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BASE運営の購入者向けショッピングサービス「Pay ID」、ポイント還元プログラム「Pay ID ポイント」を開始

2ヶ月 3 週間 ago

BASEは9月8日、購入者向けショッピングサービス「Pay ID(ペイ アイディー)」において、購入者向けID決済サービス「Pay ID決済」で支払った金額に応じてポイントを還元するプログラム「Pay ID ポイント」の提供を開始した。

貯まったポイントは、「Pay ID決済」を利用する際、1ポイント=1円として100ポイントから利用できる。「Pay ID ポイント」の付与と利用は、まずは「Pay IDアプリ」を利用した「Pay ID決済」を対象に提供する。

「Pay ID ポイント」の還元率は0.5%、還元時期は請求確定から30日後、ポイントの有効期限は最後にポイントを獲得・利用した日から180日。還元するポイントは、クーポンやポイントによる割引を適用した後の金額で、小数点以下は切り捨てで計算する。1回の支払いにつき3万ポイントが還元ポイントの上限。利用できるポイントは、1回の支払いにつき100ポイント以上3万ポイント以下。長期予約商品やコミュニティ月額料金の支払いにはポイントを利用できない。

現在「Pay ID」では、事前に登録したクレジットカードで支払いができる決済機能、欲しい商品を分割手数料無料のあと払いで購入できるBNPL「Pay ID 3回あと払い」、ECサイトへの集客・販促をサポートし購入者が好きな商品に出会いやすい体験を提供する「Pay IDアプリ」の機能を中心に、ネットショップ作成サービス「BASE」で開設したネットショップの購入体験向上に取り組んでいる。

ポイントプログラムは、「Pay ID」の機能向上の一環として従前から企画していた機能という。

BASEは「Pay ID」の利用メリットを高め続けるプロダクト・決済機能強化、クーポン配布など各種キャンペーンの継続的な実施、「Pay ID ポイント」のプログラム向上に取り組んでいくとしている。

鳥栖 剛

大手スーパーチェーン「Target」のAI戦略。レビュー要約、従業員向けチャットボット、在庫管理など活用事例を解説 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2ヶ月 3 週間 ago
Targetは事業成長のため、これまで以上のAI活用を計画しています。従業員のフォローアップ、在庫切れの把握、ECサイトの改善など、これまでのAI活用の実績を見ていきます

米スーパーマーケットチェーンのTarget(ターゲット)は、AIと機械学習を積極的に活用してきました。現在、全社売上高の回復に向けて、最高執行責任者(COO)のマイケル・フィデルケ氏はAIと機械学習を活用する領域をさらに拡大しようとしています。

TargetのAI活用

米国ミネソタ州のミネアポリスに本社を置くTargetは現在、業績面で複数の課題に直面。経営再建の方法を模索するなかで、次期CEO候補の1人と目される人物であるフィデルケCOOはAIが重要な役割を果たすと考えており、すでに大規模なAIへ投資、AIを活用した複数の施策を打ち出しています。

Targetの年間EC売上高と成長率(単位:10億ドル/出典:TargetのIR資料、『Digital Commerce 360』によるTargetの収益レポートチャート/2025年の数値は『Digital Commerce 360』による予測)
Targetの年間EC売上高と成長率(単位:10億ドル/出典:TargetのIR資料、『Digital Commerce 360』によるTargetの収益レポートチャート/2025年の数値は『Digital Commerce 360』による予測)

従業員向けチャットボットが指導

たとえば「Store Companion」と呼ばれる店舗従業員向けの生成AIを活用したチャットボットがその1つです。店舗従業員はTargetから提供されるデバイスのアプリからアクセスでき、チャットボットがさまざまな手順に関する質問へ即座に回答します。

2024年6月、「Store Companion」を従業員向けデバイスのアプリとして約2000店舗の従業員に展開すると発表。業務プロセスや手順に関する質問への回答、指導、タスク達成のためのサポートなどに利用されています。

従業員による「Store Companion」の活用イメージ(画像はTargetのニュースリリースから追加)
従業員による「Store Companion」の活用イメージ(画像はTargetのニュースリリースから追加)

チャットボットアプリを試験的に試した店舗のディレクター、ジェイク・シーキスト氏は「『Store Companion』によって日々の業務の効率化につながり、従業員がより多くの時間を来店した顧客の接客対応に使えるようになることで、店舗全体の顧客体験が向上する」と話しています。

AI推進のための専任チームを創設

このほか、Targetは在庫管理のサポートにも生成AIを利用しています。今後はさらにAI活用に踏み込むため、社内のAIツールを推進する専任チームも設置しました。

5月21日に実施した2025年1-3月期(第1四半期)の決算説明会で、フィデルケCOOは「ブライアン・コーネルCEOも話していましたが、私は“加速化オフィス”という新設の部署を率いて、ボトルネックの排除とチームの迅速な意思決定をサポートすることで成長を促進していきます」と話しました。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、フィデルケ氏はコーネルCEOの後任候補として取締役会で検討されているそうです。フィデルケ氏が描くAIの成長戦略は注目に値します。

ECのレビュー要約、商品説明、検索を改善

フィデルケ氏は、2025年1-3月期の決算説明会で、“加速化オフィス”について次のように説明しました。

このオフィスを通じて、Targetの組織全体のリーダーと連携し、これまで展開してきたAI活用技術を超えて、よりダイナミックにテクノロジーとAIの力を活用していきます。事業成長のロードマップの一環として、Targetが優先事項として重視しているのは、より効率的かつコスト効果の高い業務の実現です。(フィデルケ氏)

TargetはECサイトでも生成AIを利用して、レビュー要約や商品説明を更新しています。2024年にはすでに10万ページ以上でAIを活用。さらに、会話形式のやり取りから得たテーマや文脈などを反映したAI強化型の検索体験も導入しています。

商品説明にも生成AIを活用(画像はTargetのECサイトからキャプチャして追加)
商品説明にも生成AIを活用(画像はTargetのECサイトからキャプチャして追加)
会話型のやり取りからほしい商品を探せる検索体験(画像はTargetのECサイトからキャプチャして追加)
会話型のやり取りからほしい商品を探せる検索体験(画像はTargetのECサイトからキャプチャして追加)

リテールメディアにも導入

広告分野でもAIを活用しています。Targetのリテールメディアネットワーク「Roundel(ラウンデル)」では、広告主がGoogle、Meta、Pinterestなどのプラットフォーム上で目標やパフォーマンスに基づいて広告枠を調整などできるAIツール「Precision Plus」を導入しました。

Targetのリテールメディアネットワーク「Roundel」トップページ(画像はサイトから追加)
Targetのリテールメディアネットワーク「Roundel」トップページ(画像はサイトから追加)

在庫管理や需要予測にもAIを活用

「ChatGPT」のOpen AIが市場で頭角を現す前から、Targetは需要予測や在庫計画、価格設定といった小売業共通の課題にAIを活用してアプローチしていました。

2023年のニュースリリースでは、データサイエンス担当上級副社長ブラッド・トンプソン氏とプロダクトエンジニアリング担当副社長メリディス・ジョーダン氏が、機械学習を活用することで在庫切れの改善に取り組んだ事例を紹介しています。

Targetは、在庫切れに対応するために「Inventory Ledger(インベントリ・レジャー)」という社内ツールを開発店舗における来店客の購入、補充、注文処理といった活動全般にわたる在庫の変動を追跡する機能を搭載しています。

ニュースリリースでは、「Inventory Ledger」導入の背景として「Targetが最近実施した棚卸し(Targetは棚卸しを毎年全店舗で、全商品を対象に実施。一部の商品はより頻繁にカウントしています)において、在庫切れの半分はシステム上では把握されていないことがわかりました」と説明していました。

「Inventory Ledger」は、在庫状況を全社的に評価できるよう設計。毎秒最大36万件の在庫取引を処理し、毎秒1万6000件の在庫照会リクエストに対応します。平均では毎秒1万2000件を処理しています。

これにより、Targetは「店舗の商品棚の在庫がより充実していることを把握でき、消費者に商品を提供する準備がより良くできるようになった」と説明しています。

Targetでは「Inventory Ledger」が店舗の商品棚の在庫切れ把握に役立っている(画像はTargetグループのニュースリリースから追加)
Targetでは「Inventory Ledger」が店舗の商品棚の在庫切れ把握に役立っている(画像はTargetグループのニュースリリースから追加)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

村上総務大臣、ふるさと納税は「ネット通販であってはならない」「ポイント付与率の競争の過熱化、趣旨に則った適正なものとはいえない」

2ヶ月 3 週間 ago
「ふるさと納税」へのポイント付与を禁止する総務省告示が10月1日に施行されることをを受け、村上誠一郎総務大臣は9月9日の閣議後の記者会見で「ふるさと納税」のポイント付与について、、「ネット通販であってはならない」「ポイント付与率の競争の過熱化、趣旨に則った適正なものとはいえない」などと発言した。

会見で記者から「ふるさと納税」の制度の趣旨、事業者による寄付者へのポイント付与の禁止について、その背景と意義を問われ、村上大臣は「ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体に対する感謝の気持ちを伝えるために創設されたもの」と説明。「公金を使用した公的な税制上の仕組みであり、いわゆるインターネット通販であってはならないと考えている」と発言した。

その上で「10月からポイント付与を禁止する制度の見直しを行うが、この見直しは、ポイント付与で寄付者を誘引するポータルサイトなどが利用されて、その付与率に係る競争が過熱化することが、ふるさと納税の趣旨に則った適正なものとはいえないことから、いろいろな方のご意見も聞いた上で実施することにした」とした。

「ふるさと納税」のポータルサイトを通じた寄付について、事業者が寄付者にポイントを付与することを全面的に禁止にするのは、総務省が2024年6月28日に公布し、2025年10月1日から施行を予定している告示改正。これを受け、「ふるさと納税」のポータルサイトを運営する事業者でアクションを起こしたのが楽天グループだ。「ふるさと納税」のポータルサイトで寄付に対してポイント付与を全面的に禁止する総務省の告示は違法であるとして、国を相手取り告示の無効確認などを求める行政訴訟を、7月に東京地方裁判所へ提起した。

国を提訴した際の記者会見で楽天グループの百野健太郎副社長は「国会の議論を経ずに告示1つでルールを変えるのは、法治国家としておかしいのではないか」と述べ、行政手続きの正当性を問う姿勢を示した。

一方で、楽天グループが運営する「楽天ふるさと納税」では10月から、ポイント付与ルールを変更。「楽天ふるさと納税」での寄付に対してのポイント付与をやめる。「楽天市場」の買い物通常ポイント(100円につき1ポイント)の付与、スーパーSALE、お買い物マラソンなどの買いまわりカウントとポイント付与、全ショップ対象キャンペーンのポイント付与、各サービスのSPUポイント付与が対象外となる。カード決済に伴うポイントは、引き続きカード会社から付与する。

鳥栖 剛

越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しへ。「国内事業者との競争上の不均衡」で経済産業省が「税制改正要望」に見直しを明記

2ヶ月 3 週間 ago

経済産業省は8月29日に公表した「令和8年度税制改正要望」で、越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しを明記した。

経産省は越境ECには2つの課題があると指摘。1つは国外事業者が、プラットフォーム事業者が管理する国内倉庫に一旦納めた商品をECサイトを通じて販売する場合、国外事業者が国内販売に係る消費税の納税義務を負うが、多くの無申告が生じている可能性があるとしている。

2つ目は、国外事業者から海外直送する場合。国内消費者がその引き取り時に輸入消費税の納税義務を負う。少額な貨物が免税対象とされており、これらの取引について国内事業者との間に競争上の不均衡が生じている恐れがあるとした。

越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しへ。「国内事業者との競争上の不均衡」で経済産業省が「税制改正要望」に見直しを明記
越境ECの少額輸入貨物の優遇見直しについて明記(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

税制改正要望には、「国内外事業者の事業者間における課税の公平性や競争条件の中立性確保の観点から、国境を越えたEC取引に対する消費税の課税の在り方について検討する」と明記した。

少額輸入貨物の免税制度の見直しについては、与党が2024年12月に公表した「令和7年度税制改正大綱」に「国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化」という項目を盛り込んでいた。

その後、2025年5月に実施した政府税調専門家会合で見直し課題などについて議論があり、財務省でも5月の「関税・外国為替等審議会 関税分科会」でこの見直しについて言及していた。

少額輸入貨物の免税制度とは、課税価格の合計額が1万円以下の少額輸入貨物について、関税と消費税が免除(一部を除く)される制度。財務省によると、少額貨物に関する税関を取り巻く状況として輸入件数の増加が継続。2024年の輸入許可件数は約1億9000万件と前年比約35%増えた。課税価格1万円以下を対象とする少額貨物の輸入許可件数は約1億7000万件と全輸入許可件数の約9割を占めている。

鳥栖 剛

ヨシケイ、離乳食レシピ検索サイトを開設。月齢、食材の選択で主菜・副菜の1食分を提案

2ヶ月 3 週間 ago

ミールキット宅配サービスのヨシケイ開発は、自社サイト内に約1000種類のオリジナル離乳食レシピを集約したサイト「ヨシケイ離乳食レシピ検索」を新設した。

ヨシケイ開発のミールキットを利用していないユーザーでも、家庭にある食材でレシピ検索ができるサイト。月齢と使用したい食材によって、主菜・副菜を組み合わせた1食分の提案を複数パターンで表示。初期・中期・後期・完了期と、乳幼児の成長に合わせてレシピの表示を選ぶことができる。

「ヨシケイ離乳食レシピ検索」トップ画像
「ヨシケイ離乳食レシピ検索」トップ画像

「ヨシケイ離乳食レシピ検索」では、これまでヨシケイのミールキット「プチママ」「Cut Meal(カットミール)」で展開してきた“とりわけ離乳食”を再編成し、和・洋・中、丼もの、スパゲッティなど、さまざまなジャンルのレシピを月齢に応じて掲載。

今後は季節に合わせた行事食レシピも追加を予定している。

ユーザーは子どもの月齢、食材を選択

ユーザーが離乳食を検索する際、乳幼児の月齢と使用したい食材を選ぶことで、主菜・副菜を組み合わせて、選択した食材で可能な1食分の献立提案を表示する。選んだ食材に、買い足す食材を追加すると完成するレシピも表示。冷蔵庫の中身をムダなく使い切る工夫が盛り込まれているという。

月齢と食材でレシピ検索(画像は編集部がヨシケイ開発のサイトから追加)
月齢と食材でレシピ検索(画像は編集部がヨシケイ開発のサイトから追加)

離乳食後期・完了期では大人の食事にも近い内容の献立が表示される。ケチャップ、みそといった調味料も活用しながら、自分で食べる意欲を引き出すメニューも充実させている。

月齢7〜8か月頃のレシピ例
月齢7〜8か月頃のレシピ例
大嶋 喜子

ショップチャンネル、2つの新ECサイト「うちのね、」「CanauBi(カナウビ)」を開設

2ヶ月 3 週間 ago

テレビ通販大手のジュピターショップチャンネルは9月9日、暮らしと美容をテーマにした新たなソーシャルコマース事業として2つのECサイト「うちのね、」「CanauBi(カナウビ)」を開設した。ユーザー同士のつながり、信頼できる情報を重視したサービスを展開し、売上拡大をめざす。

「うちのね、」(左)「CanauBi」(右)のサイトイメージ
「うちのね、」(左)「CanauBi」(右)のサイトイメージ

ユーザーがSNS感覚で楽しめる「うちのね、」

「うちのね、」はホームグッズを中心に、身近なユーザーのリアルな声を参考に商品を選べるコミュニティ型のECサイト。ソーシャルコマース事業「コレイヨ」をリブランディングした。

ジュピターショップチャンネルは、2021年にライブ動画を通じて商品を販売するショッピングライブサービス「コレイヨ」を開始。インフルエンサーによるユーザー目線での使用感や体験に基づく情報を提供してきた。「うちのね、」には「コレイヨ」で培った知見を生かす。

取り扱いカテゴリは、ホームグッズ、家電、食品など暮らし周りの商品。ユーザーがSNS感覚で日々の暮らしでの体験を共有し、つながる楽しさ、知る喜びを提供する場とする。インフルエンサーやユーザーの商品活用投稿が、商品選びをサポート。主な特長は次の通り。

  • 会員登録をすると、投稿者のフォローや投稿への「いいね」が可能
  • 商品を使用したリアルな声や写真・動画から、使用感やサイズ感などユーザーが具体的にイメージしやすい
  • 自分が使った商品の体験を投稿、シェアできる
投稿の一覧(左)、投稿ページ(右)のイメージ
投稿の一覧(左)、投稿ページ(右)のイメージ

メディア型EC「CanauBi」

「CanauBi」は、美容のプロによるレビューやコラムから知識と発見が得られるメディア型のECサイトとして設計した。

美容家や専門医などの専門家による信頼性の高い情報と、エイジングケア商品を取りそろえる。サイト内では、商品の成分、機能、適切な使い方などをプロの視点で解説。主な特長は次の通り。

  • 美容のプロによる「How to」「本音レビュー」などの実践的なコンテンツを掲載
  • メイクアップ・スキンケア・ヘアケア・美容家電・サプリメントなど、エイジングケア関連商品を広くラインアップ
掲載コラム(左)、コラム内の掲載ページ(右)のイメージ
掲載コラム(左)、コラム内の掲載ページ(右)のイメージ
大嶋 喜子

AIを使って優れたコンテンツを書く方法(7つのベストプラクティス)

2ヶ月 3 週間 ago

この記事は、Backlinkoの「How to Use AI for Writing Exceptional Content(7 Best Practices)」を翻訳したものです。ここ最近のGoogleコアアップデートでは、事例やユーザーが生成したコンテンツなど、体験に根ざしたコンテンツが評価されやすい傾向が見られます。

体験コンテンツを効率よく制作する際に、AIはもはや欠かせません。AIを活用することで、インタビュー設計やリサーチの下準備を、短時間で質を保ちながらまとめられます。

以前に翻訳した記事「役に立つコンテンツを作る10の方法 + 事例とチェックリスト」とも通じるところがありますが、AIの提案を鵜呑みにして採用するだけのコンテンツではサイトの資産にならないでしょう。

読者リサーチの進め方や設問づくり、AIを活用した編集方法など、実務で再現しやすい手順が紹介されているので、自社のワークフローを見直すヒントとしてぜひご活用ください。

ライティングのためのAI – 注目の画像

生成AIが発達した現代において、文章を書く人間が、敢えてAIを一切使わない理由は考えにくいですよね。

それはまるで、大工に「ドリルを使うな」と言うようなものです。確かにドリルがなくてもデッキは作れます。でも、わざわざそうする理由はあるでしょうか?

