Aggregator
Google、2026年8月のスパムアップデート (August 2026 spam update) の展開を開始
ニールセン、ダブルベリファイを買収へ
ニールセンホールディングスがダブルベリファイを買収する。測定と検証の統合が広告主の意思決定を支援するという期待がある一方で、検証の独立性を不安視する声もあるようだ。
Nielsen to Acquire DoubleVerify, Creating a Leading, Independent Media Intelligence Platform
https://www.nielsen.com/news-center/2026/nielsen-to-acquire-doubleverify-creating-a-leading-independent-media-intelligence/
ニールセンがダブルベリファイを買収し、業界をリードする独立系メディア・インテリジェンス・プラットフォームを構築
https://www.nielsen.com/ja/news-center/2026/nielsen-to-acquire-doubleverify-creating-a-leading-independent-media-intelligence/
ChatGPTの「site: 検索」が急増、公式サイトや信頼できる情報源を優先
ChatGPTはどのブランドを回答に出す? 最初の検索候補で約33倍の差【SEO Weekly Update】
Google、検索プロフィールのフォロワー要件を約3分の1に緩和
インターネット広告「信頼できる」は18%
日本インタラクティブ広告協会が、2026年2月に実施した「2026年インターネット広告に関するユーザー意識調査」の結果を公表。インターネット広告を「信頼できる」と回答したのは18.3%。信頼度が2割を下回ったのは初めて。
予定調和の効率UPでは足りない。PDCAからBMLへ
【ブログ読者へご連絡】8/13〜8/14はブログ更新をお休みします
Google Search ConsoleのAIパフォーマンスレポート、ついに全サイトへ公開か?
スペースXが上場後初の決算、広告収益は減少
スペースXが2026年第2四半期(4-6月期)決算を発表。上場後初の四半期決算。AI事業の内訳にXの広告収益の記載がある。それによると、2026年第2四半期のXの広告収益は前年同期比14%減の3億6,700万ドル。減少の理由は「新しい広告プラットフォームへの移行に伴う短期的な影響」だという。上場時の目論見書によると、第1四半期の広告収益も同じ理由で前年割れしている。
SpaceX - Investor Relations
https://ir.spacex.com/investors/
2026年第2四半期の決算資料と上場時の目論見書から数字を拾うと、Xの広告収益は下表の通り。
Xの広告収益(単位は百万ドル。空白部分は不明)
google.charts.load('current', {'packages':['table']}); google.charts.setOnLoadCallback(drawTable); function drawTable() { var data = new google.visualization.DataTable(); data.addColumn('string', ''); data.addColumn('number', 'Q1'); data.addColumn('number', 'Q2'); data.addColumn('number', 'Q3'); data.addColumn('number', 'Q4'); data.addColumn('number', 'H1'); data.addColumn('number', 'H2'); data.addColumn('number', 'FY'); data.addRows([ ['2023', null, null, null, null, null, null, 2323], ['2024', null, null, null, null, null, null, 1728], ['2025', 443, 426, null, null, 870, 974, 1844], ['2026', 343, 367, null, null, 710, null, null] ]); var table = new google.visualization.Table(document.getElementById('table_div')); table.draw(data, {showRowNumber: false, width: '100%', height: '100%'}); }イーロンマスク氏に買収される前のツイッターの最後の決算(2022年第2四半期決算)では、広告収益は10億8,000万ドルだった。それから4年間で広告収益は約3分の1に減少したことになる。
「ChatGPT Work」を活用した、EC事業者のAIエージェント実践方法が学べる【コマースデザイン主催オンラインセミナー8/27開催】
コマースデザインは8月27日、「EC事業者のための、AIエージェント実践・習得セミナー(ChatGPT Work編)」と題したオンラインセミナーを実施する。
▼「「EC事業者のための、AIエージェント実践・習得セミナー(ChatGPT Work編)」(2026年8月27日開催)
講座は、講師と共に手を動かしながら基本設定を済ませて、EC業務での活用まで体験する「実習セミナー」形式。実際に手を動かす「実習」と様子を視聴できる「見学」の2通りで参加が可能。2026年7月に登場したGPT版のAIエージェント「ChatGPT Work」を使用し、「AIエージェントで何が行えるのか」「ファイル整理」「商品画像作成」の方法などを解説する。
データ分析、商品画像の制作、CSVの更新、HTML制作やツール開発・・AIエージェントが、ECの作業を代行してくれます! 今回は、一緒に手を動かしながら、基本設定を済ませて、EC業務での活用まで体験する「実習セミナー」です。
ご紹介するのは、2026年7月登場の「ChatGPT Work」。GPT版のAIエージェントです。
- 性能は、Claude Codeと同じレベルです
- 慣れ親しんだChatGPTを、エージェント化しましょう。
- ClaudeCodeが良いらしいけど、忙しくて手が出せない・・という方。今こそぜひ。
- ChatGPT有料版に契約していれば、追加課金なく使えます!
