加え、AIを活用した体験向上や事業成長の可能性を評価。ゲームおよびソーシャルサービス分野で蓄積した知見を生かし、成長を後押しする目的で出資・提携したとしている。カウシェのソーシャル性やゲーミフィケーションを軸とした体験設計に、DeNAの強みであるユーザー体験設計、コミュニティ形成、データ活用の知見を掛け合わせる。
カウシェへの支援内容として、プロダクト戦略・開発・UX設計に関する知見提供、出向などによる業務支援、AI/ML・データサイエンス領域での技術提供などをあげる。これにより、AIを活用した「発見型コマース体験」の高度化を推進し、ソーシャル×コマース×AIの融合によるパーソナライズや参加体験の拡張をめざす。
提携に伴い、カウシェは経営体制を強化。DeNAのAIイノベーション事業本部 本部長の住吉政一郎氏が3月1日付で社外取締役に就任。あわせて、社内人事として取締役CFOおよび執行役員CXOを新たに選任した。
買い物はもっと楽しく、人とつながる熱量を持てる体験にできる。その可能性に共感した。カウシェが創り出す世界観は日常に彩りを与える力を持つ。今回の提携を通じてDeNAのDNAである「ユーザー体験へのこだわり」を注入し、日本発の新しいコマースのスタンダードを共に創り上げていきたい。(DeNA 南場智子会長)
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DeNAの南場智子会長
カウシェのプロダクトは、ゲーミフィケーションやソーシャルからコマース体験が広がる独自性があり、大きな可能性を感じている。ユーザー行動データを活用した体験設計の進化余地は大きく、AI活用によってさらに高度なパーソナライズや参加体験の拡張が実現できる。プロダクト戦略および組織づくりの両面から伴走し、持続的な成長を支援する。(DeNA AIイノベーション事業本部 住吉政一郎本部長)
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カウシェの社外取締役に就任したDeNA AIイノベーション事業本部の住吉政一郎本部長
「日常に楽しさを」という挑戦や、ソーシャルとコマースを融合させるプロダクトの可能性を評価いただいたことは大きな自信。提携を追い風にプロダクトと組織を一段と強化し、将来的なIPOを視野に事業をさらに拡大していく。(カウシェ 門奈剣平社長)
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カウシェの門奈剣平社長
※記事初出時、タイトルのDeNA社の表記に誤りがあり、3/4 13時30分に訂正をしました。修正してお詫び申し上げます。
スポティファイジャパンが、同社の広告ソリューションを活用して広告主の事業成長に貢献したパートナーを称える「Spotify Advertising Agency Awards 2025」を初開催。
ローソンはフードデリバリーのmenuと連携し、ローソンアプリから直接注文できる即配デリバリーサービス「ローソンデリバリー powered by menu」を3月5日に開始する。一部の直営店では2月24日から先行して提供しており、3月5日10時からは12都道府県のローソン店舗約1800店(ローソンストア100を除く)で順次開始する。
「ローソンデリバリー」は、累計3000万以上ダウンロードされているローソンアプリを起点に、追加のアプリインストールなしでデリバリー機能を利用できるデリバリーサービス。ユーザーはローソン取扱商品の即配を受けられる。
対象エリアは北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県で、取扱商品数は約3000品目としている。ローソンは今後も順次、他エリアへの拡大を進める方針だ。
ローソンは、「ローソンアプリ」を入り口にすることでデリバリーの利用ハードルを下げる。また、Ponta経済圏との連携によって生まれる独自のメリットを強みに新規利用者の獲得と利便性向上を狙う。menuは新たな利用者の創出と、デリバリー市場におけるシェア拡大をめざす。