ライターは昔から、自分の技術を磨くために新しいツールを取り入れてきました。

筆記具のタイムライン

AIに限らず、どんな技術でも我々の行動原理は「楽をしたい」という気持ちです。

画期的なツールが開発される度、「全部を自動でやってくれるはずだ」と期待してしまうのです。そして、そこそこの内容でよければ、AIはまさに最適な解決策になります。

でも、本当に優れたコンテンツを作るのは簡単ではありません。どんなツールを使っても同じです。

実際、この記事を書くとき私はAIをたくさん活用しました。

それでも完成までに40時間以上かかったのです。

なぜでしょうか?

それはAIを使ったことで、自分のコンテンツをもっと良くできると気づいたからです。そしてこれは、あなたにも同じように当てはまります。

私はコンテンツチームに、普段どのようにAIを執筆や編集に活用しているのかを聞きました。

シニアライターのYongi Barnardさん、Kate Starrさん、Shreelekha Singhさん、そしてシニアエディターのChris HannaさんとChris Shirlowさんが、それぞれのワークフローや知見を共有してくれました。

本記事ではその内容を随所で紹介していきます。彼らのような優秀なメンバーのおかげで、Backlinkoは月間およそ80万セッションものトラフィックを生み出しているのです。

バックリンク – セッション

ここから紹介するのは、AIがサポートしてくれる7つの普遍的なライティング手法です。

まずは、執筆プロジェクトの計画から見ていきましょう。

1. AIを使って読者を定義する

読者を深く理解していなければ、どれほど優れたアイデアも伝わらずに終わってしまいます。

AIを使えば、読者リサーチがぐっと簡単になります。

何千件もの実際の会話を数分で分析できるため、これまでのように何週間もかけてインタビューやアンケートを行う必要はありません。

オーディエンスリサーチをより速く行う方法

この記事を題材に、私は「人々がAIを使って執筆することをどう感じているのか」を調べてみました。

率直な意見を集めるなら、最適なのはRedditです。

実際に「reddit using ai to write good content」とGoogle検索したところ、数十件ものスレッドが見つかりました。

※SEOJapan補足:「Reddit」
アメリカの巨大掲示板型ソーシャルメディアのこと。ユーザーが投稿したコンテンツに対して投票できる記事、質問、意見交換などのコミュニティサイト

Google SERP – RedditはAIを活用して良質なコンテンツを作成

コミュニティの議論をいくつか集めて、PDF としてエクスポートしました。

RedditからPDFへ

そこで私はClaudeに次のような指示を出しました。

「AIを使って良質なコンテンツを書く」ことをテーマに調査をしています。そこで関連するRedditスレッドを5つ添付しました。これらの会話を分析し、以下の観点で表を作成してください。
 ・Desires(欲求):人々は何を達成したいのか?
 ・Pain points(課題):どんな問題や壁に直面しているのか?
 ・Objections(懸念):どんな不安や抵抗を示しているのか?
それぞれの項目には、ディスカッションからの引用も添えてください。

その結果には本当に驚かされました。

クロード – 目を見張る結果

分析の結果、自分では気づかなかったパターンが見えてきました。

さらに、読者の生の感情や言葉をそのまま捉えた引用も含まれていました。

そのおかげで、私の文章は実際の体験に根ざしたものになったのです。

もちろん、私のやり方をそのまま真似する必要はありません。たとえばシニアライターのKate Starrは、読者リサーチに複数の情報源を活用しています。

Kate Starrさんのコメント
「私はよくAIにいろいろなデータを入力します。たとえば、Googleの『People Also Ask(PAA)』の内容や、クライアントとの会話記録などです。大切なのは、ターゲットとなる読者が自分の課題を語っているリアルな会話を見つけることです。

最近も、コンサルティングコールの記録をもとに詳しいカスタマーペルソナを作成しました。その結果、私たちのコンテンツ戦略全体を組み立てるうえで大きな助けとなりました。」

AIを活用するうえで大切なのは、次の3点です。

  • 膨大な読者データを短時間で処理する
  • 人の目では見逃しがちなパターンを見つける
  • 実際の発言を引用し、得られた洞察をリアルな体験と結びつける

ヒント:興味深いコミュニティの議論をまとめたフォルダを作成しましょう。興味深いスレッドを見つけたら、すぐに保存しましょう。その情報が将来のコンテンツに役立つかもしれません。

※SEO Japan補足:「People Also Ask(PAA)」
「関連する質問」や「他の人はこちらも質問」といった文言で、Googleの検索結果画面上に検索キーワードに関連した質問と回答を表示する機能

2. AIを使って独自の視点を見つける

業界内で人気のコンテンツを参考にして、そのアイデアをアレンジするのは簡単です。実際、それはAIがデフォルトでやっていることでもあります。

では、もっと良い方法は?

他のコンテンツや多くのLLM(大規模言語モデル)が見落としがちな視点を探すことです。そうすることで、文章がより新鮮で読者を惹きつけるものになります。

ここから、その方法を3つのステップで紹介します。

ステップ1:ソース資料を集める

まずは、テーマに関する上位3〜5件ほどの投稿を探しましょう。

対象はSNSの投稿でも、記事でも、アクセスできるならメールでもかまいません。

たとえば私は「AIライティング」に関する投稿を3件ピックアップし、Googleドキュメントにまとめてからテキストファイルとして書き出しました。

Googleドキュメント – AIの活用方法

ステップ2:AIに要約とアイデア出しを任せる

ステップ1で集めた資料をAIに入力し、全体を整理した分析を作ってもらいましょう。

そのとき使えるプロンプト例がこちらです。

[トピック]に関する記事をいくつか共有しました。これらを分析し、以下の観点で詳細に整理してください。

共通パターン
 ・繰り返し登場するアプローチを3〜4点挙げる
 ・記事の具体例を含める
 ・記事全体の構成や表現方法に見られる傾向をまとめる

前提
 ・各記事で当然のように扱われている前提を3〜4点抽出する
 ・論理や証拠が不足している部分を指摘する
 ・裏付けが足りない主張を見つける

不足している視点
 ・取り上げられていない重要な観点を3〜4点挙げる
 ・読者のニーズで十分に対応されていない部分を指摘する
 ・さらに深掘りできるテーマを明らかにする

注目すべき要素
 ・独自性のある、または効果的なアプローチを示す
 ・強い根拠や具体例を取り上げる
 ・記事の核となる構成や表現の工夫がみられる箇所を特定する

こちらが「AIを活用した執筆」の出力結果です。

カテゴリ 詳細
共通パターン ・戦略性より機能差に注目したツール比較が多い
・基本的な「入力と出力」のワークフロー事例
・「効率化できる」といった抽象的メリットの提示に偏る
・プロンプトエンジニアリングの重要性ばかりを強調
前提 ・AIを使えば使うほどコンテンツは良くなる
・読者はすでにAIの基礎を理解している
・単一の手法で誰にでも通用するという想定
・倫理的な懸念は簡単な免責事項で対処できると考えている
不足している視点 ・品質を検証するための仕組みや指標
・ツール選択のための戦略的なフレームワーク
・人間とAIが協働した具体的事例
・アプローチ別のコストと効果の比較
注目要素 ・ある記事では詳細なワークフロー図を掲載
・別の記事では失敗事例のミニケーススタディを紹介
・複数の記事で丁寧な倫理ガイドラインを提示
・ある記事ではAI出力の品質に関する独自の調査結果を提示

分析が終わったら、見つかった改善点をもとにAIに新しいアイデアを提案してもらいます。

このとき、Claudeが本記事に対して返してきた提案がこちらです。

AIライティングを考えるうえで提案された3つの切り口はこちらです。
1.戦略フレームワーク型
ポイント:執筆内容に合わせてAIツールをどう選び、どう使うかを体系的に整理する
メリット:ツールをやみくもに試すのではなく、根拠ある判断ができるようになる
違い:単なるツールリストを超え、判断基準やワークフローを明確に示す

2.品質管理型
ポイント:AIを使いながらもコンテンツの品質を保つための具体的な手順
メリット:プロのライターが最も気にする「品質維持」という課題に応える
違い:ツール利用の説明にとどまらず、品質を測定・改善するプロセスに重点を置く

3.現実チェック型
ポイント:AIの強みと限界を率直に見極める
メリット:読者が現実的な期待値を持ち、ありがちな失敗を避けられる
違い:理論上の効果ではなく、実際の事例やケーススタディを取り上げる

ステップ3:切り口を分析してブラッシュアップする

AIが最初に出力した切り口がそのまま使えることもあります。

しかし多くの場合では、魅力的なアイデアを見つけるためには、AIとのやり取りを何度も重ねる必要があります。

この記事も、そのプロセスを経て形になりました。

確かにツール比較や基本的なワークフローを解説する記事は豊富にありましたが、AIをどう戦略的に活用すべきかという枠組みを提示しているものはほとんどありませんでした。

さらに深く掘り下げていくと、もっと根本的なことに気づきました。

誰もが「執筆を楽にする」ことに注目していたのです。ツールやプロンプト、ショートカットなど。

でも、そこには見逃されている現実がありました。

優れたコンテンツを作ることはAIを使っても、使わなくても難しいものです。

そこで私は自分の切り口をこう定めました。AIをうまく使いながらも、良質なコンテンツをつくるために必要な努力は不可欠であるという視点です。

プロのヒント:最初に得られた気づきは、より良い切り口へ発展することがよくあります。初期の分析にとらわれず、思考を広げていくことを恐れないでください。

3. AIを使ってアウトラインを作成する

優れたコンテンツの多くは、綿密な計画から始まります。ところが、多くのライターはこの工程を省きがちです。

その結果、何時間も同じところをぐるぐる書き直したり、依頼の趣旨から大きく外れてしまったりするリスクがあります。

そのため私たちのチームでは、しっかりしたアウトラインを作らずに下書きを始めることはありません。

AIを活用すれば、そのアウトライン作成がずっと楽になります。

関連記事: コンテンツブリーフとは? (+3つのテンプレート)

AIとの協働によってアウトラインを強化する

AIにアウトラインを丸ごと任せたくなるかもしれませんが、それでは独自の視点が失われてしまいます。かといってAIを使わなければ、得られるはずの有益な洞察を逃してしまいます。

では、より良いアプローチは?

AIを「考えを深めるための相棒」として活用することです。

当社のシニアエディターであるChris Shirlowも、アウトライン作成の段階でAIを戦略的に取り入れることの重要性を強調しています。

Chris Shirlowさんのコメント
「私はまず、自分の競合分析をもとにアウトラインを作成します。その後、AIを使って潜在的な不足を洗い出します。例えば、メールマーケティングのガイドのアウトラインを作成した際に、AIが私の発想になかった自動化の章を加えるよう提案してくれたことがありました。」

重要なのは、自分自身のリサーチから始めることです。そうすることで、土台にしっかりとした専門性が宿ります。そのうえでAIを活用すれば、考えをさらに洗練させ、広げることができます。

たとえば、この記事では、私は最初に以下のようなラフな構成メモを用意しました。

  1. ニーズ(需要)
  2. 想定読者
  3. 切り口
  4. 構成
  5. リサーチ
  6. 執筆
  7. 図やビジュアル要素
  8. 付加要素
  9. 編集

次に、いくつかの参考資料を添えてClaudeにプロンプトを与えました。

私は今『AIを活用してより良いコンテンツを書く方法』に関する記事を執筆しています。概要と大まかなアウトラインは準備済みです。このアイデアのきっかけとなった記事も添付しました。

この進め方に対する、あなたの第一印象を聞かせてもらえますか?

以下はClaudeの分析(私が要約したもの)です。

強み
 ・AIの位置づけ:代替手段ではなく大工にとってのドリルのように「便利な道具」として紹介
 ・現実的な期待感:コンテンツ作成が依然として難しいことを認めている(40時間の例)
 ・普遍的な焦点:特定のAIツールやプロンプトに依存せず、基本原則を強調することで記事の価値を長持ちさせている
 ・信頼性:具体的なケーススタディや著者自身の経験を取り入れている

改善すべき点
 ・構成面:似通った要素(たとえば「読者」と「リサーチ」)は統合を検討する
 ・実装面:AIが実際に各手法をどう強化できるか、より具体的な事例を加える
 ・メタ視点:この記事そのものをAIを活用しながら書いている、という背景をより明確に示す
 ・バランス:記事の完成度を高くするために、AIの限界についての説明も盛り込む

AIが最初に出したアウトプットを出発点に、協働が始まりました。

Claudeは、各要素の呼び方を「ヒント」ではなく「プラクティス」とするよう提案してくれました。

その後も、私たちは各プラクティスの下位構造について互いに意見を交わしました。

途中でH2の見出し案を出してくれましたが、多くは私の意図と合わず、採用しませんでした。

それでも長いやり取りを重ね、文書に戻って修正する時間を挟みながら、最終的に納得できるアウトラインにたどり着きました。

以下は、その議論を通じて構造がどのように発展していったかの流れです。

項目 バージョン1 バージョン2 バージョン3 バージョン4
ニーズ(需要) 深掘り調査:表面的な情報にとどまらない まずはユーザーの声を聞く 読者像を定義する AIを活用して読者像をさらに具体化する
読者 読者理解:深く共感されるコンテンツを作る 読者マップを作成する 独自の切り口を見つける AIを活用して、自分では気づかない独自の切り口を発見する
切り口 戦略的な立ち位置:独自の切り口を探す 独自の切り口を深める 明確なアウトラインを作成する AIを活用してアウトラインを作る
構成 ストーリー設計:明確で説得力のある流れを構築する コンテンツ全体の流れを整理する 扱うテーマをリサーチする AIを活用してテーマをリサーチする
リサーチ 証拠や事例を用いてアイデアを具体化する 説明するだけでなく、実例で示す 魅力的なコンテンツを書く AIを使って魅力的なコンテンツを書く
執筆 声と文体:独特の存在感を醸し出す 自社(自分)のブランドボイスを見つける 読者に役立つ補足要素を加える AIを活用して補足要素を充実させる
強化 強化要素:コンテンツのインパクトを高める 効果的な強化要素を加える 読者に響くように文章を編集する AIを活用して下書きを編集する
編集 洗練と最適化:パフォーマンスを高めるために仕上げる 完成版をしっかりと仕上げ、磨きをかける

この繰り返しのプロセスによって、次の改善ができました。

  1. 行動が具体的に伝わる見出しに書き直せた
  2. 「AIを活用して…」という統一フォーマットを導入し、SEO対策にもつながった

ではここから、AIをどう使えばリサーチを通じてアウトラインを実際のコンテンツに仕上げられるのかを見ていきましょう。

4. AIを使ってテーマを調査する

リサーチは、いつの時代も優れた執筆の基盤です。

インターネットが普及する前は、図書館でカタログや学術誌、教科書を何時間もめくるのがリサーチの定番でした。

やがてデジタルの登場がその流れを大きく変えましたが、同時に「情報過多」という新しい課題も生んだのです。

場所のタイムラインを書く

今や、数百万もの情報源に一瞬でアクセスできる時代です。

ブログ記事、学術論文、オンラインコミュニティでの議論、専門家のインタビュー、分析データの情報は無数にあります。

しかし、それをすべて処理する時間はあるでしょうか?

そこでAIの出番です。

AIなら数千件もの情報を数秒で読み込み、見落としかねない重要な洞察を拾い上げてくれます。

ここからは、AIを効果的に活用する方法を探っていきましょう。

一次調査におけるAIの活用

インタビューや生データの収集、アンケート調査などを行うことで、他に模倣が難しい独自性のあるコンテンツを生み出せます。

重要なのは、AIを「分析だけ」に使うのではなく、リサーチ全体の流れに組み込んで活用することです。

より良いリサーチ質問の計画を立てる

リサーチの質は、適切な質問をすることにかかっています。

例えば、この記事を書く際、私は当初、自分のAIに関する体験だけを例にしようと考えていました。しかし、それだけでは不十分だと感じました。

そこで、私はClaudeと議論を始めました。

私:自分の考えだけでは限界があると感じています。編集チームに「AIをどう使っているか」を調査すれば、もっと多くの視点を加えられるかもしれません。

AI:それは、記事の説得力を大幅に高める方法です。複数の執筆者がAIの課題にどのように対応しているかを示せば、理論だけの説明よりもはるかに説得力が増すでしょう。

検討すべきこと:
 ・求めている具体的な知見は何か
 ・それを集める最も効率的な方法は何か
 ・メンバーが参加しやすくするにはどうすればよいか

Claudeのフィードバックを踏まえ、私は何度も調整を重ねながら調査質問を組み立てました。

この手法を試してみたい場合は、以下のテンプレートを参考にしてください。

具体的な質問を作成する前に、この研究アプローチを評価してください。
 ・対象:調査/インタビューを行う対象を説明
 ・目標:調査を通じて何を知りたいのか
 ・方法:データの収集方法
 ・期間:制約条件

そして、次のポイントを洗い出してください。
 ・潜在的な問題
 ・見落としている可能性のある視点や機会
 ・効率を改善する方法

次に、リサーチで使う質問の作成です。

トピックに関する[アンケート/インタビュー]用の質問の作成を手伝ってください。

考慮すべき点
 ・対象者:参加者について記述する
 ・時間的制約:予想される所要時間
 ・主な目的:2〜3の主要な目標を挙げる
 ・必要な出力:最終的に作りたいもの

質問の構成は以下のようにしてください
 ・焦点は絞りつつ、自由に答えられるオープンな形にする
 ・短時間で答えやすい内容にする
 ・具体例を求める質問にして明確さを保つ


最後に、用意した質問をテストしてみましょう。

これが私の下書きの質問です。次の点について分析してください。
 ・質問がわかりやすいか、混乱を招かないか
 ・誘導的・偏った表現になっていないか
 ・抜けている部分やカバーしきれていない内容がないか
 ・質問の順序や流れが論理的かどうか

例:

AIとの何度かのやり取りを経て、当初の「チームに調査をする」というアイデアは次のように変わりました。

  • 条件分岐を使い、焦点の定まった調査
  • 必要な内容を明示する具体例
  • 親しみやすく協調的な導入文
  • AI利用に関する具体的なプロンプト

その結果、チームから有益な知見を得られ、この記事を強化することができました。

専門家インタビューを最大限に活かす

インタビュー相手としっかり向き合いながら、細かな情報まで取りこぼさずに記録したい。そんなとき、AIが役立ちます。

まずは会話を録音することから始めましょう(もちろん相手の同意は必須)。自然な対話を心がけ、気になる話題は深掘りしてみてください。その後はAIを活用して、会話の中から価値ある洞察をすべて抽出します。

以下に、いくつか簡単なプロンプトを示します。

インタビューの準備

トピックに関する専門家インタビューの準備を手伝ってください。
提供した背景資料を確認したうえで、以下を提案してください。
 ・取り上げるべき主な議論のテーマ
 ・各テーマに関連する追加質問
 ・尋ねるべき具体的な事例やケース
 ・検証すべきデータや数値

録音を処理する

トピックに関する専門家インタビューの文字起こしを共有しました。以下を行ってください。
 1.主なポイントをわかりやすく要約する
 2.具体的な例やケーススタディを抽出する
 3.独自の洞察や視点を見つける
 4.印象的な引用を抜き出す
 5.不明確で追加確認が必要な箇所を指摘する