- 界隈では、Claudeより良いのでは!と評判(講師は両方使ってます)
- GPTWorkは、ClaudeCodeより画像生成がすごい!
- AIエージェントといえばClaudeCodeですが「画像生成ができない」。
- しかしGPTWorkは、あのハイレベルな画像生成をエージェントとして動かせます
この研修が終わった頃には、すぐに業務で使い始めることができます。今回は「実習参加は有料・見学だけなら無料」です。お気軽にどうぞ!(主催のコマースデザイン代表取締役 坂本悟史氏)
こんな方にオススメ
AIと「チャットするだけ」の状態の人
- 「ChatGPT」を日常業務で使っているが、質問や文章作成止まりになっている
- ファイル整理・画像まわり・集計などの「時間を取られる作業」をAIに任せたい
「AIエージェントすごい」が気になってるが、手つかずの人
- Claudeを新しく契約する、GPTと使い分ける、社内で話を通す。どれも大変……
- 「そこまでの余裕がなかった」という人
- 「Claude Code」に挑戦したものの、挫折した・やりかけのまま止まっている
AI画像生成に不満がある人
- AIに画像の制作を頼むと、ああでもない、こうでもないで時間が溶けていく
- 思ったとおりの画像がなかなか出てこない
経営者・リーダーの方
- 社内に担当者がいない仕事が、全部ご自分のところに流れてくる
- 雑務や細かい確認に時間を取られて、考える時間が残らない
講座の流れ
セミナー当日前に、事前設定が必要となる。セミナー当日は、下記の4部構成。
- (0)事前に設定する(参加特典の「環境テンプレート」つき)
- (1)【学習編】AIエージェントとは何か:AIエージェントで「何ができるか」を学ぶ
- (2)【実践編】仕事を保存して、次の仕事へつなげる:その場で手を動かす
- (3)【EC応用編】EC実務を任せてみる
- (4)【今後の活用編】AIエージェント導入後「これからの進め方」
- (5)まとめ、案内、質疑応答
講座への参加方法
- 見学
- 事前準備は不要
- 設定や実習のようすを視聴できる
- 設定ファイル:不要
- アーカイブ:なし
- 受講料:無料
- 実習
- 事前に設定ファイルを配布
- 当日は自身のパソコンで実際に操作しながら受講できる
- 設定ファイル:あり
- アーカイブ:あり
- 受講料:コンサル会員、8月開始研修受講生は無料/その他は5500円(税込)
開催概要
- 講座名:EC事業者のための、AIエージェント実践・習得セミナー(ChatGPT Work編)
- 日時:2026年8月27日(木)13時00分~15時00分(終了時刻が延びる場合あり)
- 開催場所:オンライン(Zoom)※アーカイブ配信あり
- 受講料:見学のみは無料/実習参加は5500円(税込)。ただしコンサル会員・8月研修受講生は無料
- 申込・支払期限:実習での参加 2026年8月20日(木)/見学のみ 2026年8月26日(水)
- 登壇者:坂本悟史氏(コマースデザイン 代表)、大邉 勇介(コマースデザイン)
- 対象:EC事業の経営者・店長・リーダー・ベテラン担当者。「ChatGPT」を日常業務で使っている人(同業他社の参加は不可)
- 主催:コマースデザイン
- 詳細と申し込み: https://www.commerce-design.net/results/report/260827-aiseminar/
関連記事
筆者の人気記事
ユミルリンクのメール配信システム「Cuenote FC」、UI・UX刷新+ダッシュボード画面を追加した新バージョンをリリース
ユミルリンクは8月14日、メール配信システム「Cuenote FC」のUI・UXを刷新し、ダッシュボード画面を追加した新バージョンの提供を開始する。管理画面の操作性を高め、メールマーケティング業務の効率化につなげる。

新バージョンは、管理画面のデザインを全面的に刷新。視覚的にわかりやすく、直感的に操作できるインターフェースに改め、日々の運用負荷を軽減する。