「ローソンデリバリー」は、menuによるアプリユーザー・注文が入った店舗・稼働中の配達クルーをリアルタイムにマッチングする「三者リアルタイム・マッチングAI」などを実装、迅速で安定した配達を実現する。ユーザーが「欲しい」と思ったタイミングですぐに注文でき、希望の商品を最短15分で受け取れる利便性の高い体験を訴求する。
ローソンは2019年8月からUber Eatsによるデリバリーサービスを開始。現在はUber Eatsとmenuの2つを通じて約8000店舗がデリバリーに対応している。2021年2月からはOTC医薬品の配達を一部店舗で開始。同年11月からは店内厨房を活用した「ゴーストレストラン」の実証実験を開始し、現在は約1400店舗まで拡大している。2024年4月からは各プラットフォームの注文画面と店頭の在庫有無の自動連携機能がスタート。商品配達率の向上につなげた。翌5月には取扱品目を700品目から3000品目超へと拡大した。
サービスを拡充する一方で、ローソン店舗利用者の9割超がデリバリーでローソン商品を注文したことがない状況という。ローソンは「ローソンアプリ」を入り口にした新サービスで利用拡大を図る。
ローソンは今後、「ローソンアプリ」を活用したお得情報の配信に加え、将来的には個々の顧客の好みに合わせたおすすめ情報の配信などの実装もめざすとしている。
東京商工リサーチ(TSR)が中小企業を対象に実施した「価格転嫁(価格協議)」の実態に関するアンケート調査によると、57.1%が「価格転嫁できた」と回答した一方、小売業は36.1%にとどまった。
調査は2026年1月30日~2月6日にインターネットで実施し、5152社の有効回答を集計・分析。「中小企業基本法」に基づく中小企業のみを対象とした。
2025年度に取引先との価格協議が実現し、一部または十分に転嫁できたか聞いたところ、「協議し、一部転嫁できた」が49.2%で最多。「協議し、十分に転嫁できた」は7.9%と1割未満にとどまった。価格転嫁ができた企業は合計57.1%。一方、「協議したが、全く転嫁できなかった」は4.6%、「協議を申し入れたが協議自体が実現しなかった」は2.3%だった。
産業別では「一部または十分に転嫁できた」が運輸業は77.5%、製造業は69.5%と高い。なお、小売業では「一部または十分に転嫁できた」は36.1%。一方で「協議したが転嫁できなかった」「協議自体が実現しなかった」の合計は3.3%だった。
業種別で価格転嫁が進んだ企業の構成比が高かったのは、「輸送用機械器具製造業」(87.6%)や「道路貨物運送業」(85.8%)。円安を背景に自動車メーカーなどの業績が伸びたことや、燃料費高騰・人手不足といった構造的コスト増に対する是正指導の強化が後押しした可能性があるとしている。
一方、「協議したが全く転嫁できなかった」「協議自体が実現しなかった」の合計が高い業種には、「学校教育」(18.1%)、「保険業」(15.7%)などがあがった。公定価格や制度上の価格規制により、交渉余地が限られる構造が影響している可能性があるという。
2026年1月には、従来の下請法を強化した「中小受託取引適正化法(取適法)」が施行された。これを受け、2026年度の価格協議方針を聞いたところ、「ここ数年と変わらない形で交渉」が42.4%で最多となった。
交渉に臨むと回答した企業は、「原価高騰分を交渉」が9.6%、「原価高騰分に加えて労務費も交渉」が17.0%で、合計26.6%。一方、「交渉する予定はない」は18.4%で、産業別では金融・保険業(31.5%)、不動産業(29.5%)でその割合が高かった。また、「取適法を把握していない」との回答も4.1%あった。「一般個人向け業態のため、回答できない」は8.2%だった。
小売業では、「ここ数年と変わらない形で交渉」が24.4%。価格交渉に臨むとの回答は17.1%、「交渉する予定はない」は14.9%だった。「取適法を把握していない」「一般個人向け業態のため、回答できない」との回答は合計43.4%に上った。