インサイトの検証

以下はインタビューから得られた私の主要な所見です。これについて、次の観点でチェックしてください。
 1.結論が文字起こし内容によって裏づけられているか
 2.自分が勝手に置いてしまっている前提はないか
 3.読み手に理解してもらうために補足すべき文脈は何か
 4.別の見方や解釈の余地があるかどうか

生データを理解する

リサーチの難しさは、データを集めること自体ではなく、その中から意味のあるストーリーを見つけ出すことにあります。

編集チームがAI活用に関する調査を終えたとき、私はまさにこの課題に直面しました。

回答を素早く処理したい、でも同時に大切な気づきを漏らさず拾いたい、この両立が必要だったのです。

そのために私がAIを使ってどのように回答を分析したのかを以下で紹介します。

全体像を把握する

AIの活用に関するチームのアンケート回答を共有しました。以下を行ってください。
 1.回答全体に共通するパターンを特定する
 2.他と異なるユニークな使い方や意外なアプローチを記録する
 3.詳細に語られている具体的な事例を強調する
 4.深掘りすべき潜在的なテーマを提案する

詳細を掘り下げる

特定のプラクティスについて、以下を分析してください。
 1.メンバーごとに異なる取り組み方
 2.成功事例として特に効果があった使い方
 3.共通する課題や制約
 4.言及された具体的なツールやプロンプト
 5.注目すべき作業フローの違い

補足資料の抽出

このトピックに関する回答から、以下を行ってください。
 1. 重要なポイントを裏付ける、説得力のある引用を見つける
 2.明確な成果を伴う具体的な事例を特定する
 3.共有された興味深いAIプロンプトを記録する
 4.補足として有効なビジュアルや図表を提案する

この分析により、チームのメンバーはそれぞれ異なる場面でAIを活用していることが分かりました。リサーチを得意とする人もいれば、編集に強みを持つ人もいます。

全員に共通していたのは、AIはあくまで慎重に扱うべきであり、全面的に依存すべきではない、という認識でした。

プロのヒント: AIを使ってデータを分析する前に、そのプロジェクトにとって「価値あるインサイト」が何を意味するのかを明確に定義しておきましょう。そうすることで、AIは最も重視すべき点にフォーカスして分析してくれます。

二次調査にAIを活用する

これまで二次調査といえば、論文やレポート、議論を何時間もかけて読み込むことを意味していました。

しかし、今は違います。

AIによって、既存の情報を整理・活用する方法そのものが変わりました。

ここからは、いくつかの活用例を紹介します。

音声・動画コンテンツから価値ある情報を引き出す

優れたインサイトの多くは、長時間のポッドキャストやカンファレンス講演の中に埋もれています。

創業者たちは舞台裏の物語を共有し、専門家は自分たちのフレームワークを明かし、業界のベテランはまだ記事にしていないトレンドについて語ります。

しかし、何時間もの動画を視聴するのは現実的ではありません。

ここでAIが時間を節約してくれます。

実際に私は、EC成長戦略に関する記事を執筆する際、創業者インタビューからAIを使って有益なインサイトを抽出しました。

まず、Who Is Elijah の創設者が 2,000 万ドルの収益を達成するまでの道のりを語るポッドキャストを見つけました。

Youtube – Foundrビデオ

次に、Rev AIを使用してインタビュー全体を文字起こししました。

Rev AI – 文字起こし

19,000語の文字起こしをすべて読む代わりに、私はClaudeに次のようなプロンプトで会話を分析させました。

私はeコマースの成長戦略に関する記事を書いています。この創業者インタビューを分析して、以下の点を整理してください。
 1.成長を促した重要な意思決定を特定する
 2.具体的な数値や成果を抽出する
 3.彼らのプロセスに関する独自の洞察を見つける
 4.各論点を裏付ける説得力のある引用文を抜粋する

この分析により、業務効率に関する興味深い事実が明らかになりました。

  • 彼らはチームを44人から21人に削減した
  • 専門職のフルタイム採用から代理店との提携に移行した
  • システムをゼロから再構築した
  • 利益が出ていなかったキャンペーン(-60%)を成功に導いた

この1つのポッドキャストから、説得力のあるケーススタディと、読者が実践できる実用的な教訓の両方を得ることができました。

複雑な文書を整理・活用する

学術論文や業界レポートには貴重なデータが含まれています。しかし、その多くは難解で専門用語が多く、実務に落とし込むのは簡単ではありません。

当社のシニアライターである Shreelekha Singh は、AIに十分な文脈情報を与えることで、より質の高いリサーチ結果を引き出しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「ヘルスケアについて執筆するとき、私は必ず記事の具体的な目的と進め方をPerplexityと共有します。
その際『予測ではなく、測定可能な成果に焦点を当てた、エビデンスに基づく分析が必要』と明確にアウトラインに記します。
こうした詳細な文脈を与えることで、AI はより関連性の高い研究論文やケーススタディを見つけてくれます。」

もう一つの例

情報獲得についての記事を書くとき、私はGoogleの特許出願を理解する必要がありました。

ところが、その文書は高度な専門用語で書かれており、読むだけで気が遠くなるようなものでした。

Google特許

途方に暮れる代わりに、私はAIを活用してこの複雑な資料の理解を助けてもらいました。

特許出願書をClaudeにアップロードし、「情報利得シグナル」について質問したのです。

するとClaudeは、「UserActionSignals」や「ClickSatisfaction」といった指標を平易な表現で説明してくれました。

その結果、Googleが新しい情報を評価・テストするプロセスを短時間で理解できました。

この方法は、以下のような資料にも有効です。

  • 学術論文や研究資料
  • 技術文書
  • 業界レポート
  • 法律関連の文書
  • 調査データ

要するにAIを「学習のパートナー」として考えてみてください。100ページに及ぶ文書でも数秒で読み、要点を平易な言葉で説明してくれる頼れる存在です。

5. AIを使って魅力的なコンテンツを作成する

大規模言語モデル(LLM) は、最小限のプロンプトで非常に優れた出力を生成します。

しかし、自分らしい読者を惹きつける文章を書くとなるとAIはやや物足りないのが実情です。

私は2021年からAIを使った執筆を試していますが、モデルには「既定の書き方」があると感じています。

AIが好むのは、対比的な表現です。「これは違う。しかし、これは正しい。」といった書き方です。

また、「transform(変革)」「game-changing(画期的)」「leverage(活用)」「optimize(最適化)」といったフレーズをよく使います。(これらの言葉自体に問題があるわけではありません。)

一般的なAIライティングパターン

AIには「すべてをリスト化してしまう」癖があり、もしプロジェクト全体を書けるなら、それも箇条書きにしてしまうでしょう。

もしAIの出力に満足できないことが多いなら、もっと良い成果を得る方法をお伝えします。

優れた参考資料を準備する

AIに与える文脈が具体的であればあるほど、生成される文章はあなたのスタイルに沿ったものになります。

つまり、自分の執筆スタイルを明確に定義することを意味します。

その方法としては、以下の要素を含む詳細なガイドラインを用意するとよいでしょう。

  • 読者ペルソナ
  • 読解レベル(学年・難易度の目安)
  • 見出しの型
  • 文章全体のトーン
  • 具体例
  • 読者を引き込む導入

ガイドラインに加えて、執筆サンプルとして使用できる完璧な記事や章を作ることを目標にしてください。

ガイドラインと具体例が揃えば、AIから得られる出力にも納得感が増します。

たとえば私の場合、ClaudeでBacklinko専用のプロジェクトを作成しました。そこには2万語以上の参考資料が含まれています。

クロード – プロジェクトナレッジ

新しい会話を始めるときも、Claudeは常にこの文脈を踏まえた状態で応答してくれます。

スタイル要件を何度も説明する必要はありません。

ヒント: AIツールにプロジェクト機能がない場合は、必要なリソースをPC内のフォルダにまとめて保存しておきましょう。必要なときにチャットでそれらを呼び出して使えます。

段階的に文脈を積み上げる

AIとの会話は、コンテンツの発展に合わせて進化させるべきです。

この記事のセクションを例に挙げましょう。私は「AIを活用した執筆」という専用チャットを立ち上げ、以下を共有しました。

  • 概要
  • これまでの記事草稿
  • チームアンケートの回答
  • このセクションの目標

そのうえで、次に「補足要素」に関するパートを書く際は、新しいチャットを立ち上げつつ、この完成済みセクションを参考資料として利用する予定です。

AIセッションの執筆

この段階的なアプローチにより、AI は各セクションの固有のニーズに適応しながら一貫性を維持できます。

シニアライターのShreelekhaも同じ手法を活用しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「私は、執筆のテーマや作業内容ごとに、異なるプロジェクトを作成します。こうすることで集中力を維持でき、AIにも各タスクに必要な文脈を正しく与えられるのです。」

利用しているLLMによっては、この「セクションごとに進める方法」がクレジットの節約につながります。長いチャットは使用量を消費してしまうためです。

プロのヒント:プロジェクトの最初の10%は、自分でゼロから書き上げましょう。そうすることで文章全体のトーンが定まり、AIに明確な方向性を与えるため、出力の質が向上します。

AIとの雑然としたやり取りを受け入れる

最良のAIライティング成果は、対話を通じて生まれます。

未完成のアイデアを共有し、その提案に疑問を投げかけ、さらに深く考えるよう促しましょう。

たとえば、このセクションを執筆するとき、私はAIにアウトラインの肉付けを依頼しました。しかし、最初の回答をそのまま受け入れたわけではありません。

「特定のトーンでプロンプトする」といった一般的な助言にとどまるのではなく、AIの標準的な文体とBacklinkoのスタイルの違いを具体例で示すよう求めました。

このプロセスを通じて、具体的なフレーズや表現のパターンを見つけることができました。

たとえば、私の冒頭フックはAIとの協働によって次のように進化しました。

オープニングフックの進化

文ごと、アイデアごとにやり取りを重ねるうちに、思わぬ金脈を掘り当てることができるかもしれません。

面倒ではありますが、一人で進めるよりずっと良い結果につながります。

必要なときに適切な事例を探す

大規模言語モデル(LLM)は、執筆を強化するための関連する事例やケーススタディを提案することに優れています。

シニアライターのShreelekhaも、行き詰まったときにAIを使って事例を洗い出しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「私はまず、説明しようとしているコンセプトと、必要としている事例の種類を説明します。AIは、私が考えもしなかった視点を提案してくれることが多く、その後のリサーチにつなげられるのです。」

私がよく使うプロンプトテンプレートは次のとおりです。

「私は[コンセプト]について説明しています。[特定の側面]を示す事例が必要です。できれば[業種/企業の種類]の例をお願いします。事例は[望ましい結果]を示すものである必要があります。」

例えば、データ可視化について執筆している際、コンテンツでチャートを効果的に活用している企業の事例が必要でした。AIにこれらのパラメータを与えると、AIはHubSpotのマーケティングの現状レポートを見るよう提案しました。これは、まさに複雑なデータを誰にでも理解しやすくするという私の主張を示す好例になりました。

しかし、AIの提案をそのまま受け取ってはいけません。より深く調査するための出発点として活用しましょう。私がAIの提示した事例を扱うときは、必ず以下を行います。
 ・事実関係を自分でもう一度確認する
 ・背景や前提などの追加文脈を集める
 ・代替となる事例と比較検討する
 ・それが本当に自分の主張に合致するかどうかを評価する

Chris Shirlowは、次のようにバランスの取れたAI活用の重要性を語っています。

Chris Shirlowさんのコメント
「重要なのは、まずは自分自身のアイデアやリサーチを出発点にすることです。そして、そのコンセプトを広げたり新しい視点を見つけたりするためにAIを使います。決してAIにコンテンツの方向性を決めさせてはいけません。

6. AIを使ってコンテンツ資産を作成する

チェックリストや計算ツール、インフォグラフィックなどのコンテンツは、記事を「読むもの」から「役立つツール」へと変えてくれます。

うまく活用すれば、複雑な概念を整理して理解を助けたり、学習をサポートしたり、意思決定の道しるべとなったりします。

かつては、これらのリソースを作るにはデザイナーや開発者が必要でした。

しかし今では、AIを使えばこうしたスキルがなくても作成可能です。

ビジュアル要素を取り入れる

読者の多くは文章をすべて丁寧に読むわけではありません。

ざっと流し読みしたり、拾い読みをしたりしながら、アイデアを導くための視覚的な手がかりを探します。

MITの研究によると、人間の脳はわずか13ミリ秒で画像を処理できるとのことです。これはテキスト処理の最大600倍の速さに相当します。

スピード – 画像 vs テキスト

以前は、プロレベルのグラフィックを作成するには次のような手間がかかりました。

  • デザインソフトを使いこなす
  • デザインの基本原則を理解する
  • 各ビジュアルに何時間も費やす
  • 高額なデザイナーを雇う

しかし、今ではその必要はありません。

AIを活用すれば、魅力的なビジュアルを数秒で作成できます。

たとえば、当社の「マーケティングの 4P」の記事では、シニアライターの Yongi Barnard が、パーソナライゼーションが重要な理由を図解で説明しています。

パーソナライゼーションが重要な理由

ビジュアルは、一目で説得力のあるストーリーを伝えます。

これを再現するには、まずデータを準備しましょう。

次に、AIに対して条件(パラメータ)を指示します。

次の 3 つのパーソナライゼーション統計を示すグラフィックのデザイン設計を手伝ってください。
 1.消費者の80%は、ブランドがパーソナライズされた体験を提供すれば購入意欲が高まる
 2.マーケターの48.2%は、パーソナライゼーションがクリック率を最も改善すると答えている
 3.顧客の66%は、企業に自分のニーズを理解してもらうことを期待している

以下の条件を取り入れてください
 ・シンプルでミニマルなデザイン
 ・割合を表すプログレスサークル
 ・コントラストのために暗い背景に明るいテキストを配置
 ・各統計の下に短く明確な説明
 ・出典を記載するためのスペースを確保

あとは、最後の仕上げの微調整(色、余白など)を行うだけです。

プロのヒント:データ可視化だけを考えるのではなくAIを活用して次のようなものも作成しましょう。
 ・プロセス図
 ・比較チャート
 ・タイムライングラフィック
 ・コンセプト図解
 ・機能の分解図

シニアエディターのChris Hannaは、このように述べています。

Chris Hannaさんのコメント
「今の優れたライターは、プロデューサーのように考えます。『この概念をどうすれば視覚的に伝えられるか?』『言葉で説明するのではなく、どう見せられるか?』と自問するのです。
AIは、デザインの専門家にならなくてもそれを可能にしてくれます。」

実用的なチェックリストを作成する

手順をチェックリスト化すると、コンテンツの実用性が高まります。

ただし、効果的なチェックリストは単なる箇条書きでは不十分です。必要なのは次の要素です。

  • 複雑なプロセスを分解する
  • 手順を最適な順序に並べる
  • チェック項目に検証を含める
  • 参考リンクを追加する
  • ユーザーごとの利用シナリオを考慮する

ここで AI が役立ちます。

重要なのは、下書きを書いた後に AI に指示を出すことです。

こうすることで、大規模言語モデル(LLM)はコンテンツ全体のコンテキストを理解し、より詳細で関連性の高いチェックリストを作成できます。

たとえば、当社のシニアエディター Shannon Willoby は、ブログの始め方に関する記事を書くために 12 か月分のチェックリストを作成しました。

Backlinko – ブログ開設チェックリスト

彼女はAIに記事の内容に基づいたチェックリストを作成させました。とてもシンプルですが効果的です。

以下は、そのまま使えるテンプレートです。

私は[トピック]に関する記事を書きました。これをもとに、以下の点を含む包括的なチェックリストを作成してください。
 ・各主要ステップを分解すること
 ・重要な判断ポイントを盛り込むこと
 ・必要となるリソースを明記すること
 ・陥りがちな失敗例を明示すること
 ・進捗を確認する方法を提案すること

インタラクティブツールを構築する

計算機や分析ツール、意思決定ツリーのようなインタラクティブな仕組みは、記事を「知識の共有」から読者がすぐに活用できる「実用的なソリューション」へと変えてくれます。

しかもこれは、どの業界でも応用可能です。

たとえば「生産性」をテーマに記事を書くなら、読者がプロジェクトの作業量を調整できる「作業容量チェッカー」を提供するのも一案です。

クロード – ワークロードキャパシティアナライザー

もしあなたがウェルネス分野のライターであれば、読者が健康的な生活習慣を身につけられるように「習慣積み上げプランナー」を開発することも考えられます。

クロード – 習慣スタッキングプランナー

また、ガーデニングの専門家であれば、季節ごとの植え付け時期を計算できるツールを提供するのも良いでしょう。

クロード – 季節ごとの植え付け計算機

私は「EC成長戦略」に関する記事で、AIを活用してインタラクティブな利益計算ツールを作成しました。

Backlinko – 収益性計算ツール

数式を並べて解説するのではなく、読者がシナリオを操作して、売上原価(COGS)や送料、マーケティング費用といった要素が利益にどう影響するかを体感できるようにしました。

その最大のメリットは?