新たに追加するダッシュボードでは、メールマーケティングの配信タスクをカレンダー形式で一覧表示できるほか、作成途中のメール文面も確認できる。表示項目の有無や並び順はカスタマイズでき、日々の運用状況を把握しやすくする。
シナリオメール機能のUIも改善。顧客行動に応じてパーソナライズ配信を行う際の複雑な分岐条件を、これまで以上にわかりやすく表示。顧客ごとに最適なメッセージを効率的に届けやすくする。このほか、管理画面からアクセスできるオンラインマニュアルも新たに提供する。

「Cuenote FC」は、独自開発の配信エンジン(MTA)を採用したメール配信システム。ユミルリンクによると、月間89億通に上る通信記録を分析し、到達率の向上を図っているという。大規模なメール配信でも高速かつ確実に届けられる点を特長としている。
新バージョンの提供開始に合わせ、初期費用無料キャンペーンも実施する。期間は8月14日から12月末まで。対象は法人、自治体、団体で、期間内に問い合わせのうえ申し込んだユーザー。「Cuenote FC Premiumプラン」は先着20社、「Cuenote FC専用プラン」は先着5社まで受け付ける。
関連記事
筆者の人気記事
アスクル、「防災士×国内老舗衛生材料メーカー監修防災救急セット20人用」を8月5日に発売
アスクルは8月5日、事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL」、一般消費者向け(BtoC)通販サービス「LOHACO」において、「防災士×国内衛生材料メーカー監修 防災救急セット20人用」の販売を始めた。

「防災士×国内衛生材料メーカー監修 防災救急セット20人用」は、災害発生後の生活維持に必要な衛生・生活用品を含む23種類31点をワンパッケージにしたセット商品。防災士の現場経験をもとに用品を厳選し、災害時に必要な用品を個別に選定・購入する手間を軽減すると同時に、備蓄漏れの防止にも貢献するという。
セット内容(23種類31点)は、抗菌消臭剤やポイズンリムーバー、ディスポーザブル担架、夏季・冬季の避難生活を想定し、冷却シートやカイロも用意している。

飲料水や非常食を別途備えることで、事業所に必要な防災備蓄を効率的に整えることができ、防災対策やBCP体制の強化を支援する。さらに、耐火・耐水性に優れたアルミケースを採用し、災害発生時の保管にも配慮したという。
本商品は、防災士が災害現場や避難所での経験をもとに、100年以上医療の現場を支え続けている国内老舗衛生材料メーカーの知見を取り入れ、災害時に必要となる23種類31点を厳選。抗菌消臭剤やポイズンリムーバー、ディスポーザブル担架などを採用している。
近年、自然災害の激甚化に伴い、企業や施設における防災備蓄や事業継続対策への関心が高まる一方、「何をどれだけ備えればよいかわからない」「必要な用品が揃っているか不安」といった課題を受け、防災士と国内老舗衛生材料メーカー監修のもと、防災救急セットを開発した。当社における防災救急セットの購買実績を分析した結果、20人用の需要が高いことに着目し、20人用のセットとして商品化した。
商品概要
- 商品名:防災士×衛生材料メーカー監修 防災救急セット 20人用
- 外装ケースサイズ:横440×縦220×高さ235mm
- 価格:税込2万3800円
- 発売日:2026年8月5日
- 販売チャネル:ASKUL、LOHACO
関連記事
筆者の人気記事
MonotaRO、注文時に受取日が選べる「お届け希望日指定サービス」を開始。法人向け取引特有のニーズに対応
間接資材のBtoB-ECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは8月6日、注文時に確認画面で商品の受取日を指定できる「お届け希望日指定サービス」を開始した。BtoB特有の計画的な資材調達ニーズに対応し、顧客の利便性向上と再配達削減の両立をめざす。

対象は、ECサイト「モノタロウ」と、ECサイト一体型の購買管理ソリューション「モノタロウ ONE SOURCE Lite」の利用者。注文確認画面から受取希望日を指定できる。