24時間365日ライブ放送のテレビ通販番組「ショップチャンネル」を運営するジュピターショップチャンネルの業績が好調だ。2025年3月期(2024年度)は、前期比6.0%増で過去最高売上となる1677億9200万円を達成し、2期連続の増収となった。営業利益は同14.0%増の233億4600万円だった。2025年度も同水準を維持しており、着地にも期待できる状況だという。この成果をもたらしたのが、テレビ・デジタル・リアルを融合した「ショッピングエンターテイメント」の方針にひもづく緻密な戦略だ。2026年で創業30周年を迎えた同社の上席執行役員 営業統轄本部長の宮内正史氏に、「戦略の狙いと成果」を聞いた。
1996年に創業し、2026年に30周年を迎えたジュピターショップチャンネル。QVCジャパン、ジャパネットホールディングスと並ぶテレビ通販の最大手だ。創業年に放送を開始したショップチャンネルでは、毎週約500の商品を紹介し、そのうちのほとんどが同社のオリジナル商品だという。
「ほかで買えるものを売っても意味がない」というのが、当社の基本的な考えです。魅力的ながら広く認知されていない商品を買い付けたり、各メーカーと協力して当社のオリジナル商品を開発したりして、他社と差別化を図っています。(宮内氏)
ジュピターショップチャンネルでは、ジュエリー、ファッション、コスメ、美容・健康、ホーム、家電、グルメ、コレクタブル、体験型サービスの全カテゴリーに専属バイヤーを設け、国内外から商品の買い付けや発掘をしている。
顧客の年齢層は60代以上が75%を占め、男女比は女性89%、男性11%となる(2025年3月時点)。団塊世代がメインだが、その世代を親に持つ団塊ジュニア世代(2025年時点で50~54歳)が新たな顧客層になりつつあるという。
多様なカテゴリーのなかでも近年売れ行きが良いのが、洋服、靴、バッグ、ジュエリー、コスメなどの「外出向け商品」、UVコスメ、冷感寝具などの「猛暑対策商品」、そして、非常食、簡易トイレ、非常用電源などの「防災関連商品」だ。1万円前後の高級コスメや1万円台から数百万円まで幅広くそろえるジュエリーなど、高額商品も売れ行きがいいという。
そして、その好調を導いたのが、テレビ・デジタル・リアルを連携させた施策の数々だ。
新たなショッピングエンターテイメントを創造するにあたり、ショップチャンネルでは、「顧客との双方向コミュニケーション」と「1人ひとりに向けたOne to One(ワントゥワン)の商品・サービスの提供」の2点を掲げている。
同方針に則り、2022年3月からテレビ通販のスタイルを変更。画面にQRコードを表示して視聴者のコメントを募り、ライブコマースのようにコメントを随時拾いながら番組を進めている。さらに、視聴者の投稿をもとに作り上げる「モノを売らない番組」も登場した。毎週月曜から金曜の15時に10分間だけ放送する「Oh!Cha15(お茶行こう)」は、「最近のうれしいこと」や「私の中に棲む鬼」といったテーマに対する投稿を募集し、番組内で紹介している。通販番組というより、「井戸端会議」のような雰囲気だ。
出演者やゲストからの“一方通行”の情報伝達から、視聴者に投稿で参加いただく“双方向”のコミュニケーションに大きく転換しました。それにより投稿数が増え、常連の投稿主が増えるなどショップチャンネルと視聴者とのコミュニティが形成されています。この転換を図ってから顧客数やリピート率、客単価の上償が見られ、お客さまのロイヤリティ向上が数字に直結していると分析しています。(宮内氏)
また、放送局と連携した新発想の「コラボ番組」も好評だという。たとえば、2025年10月9日にBS朝日で放送した、俳優の中村雅俊さんが出演する紀行番組では、前半は食にまつわる旅番組を放送し、後半は番組内で紹介されたうなぎ料亭「山重(やまじゅう)」のうなぎを使った「おせち」を生放送で販売した。21時のゴールデンタイムの放送であり、旅番組と食の相性も良く、新規顧客の獲得に貢献したという。
こうした成功事例が出ている一方、BS/CSの衛生放送業界は、視聴者離れやスポンサー離れが加速するなど厳しい環境下にあると言われる。こうした状況への見解をたずねると、宮内氏は「一方通行の情報発信がテレビ離れを招いているのではないか」と考えを述べた。