これらのAI設計ツールは、Calculator Studio のようなノーコードプラットフォームを使って実現できます。手順は以下のとおりです。

  1. コンテンツにおける計算ニーズを特定する
  2. AIに計算ロジックと数式の構築を依頼する
  3. ユーザーインターフェースを設計する(モックアップもAIで作成可能)
  4. お好みのノーコードツールで構築する

たとえば利益計算ツールを作成した際、私は AI に次のように指示しました。

EC事業者が自社の収益性を把握できるような計算ツールを作りたいと考えています。以下の機能を含めてください。
 ・売上原価(COGS)、配送費用、マーケティング費用といった主要な指標を入力できること
 ・粗利益率と純利益率を計算できること
 ・損益分岐点の分析を表示できること

まずはシンプルに始めましょう。

ひとつの問題を的確に解決できる基本的な計算ツールのほうが、ユーザーを混乱させる複雑なツールよりも優れています。

7. AIを使って下書きを編集する

編集は、「良いコンテンツ」と「卓越したコンテンツ」を分ける工程です。

しかし、以下のように、質の高い編集はコストや時間の面で負担が大きくなりがちです。

  • 編集者に時間単位で依頼すると費用がかかる
  • フリーランスの場合は請求できる作業時間が減る
  • 長いレビュー工程を待たなければならない
  • 自分で編集すると見落としが起きやすい

AIは、この状況を変えます。

編集者が下書きを確認する前に、迅速で偏りのないフィードバックを得たり、異なるバージョンを試したりすることができます。

では、効果的に実践する方法をご紹介しましょう。

まず戦略的な観点を取り入れる

すぐに細部の編集、たとえば文法チェックや表現のブラッシュアップに取りかかりたくなるかもしれません。

ですが、まずは全体像から見ることが大切です。

ここでは、Chris HannaがAIを使って戦略的な編集を行う方法をご紹介します。

Chris Hannaさんのコメント
「まず、草稿、アウトライン、そして概要をClaudeに渡します。そしてこう尋ねます。『何が足りないか? 論点を強化できる部分はどこか? どの部分により多くの根拠が必要か?』」

AIは次のように役立ちます。

  • あなたの記事を成功例と比較する
  • 繰り返しや抜けている部分を指摘してくれる
  • 構成全体の改善点を提案してくれる

こうした方法を取れば、修正作業の時間を大幅に減らせます。削ったり書き直したりする段落へのブラッシュアップに時間をかけるのは無駄ですよね。

簡易的な品質チェックを行う

記事の構成が固まったら、体系的な品質チェックを作成してください。

あなたのコンテンツが主要なエンゲージメント指標を満たしているかを確認することが狙いです。

Backlinkoでは、読みやすさを測る3つの指標をチェックしています。

  1. 単文段落の割合:1文のみで構成されている段落の割合。
  2. 視覚的要素の密度:1,000語あたりに含まれる視覚的要素(画像や図解など)の数。密度が高いほど、読みやすさが向上する。
  3. 学年レベル:誰でも理解しやすいように、中学1年生程度(Grade 7)以下のレベルを目安にしている。
クロード – コンテンツ品質チェッカー

AIはこれらを瞬時に計算し、具体的な修正方法を提案してくれます。方法は次のとおりです。

  1. 目標とする指標をAIと共有する
  2. 記事の一部を貼り付ける
  3. 分析と具体的な修正の両方を依頼する

数値的な指標だけでなく、AIを使って次のような点もチェックしましょう。

  • 冗長なアイデアや表現
  • 受動態の多用
  • 文や段落間のつながりの適切さ
  • ブランドのトーンやメッセージの一貫性
  • 技術的な正確性

重要な要素をテストする

コンテンツの中には、とりわけ重要な部分があります。

見出しは、クリックされるかどうかを決定します。

導入部分は、読者が読み進めるかどうかを決めます。

行動喚起(CTA)は、最終的にコンバージョンにつながるかどうかを左右します。

これらの要素は、特に注意を払う価値があります。

たとえば見出しなら、まず3~5個の候補をリストアップします。

そして、執筆しているトピックをGoogleで検索し、検索結果をスクリーンショットで残します。

Google SERP – AIを活用してより良い文章を書く方法

スクリーンショットをClaudeにアップロードし、自分のタイトル案が上位記事とどう比較されるかを尋ねます。

するとClaudeは、当社のタイトル方針、ベストプラクティス、差別化のポイントを踏まえて提案してくれます。

シニアライターのYongiは、導入文に似たような手法を使っています。

Yongiさんのコメント
「3つの異なる導入文を書き、その中でどれが一番効果的に読者を引き込めるかをAIに尋ねます。その後、『なぜそうなのか』をAIと議論し、好奇心を刺激できているか、テーマとの関連性があるか、感情的な共鳴を生み出せているかといった観点で検証します。」

次のような点もテストできます。

  • セクション間のつながり
  • 事例
  • 根拠の配置
  • 技術的な説明
  • 結論部分の主張

AIと人間の編集バランス

AIを使えば編集はスピードアップしますが、人間の判断は依然として不可欠です。

そのための実践方法は次のとおりです。

  1. 幅広い分析と迅速な修正のためにAIを活用する
  2. AIの提案に対して自分の判断を適用する
  3. 見出しや導入文など重要な要素は複数のパターンを試す
  4. 技術的な正確性は自分で確認する
  5. 自分らしい文体や視点を維持する

Chris Shirlowも、このAIと人間の役割分担を支持しています。

Chris Shirlowさんのコメント
「AIは潜在的な問題をより早く特定するのに役立ちます。しかし、実際に読者にとって役立つ変更かどうかを判断するには、依然として人間の専門知識が必要です。」

「頑張る」よりも「賢く」書き始めよう

今週取り組む予定の執筆プロジェクトを1つ選んでみましょう。

紹介した実践法の中から、1つだけ試してみてください。たとえば、読者のリサーチやアウトライン作成を手伝わせるなどです。

成果を感じ始めるのに必要なのは、それだけです。

これらの方法を実践する準備はできましたか?ぜひブログ投稿の書き方ガイドをご覧ください。

AIを使ったテクニックと実証済みのライティング原則を組み合わせ、検索で上位表示され、コンバージョンにつながるコンテンツを作成する方法がわかります。

BacklinkoはSemrushの所有です。私たちは、実践的な経験に裏打ちされた世界クラスのSEOインサイトをお届けすることに尽力しています。特に記載がない限り、このコンテンツはSemrush Inc.の従業員または有償契約者によって執筆されています。

SEOJapan編集部より:
AIを活用してコンテンツを制作する際は、効率化だけでなくよりよいコンテンツ制作のための壁打ち相手として活用することが大切です。
成果を左右するのは、AIが抽出した提案や示唆を、編集者が判断・検証し、他にはない独自の視点を加えられるかどうかです。
「効率化だけでなく差別化」したコンテンツをAIを活用して制作するという姿勢が、これから一層求められてくるでしょう。

seojapan

TikTok Shopの出店・運営効率化に関心がある方必見。成功事例から運用ノウハウを学べるECオンラインセミナー【9/16開催】

2ヶ月 3 週間 ago

これからは9月16日(火)、EC通販事業者向けに「TikTok Shop 先行企業の事例解説会」をオンラインで開催する。

▼「TikTok Shop 先行企業の事例解説会」(9/16開催)

これから TikTok Shop セミナー ハックルベリー ウェビナー

「TikTok Shop」にすでに参入している先行企業の実例をもとに、同企業が「TikTok Shop」をどのように開設し、運営しているかを解説。「TikTok Shop」運用の成功につながるヒントを学べるセミナーとなる。掘り下げるトピックスは次の通り。

  • 「TikTok Shop」を開設したばかりのブランドの裏側
  • 「TikTok Shop」運営で陥りやすい落とし穴と回避策
  • 運営を支える「TikTok Shop」とECカート/基幹システムの連携術

講師は、これからの志岐大地氏(マーケティング統括)と、ハックルベリー代表取締役の安藤祐輔氏。セミナーでは、事業者の悩みにその場で答えるQ&Aも実施する。

株式会社これから マーケティング統括 志岐大地氏
株式会社これから マーケティング統括 志岐大地氏
2015年、株式会社これからに入社。入社後はクライアントのEC事業支援に携わり、延べ300社以上のプロジェクトに従事。スタートアップから年商数十億規模までのECマーケティング領域を担い売上増加に寄与。社内でもWEB広告運用部門をはじめとするさまざまな新規事業、部門の立ち上げを務め、現在は自社のマーケティングおよびインサイドセールス部門を管掌。
株式会社ハックルベリー 代表取締役 安藤祐輔氏
株式会社ハックルベリー 代表取締役 安藤祐輔氏
2012年(株)Socketを創業、スマホ向け販促プラットフォーム「Flipdesk」をリリース。 数百社へ利用されるサービスとなりその後KDDIグループへM&A。 KDDIグループ会社社長として従事後2017年退任。
現在はShopifyアプリ開発のリーディングカンパニーである、(株)ハックルベリーの代表を務める。 ECキャリアが長く、EC戦略立案・構築・運営の実績と深い知見を持つ。
著書:Shopify運用大全

こんな方にオススメ

  • これから「TikTok Shop」に挑戦したいと考えている人
  • 「TikTok Shop」をすでに始めたが、伸び悩んでいると感じている人
  • 「TikTok Shop」の最新の事例をいち早くキャッチアップしたい人

イベントプログラム

第1部|株式会社これから(13:00-13:20)

ゼロから始めるTikTok Shop運営法~先行事例に見る“立ち上げ成功”のポイント~

第2部|株式会社ハックルベリー(13:20-13:40)

リアル事例から学ぶ!いま知るべきTikTok Shop運用の極意

第3部|2社対談(13:40-14:00)

事業者のお悩みに直撃!2社によるQ&Aセッション

開催概要

  • イベント名:TikTok Shop 先行企業の事例解説会
  • 日時:9月16日(火)13:00~14:00(19:30~懇親会)
  • 実施形式:オンライン配信(ZOOM)
  • 参加費:無料
  • 主催:これから
  • 詳細と申し込みhttps://corekara.co.jp/seminar/20250916seminar/

※関心のあるパートのみ、視聴も可能(途中入室/退出可)

高野 真維

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割

2ヶ月 3 週間 ago

コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルスは9月9日、「LINE公式アカウント」を友だち追加している男女655人を対象に実施した「消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025」の結果を発表した。

それによると、60代以上のLINEの利用率が過去5年で10%増加し約7割に達した。また、20代ではチャットによる問い合わせやID連携を活用した手続き利用が進んでおり、LINEは「情報を受け取る」だけでなく「操作を完結できるツール」としての側面が高まっている。

普段利用しているSNS

最も利用されているSNSは「LINE」(67.9%)で、「X」(45.1%)、「Instagram」(40.7%)、「TikTok」(22.3%)が続いた。「LINE」は特に60代以上での利用が進んでおり、2020年から5年間で57.9%から69.0%へと約10ポイント増加。アクティブシニア層での利用が拡大している。

20・30代では「LINE」の利用率がやや低下傾向にある一方で、「X」「Instagram」、特に「TikTok」の利用が大きく伸びた。2020年と比較すると、20代では「TikTok」が16.9%から37.6%へ、30代では9.3%から27.3%へと拡大し、若年層を中心に急速に広がっている。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最も利用されているSNSは「LINE」で67.9%

友だち追加をしているLINE公式アカウントの業種

最多はショッピング(58.6%)、次いで飲食(50.5%)だった。ショッピングについて年代別に見ると、20代では43.3%と全体平均より低い。一方で、30代から60代以上ではいずれも6割前後に達しており、特に中高年層での利用が目立つ。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最多はショッピングで58.6%

LINE公式アカウントを友だち追加した後の行動

最多は「クーポンやキャンペーン情報を利用」(52.4%)。続いて「メッセージを読んだ」で、60代以上が56.1%と最も高い。20代(44.4%)、30代(42.0%)、40代(42.0%)は全体平均を下回り、年代によって利用傾向に差が見られた。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最多は「クーポンやキャンペーン情報を利用」が52.4%

LINEによる問い合わせ

「チャット(テキスト)でオペレーターに質問や問い合わせをした」は、20代で24.8%、30代で21.4%だった。「チャットボット(自動応答)に質問や問い合わせをした」では、20代で25.6%、30代で26.0%と4人に1人以上が活用しており、「ID連携をして会員情報の変更など本人確認を伴う手続きをした」は20代で21.8%、30代で26.7%だった。

若年層は、クーポン取得やメッセージ閲覧といった使い方だけではなく、問い合わせ手続きといった能動的な活用も積極的であることがわかった。

LINE公式アカウント上でオペレーター(有人チャット)やチャットボットに質問や問い合わせをした経験のある回答者に対して、便利かどうかを聞いたところ、有人チャットでは95%が「便利」と回答。チャットボットに関しても94%が「便利」と答えた。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
9割が有人チャット・チャットボットを便利と回答

「LINE公式アカウント」上で、チャットを通じて質問や相談ができたら利用したいか聞いたところ、57%が利用したいと回答。年代別で見ると、20代は75.2%、30代は70.2%と特に高く、若年層を中心にLINE公式アカウント上での問い合わせニーズが高い。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
約6割がLINE上でチャットや相談・質問をしたいと回答

LINE公式アカウントのブロック経験

ブロック経験者の割合は70%。年代別に見ると、最多は20代で85.0%、30代は74.8%と若年層で高い傾向がある。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントのブロック経験ありが7割

ブロックした理由は、「情報配信の頻度が多すぎるから」(26.5%)が最多、次いで「アカウント整理のため」(25.2%)だった。 年代別傾向では、60代以上は「情報配信の頻度が多すぎるから」が30.9%と最も高く、高齢層ほど「適切な配信頻度」への期待が大きい。20代では「問い合わせできないから」(8.0%)、40代では「キャンペーンやLINEスタンプ配信期間が終了したから」(20.7%)、50代では「有益な情報は来ないから」(23.3%)といった理由があがっている。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
ブロックした理由は「情報配信の頻度が多すぎるから」が最多

ブロックせずに使い続けたいと思う条件を聞いたところ、6割以上が「ある」と回答。調査結果を分析するとポイントは主に3つで、「継続的なクーポン配布やキャンペーン」「情報配信の適切さ」「実用性・利便性」だった。モビルスは「LINE公式アカウントに求められていることは、一方的な情報発信ではなく、自分にとって価値のある情報が、ちょうどよいタイミングと頻度で届くことだと考えられる」とした。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントをブロックせずに使い続けたいと思う条件

直近1年間で友だち追加したLINE公式アカウントの業種

最多はショッピング(36.2%)、次いで飲食(33.0%)、サービス(32.3%)だった。20代が他の年代よりも多く追加していたのはサービス(32.3%)、職業紹介(23.3%)、インフラサービス(18.8%)。20代は利便性や情報収集手段としてLINE公式アカウントを積極的に活用している。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
直近1年間で友だち追加したLINE公式アカウントの業種はショッピングが最多

LINE公式アカウントを友だち追加した目的

「LINEスタンプ・クーポンが欲しかったから」が最多で約5割(49.8%)。特に40代では60.0%と他の年代に比べて高い。一方、20代では、「商品やサービスについてオペレーターにチャットで質問するため」が19.3%、「商品やサービスについてLINEでの電話をするため」が19.3%と、全体平均(11.2%、11.8%)を上回った。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントを友だち追加した目的は、「LINEスタンプ・クーポンが欲しかったから」が最多

企業やお店などとのコミュニケーション手段として、LINE公式アカウントは便利だと思うか聞いたところ、8割(80.2%)が「便利」と回答。年代別では20代(83.5%)、30代(82.4%)、60代以上(80.3%)と、8割以上に達した。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
8割がLINE公式アカウントは便利と回答

調査概要

  • 調査名:消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2025年6月5~11日
  • 調査対象:全国の20~60歳以上の男女655人
  • 調査方法:Fastask(ジャストシステム提供)でインターネットアンケート調査を実施
  • 有効回答数:655サンプル
  • 調査企画:CX-Branding Tech. Lab(モビルス)
鳥栖 剛

ファッションのシップスがECサイトのCVRを大幅アップさせたレビュー施策とは

2ヶ月 3 週間 ago

シップスは公式ECサイト「SHIPSオンラインストア」で、レビュー施策により効率的なレビュー獲得を通じたコンテンツ強化、サイト全体のCVRの大幅改善につなげている。ReviCoが提供するレビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」の導入で実現した。

シップスでは「ReviCo」導入以前、ECサイトにレビューの機能を設置していない。そのため次のような課題を抱えていた。

  • 購入者のリアルな評価や感想を得ることができていなかった
  • EC購入者のみではなく、実店舗の購入者からもレビューを集めたかった
  • 事業者目線ではなく、第三者目線のコンテンツで商品の魅力を伝えたかった
  • 商品詳細ページに、レビューの星評価と件数を表示することで、CVRを高めたかった
  • 質の高いレビューを集めることで、購入検討者の不安解消につながった
  • 収集したレビューを起点に、商品開発や、サイト改善、実店舗の接客改善に活かしたかった
  • Googleショッピングの広告枠にレビューの星評価を表示したかった

こうした課題の解決に向けて、UI/UXの改善と、更なるサイト売上向上の実現に向けたソリューションとして「ReviCo」を採用した。

2025年5月から「ReviCo」の利用を開始し、収集したレビューのサイズ感の回答データをチャート形式で分かりやすく表示。レビュー投稿時に「靴のサイズ」など「SHIPS」独自のアンケートを実施することで、自身に近い属性のレビュアーの声を参考にできるようにした。

6〜7月の前年同期間と比較してサイト全体のCVRは106%アップ。ディスカウント施策を減らしたにも関わらず、レビューが牽引しCVRが改善したという。また、レビューを閲覧したユーザーのCVRが非閲覧ユーザーと比較して328%アップした。

「ReviCo」管理画面でレビューを仕分けするために、「商品」や「サイト改善」などのラベルを付与し、レビューの二次活用を推進。Googleショッピングの広告枠にレビューの星評価を連携したほか、全体レビュー投稿数のうち「ReviCo」が運用するレビュー投稿キャンペーンの応募率が61.5%を超えた。

ファッションのシップスがECサイトのCVRを大幅アップさせたレビュー施策とは
商品詳細ページのレビュー活用

レビューを今まで導入していなかった理由の1つに、お客さまにレビューを書いていただけるかという不安があった。「ReviCo」を導入した一番の決め手は、お客さまの投稿のしやすさ、独自のプレゼント企画などによるレビュー投稿率の高さだった。導入後の投稿率は高く、EC・店舗両方の購入に対してレビューを投稿できるようにしたこともあり、導入初期から多くの投稿がある。また、サイト全体のCVRは「ReviCo」導入以降前年同期間と比較して106%改善、レビューがさらに増えてくると、今まで以上の縦売れも期待できると考えている。購入の最後の一押しとなるレビューは、カスタマージャーニーのなかで重要なポイントになっていると実感している。(シップス DX部 デジタルマーケティング課 茅野充宏課長)

鳥栖 剛

ライブコマースは“リアル感”がキモ! 購入率2.7倍を実現した動画配信の秘訣をオンライン酒屋「クランド」に聞く

2ヶ月 3 週間 ago
オンライン酒屋「クランド」のライブコマースが好調だ。開始から12日間で購入率が従来比270%に伸びた理由や、配信で意識しているポイントなどを取材した

約500種類の自社開発したアルコール飲料などを販売するオンライン酒屋「クランド(KURAND)」。両手をついて謝る柴犬のイラストをパッケージに描いた「おわびーる」やチョコミントのリキュール「夜9時のチョコミント」など、独自性のある商品で若年層を中心に人気を集める。2025年5月に開始したライブコマースも好調で、開始から12日間で購入率が従来比270%に向上した。クランドの広報 遠山彩華氏、銭田桃歌氏、ライブコマースツール「Tig」を提供するパロニムの代表取締役 小林道生氏、カスタマーサクセスチーム リーダー 坂本晃基氏に「ライブコマース市場の盛り上がり」や「効果的な動画配信の秘訣」を聞いた。

日本のライブコマースは「第3世代」に突入、その特長は?