指定可能な期間は、最短配達日の翌日から注文日の7日後まで。対象エリアは沖縄県と離島を除く全国。配送はヤマト運輸の「宅急便」「宅急便コレクト」「EAZY(イージー)」が対象で、「ネコポス」は対象外となる。当日出荷対象の商品が対象となるが、直送品や大型商品など一部商品は対象外。

これまでは、商品出荷後に配送業者から届く通知メールを通じて受取日時を変更できる仕組みを提供していた。今回のサービスでは、出荷後ではなく注文時点で受取日を指定できるようにした。出荷後の日時変更も引き続き利用できる。
背景には、BtoBならではの受け取り事情がある。企業では「土日は会社が休みなので週明けに受け取りたい」「在庫状況や作業予定に合わせて受取日を調整したい」といったニーズがあるという。
2026年5月から一部顧客を対象に先行提供したところ、「保管場所に限りがあるため、置ける日に合わせて受け取りたい」「実際に使用する日に合わせて受け取りたい」といった声があり、計画的な受け取りに対する需要が想定以上に大きかったとしている。
MonotaROはこれまでも、利便性向上と物流最適化に向けた取り組みを進めてきた。2024年にはヤマト運輸との連携を強化し、出荷後の通知メールから受取日時を変更できるサービスを拡充。2025年には、「モノタロウ」のサイトや購買管理システム経由で注文する際、当日出荷対象商品の配達予定日を表示する機能を導入し、納期の可視化を進めていた。今回の受取日指定機能は、こうした取り組みの延長線上に位置付けられる。
物流面では、再配達の削減も見込む。MonotaROは主に事業者向けの配送で約95%という高い初回配達率を維持しているが、企業の休業日にあたる配達を事前に避けることで、不要な再配達をさらに減らせるとみている。配送ドライバーの負担軽減や、持続可能な物流ネットワークの構築にもつなげたい考えだ。
今後は、PC版サイトで提供している同サービスをスマートフォンサイトやアプリにも拡大する予定。また、購買管理システム連携「モノタロウ PunchOut」経由の顧客にも一部提供を開始しており、今後順次展開していくとしている。
関連記事
筆者の人気記事
アイリスオーヤマ公式ECサイト「アイリスプラザ」に不正決済防止サービスを本格導入
アイリスグループのアイリスプラザは8月5日、アイリスオーヤマ公式通販サイト「アイリスプラザ」に、不正利用検知・防止サービスを本格導入した。クレジットカード決済の安全性を高めながら、正当な取引を過度に阻害しないことで、安心して購入できる環境の整備をめざす。

導入したのは、米国Forter(フォーター)が提供するEC事業者向け不正利用検知・防止サービス「Forter Fraud Management」。AIを活用して取引をリアルタイムに分析し、取引ごとの不正リスクを判定する。決済プロセスの前段階でリスクを評価することで、不正利用の防止と円滑な決済の両立を図る。
背景には、EC業界で深刻化するクレジットカードの不正利用がある。日本クレジット協会の集計では、クレジットカードの不正利用被害額は2023年から3年連続で年間500億円を超えている。
また、経済産業省のガイドラインに基づき、2025年3月からはEC事業者に対して本人認証サービス「3Dセキュア2.0」の導入が実質的に求められるなど、EC事業者にはより高度なセキュリティ対策が求められている。
一方、セキュリティ対策を強化すると、正当な利用であっても決済が通りにくくなるケースがある。不正利用を防ぐだけでなく、購入意欲の高い顧客の決済を過度に阻害しないことも、EC事業者にとって重要な課題となる。アイリスプラザはこうした課題を踏まえ、安全性と利便性の両立を目的にForterを採用した。
本格導入に先立って実施した試験では、決済承認率の向上を確認したという。不正利用のリスクを抑えるだけでなく、AIによるリアルタイム分析によって正当な取引を適切に見極めることで、利用者がよりスムーズに決済できる効果を見込む。
アイリスプラザは今後も、セキュリティ対策の強化とサービス機能の充実を進め、利用者の快適な購買体験の実現につなげていくとしている。