消費者のライフスタイルや価値観が多様化しているため、衛生放送にかかわらず、従来のテレビのような一方通行の発信では満足されなくなっていると認識しています。とはいえ、公共メディアならではの「信頼感」や「高品質の映像」に加え、「正しい情報伝達」ができる点は大きなメリットです。テレビが苦手とする「双方向性」や「パーソナライズされた情報提供」をデジタルで補完することで、当社ではテレビ通販による売上高が増加しています。よって通販番組を縮小することは考えていません。(宮内氏)
SNSやアプリの活用、ECサイトの充実といった「デジタル強化」もショップチャンネルの売上増に欠かせない戦略となっている。上述したとおり、デジタルは「テレビの補完」を主目的としており、特にパーソナライズされたレコメンドに注力している。
まず、広いターゲットへの情報発信としては、主要SNSを活用している。メインとするのは商品のビジュアルを見せるのに相性が良い「Instagram」だ。テーマに沿ったおすすめ商品の紹介からキャンペーン情報、フォロワーへのアンケートなど多様な情報を発信している。
一方、パーソナライズされたレコメンドは、「公式アプリ」と「LINE」が中心だ。2014年から公式アプリを、2018年からLINE公式アカウントを開始しており、LINEの友だち数は83万人に達している(2026年1月時点)。
レコメンドは、年齢や居住地域、購入履歴などのデータをもとに、顧客をセグメントして情報を出し分けている。AIを活用して顧客データにマッチする「その人へのおすすめ商品」を紹介するほか、特定商品を軸にして、過去の購入履歴から該当商品に興味を持ちそうな層を予測して、情報発信をすることもあるという。
当社は、過去30年間の顧客データを保有しています。そのデータをLINEアカウントとひもづけて、パーソナライズした情報発信に生かしています。メルマガなど複数媒体で発信していますが、特にLINEは反応が良いですね。LINEの登録者は長年のリピーターである方も多く、より注力していきたいところです。(宮内氏)
その他のデジタル施策では、ファッションカテゴリーを強化する狙いで2023年1月に開始した「SHOP CHANNEL PEOPLE(ショップチャンネルピープル)」が好評だ。社員などが販売商品を使ってコーディネートを提案するもので、公式ホームページやアプリ内で提案を紹介している。
顧客が自身の身長や体型に近いコーディネートを探しやすく、購入の後押しになっているそうだ。顧客の多くはスマートフォンを片手にテレビを視聴しており、デジタルコンテンツを充実させることが、テレビをより楽しむために重要になると宮内氏は話した。
テレビ通販と連動した「リアル店舗」の運営も、ショップチャンネルならではの施策と言える。2005年に開業した常設店舗「ショップチャンネル大阪」のほか、近年は東京でのポップアップストアにも注力する。
東京では、2024年2~3月(二子玉川 蔦屋家電)、2025年3月、2026年1月(共に北千住マルイ)の3回にわたって、約2週間のポップアップストアを実施した。ターゲットとなる50代以上の女性が集まるエリアや施設を選び、成果につなげているという。
リアル店舗は、顧客と直接対話できる「究極の双方向 One to Oneの拠点」として位置づけられている。テレビ通販と連動させ、その日にテレビで紹介されるメイン商品を店頭でも日替わりで展示している。
ショップチャンネルでは、毎日0時に「その日に最もおすすめの商品」を、12時に「2番目のおすすめ商品」を紹介する取り組みを長年続けています。それを店頭でも連動させて、リアルタイムで展示しています。
テレビで紹介された商品を実際に見てみたい、試着したいという方が多く店舗に訪れ、購入やLTV向上につながっています。大阪も東京も通りがかった方が入店するよりは既存顧客の来店が多いこともあり、現時点では、新規顧客獲得よりも既存顧客との接点を深めることを重要視しています。将来的には東京にも常設店を作りたいと考えています。(宮内氏)
それ以外にも、視聴者を招待してキャストやゲストとコミュニケーションを取れるイベントを年に数回開催するほか、30周年を記念した大型リアルイベントを予定している。
また、数量限定の希少性の高い商品の対面販売や特別なおもてなしを提供する新事業「パーソナルサービス事業」も2024年度から開始。同年11月には、優良顧客を招いて「心おどるショップチャンネル特別ご招待会」を実施した。百貨店の「外商」に近いサービスで、より深く豊かな顧客体験を提供し、売上増や顧客との関係性強化につなげる狙いだ。