中国で火が着き、世界的に広がった「ライブコマース」。中国では、ライブコマースの市場規模が2018年から5年で30倍以上に成長、中国のEコマース分野の研究・コンサルティング機関「网经社」によると、2023年の流通総額は4兆5657億元(約94兆円)にのぼると予測されている(参考:网经社:《2023年(上)中国网络零售市场数据报告》

小林氏の見解では、日本では「Instagramライブ」が実装された2017年頃に第1世代が到来、その後、第2世代を経てコロナ禍に第3世代が始まったとのこと。「日本でライブコマースは流行らない」とも言われるが、「日本のライブコマースは中国とは異なるスタイルで独自に発展している」と小林氏は説明する。

中国のライブコマースは、「KOL(キー・オピニオン・リーダー)」が出演し、そのネームバリューを生かして集客します。商品やサービスへの信頼を「KOL」によって担保し、かつ「配信中だけの特典」として大幅割引を提供し、大量販売につなげます。ライブコマースだけをひたすら放送するプラットフォームもあり、ここにくれば「必ずお得な買い物ができる」として、絶大な人気を得たのです。(小林氏)

パロニムの代表取締役 小林道生氏
パロニムの代表取締役 小林道生氏

日本もそれにならって、インフルエンサーの出演で消費者を引き付け、割引販売をしてみたが、そうしたスタイルは定着しなかった。そのため「ライブコマース」という手法自体が日本市場にマッチしないと言われるようになったという。

現状、国内で主流と言われているのは、中国のようにリアルタイムで大量販売するのではなく、作り手の思いや開発ストーリーを丁寧に伝え、視聴者の質問やコメントを拾いながら相互にコミュニケーションをする配信スタイルです。瞬間的な売上増よりも、ブランディングやエンゲージメントの向上、コミュニティ形成を目的に、ライブコマースを活用する企業が増えています。(小林氏)

一部のSNSでは「購買」につながりにくい。クランドがライブコマースを導入した背景

クランドは、酒屋の息子として育った荻原恭朗氏が2013年に創業、2018年にオンライン酒屋「クランド」を開始した。自社開発のアルコール飲料を中心に、ノンアルコール飲料、おつまみ、グラスなど幅広い商品を展開する。

経済産業省が発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば、「食品、飲料、酒類」のEC化率は4.29%と低い。そこで、ECにおけるアルコール製品購入のハードルを下げる目的で、独自の付加価値を付与する戦略を取っている。

オンライン酒屋「クランド」 ネーミングや商品コンセプトに独自性が光る パロニム
ネーミングや商品コンセプトに独自性が光る(画像提供:クランド)
オンライン酒屋「クランド」 パッケージにボトルを収めると、猫の毛色のように見える仕様だ パロニム
パッケージにボトルを収めると、猫の毛色のように見える仕様だ(画像提供:クランド)

ネーミングや商品コンセプト、パッケージに趣向を凝らすほか、お酒をランダムに詰め合わせたセット商品「酒ガチャ」も販売。「アレルギーや苦手なものは避けられる」「過去に届いた商品は届かない」「個別で買うよりもお得」「高額商品が入った当たりが存在」など、“ワクワクする購入体験”により購買意欲をかき立てることで、好評を得ているという。

集客はほぼSNSで、Xは30.4万人、Instagramは9.6万人、Facebookは1.4万人のフォロワーを持つ。商品のアレンジなどを親近感のあるテイストで紹介し、ユーザーの投稿をリポストしたり返信したり、積極的にコミュニケーションを取ることでフォロワーを獲得してきた。時代の変化に合わせて2023年にはショート動画の配信を始めたが、狙った結果にはつながらなかったという。

クランドの銭田桃歌氏
「規制がネックになり、SNSのショート動画は購入につながりにくい」と銭田氏

動画では、色合いや香り、ユニークなパッケージなど、テキストと写真では伝わりきらない商品の魅力を伝えることに注力しています。多く視聴された動画もあるのですが、購買につながりにくい実態がありました。というのも、アルコール飲料はSNSにおける販売規制が厳しく、Instagramではアパレルのように商品のタグ付け(ECサイトへのリンクを貼ること)ができません。TikTokではアルコール飲料の販売自体が禁止されています。(銭田氏)

動画を視聴した消費者が商品に興味を持っても、一旦プロフィールに遷移してからECサイトのURLをクリック、さらに該当商品のページを探すといった二重三重の手間が発生するためCVにつながりにくいのではないかと考えた。そこで、ライブコマースの視聴から購買まで、シームレスな体験を提供するライブコマースツール「Tig(ティグ)」に着目したという。

インスタのリール動画を再利用して、購入率が「270%」に向上

InstagramやTikTokのショッピング機能が「SNS型ライブコマース」と呼ばれるのに対し、「Tig」のように自社ECサイトやWebサイトにライブコマース機能を組み込めるものは「SaaS型ライブコマース」と呼ばれる。そして、SaaS型のなかでもTigの強みとなるのが、「シームレスな購入体験」と「作業の自動化」だという。

オンライン酒屋「クランド」 パロニム ライブコマース 配信中に画面をタップして「購入」を押すと、画面を切り替えずに商品をカートに追加できる
配信中に画面をタップして「購入」を押すと、画面を切り替えずに商品をカートに追加できる
(画像提供:クランド)

「Tig」は、配信中に画面上の商品に触れて「購入」を押すと、画面が切り替わることなく商品をカートに入れることができます。視聴体験を遮断せず購入につなげられるのは、大きな特長です。(小林氏)

オンライン酒屋「クランド」 パロニム ライブコマース ライブコマースの配信後は、該当商品ページの左下に動画が自動的に配置される
ライブコマースの配信後は、該当商品ページの左下に動画が自動的に配置される(画像提供:クランド)

配信前・配信中・配信後の作業も自動化しています。あらかじめECサイトで販売されている全商品の情報を自動で取得しているため、商品の事前登録が不要です。商品のJANコードやQRなどを読み取るだけで、配信画面に該当商品を表示できます。

また、配信後は、配信した動画をECサイト内の該当商品ページに自動で配置します。動画を再利用することでCV向上につながるためです。もし、複数商品を一度に紹介した場合は、該当商品が登場したシーンから自動的に頭出しされます。ユーザーの手間を極力なくして、離脱が起きにくいようにしています。(小林氏)

Tigでは、接客型のライブ配信に特化した「Tig LIVE」や埋め込み型ショート動画に特化した「Tig Short」など複数サービスを展開している。クランドでは、「Tig Short」を活用して、まずはInstagramで配信した15~30秒ほどのリール動画をECサイト内で再利用することに。

10本の動画をツールに取り込み、2025年5月に該当商品ページに設置したところ、設置後12日間の購入率が従来比270%に向上した。作業時間は1本あたり3分で、合計30分間で終了したそうだ。

高速でPDCAを回すため、まずは撮影済みの動画を再利用しました。短期間で購入率が向上したのは、テキストと写真だけでは伝わりきらない商品のテクスチャや味わい、遊び心のあるパッケージなど、「購入を後押しする」ような情報を補足できたためだと分析しています。(銭田氏)

他社と比較しても、クランドさんは非常に短期間で成果につなげています。シリーズものの商品では、複数商品をまとめて紹介することもあり、そのうち1つの動画を見た人が別の商品も購入するといった「買い回り」の行動も起きています。動画の完全視聴率も高く、開始当初は視聴者の約60%が最後まで視聴していました。(坂本氏)

パロニムのカスタマーサクセスチーム リーダー 坂本晃基氏
「これほど短期間で成果につながったのは驚きだった」と坂本氏

動画配信のコツは「口下手でも素で話す」「視聴者と交流する」

想像以上の結果が出たこともあり、現在は「Tig LIVE」も導入し、1時間前後の長時間のライブコマースの配信にも積極的にトライしている。長編では「家飲みを楽しくするクラフト酒」や「新商品のクラフトビールの比較」といった企画が人気で、毎回約20種類を紹介。平日18~20時頃に配信しており、視聴者数はユニークユーザーで100人を超えることもあるという。

オンライン酒屋「クランド」 パロニム ライブコマース リキュールのアレンジを紹介して配信中に試食、感想を伝える場面も
リキュールのアレンジを紹介して配信中に試食、感想を伝える場面も(画像提供:クランド)

初期は、広報の私と商品の開発担当者など2人体制で配信を開始しました。紹介する商品ラインアップは決めているものの台本はありません。お客さまのコメントや質問を拾って、それに答えていくスタイルです。私がお客さまの目線に近い味わいの感想を伝え、原料や製法などに踏み込んだ紹介は開発担当者が行うような役割分担です。配信中や直後よりも、商品ページに設置したアーカイブ動画が購入の決め手になっていますね。(遠山氏)

クランドが配信において重要視しているのは、「双方向のコミュニケーション」と「わかりやすさ」、そして「正直さやリアル感」だという。

SNSと同じく、ライブコマースもお客さまとのコミュニケーションの場だと捉えています。商品を紹介する際、専門的な言葉を使わず、理解しやすい言葉でお伝えすることも大事にしています。たとえば、「精米具合」を「お米の磨き具合」に変換するなど。

加えて「素でしゃべる」ことも大事にしています。日本酒が大好きなメンバーが日本酒への思いを熱く語るなど、あらかじめ用意された文章ではなく、自身の言葉で伝えることで熱量がお客さまに伝わりやすくなるのだろうなと思った。私自身は、ラフな感想を心がけています。専門的なテイスティングコメントや「おいしい」と丁寧に言うよりも、直感的に「うまっ!」と伝えたり(笑)。これはパロニムさんからのアドバイスでした。(遠山氏)

クランドの広報 遠山彩華氏
自分の言葉で伝える“リアル感”を大事にしていると遠山氏

台本をカッチリ作るライブコマースは、あまりウケが良くないんです。特にα・Z世代は「ヤラセ感」を非常に嫌います。「押し売りされている」と感じた瞬間に拒絶反応が出てしまう。「すみません、今日42回噛みました」くらいでいい。

ある大手企業では、「かき氷機」を実演販売した際、最初の10分ほどまったく氷が削れないトラブルがありましたが、結果的に大盛況でした。実は、使っていた商品は店頭に並べていたもので、危なくないように刃を抜き取ってあったんです。こうしたトラブルは、むしろ場を盛り上げる材料になります。(小林氏)

「誰が出演しているか」よりも、「ヤラセ感がないか」が最も重要だと小林氏は強調する。ライブコマースがマッチしやすい領域としては、「専門知識が必要なもの」と「高額商品」をあげた。

過去に最もコンバージョンが高かったのは、「ワイン」でした。自分の好みにピッタリ合った商品を選ぼうと思うと専門的な知識が必要になるけれど、自分で調べるのは手間になる。かといって、店舗に行っても自分がほしい情報に出会えるかわからない。そうした時に、専門知識を持った人が丁寧に解説してくれるライブコマースが理解促進につながり、結果として購入に至るようです

また、数十万円の寝具など高額商品も売れ行きがいい傾向があります。購入するかどうかを熟考するための情報を手軽に入手できるため、タイパの良い買い物体験になるのだと思います。(小林氏)

このようにマッチしやすい領域は一定存在するが、まずは気負いせずに始めてみるのが良いのかもしれない。いずれにせよ、「作り込まない演出」と「視聴者との双方向のコミュニケーション」が共通する成功哲学のようだ。

小林 香織

生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する

2ヶ月 3 週間 ago
生成AI時代にECサイトはどう対応する? ECサイト向けに生成AI検索最適化ソリューションを提供するZETAが解説
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デジタルマーケティングのトレンドは大きく変化しており、特に若い世代がスマートフォンやSNS、そして生成AIを積極的に活用している状況で、これまでのアプローチとは異なる新しいマーケティング施策が必要になってきている。

そんななか、存在感を増しているのがUGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)だ。UGCとは、レビューやSNS投稿など消費者自身が生成するコンテンツであり、マーケティングにおいて高い信頼性をもつ。消費者に良質な体験を提供し、ECサイトに利益を生み出すためのUGC活用法と、「生成AI最適化」を実現するソリューションについて、ZETAの山崎徳之氏が解説する。

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

UGCの重要性とリテールメディアでの活用

ECサイトを運営する企業にとって、以前よりも真摯に消費者に向き合い、本当の意味での顧客体験を高め、消費者が納得したうえで良い買い物をしたと感じてもらうことが重要になってきている。その流れのなかでまず考えるべきは、ファーストパーティデータをどう活用するかという問題である。(山崎氏)

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

ファーストパーティデータとは、購入履歴、閲覧履歴、会員情報、問い合わせ履歴など、企業が直接収集するデータのことだ。サードパーティデータとは異なり、第三者を介することなく自社で直接収集したデータのため、信頼性が高く、プライバシー面でのリスクが低い。このようなファーストパーティデータと同様に、重視すべきなのがUGCだという。山崎氏が定義する4つのUGCは次の通りだ。

レビュー

ECサイトにおけるレビューは、消費者が購入を検討する際に最も重要視する信頼性のある情報源として注目されており、GoogleマップなどECサイト以外のプラットフォームでもレビューの影響力は増している。

Q&A

従来の一方的な評価から双方向のコミュニケーションをもたらすQ&Aは、質問と回答を通じて消費者同士が情報を共有するインタラクティブな形態のUGCであり、単なるFAQとは異なる活発なコンテンツとして注目されている。

ハッシュタグ

たとえばInstagramでは、ユーザーが考えたハッシュタグを付けて投稿することが定着している。最近ではAI技術を活用し、レビューの内容から関連するハッシュタグを自動で抽出し、ECサイトに付加することも可能だ。

検索クエリ

検索クエリもUGCの一種だ。ユーザーがその瞬間に知りたい情報を入力する検索クエリは、消費者のニーズを具体的に反映している。特に最近では、「カンバセーショナルサーチ」と呼ばれる自然言語による検索が増加しており、たとえば「友人の結婚式に適した服を知りたい」といった具体的な検索クエリがUGCとして機能している。

UGCの具体例
UGCの具体例

購買行動に大きな影響を与えているUGC

米国のテクノロジー企業Bazaarvoiceの消費者調査によると、回答者の77%が「UGCを通じて見つけた商品を購入する可能性が高い」と回答し、79%が「UGCは購入の意思決定に大きな影響を与える」と回答している。特に若い世代では、顧客体験のなかにUGCが存在することが当たり前となりつつあるという。

UGCが消費行動に与える影響
UGCが消費行動に与える影響

ECサイトでUGCを活用することは、消費者に良質な体験を提供し、利益を生み出すために重要な手段と言える。

日本のECサイトは現在、商品がメインコンテンツとして掲載され、その商品に口コミが付随する形が一般的である。しかし将来的には構造が逆転し、口コミやレビューなどのUGCがメインになり、そこから商品につながる形式に変化する可能性があると考えている。UGCが商品にまつわる主要な情報源として位置づけられることで、消費者は口コミをもとに商品を選び、購入できる仕組みが主流になるだろう。(山崎氏)

リテールメディア広告とロイヤルティプログラム

UGCを活用し、サイトの収益を高めていく手法として有力なのが「リテールメディア広告」と「ロイヤルティプログラム」だ。

リテールメディア広告

リテールメディア広告とは、小売業者がECサイトやアプリ、店舗を活用してユーザーに広告を配信する仕組みのことだ。これにより、購買行動や関心に合わせた広告を配信し、販売促進を図ることが可能になる

検索クエリを活用したリテールメディア広告の仕組み
検索クエリを活用したリテールメディア広告の仕組み

リテールメディア広告ではECサイト内でユーザーが検索中のコンテキストに沿った内容を提供するため、サードパーティデータを活用した従来のリターゲティング広告に比べて、ユーザーに与える違和感が少ない。ユーザーが購買意欲を持った状態で行う検索に広告が連動する仕組みは、購買プロセスをスムーズに進めると共に、顧客体験を向上させる効果がある。

リテールメディア広告は比較的新しい広告モデルだが急成長を遂げており、今後さらなる市場規模の拡大が期待できる。ECサイト内での検索は、購買意欲が高いユーザーによるものが多く、検索連動型広告が効果を発揮しやすい環境にあるからだ。

ロイヤルティプログラム

ロイヤルティプログラムは特典やインセンティブを提供し、ユーザーにブランドへの愛着を持たせ、長期的な関係性を築くことをめざす。すでに多くのECサイトが積極的にロイヤルティプログラムに取り組んでいる。これは、ロイヤルティがLTV(顧客生涯価値)向上に直結するからだ。

ロイヤルティ向上のための施策としては、割引やクーポンといった特典の提供がある。しかし、ロイヤルティの本質はユーザーと企業の良好な関係である。このため、単なる特典の付与にとどまらず、ユーザー自身に「ブランドやサイトを育てている」という感覚を持ってもらえるような、双方向のやり取りが発生する状態が理想だ。

そこで鍵となるのがUGCだ。ユーザーがレビュー(UGC)を投稿し、共有することでサイトが盛り上がり、ブランドに対する貢献感が生まれる。このような体験が「ファン化」や「ロイヤル化」を促進し、ユーザーとブランドの関係をより深めていく

UGCを活用したロイヤルティプログラム
UGCを活用したロイヤルティプログラム

リテールメディアにおける生成AI活用

生成AI検索が普及している昨今、従来の検索ではなくAIを利用して情報を調べ、その結果からECサイトにアクセスして商品を購入する流れが浸透している。この生成AI検索経由の流入は、現時点では全体の数パーセント程度だが、急速に増加している。特に若い世代ほど生成AI検索を使って商品検索をし、買い物をし始めている

品検索の手段・年代別 出典:「商品検索における生成AI活用の実態調査レポート2025」(いつも)
商品検索の手段・年代別 出典:「商品検索における生成AI活用の実態調査レポート2025」(いつも)https://netshop.impress.co.jp/node/14236

今後、生成AI検索が主要な流入元となる可能性は十分に考えられる。生成AIは広告戦略を考えるうえでも重要な領域になっていくだろう。

従来はSEOがGoogleの検索結果で上位表示をめざすものだった。それと同じように、生成AI検索においても、消費者の問いかけに対して自社のECサイトが適切な回答を提供できるような仕組みが求められる。信頼性の高いコンテンツを生成AIが採用する仕組みを構築することが重要な取り組みと言える。(山崎氏)

生成AI最適化が必要な時代に存在感を増すQ&Aコンテンツ

生成AIは消費者との会話を通じて、適切な回答を提示することを目的としている。たとえば消費者が「来週友人の結婚式に適した服はどこで買えるか」と質問した場合、生成AIは季節や予算、住んでいる地域といった情報をもとに最適なECサイトの商品を提案する。

生成AIは会話のなかで外部検索を行う。そのため、生成AIは事前に質の高いQ&Aを取り込んでおく必要がある。ECサイトで信頼性の高いQ&Aページを作成することで、AIの回答のなかに自社商品が表示される可能性が高くなる

生成AI施策にQ&Aが重要な理由
生成AI施策にQ&Aが重要な理由

信頼性の高いQ&Aページを作るには、ユーザーがサイト内で行っている検索クエリなどの情報を活用し、適切な質問と回答を作成しておく必要がある。質の高いQ&Aを用意することが、結果としてサイトへの訪問者を増やし、収益の向上に影響を与える

良質なQ&Aは、生成AI検索において鍵となる施策の1つと言える。生成AIが信頼性の高い情報を参照することで、消費者からの評価や満足度を高め、サイトへの流入促進にもつながる。(山崎氏)

生成AIからの流入を増やすには

こうした課題に対し、ZETAが提供しているのが「ZETA GEO」である。「ZETA GEO」はZETAがこれまで培ってきた技術を結集させた製品である。生成AIの回答結果に自社の情報を表示されやすくなるよう設計されており、自社サイトへの流入を促進することを目的としている

20年以上の実績を持つEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、約1500万件のレビューと150万件のQ&Aを管理してきたレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、レビューなどから関連性の高いハッシュタグを自動生成できるハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」という3つの製品を連携させて生成AI検索最適化サービス「ZETA GEO」が誕生した。

「ZETA GEO」の概要
「ZETA GEO」の概要

具体的には、「ZETA SEARCH」でキーワードを抽出し、そのキーワードに対するQ&Aごとのランディングページを自動生成し、そこに内容に関連した商品を掲載する。さらに注目度の高いキーワードについては、ハッシュタグを生成して埋め込むことで、生成AIに学習されやすい仕組みとなっている。

「ZETA VOICE」では、レビューに「参考になった」と評価された実績を付加できるため、生成AIが信頼性を認識しやすいのも特長である。すでに生成AI検索において有益な結果が多数表示されるようになっているという。

ZETAのソリューションがもたらすもの

ZETAのソリューションは、さまざまなジャンルのECサイトに導入されており、すでに実績をあげている。たとえばあるファッションECサイトでは、「ZETA VOICE」導入後1か月で質問数が1652件、回答数が7964件に達した

また、スマートフォンアプリにQ&A機能を実装したところ、導入から3か月でQ&Aの回答数が3万7000件超という速いペースで蓄積された。レビューやQ&Aの活用が、ユーザーからの信頼を獲得し、購買行動を促進する上で非常に有効であることを示している。

「ZETA VOICE」の導入事例
「ZETA VOICE」の導入事例

また、ハッシュタグを生成できる「ZETA HASHTAG」も採用率が高いソリューションだという。

ECサイトにハッシュタグを設置するとECサイトのメディア感が高まる。単に買い物をする場所というだけでなく、Instagramを触っていて楽しいと感じるような、ワクワク感をハッシュタグで創出できる。(山崎氏)

実際、あるサイトではハッシュタグを経由したユーザーのCVRは、ハッシュタグを経由していないユーザーの4.7倍、回遊率は3.3倍にもなったという。ハッシュタグはアクティブなユーザーを見分けられるツールでもあるのだ。

「ZETA HASHTAG」の導入事例
「ZETA HASHTAG」の導入事例

「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」「ZETA HASHTAG」を連携することで、生成AIに最適化されたQ&Aやランディングページを自動生成できるようになるのが「ZETA GEO」である。

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小林 義法

ECモール内の競争激化や紅麹問題の影響で新中期経営計画は「未来の成長に向けた土台づくり」。ティーライフの戦略

2ヶ月 3 週間 ago

ティーライフの2025年7月期連結業績は、売上高が前期比11.5%減の115億200万円、営業利益が同17.2%減の4億5600万円、経常利益が同19.7%減の4億5300万円、当期純利益が同12.1%増の3億5800万円だった。

売上高はロジスティクス事業が前期並みの水準を堅持したものの、ウェルネス事業でサプリメント販売が低調に推移、ECモールの競合店増加による競争激化などが響き落ち込んだ。

利益面では、原材料費および配送費などのコスト上昇の影響を受けたほか、ウェルネス事業で海外展開に関する先行投資で減益になった。

2026年7月期の連結予想は、売上高が前期比4.2%増の119億8300万円、営業利益が同16.9%増の5億3300万円、経常利益が同16.9%増の5億2900万円、当期純利益は同0.7%減の3億5600万円。サプリメント市場の成長鈍化とECモールの競争激化に加え、米国関税政策の影響も勘案した保守的な見積で、売上・利益ともに微増を見込む。

2026年7月期を初年度とする3か年の新中期経営計画を策定。2028年7月期に売上高131億7900万円、営業利益8億6500万円をめざす計画を掲げた。ECモール内の競争激化や紅麹問題の影響で新中期経営計画は「未来の成長に向けた土台づくり」と位置付ける。

ECモール内の競争激化や紅麹問題の影響で新中期経営計画は「未来の成長に向けた土台づくり」。ティーライフの戦略
2028年7月期に売上高131億7900万円をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

具体的な取り組みとして、商品戦略はリニューアルした機能性表示食品「ヘルシーボ」をメイン商品として新規開拓を強化。子育て世代を応援する「CHA+OCO」と働く女性に寄り添う「メタボメ茶ハレ」の販売を強化することで、幅広い年齢層のファン獲得をめざす。

ブランディング戦略は、TVCMの放映、地元FM局の人気番組とのタイアップ企画で知名度向上を推進。ギフト戦略は、吸収合併した子会社のリソースを活用して独自性の高いギフト商品を開発していく。

ECモール内の競争激化や紅麹問題の影響で新中期経営計画は「未来の成長に向けた土台づくり」。ティーライフの戦略
機能性表示食品をメイン商品とした新規開拓を強化(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

食事補助の非課税限度額引き上げを! 経済産業省が「税制改正要望」に食事補助制度の見直しを明記

2ヶ月 3 週間 ago

経済産業省は8月29日に公表した「令和8年度税制改正要望」で、食事補助制度における非課税限度額の引き上げを明記した。

食事補助制度は、企業が従業員に食事代を補助する際、一定の条件を満たせばその金額は非課税とする制度。国税庁が示す運用ルールでは、月額3500円までの食事補助であれば非課税扱いとするとされており、これを「食事補助の非課税上限」と呼んでいる。

この非課税の適用を受けるには、「企業からの補助額が月額3500円以下であること」「従業員が食事代の半額以上を自己負担していること」が条件となる。

非課税限度額の月額3500円は1984年の物価水準を基準としたもので、40年以上見直されていない。「足元の物価上昇の状況などを踏まえ、本制度の非課税限度額の引き上げを行う」として税制改正要望に明記した。

食事補助の非課税限度額引き上げを! 経済産業省が「税制改正要望」に食事補助制度の見直しを明記
非課税限度額は40年以上見直されていない(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

今後、年末までに省庁間の折衝と並行して与党の「税制調査会」が審議し、民間企業の声なども踏まえて調整を進める。2026年の制度改正の実現に向けた動きが大きく前進した。

松屋、吉野家、ハイデイ日高などの外食事業者らによる任意団体「食事補助上限枠緩和を促進する会」では、これまでに国会議員へ要望書を提出するなど限度額見直しの要望を行っている。同会が要望している主な内容は「食事補助非課税枠月額3500円を6000円以上まで約70%拡大すること」。 食事補助非課税枠上限拡大のメリットとして、①従業員の実質的な手取り賃金の増加による物価高への対応②ランチの欠食の解消、より健康的な食事の選択、共食の促進など、大人の食育の推進③中小企業の人材課題解消労働生産性改善、非正規雇用労働者の待遇改善④平均ランチ代が引き上がることによる、飲食産業に対する消費拡大――をあげている。

鳥栖 剛

ベルーナの「My Wine Club」、ワイン定期コース通販国内売上高1位を獲得

2ヶ月 3 週間 ago

ベルーナは9月5日、自社展開するワイン専門通販「My Wine Club(マイワインクラブ)」が、東京商工リサーチが2024年4月~2025年3月に実施した「国内ワイン通販市場シェアに関する調査」でワイン定期コース通販国内売上高第1位を獲得したと発表した。

「My Wine Club」の特長

取扱商品数約3000のワインを取り扱う。カタログの発行は年3回でECビジネスも展開。単品販売、コース販売の両方に対応している。

通販カタログ(左)、説明書のイメージ(画像はそれぞれ編集部がベルーナのサイトから追加)
通販カタログ(左)、説明書のイメージ(画像はそれぞれ編集部がベルーナのサイトから追加)

コースの種類は「年12回コース」「1年コース」「定期便・おまかせ便」の3種類。

「定期コース」は、毎月テーマに沿った商品を届ける定期便サービス。東京商工リサーチの調査で1位を獲得した。

「専任ソムリエが厳選」「説明書付き」「契約者だけの割引」「定期便の変更・休み・解約が自由」といった特長を持つ。

このほか、「My Wine Club」全体の特長は次の通り。

世界17か国のワインを現地で買い付けし直輸入

ベルーナのスタッフが直接現地ワイナリーなどと交渉し買い付けているため、通常の仕入れで発生する中間マージンを圧縮できているという。生産者と直取引することで、日本市場では出回りにくい商品も仕入れている。

現地での買付けにより中間マージンのカットにつなげている
現地での買い付けにより中間マージンのカットにつなげている

専属ソムリエが監修・厳選

仕入れたワインは専属ソムリエが1本1本テイスティングする。専属ソムリエとスタッフが厳選したワインを販売しているという。

2つの温度帯と湿度を管理

ワインは自社倉庫で、2つの温度帯と湿度管理によって貯蔵。また、顧客第一主義を掲げ、顧客の声を商品やサービスに生かすように努めている。

期間限定で2つの特別コースを展開

ワイン定期コース通販国内売上高1位の獲得を受け、「My Wine Club」は10月20日までの期間限定で2つの特別コースを提供している。

1つ目は「銘醸地ボルドー上級クラスプレミアムワインセレクション (年12回コース)」。価格は月々1万978円としている。高品質ワインの産地「銘醸地ボルドー」の高級産地、高評価、長期熟成、高格付けワインを厳選したコースとなっている。

「銘醸地ボルドー上級クラスプレミアムワインセレクション」の商品例(画像は編集部がベルーナのサイトから追加)
「銘醸地ボルドー上級クラスプレミアムワインセレクション」の商品例(画像は編集部がベルーナのサイトから追加)

2つ目は「プレミアムスパークリングワイン満喫コース (年12回コース)」。初回は6028円、2回目以降は8228円の価格となる。スパークリングワインの名産地であるフランス、イタリア、スペインのワインのみを厳選したコースとなっている。

「プレミアムスパークリングワイン満喫コース」の商品例(画像は編集部がベルーナのサイトから追加)
「プレミアムスパークリングワイン満喫コース」の商品例(画像は編集部がベルーナのサイトから追加)
大嶋 喜子

白鳩が創業60周年を記念し自社ECでセール。対象商品600点以上、最大68%割引

2ヶ月 3 週間 ago

下着通販の白鳩は2025年10月に創業60周年を迎えることを記念し、9月5日から自社ECサイトで「創業60周年記念イベント」を開始した。期間は11月30日までの約3か月間。

「創業60周年記念イベント」では記念ノベルティの抽選プレゼント、最大68%割引のセール、人気ブランドの記念シリーズの販売といった企画を順次開催する。

60周年記念セール

対象商品は600点以上で、割引率は最大68%。週末にはさらにお得な目玉商品を展開する。同セール第一弾の開催期間は9月16日(火)14:59まで。

第1弾は9月16日まで。セール対象商品は600点以上となっている
第1弾は9月16日まで。セール対象商品は600点以上となっている

60周年記念限定ノベルティ

期間中、税込3000円以上購入した顧客のなかから抽選で1000人にノベルティを進呈する。第1弾の対象期間は9月5日~30日で、ノベルティは「カラビナ付シャイニングオーロラポーチ」。

ノベルティの「カラビナ付シャイニングオーロラポーチ」
ノベルティの「カラビナ付シャイニングオーロラポーチ」
大嶋 喜子

AIを使って優れたコンテンツを書く方法(7つのベストプラクティス)

2ヶ月 4 週間 ago

この記事は、Backlinkoの「How to Use AI for Writing Exceptional Content(7 Best Practices)」を翻訳したものです。ここ最近のGoogleコアアップデートでは、事例やユーザーが生成したコンテンツなど、体験に根ざしたコンテンツが評価されやすい傾向が見られます。

体験コンテンツを効率よく制作する際に、AIはもはや欠かせません。AIを活用することで、インタビュー設計やリサーチの下準備を、短時間で質を保ちながらまとめられます。

以前に翻訳した記事「役に立つコンテンツを作る10の方法 + 事例とチェックリスト」とも通じるところがありますが、AIの提案を鵜呑みにして採用するだけのコンテンツではサイトの資産にならないでしょう。

読者リサーチの進め方や設問づくり、AIを活用した編集方法など、実務で再現しやすい手順が紹介されているので、自社のワークフローを見直すヒントとしてぜひご活用ください。

ライティングのためのAI – 注目の画像

生成AIが発達した現代において、文章を書く人間が、敢えてAIを一切使わない理由は考えにくいですよね。

それはまるで、大工に「ドリルを使うな」と言うようなものです。確かにドリルがなくてもデッキは作れます。でも、わざわざそうする理由はあるでしょうか?

ライターは昔から、自分の技術を磨くために新しいツールを取り入れてきました。

筆記具のタイムライン

AIに限らず、どんな技術でも我々の行動原理は「楽をしたい」という気持ちです。

画期的なツールが開発される度、「全部を自動でやってくれるはずだ」と期待してしまうのです。そして、そこそこの内容でよければ、AIはまさに最適な解決策になります。

でも、本当に優れたコンテンツを作るのは簡単ではありません。どんなツールを使っても同じです。

実際、この記事を書くとき私はAIをたくさん活用しました。

それでも完成までに40時間以上かかったのです。

なぜでしょうか?

それはAIを使ったことで、自分のコンテンツをもっと良くできると気づいたからです。そしてこれは、あなたにも同じように当てはまります。

私はコンテンツチームに、普段どのようにAIを執筆や編集に活用しているのかを聞きました。

シニアライターのYongi Barnardさん、Kate Starrさん、Shreelekha Singhさん、そしてシニアエディターのChris HannaさんとChris Shirlowさんが、それぞれのワークフローや知見を共有してくれました。

本記事ではその内容を随所で紹介していきます。彼らのような優秀なメンバーのおかげで、Backlinkoは月間およそ80万セッションものトラフィックを生み出しているのです。

バックリンク – セッション

ここから紹介するのは、AIがサポートしてくれる7つの普遍的なライティング手法です。

まずは、執筆プロジェクトの計画から見ていきましょう。

1. AIを使って読者を定義する

読者を深く理解していなければ、どれほど優れたアイデアも伝わらずに終わってしまいます。

AIを使えば、読者リサーチがぐっと簡単になります。

何千件もの実際の会話を数分で分析できるため、これまでのように何週間もかけてインタビューやアンケートを行う必要はありません。

オーディエンスリサーチをより速く行う方法

この記事を題材に、私は「人々がAIを使って執筆することをどう感じているのか」を調べてみました。

率直な意見を集めるなら、最適なのはRedditです。

実際に「reddit using ai to write good content」とGoogle検索したところ、数十件ものスレッドが見つかりました。

※SEOJapan補足:「Reddit」
アメリカの巨大掲示板型ソーシャルメディアのこと。ユーザーが投稿したコンテンツに対して投票できる記事、質問、意見交換などのコミュニティサイト

Google SERP – RedditはAIを活用して良質なコンテンツを作成

コミュニティの議論をいくつか集めて、PDF としてエクスポートしました。

RedditからPDFへ

そこで私はClaudeに次のような指示を出しました。

「AIを使って良質なコンテンツを書く」ことをテーマに調査をしています。そこで関連するRedditスレッドを5つ添付しました。これらの会話を分析し、以下の観点で表を作成してください。
 ・Desires(欲求):人々は何を達成したいのか?
 ・Pain points(課題):どんな問題や壁に直面しているのか?
 ・Objections(懸念):どんな不安や抵抗を示しているのか?
それぞれの項目には、ディスカッションからの引用も添えてください。

その結果には本当に驚かされました。

クロード – 目を見張る結果

分析の結果、自分では気づかなかったパターンが見えてきました。

さらに、読者の生の感情や言葉をそのまま捉えた引用も含まれていました。

そのおかげで、私の文章は実際の体験に根ざしたものになったのです。

もちろん、私のやり方をそのまま真似する必要はありません。たとえばシニアライターのKate Starrは、読者リサーチに複数の情報源を活用しています。

Kate Starrさんのコメント
「私はよくAIにいろいろなデータを入力します。たとえば、Googleの『People Also Ask(PAA)』の内容や、クライアントとの会話記録などです。大切なのは、ターゲットとなる読者が自分の課題を語っているリアルな会話を見つけることです。

最近も、コンサルティングコールの記録をもとに詳しいカスタマーペルソナを作成しました。その結果、私たちのコンテンツ戦略全体を組み立てるうえで大きな助けとなりました。」

AIを活用するうえで大切なのは、次の3点です。

  • 膨大な読者データを短時間で処理する
  • 人の目では見逃しがちなパターンを見つける
  • 実際の発言を引用し、得られた洞察をリアルな体験と結びつける

ヒント:興味深いコミュニティの議論をまとめたフォルダを作成しましょう。興味深いスレッドを見つけたら、すぐに保存しましょう。その情報が将来のコンテンツに役立つかもしれません。

※SEO Japan補足:「People Also Ask(PAA)」
「関連する質問」や「他の人はこちらも質問」といった文言で、Googleの検索結果画面上に検索キーワードに関連した質問と回答を表示する機能

2. AIを使って独自の視点を見つける

業界内で人気のコンテンツを参考にして、そのアイデアをアレンジするのは簡単です。実際、それはAIがデフォルトでやっていることでもあります。

では、もっと良い方法は?