ショップチャンネルのメイン顧客は60代以上の女性だが、将来の顧客につながる30~50代の獲得に向けた動きも強化している。それが、2025年秋に開始した新ソーシャルコマース事業の「うちのね、」と「CanauBi(カナウビ)」だ。
「うちのね、」は、「理想のおうち時間を探せるビジュアル型UGCコミュニティコマース」をコンセプトとする。自宅で過ごす時間を豊かにするような商品を集め、テレビとは連動せず、Instagram風の口コミ投稿(PRを含む)をECストア上で閲覧できるようにしている。
「うちのね、」を開始する3年前から、同カテゴリーの商品に特化して紹介するECストア「コレイヨ」とそのInstagramを運営していたが、同ECが成長したことから「うちのね、」へリブランディングしたという。Instagramにはすでに10.6万人のフォロワーがおり、立ち上げたばかりながら売り上げは好調に推移しているそうだ。
一方、「カナウビ」は美容のプロが教えるエイジングケア特化メディアをコンセプトに、「カナウビスト」と呼ばれる美容のプロが、おすすめ商品やその使い方をサイト上で紹介している。こちらもInstagramをメインの発信媒体と位置づけ、認知向上や購入につなげる狙いだ。
両サイトの商品はショップチャンネルでも購入できるものがほとんどだが、カテゴリーとして切り出し、入り口や見せ方を変えることで次世代のターゲットに届けたいと考えているそうだ。
創業30周年を迎えたショップチャンネルでは、より特別感のある商品の販売や送料無料などのキャンペーン企画を2026年に多数予定している。「これまでの感謝をお伝えしながら、事業成長につながる大きなきっかけにしたい」と宮内氏は意気込みを見せた。
3月10日(火)にオンラインイベント「Digital Commerce Frontier 2026」を開催します。イベントに先駆け、3月9日(月)16時00分までスペシャルコンテンツをオンデマンドで配信中。ヨドバシカメラ、サンドラッグ、フェリシモ、日本アクセス、中川政七商店、TENTIALなど著名企業の実践的事例や最新戦略を学べるセミナーを多数ご用意しています。視聴は無料です(事前登録制)。まだお申し込みをしていない人のために、編集部おすすめのスペシャルコンテンツの見どころをご紹介します。
3月10日(火)13:05~13:50 KA-4特別講演
「リテールメディアは大手だけのもの」と思い込んでいませんか? 多額の設備投資などをせずに小さな投資からスタートできます。講演では、独自の顧客接点や顧客データを活用し、小規模から着実に収益化を実現してきたフェリシモ流のリテールメディアの事例を公開します。リテールメディアの定義を再定義し、EC・小売事業者が明日から実践できる「手軽なスタート法」と、既存資産を新たな収益源に変える具体的なステップを解説します。

フェリシモ 新事業開発本部 副本部長 市橋 邦弘氏
1995年入社。震災後の神戸でEC開始。2002年にネット販売室長としてEC全般を担当。2009年にWebシステム開発リーダーとしてホスト連携、オープン化、クラウド化を推進。2015年に事業部長として自社物流基盤を活かしたプラットフォーム事業を拡大。2020年にLCC宅配JV LOCCO取締役、JAAデジタルマーケティング研究機構West委員長に就任。2023年から新事業開発本部 副本部長。
「利益率を上げたいけれど、広告費や仕入れコストは上がる一方……」「新しい収益の柱としてリテールメディアに興味はあるけれど、システム開発や専門知識なんてない……」。そんな悩みを抱えていませんか? 実は、リテールメディアは「高度なアドテク」や「高価なサイネージ」だけではありません。本講演では、独自の顧客視点でファンを増やし続けてきたフェリシモが、リテールメディアによって「スモールスタートで着実に収益化する」具体的なステップを初公開します。特別なツールを導入しなくても、今ある「商品同梱」や「顧客データ」を生かすだけで、新しい収益源を生み出す実践手法をお伝えします。
次回はまた別のオススメ講演をお伝えします!