他のコンテンツや多くのLLM(大規模言語モデル)が見落としがちな視点を探すことです。そうすることで、文章がより新鮮で読者を惹きつけるものになります。

ここから、その方法を3つのステップで紹介します。

ステップ1:ソース資料を集める

まずは、テーマに関する上位3〜5件ほどの投稿を探しましょう。

対象はSNSの投稿でも、記事でも、アクセスできるならメールでもかまいません。

たとえば私は「AIライティング」に関する投稿を3件ピックアップし、Googleドキュメントにまとめてからテキストファイルとして書き出しました。

Googleドキュメント – AIの活用方法

ステップ2:AIに要約とアイデア出しを任せる

ステップ1で集めた資料をAIに入力し、全体を整理した分析を作ってもらいましょう。

そのとき使えるプロンプト例がこちらです。

[トピック]に関する記事をいくつか共有しました。これらを分析し、以下の観点で詳細に整理してください。

共通パターン
 ・繰り返し登場するアプローチを3〜4点挙げる
 ・記事の具体例を含める
 ・記事全体の構成や表現方法に見られる傾向をまとめる

前提
 ・各記事で当然のように扱われている前提を3〜4点抽出する
 ・論理や証拠が不足している部分を指摘する
 ・裏付けが足りない主張を見つける

不足している視点
 ・取り上げられていない重要な観点を3〜4点挙げる
 ・読者のニーズで十分に対応されていない部分を指摘する
 ・さらに深掘りできるテーマを明らかにする

注目すべき要素
 ・独自性のある、または効果的なアプローチを示す
 ・強い根拠や具体例を取り上げる
 ・記事の核となる構成や表現の工夫がみられる箇所を特定する

こちらが「AIを活用した執筆」の出力結果です。

カテゴリ 詳細
共通パターン ・戦略性より機能差に注目したツール比較が多い
・基本的な「入力と出力」のワークフロー事例
・「効率化できる」といった抽象的メリットの提示に偏る
・プロンプトエンジニアリングの重要性ばかりを強調
前提 ・AIを使えば使うほどコンテンツは良くなる
・読者はすでにAIの基礎を理解している
・単一の手法で誰にでも通用するという想定
・倫理的な懸念は簡単な免責事項で対処できると考えている
不足している視点 ・品質を検証するための仕組みや指標
・ツール選択のための戦略的なフレームワーク
・人間とAIが協働した具体的事例
・アプローチ別のコストと効果の比較
注目要素 ・ある記事では詳細なワークフロー図を掲載
・別の記事では失敗事例のミニケーススタディを紹介
・複数の記事で丁寧な倫理ガイドラインを提示
・ある記事ではAI出力の品質に関する独自の調査結果を提示

分析が終わったら、見つかった改善点をもとにAIに新しいアイデアを提案してもらいます。

このとき、Claudeが本記事に対して返してきた提案がこちらです。

AIライティングを考えるうえで提案された3つの切り口はこちらです。
1.戦略フレームワーク型
ポイント:執筆内容に合わせてAIツールをどう選び、どう使うかを体系的に整理する
メリット:ツールをやみくもに試すのではなく、根拠ある判断ができるようになる
違い:単なるツールリストを超え、判断基準やワークフローを明確に示す

2.品質管理型
ポイント:AIを使いながらもコンテンツの品質を保つための具体的な手順
メリット:プロのライターが最も気にする「品質維持」という課題に応える
違い:ツール利用の説明にとどまらず、品質を測定・改善するプロセスに重点を置く

3.現実チェック型
ポイント:AIの強みと限界を率直に見極める
メリット:読者が現実的な期待値を持ち、ありがちな失敗を避けられる
違い:理論上の効果ではなく、実際の事例やケーススタディを取り上げる

ステップ3:切り口を分析してブラッシュアップする

AIが最初に出力した切り口がそのまま使えることもあります。

しかし多くの場合では、魅力的なアイデアを見つけるためには、AIとのやり取りを何度も重ねる必要があります。

この記事も、そのプロセスを経て形になりました。

確かにツール比較や基本的なワークフローを解説する記事は豊富にありましたが、AIをどう戦略的に活用すべきかという枠組みを提示しているものはほとんどありませんでした。

さらに深く掘り下げていくと、もっと根本的なことに気づきました。

誰もが「執筆を楽にする」ことに注目していたのです。ツールやプロンプト、ショートカットなど。

でも、そこには見逃されている現実がありました。

優れたコンテンツを作ることはAIを使っても、使わなくても難しいものです。

そこで私は自分の切り口をこう定めました。AIをうまく使いながらも、良質なコンテンツをつくるために必要な努力は不可欠であるという視点です。

プロのヒント:最初に得られた気づきは、より良い切り口へ発展することがよくあります。初期の分析にとらわれず、思考を広げていくことを恐れないでください。

3. AIを使ってアウトラインを作成する

優れたコンテンツの多くは、綿密な計画から始まります。ところが、多くのライターはこの工程を省きがちです。

その結果、何時間も同じところをぐるぐる書き直したり、依頼の趣旨から大きく外れてしまったりするリスクがあります。

そのため私たちのチームでは、しっかりしたアウトラインを作らずに下書きを始めることはありません。

AIを活用すれば、そのアウトライン作成がずっと楽になります。

関連記事: コンテンツブリーフとは? (+3つのテンプレート)

AIとの協働によってアウトラインを強化する

AIにアウトラインを丸ごと任せたくなるかもしれませんが、それでは独自の視点が失われてしまいます。かといってAIを使わなければ、得られるはずの有益な洞察を逃してしまいます。

では、より良いアプローチは?

AIを「考えを深めるための相棒」として活用することです。

当社のシニアエディターであるChris Shirlowも、アウトライン作成の段階でAIを戦略的に取り入れることの重要性を強調しています。

Chris Shirlowさんのコメント
「私はまず、自分の競合分析をもとにアウトラインを作成します。その後、AIを使って潜在的な不足を洗い出します。例えば、メールマーケティングのガイドのアウトラインを作成した際に、AIが私の発想になかった自動化の章を加えるよう提案してくれたことがありました。」

重要なのは、自分自身のリサーチから始めることです。そうすることで、土台にしっかりとした専門性が宿ります。そのうえでAIを活用すれば、考えをさらに洗練させ、広げることができます。

たとえば、この記事では、私は最初に以下のようなラフな構成メモを用意しました。

  1. ニーズ(需要)
  2. 想定読者
  3. 切り口
  4. 構成
  5. リサーチ
  6. 執筆
  7. 図やビジュアル要素
  8. 付加要素
  9. 編集

次に、いくつかの参考資料を添えてClaudeにプロンプトを与えました。

私は今『AIを活用してより良いコンテンツを書く方法』に関する記事を執筆しています。概要と大まかなアウトラインは準備済みです。このアイデアのきっかけとなった記事も添付しました。

この進め方に対する、あなたの第一印象を聞かせてもらえますか?

以下はClaudeの分析(私が要約したもの)です。

強み
 ・AIの位置づけ:代替手段ではなく大工にとってのドリルのように「便利な道具」として紹介
 ・現実的な期待感:コンテンツ作成が依然として難しいことを認めている(40時間の例)
 ・普遍的な焦点:特定のAIツールやプロンプトに依存せず、基本原則を強調することで記事の価値を長持ちさせている
 ・信頼性:具体的なケーススタディや著者自身の経験を取り入れている

改善すべき点
 ・構成面:似通った要素(たとえば「読者」と「リサーチ」)は統合を検討する
 ・実装面:AIが実際に各手法をどう強化できるか、より具体的な事例を加える
 ・メタ視点:この記事そのものをAIを活用しながら書いている、という背景をより明確に示す
 ・バランス:記事の完成度を高くするために、AIの限界についての説明も盛り込む

AIが最初に出したアウトプットを出発点に、協働が始まりました。

Claudeは、各要素の呼び方を「ヒント」ではなく「プラクティス」とするよう提案してくれました。

その後も、私たちは各プラクティスの下位構造について互いに意見を交わしました。

途中でH2の見出し案を出してくれましたが、多くは私の意図と合わず、採用しませんでした。

それでも長いやり取りを重ね、文書に戻って修正する時間を挟みながら、最終的に納得できるアウトラインにたどり着きました。

以下は、その議論を通じて構造がどのように発展していったかの流れです。

項目 バージョン1 バージョン2 バージョン3 バージョン4
ニーズ(需要) 深掘り調査:表面的な情報にとどまらない まずはユーザーの声を聞く 読者像を定義する AIを活用して読者像をさらに具体化する
読者 読者理解:深く共感されるコンテンツを作る 読者マップを作成する 独自の切り口を見つける AIを活用して、自分では気づかない独自の切り口を発見する
切り口 戦略的な立ち位置:独自の切り口を探す 独自の切り口を深める 明確なアウトラインを作成する AIを活用してアウトラインを作る
構成 ストーリー設計:明確で説得力のある流れを構築する コンテンツ全体の流れを整理する 扱うテーマをリサーチする AIを活用してテーマをリサーチする
リサーチ 証拠や事例を用いてアイデアを具体化する 説明するだけでなく、実例で示す 魅力的なコンテンツを書く AIを使って魅力的なコンテンツを書く
執筆 声と文体:独特の存在感を醸し出す 自社(自分)のブランドボイスを見つける 読者に役立つ補足要素を加える AIを活用して補足要素を充実させる
強化 強化要素:コンテンツのインパクトを高める 効果的な強化要素を加える 読者に響くように文章を編集する AIを活用して下書きを編集する
編集 洗練と最適化:パフォーマンスを高めるために仕上げる 完成版をしっかりと仕上げ、磨きをかける

この繰り返しのプロセスによって、次の改善ができました。

  1. 行動が具体的に伝わる見出しに書き直せた
  2. 「AIを活用して…」という統一フォーマットを導入し、SEO対策にもつながった

ではここから、AIをどう使えばリサーチを通じてアウトラインを実際のコンテンツに仕上げられるのかを見ていきましょう。

4. AIを使ってテーマを調査する

リサーチは、いつの時代も優れた執筆の基盤です。

インターネットが普及する前は、図書館でカタログや学術誌、教科書を何時間もめくるのがリサーチの定番でした。

やがてデジタルの登場がその流れを大きく変えましたが、同時に「情報過多」という新しい課題も生んだのです。

場所のタイムラインを書く

今や、数百万もの情報源に一瞬でアクセスできる時代です。

ブログ記事、学術論文、オンラインコミュニティでの議論、専門家のインタビュー、分析データの情報は無数にあります。

しかし、それをすべて処理する時間はあるでしょうか?

そこでAIの出番です。

AIなら数千件もの情報を数秒で読み込み、見落としかねない重要な洞察を拾い上げてくれます。

ここからは、AIを効果的に活用する方法を探っていきましょう。

一次調査におけるAIの活用

インタビューや生データの収集、アンケート調査などを行うことで、他に模倣が難しい独自性のあるコンテンツを生み出せます。

重要なのは、AIを「分析だけ」に使うのではなく、リサーチ全体の流れに組み込んで活用することです。

より良いリサーチ質問の計画を立てる

リサーチの質は、適切な質問をすることにかかっています。

例えば、この記事を書く際、私は当初、自分のAIに関する体験だけを例にしようと考えていました。しかし、それだけでは不十分だと感じました。

そこで、私はClaudeと議論を始めました。

私:自分の考えだけでは限界があると感じています。編集チームに「AIをどう使っているか」を調査すれば、もっと多くの視点を加えられるかもしれません。

AI:それは、記事の説得力を大幅に高める方法です。複数の執筆者がAIの課題にどのように対応しているかを示せば、理論だけの説明よりもはるかに説得力が増すでしょう。

検討すべきこと:
 ・求めている具体的な知見は何か
 ・それを集める最も効率的な方法は何か
 ・メンバーが参加しやすくするにはどうすればよいか

Claudeのフィードバックを踏まえ、私は何度も調整を重ねながら調査質問を組み立てました。

この手法を試してみたい場合は、以下のテンプレートを参考にしてください。

具体的な質問を作成する前に、この研究アプローチを評価してください。
 ・対象:調査/インタビューを行う対象を説明
 ・目標:調査を通じて何を知りたいのか
 ・方法:データの収集方法
 ・期間:制約条件

そして、次のポイントを洗い出してください。
 ・潜在的な問題
 ・見落としている可能性のある視点や機会
 ・効率を改善する方法

次に、リサーチで使う質問の作成です。

トピックに関する[アンケート/インタビュー]用の質問の作成を手伝ってください。

考慮すべき点
 ・対象者:参加者について記述する
 ・時間的制約:予想される所要時間
 ・主な目的:2〜3の主要な目標を挙げる
 ・必要な出力:最終的に作りたいもの

質問の構成は以下のようにしてください
 ・焦点は絞りつつ、自由に答えられるオープンな形にする
 ・短時間で答えやすい内容にする
 ・具体例を求める質問にして明確さを保つ


最後に、用意した質問をテストしてみましょう。

これが私の下書きの質問です。次の点について分析してください。
 ・質問がわかりやすいか、混乱を招かないか
 ・誘導的・偏った表現になっていないか
 ・抜けている部分やカバーしきれていない内容がないか
 ・質問の順序や流れが論理的かどうか

例:

AIとの何度かのやり取りを経て、当初の「チームに調査をする」というアイデアは次のように変わりました。

  • 条件分岐を使い、焦点の定まった調査
  • 必要な内容を明示する具体例
  • 親しみやすく協調的な導入文
  • AI利用に関する具体的なプロンプト

その結果、チームから有益な知見を得られ、この記事を強化することができました。

専門家インタビューを最大限に活かす

インタビュー相手としっかり向き合いながら、細かな情報まで取りこぼさずに記録したい。そんなとき、AIが役立ちます。

まずは会話を録音することから始めましょう(もちろん相手の同意は必須)。自然な対話を心がけ、気になる話題は深掘りしてみてください。その後はAIを活用して、会話の中から価値ある洞察をすべて抽出します。

以下に、いくつか簡単なプロンプトを示します。

インタビューの準備

トピックに関する専門家インタビューの準備を手伝ってください。
提供した背景資料を確認したうえで、以下を提案してください。
 ・取り上げるべき主な議論のテーマ
 ・各テーマに関連する追加質問
 ・尋ねるべき具体的な事例やケース
 ・検証すべきデータや数値

録音を処理する

トピックに関する専門家インタビューの文字起こしを共有しました。以下を行ってください。
 1.主なポイントをわかりやすく要約する
 2.具体的な例やケーススタディを抽出する
 3.独自の洞察や視点を見つける
 4.印象的な引用を抜き出す
 5.不明確で追加確認が必要な箇所を指摘する

インサイトの検証

以下はインタビューから得られた私の主要な所見です。これについて、次の観点でチェックしてください。
 1.結論が文字起こし内容によって裏づけられているか
 2.自分が勝手に置いてしまっている前提はないか
 3.読み手に理解してもらうために補足すべき文脈は何か
 4.別の見方や解釈の余地があるかどうか

生データを理解する

リサーチの難しさは、データを集めること自体ではなく、その中から意味のあるストーリーを見つけ出すことにあります。

編集チームがAI活用に関する調査を終えたとき、私はまさにこの課題に直面しました。

回答を素早く処理したい、でも同時に大切な気づきを漏らさず拾いたい、この両立が必要だったのです。

そのために私がAIを使ってどのように回答を分析したのかを以下で紹介します。

全体像を把握する

AIの活用に関するチームのアンケート回答を共有しました。以下を行ってください。
 1.回答全体に共通するパターンを特定する
 2.他と異なるユニークな使い方や意外なアプローチを記録する
 3.詳細に語られている具体的な事例を強調する
 4.深掘りすべき潜在的なテーマを提案する

詳細を掘り下げる

特定のプラクティスについて、以下を分析してください。
 1.メンバーごとに異なる取り組み方
 2.成功事例として特に効果があった使い方
 3.共通する課題や制約
 4.言及された具体的なツールやプロンプト
 5.注目すべき作業フローの違い

補足資料の抽出

このトピックに関する回答から、以下を行ってください。
 1. 重要なポイントを裏付ける、説得力のある引用を見つける
 2.明確な成果を伴う具体的な事例を特定する
 3.共有された興味深いAIプロンプトを記録する
 4.補足として有効なビジュアルや図表を提案する

この分析により、チームのメンバーはそれぞれ異なる場面でAIを活用していることが分かりました。リサーチを得意とする人もいれば、編集に強みを持つ人もいます。

全員に共通していたのは、AIはあくまで慎重に扱うべきであり、全面的に依存すべきではない、という認識でした。

プロのヒント: AIを使ってデータを分析する前に、そのプロジェクトにとって「価値あるインサイト」が何を意味するのかを明確に定義しておきましょう。そうすることで、AIは最も重視すべき点にフォーカスして分析してくれます。

二次調査にAIを活用する

これまで二次調査といえば、論文やレポート、議論を何時間もかけて読み込むことを意味していました。

しかし、今は違います。

AIによって、既存の情報を整理・活用する方法そのものが変わりました。

ここからは、いくつかの活用例を紹介します。

音声・動画コンテンツから価値ある情報を引き出す

優れたインサイトの多くは、長時間のポッドキャストやカンファレンス講演の中に埋もれています。

創業者たちは舞台裏の物語を共有し、専門家は自分たちのフレームワークを明かし、業界のベテランはまだ記事にしていないトレンドについて語ります。

しかし、何時間もの動画を視聴するのは現実的ではありません。

ここでAIが時間を節約してくれます。

実際に私は、EC成長戦略に関する記事を執筆する際、創業者インタビューからAIを使って有益なインサイトを抽出しました。

まず、Who Is Elijah の創設者が 2,000 万ドルの収益を達成するまでの道のりを語るポッドキャストを見つけました。

Youtube – Foundrビデオ

次に、Rev AIを使用してインタビュー全体を文字起こししました。

Rev AI – 文字起こし

19,000語の文字起こしをすべて読む代わりに、私はClaudeに次のようなプロンプトで会話を分析させました。

私はeコマースの成長戦略に関する記事を書いています。この創業者インタビューを分析して、以下の点を整理してください。
 1.成長を促した重要な意思決定を特定する
 2.具体的な数値や成果を抽出する
 3.彼らのプロセスに関する独自の洞察を見つける
 4.各論点を裏付ける説得力のある引用文を抜粋する

この分析により、業務効率に関する興味深い事実が明らかになりました。

  • 彼らはチームを44人から21人に削減した
  • 専門職のフルタイム採用から代理店との提携に移行した
  • システムをゼロから再構築した
  • 利益が出ていなかったキャンペーン(-60%)を成功に導いた

この1つのポッドキャストから、説得力のあるケーススタディと、読者が実践できる実用的な教訓の両方を得ることができました。

複雑な文書を整理・活用する

学術論文や業界レポートには貴重なデータが含まれています。しかし、その多くは難解で専門用語が多く、実務に落とし込むのは簡単ではありません。

当社のシニアライターである Shreelekha Singh は、AIに十分な文脈情報を与えることで、より質の高いリサーチ結果を引き出しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「ヘルスケアについて執筆するとき、私は必ず記事の具体的な目的と進め方をPerplexityと共有します。
その際『予測ではなく、測定可能な成果に焦点を当てた、エビデンスに基づく分析が必要』と明確にアウトラインに記します。
こうした詳細な文脈を与えることで、AI はより関連性の高い研究論文やケーススタディを見つけてくれます。」

もう一つの例

情報獲得についての記事を書くとき、私はGoogleの特許出願を理解する必要がありました。

ところが、その文書は高度な専門用語で書かれており、読むだけで気が遠くなるようなものでした。

Google特許

途方に暮れる代わりに、私はAIを活用してこの複雑な資料の理解を助けてもらいました。

特許出願書をClaudeにアップロードし、「情報利得シグナル」について質問したのです。

するとClaudeは、「UserActionSignals」や「ClickSatisfaction」といった指標を平易な表現で説明してくれました。

その結果、Googleが新しい情報を評価・テストするプロセスを短時間で理解できました。

この方法は、以下のような資料にも有効です。

  • 学術論文や研究資料
  • 技術文書
  • 業界レポート
  • 法律関連の文書
  • 調査データ

要するにAIを「学習のパートナー」として考えてみてください。100ページに及ぶ文書でも数秒で読み、要点を平易な言葉で説明してくれる頼れる存在です。

5. AIを使って魅力的なコンテンツを作成する

大規模言語モデル(LLM) は、最小限のプロンプトで非常に優れた出力を生成します。

しかし、自分らしい読者を惹きつける文章を書くとなるとAIはやや物足りないのが実情です。

私は2021年からAIを使った執筆を試していますが、モデルには「既定の書き方」があると感じています。

AIが好むのは、対比的な表現です。「これは違う。しかし、これは正しい。」といった書き方です。

また、「transform(変革)」「game-changing(画期的)」「leverage(活用)」「optimize(最適化)」といったフレーズをよく使います。(これらの言葉自体に問題があるわけではありません。)

一般的なAIライティングパターン

AIには「すべてをリスト化してしまう」癖があり、もしプロジェクト全体を書けるなら、それも箇条書きにしてしまうでしょう。

もしAIの出力に満足できないことが多いなら、もっと良い成果を得る方法をお伝えします。

優れた参考資料を準備する

AIに与える文脈が具体的であればあるほど、生成される文章はあなたのスタイルに沿ったものになります。

つまり、自分の執筆スタイルを明確に定義することを意味します。

その方法としては、以下の要素を含む詳細なガイドラインを用意するとよいでしょう。

  • 読者ペルソナ
  • 読解レベル(学年・難易度の目安)
  • 見出しの型
  • 文章全体のトーン
  • 具体例
  • 読者を引き込む導入

ガイドラインに加えて、執筆サンプルとして使用できる完璧な記事や章を作ることを目標にしてください。

ガイドラインと具体例が揃えば、AIから得られる出力にも納得感が増します。

たとえば私の場合、ClaudeでBacklinko専用のプロジェクトを作成しました。そこには2万語以上の参考資料が含まれています。

クロード – プロジェクトナレッジ

新しい会話を始めるときも、Claudeは常にこの文脈を踏まえた状態で応答してくれます。

スタイル要件を何度も説明する必要はありません。

ヒント: AIツールにプロジェクト機能がない場合は、必要なリソースをPC内のフォルダにまとめて保存しておきましょう。必要なときにチャットでそれらを呼び出して使えます。

段階的に文脈を積み上げる

AIとの会話は、コンテンツの発展に合わせて進化させるべきです。

この記事のセクションを例に挙げましょう。私は「AIを活用した執筆」という専用チャットを立ち上げ、以下を共有しました。

  • 概要
  • これまでの記事草稿
  • チームアンケートの回答
  • このセクションの目標

そのうえで、次に「補足要素」に関するパートを書く際は、新しいチャットを立ち上げつつ、この完成済みセクションを参考資料として利用する予定です。

AIセッションの執筆

この段階的なアプローチにより、AI は各セクションの固有のニーズに適応しながら一貫性を維持できます。

シニアライターのShreelekhaも同じ手法を活用しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「私は、執筆のテーマや作業内容ごとに、異なるプロジェクトを作成します。こうすることで集中力を維持でき、AIにも各タスクに必要な文脈を正しく与えられるのです。」

利用しているLLMによっては、この「セクションごとに進める方法」がクレジットの節約につながります。長いチャットは使用量を消費してしまうためです。

プロのヒント:プロジェクトの最初の10%は、自分でゼロから書き上げましょう。そうすることで文章全体のトーンが定まり、AIに明確な方向性を与えるため、出力の質が向上します。

AIとの雑然としたやり取りを受け入れる

最良のAIライティング成果は、対話を通じて生まれます。

未完成のアイデアを共有し、その提案に疑問を投げかけ、さらに深く考えるよう促しましょう。

たとえば、このセクションを執筆するとき、私はAIにアウトラインの肉付けを依頼しました。しかし、最初の回答をそのまま受け入れたわけではありません。

「特定のトーンでプロンプトする」といった一般的な助言にとどまるのではなく、AIの標準的な文体とBacklinkoのスタイルの違いを具体例で示すよう求めました。

このプロセスを通じて、具体的なフレーズや表現のパターンを見つけることができました。

たとえば、私の冒頭フックはAIとの協働によって次のように進化しました。

オープニングフックの進化

文ごと、アイデアごとにやり取りを重ねるうちに、思わぬ金脈を掘り当てることができるかもしれません。

面倒ではありますが、一人で進めるよりずっと良い結果につながります。

必要なときに適切な事例を探す

大規模言語モデル(LLM)は、執筆を強化するための関連する事例やケーススタディを提案することに優れています。

シニアライターのShreelekhaも、行き詰まったときにAIを使って事例を洗い出しています。

Shreelekha Singhさんのコメント
「私はまず、説明しようとしているコンセプトと、必要としている事例の種類を説明します。AIは、私が考えもしなかった視点を提案してくれることが多く、その後のリサーチにつなげられるのです。」

私がよく使うプロンプトテンプレートは次のとおりです。

「私は[コンセプト]について説明しています。[特定の側面]を示す事例が必要です。できれば[業種/企業の種類]の例をお願いします。事例は[望ましい結果]を示すものである必要があります。」

例えば、データ可視化について執筆している際、コンテンツでチャートを効果的に活用している企業の事例が必要でした。AIにこれらのパラメータを与えると、AIはHubSpotのマーケティングの現状レポートを見るよう提案しました。これは、まさに複雑なデータを誰にでも理解しやすくするという私の主張を示す好例になりました。

しかし、AIの提案をそのまま受け取ってはいけません。より深く調査するための出発点として活用しましょう。私がAIの提示した事例を扱うときは、必ず以下を行います。
 ・事実関係を自分でもう一度確認する
 ・背景や前提などの追加文脈を集める
 ・代替となる事例と比較検討する
 ・それが本当に自分の主張に合致するかどうかを評価する

Chris Shirlowは、次のようにバランスの取れたAI活用の重要性を語っています。

Chris Shirlowさんのコメント
「重要なのは、まずは自分自身のアイデアやリサーチを出発点にすることです。そして、そのコンセプトを広げたり新しい視点を見つけたりするためにAIを使います。決してAIにコンテンツの方向性を決めさせてはいけません。

6. AIを使ってコンテンツ資産を作成する

チェックリストや計算ツール、インフォグラフィックなどのコンテンツは、記事を「読むもの」から「役立つツール」へと変えてくれます。

うまく活用すれば、複雑な概念を整理して理解を助けたり、学習をサポートしたり、意思決定の道しるべとなったりします。

かつては、これらのリソースを作るにはデザイナーや開発者が必要でした。

しかし今では、AIを使えばこうしたスキルがなくても作成可能です。

ビジュアル要素を取り入れる

読者の多くは文章をすべて丁寧に読むわけではありません。

ざっと流し読みしたり、拾い読みをしたりしながら、アイデアを導くための視覚的な手がかりを探します。

MITの研究によると、人間の脳はわずか13ミリ秒で画像を処理できるとのことです。これはテキスト処理の最大600倍の速さに相当します。

スピード – 画像 vs テキスト

以前は、プロレベルのグラフィックを作成するには次のような手間がかかりました。

  • デザインソフトを使いこなす
  • デザインの基本原則を理解する
  • 各ビジュアルに何時間も費やす
  • 高額なデザイナーを雇う

しかし、今ではその必要はありません。

AIを活用すれば、魅力的なビジュアルを数秒で作成できます。

たとえば、当社の「マーケティングの 4P」の記事では、シニアライターの Yongi Barnard が、パーソナライゼーションが重要な理由を図解で説明しています。

パーソナライゼーションが重要な理由

ビジュアルは、一目で説得力のあるストーリーを伝えます。

これを再現するには、まずデータを準備しましょう。

次に、AIに対して条件(パラメータ)を指示します。

次の 3 つのパーソナライゼーション統計を示すグラフィックのデザイン設計を手伝ってください。
 1.消費者の80%は、ブランドがパーソナライズされた体験を提供すれば購入意欲が高まる
 2.マーケターの48.2%は、パーソナライゼーションがクリック率を最も改善すると答えている
 3.顧客の66%は、企業に自分のニーズを理解してもらうことを期待している

以下の条件を取り入れてください
 ・シンプルでミニマルなデザイン
 ・割合を表すプログレスサークル
 ・コントラストのために暗い背景に明るいテキストを配置
 ・各統計の下に短く明確な説明
 ・出典を記載するためのスペースを確保

あとは、最後の仕上げの微調整(色、余白など)を行うだけです。

プロのヒント:データ可視化だけを考えるのではなくAIを活用して次のようなものも作成しましょう。
 ・プロセス図
 ・比較チャート
 ・タイムライングラフィック
 ・コンセプト図解
 ・機能の分解図

シニアエディターのChris Hannaは、このように述べています。

Chris Hannaさんのコメント
「今の優れたライターは、プロデューサーのように考えます。『この概念をどうすれば視覚的に伝えられるか?』『言葉で説明するのではなく、どう見せられるか?』と自問するのです。
AIは、デザインの専門家にならなくてもそれを可能にしてくれます。」

実用的なチェックリストを作成する

手順をチェックリスト化すると、コンテンツの実用性が高まります。

ただし、効果的なチェックリストは単なる箇条書きでは不十分です。必要なのは次の要素です。

  • 複雑なプロセスを分解する
  • 手順を最適な順序に並べる
  • チェック項目に検証を含める
  • 参考リンクを追加する
  • ユーザーごとの利用シナリオを考慮する

ここで AI が役立ちます。

重要なのは、下書きを書いた後に AI に指示を出すことです。

こうすることで、大規模言語モデル(LLM)はコンテンツ全体のコンテキストを理解し、より詳細で関連性の高いチェックリストを作成できます。

たとえば、当社のシニアエディター Shannon Willoby は、ブログの始め方に関する記事を書くために 12 か月分のチェックリストを作成しました。

Backlinko – ブログ開設チェックリスト

彼女はAIに記事の内容に基づいたチェックリストを作成させました。とてもシンプルですが効果的です。

以下は、そのまま使えるテンプレートです。

私は[トピック]に関する記事を書きました。これをもとに、以下の点を含む包括的なチェックリストを作成してください。
 ・各主要ステップを分解すること
 ・重要な判断ポイントを盛り込むこと
 ・必要となるリソースを明記すること
 ・陥りがちな失敗例を明示すること
 ・進捗を確認する方法を提案すること

インタラクティブツールを構築する

計算機や分析ツール、意思決定ツリーのようなインタラクティブな仕組みは、記事を「知識の共有」から読者がすぐに活用できる「実用的なソリューション」へと変えてくれます。

しかもこれは、どの業界でも応用可能です。

たとえば「生産性」をテーマに記事を書くなら、読者がプロジェクトの作業量を調整できる「作業容量チェッカー」を提供するのも一案です。

クロード – ワークロードキャパシティアナライザー

もしあなたがウェルネス分野のライターであれば、読者が健康的な生活習慣を身につけられるように「習慣積み上げプランナー」を開発することも考えられます。

クロード – 習慣スタッキングプランナー

また、ガーデニングの専門家であれば、季節ごとの植え付け時期を計算できるツールを提供するのも良いでしょう。

クロード – 季節ごとの植え付け計算機

私は「EC成長戦略」に関する記事で、AIを活用してインタラクティブな利益計算ツールを作成しました。

Backlinko – 収益性計算ツール

数式を並べて解説するのではなく、読者がシナリオを操作して、売上原価(COGS)や送料、マーケティング費用といった要素が利益にどう影響するかを体感できるようにしました。

その最大のメリットは?

これらのAI設計ツールは、Calculator Studio のようなノーコードプラットフォームを使って実現できます。手順は以下のとおりです。

  1. コンテンツにおける計算ニーズを特定する
  2. AIに計算ロジックと数式の構築を依頼する
  3. ユーザーインターフェースを設計する(モックアップもAIで作成可能)
  4. お好みのノーコードツールで構築する

たとえば利益計算ツールを作成した際、私は AI に次のように指示しました。

EC事業者が自社の収益性を把握できるような計算ツールを作りたいと考えています。以下の機能を含めてください。
 ・売上原価(COGS)、配送費用、マーケティング費用といった主要な指標を入力できること
 ・粗利益率と純利益率を計算できること
 ・損益分岐点の分析を表示できること

まずはシンプルに始めましょう。

ひとつの問題を的確に解決できる基本的な計算ツールのほうが、ユーザーを混乱させる複雑なツールよりも優れています。

7. AIを使って下書きを編集する

編集は、「良いコンテンツ」と「卓越したコンテンツ」を分ける工程です。

しかし、以下のように、質の高い編集はコストや時間の面で負担が大きくなりがちです。

  • 編集者に時間単位で依頼すると費用がかかる
  • フリーランスの場合は請求できる作業時間が減る
  • 長いレビュー工程を待たなければならない
  • 自分で編集すると見落としが起きやすい

AIは、この状況を変えます。

編集者が下書きを確認する前に、迅速で偏りのないフィードバックを得たり、異なるバージョンを試したりすることができます。

では、効果的に実践する方法をご紹介しましょう。

まず戦略的な観点を取り入れる

すぐに細部の編集、たとえば文法チェックや表現のブラッシュアップに取りかかりたくなるかもしれません。

ですが、まずは全体像から見ることが大切です。

ここでは、Chris HannaがAIを使って戦略的な編集を行う方法をご紹介します。

Chris Hannaさんのコメント
「まず、草稿、アウトライン、そして概要をClaudeに渡します。そしてこう尋ねます。『何が足りないか? 論点を強化できる部分はどこか? どの部分により多くの根拠が必要か?』」

AIは次のように役立ちます。

  • あなたの記事を成功例と比較する
  • 繰り返しや抜けている部分を指摘してくれる
  • 構成全体の改善点を提案してくれる

こうした方法を取れば、修正作業の時間を大幅に減らせます。削ったり書き直したりする段落へのブラッシュアップに時間をかけるのは無駄ですよね。

簡易的な品質チェックを行う

記事の構成が固まったら、体系的な品質チェックを作成してください。

あなたのコンテンツが主要なエンゲージメント指標を満たしているかを確認することが狙いです。

Backlinkoでは、読みやすさを測る3つの指標をチェックしています。

  1. 単文段落の割合:1文のみで構成されている段落の割合。
  2. 視覚的要素の密度:1,000語あたりに含まれる視覚的要素(画像や図解など)の数。密度が高いほど、読みやすさが向上する。
  3. 学年レベル:誰でも理解しやすいように、中学1年生程度(Grade 7)以下のレベルを目安にしている。
クロード – コンテンツ品質チェッカー

AIはこれらを瞬時に計算し、具体的な修正方法を提案してくれます。方法は次のとおりです。

  1. 目標とする指標をAIと共有する
  2. 記事の一部を貼り付ける
  3. 分析と具体的な修正の両方を依頼する

数値的な指標だけでなく、AIを使って次のような点もチェックしましょう。

  • 冗長なアイデアや表現
  • 受動態の多用
  • 文や段落間のつながりの適切さ
  • ブランドのトーンやメッセージの一貫性
  • 技術的な正確性

重要な要素をテストする

コンテンツの中には、とりわけ重要な部分があります。

見出しは、クリックされるかどうかを決定します。

導入部分は、読者が読み進めるかどうかを決めます。

行動喚起(CTA)は、最終的にコンバージョンにつながるかどうかを左右します。

これらの要素は、特に注意を払う価値があります。

たとえば見出しなら、まず3~5個の候補をリストアップします。

そして、執筆しているトピックをGoogleで検索し、検索結果をスクリーンショットで残します。

Google SERP – AIを活用してより良い文章を書く方法

スクリーンショットをClaudeにアップロードし、自分のタイトル案が上位記事とどう比較されるかを尋ねます。

するとClaudeは、当社のタイトル方針、ベストプラクティス、差別化のポイントを踏まえて提案してくれます。

シニアライターのYongiは、導入文に似たような手法を使っています。

Yongiさんのコメント
「3つの異なる導入文を書き、その中でどれが一番効果的に読者を引き込めるかをAIに尋ねます。その後、『なぜそうなのか』をAIと議論し、好奇心を刺激できているか、テーマとの関連性があるか、感情的な共鳴を生み出せているかといった観点で検証します。」

次のような点もテストできます。

  • セクション間のつながり
  • 事例
  • 根拠の配置
  • 技術的な説明
  • 結論部分の主張

AIと人間の編集バランス

AIを使えば編集はスピードアップしますが、人間の判断は依然として不可欠です。

そのための実践方法は次のとおりです。

  1. 幅広い分析と迅速な修正のためにAIを活用する
  2. AIの提案に対して自分の判断を適用する
  3. 見出しや導入文など重要な要素は複数のパターンを試す
  4. 技術的な正確性は自分で確認する
  5. 自分らしい文体や視点を維持する

Chris Shirlowも、このAIと人間の役割分担を支持しています。

Chris Shirlowさんのコメント
「AIは潜在的な問題をより早く特定するのに役立ちます。しかし、実際に読者にとって役立つ変更かどうかを判断するには、依然として人間の専門知識が必要です。」

「頑張る」よりも「賢く」書き始めよう

今週取り組む予定の執筆プロジェクトを1つ選んでみましょう。

紹介した実践法の中から、1つだけ試してみてください。たとえば、読者のリサーチやアウトライン作成を手伝わせるなどです。

成果を感じ始めるのに必要なのは、それだけです。

これらの方法を実践する準備はできましたか?ぜひブログ投稿の書き方ガイドをご覧ください。

AIを使ったテクニックと実証済みのライティング原則を組み合わせ、検索で上位表示され、コンバージョンにつながるコンテンツを作成する方法がわかります。

BacklinkoはSemrushの所有です。私たちは、実践的な経験に裏打ちされた世界クラスのSEOインサイトをお届けすることに尽力しています。特に記載がない限り、このコンテンツはSemrush Inc.の従業員または有償契約者によって執筆されています。

SEOJapan編集部より:
AIを活用してコンテンツを制作する際は、効率化だけでなくよりよいコンテンツ制作のための壁打ち相手として活用することが大切です。
成果を左右するのは、AIが抽出した提案や示唆を、編集者が判断・検証し、他にはない独自の視点を加えられるかどうかです。
「効率化だけでなく差別化」したコンテンツをAIを活用して制作するという姿勢が、これから一層求められてくるでしょう。

seojapan

「EC-CUBE」最新版にアマゾンのID決済「Amazon Pay」を標準搭載

2ヶ月 4 週間 ago

イルグルムの連結子会社イーシーキューブは9月5日、EC構築オープンソース「EC-CUBE」の最新版(Ver.4.3.1)で、Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」を標準搭載したと発表した。

「EC-CUBE」を利用する事業者はこれまで、「Amazon Pay」プラグインの購入からプラグインのインストール作業が必要だったが、標準搭載によりこれらの設定作業が不要になる。 また、「EC-CUBE」で「Amazon Pay」導入時に必要だった月額5000円の固定費も無償化。すべてのEC事業者が、導入したその日から「Amazon Pay」を消費者に提供できるようにした。

「Amazon Pay」は、自社ECサイトに導入することでユーザーはAmazonアカウントに登録された配送先情報や支払い情報を利用して決済できるID決済サービス。面倒な情報入力を省き、Amazonが提供するセキュリティにより簡単・安全に商品を購入できるようになる。

「Amazon Pay」を導入すると、ユーザーの購入ハードルを下げ、Amazonのユーザーを自社サイトの会員として呼び込むことができる。そのため、購買率の改善と新規会員獲得率の向上が期待できるとしている。

「AmazonPay」決済時の画面遷移 「EC-CUBE」最新版にアマゾンのID決済「Amazon Pay」を標準搭載
「AmazonPay」決済時の画面遷移
鳥栖 剛

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