コンタクトレンズEC大手のパレンテは3月2日、運営する学生向けの認証・クーポンアプリ「学割」を大幅に刷新したと発表した。「学生には『本物のお得』を、企業には『良質な若年層インサイト』を提供する、国内最大級の学生マーケティングプラットフォームへと進化する」としている。
「学割」は学生向けにクーポンを発行する企業と、学生をつなぐアプリ。昨今の物価上昇による学生の経済的負担軽減をめざすと同時に、企業が抱える「Z世代との接点不足」にアプローチする。
パレンテは、GAKUWARIが運営する「学割まとめアプリ GAKUWARI」を 2022年6月に事業譲受している。今回のリニューアルでは、学生証による厳格な認証プロセスを軸として、利用者を現役の学生に限定した。学生証の認証に基づく、信頼性の高いデータ基盤を活用。企業が「本当に届けたい層」へ限定特典やメッセージを届けられる環境を構築した。
飲食店、美容、アパレル、サブスクリプションサービスなどさまざまなジャンルの限定クーポンを掲載。パレンテが展開するコンタクトレンズの優待に加えて、アプリを通じて学生の幅広いライフスタイルもサポートする。
アプリ内では独自のアンケート機能を集約している。トレンド、傾向など、SNSの数字だけでは見えづらい学生のリアルなインサイトを収集する。
クーポンの利用、アンケートへの回答など、アプリ内でのアクションに応じてポイントを付与する。貯まったポイントは特典やギフトと交換できる。学生の能動的な参加を促す。
旅行、就活、最新トレンドなど、学生が知りたい情報をプロの視点で発信する。クーポンの配信だけにとどまらず、アプリが学生生活の総合メディアとして情報を届ける。
パレンテによると、アプリは学生証認証を通じた「高純度な学生データ基盤」を有している。これを活用し、①学年、居住地域、興味関心に基づく、クーポンのセグメント配信 ②アンケート機能を活用した市場調査による、若年層インサイトの取得 ③広告ノイズの少ない環境で、ブランド認知を拡大――といった企業向けの支援を展開する。
今後はデータを活用した企業向けのマーケティング支援や、学生限定の大規模キャンペーンの拡充を予定している。
リニューアルしたアプリを、学生にとっては日常に寄り添う存在に、企業にとっては若者と継続的に接点を持てる場へと進化させる。学生・企業・当社の三者が「WIN-WIN-WIN」の関係を構築し、価値を共有できるプラットフォームとして育成させパレンテの第二の事業の柱へと成長させたい。(パレンテ 代表取締役 吉田忠史氏)
パレンテは1977年設立、千葉に本社を置く企業。資本金は1000万円。求人情報サイトによると2025年6月期の売上高は364億円、従業員数は217人(2025年現在)。