関連記事
筆者の人気記事
“ハコ活”って何? 箱や袋などのパッケージ価値を最大化するカウネットの「ハコ活。研究所」とは
コクヨ傘下でBtoB通販を展開するカウネットは8月5日、箱や袋などのパッケージの価値を見直す取り組みとして「ハコ活。研究所」を発足した。初年度は「開けやすさ」を研究テーマに掲げ、梱包の使い勝手を改善することで、業務効率化や廃棄物削減などにつなげる。

BtoB通販では商品をケース単位で購入する機会が多く、梱包材は商品を保護するだけでなく、開梱、使用、再利用、廃棄までさまざまな場面で顧客と接点を持つ。カウネットは2017年から、コピー用紙の空き箱を書類保管などに再利用する「ハコ活。」を提案。オリジナルブランド「カウコレ」は現在約9300品番を展開しており、商品本体だけでなく、それを包む“ハコ”にも価値を見いだす取り組みを進めてきた。
こうした活動のなかで“ハコ”に関する顧客の声を分析したところ、「コピー用紙の空き箱が丈夫で再利用しやすい」といった好意的な評価がある一方、「テープが剥がしにくい」「ミシン目が切りにくい」など、開梱時の使い勝手に関する課題も見えてきたという。こうした声を踏まえ、パッケージそのものの使い勝手を研究する「ハコ活。研究所」を立ち上げた。
「ハコ活。研究所」は、商品開発部を中心とした社内横断メンバーで構成する。箱や袋などのパッケージを対象に、開梱や商品の取り出し、再利用、廃棄まで一連の使い勝手を研究し、得られた知見を商品開発に反映パッケージを単なる梱包材ではなく、顧客体験を左右する要素として捉え直し、より快適な利用体験の提供をめざす。
2026年は「ハコの開けやすさ」をテーマに研究を進める。6月にはパッケージのミシン加工・ジッパー加工に関する勉強会、7月には発売中商品の振り返り評価会を先行実施した。
今後は9月から10月にかけて他社事例を研究し、11月から12月には研究成果を取り入れたPB商品の開発を検討する。2027年以降、研究成果を反映した商品の発売を予定している。
また、今後は取り組みを自社内にとどめず、製造メーカーやパッケージ企業など外部パートナーを交えた活動へ拡大していく方針。社内外の知見を掛け合わせ、「ハコを活躍させる」という視点からパッケージの使い勝手を見直す。
商品を保護するための「ハコ」が、時にお客さまの業務の妨げになっている。「開けにくい」「取り出しにくい」「解体しづらい」といった小さなムダとストレスは、毎日の業務の中で積み重なる。一方、ケース単位での販売が多いBtoB通販においてハコは保護材でもあり商品でもある。「ハコ活。研究所」は、この課題を解決し、ハコの持つポテンシャルを最大限に引き出すことをめざす。研究で得られた知見は2027年度の新商品開発に生かし、業務効率化や廃棄物の削減にもつながる「ハコの新たな価値」を提案していく。(MD本部 商品開発部 部長 青井宏和氏)
関連記事
筆者の人気記事
「世界で最もAIを使うプラットフォームへ」。三木谷社長が語る楽天の「最強AIエコシステム」と「AI店長」がもたらすECの未来
楽天グループが8月5日に実施した「Rakuten AI Optimism」のオープニングキーノートに登壇した楽天グループの三木谷浩史代表取締役会長兼社長。世界的な経済状況の大きな変化や日本におけるインフレ、世界的なAI革命の進化スピード、激変期における楽天モバイルの役割、そして「楽天市場」が店舗と共にめざす「人間味のあるAI」の未来像について語った。
止まらない円安とインフレ。マクロ経済の激変に立ち向かう楽天モバイルのミッション
物価高とインフレの波が押し寄せる日本経済、今後の厳しい見通し
三木谷氏はまず、AIの話題に入る前に日本を取り巻く深刻なマクロ経済環境について言及。現在、多くの事業者や消費者が原材料、人件費、仕入れ値といったコスト高に直面し、日本の物価が過去6年間で13.6%上昇していることを踏まえ、三木谷氏は「物価高はここで止まらない。今後は減速するのではなくて、加速していくと考えざるを得ない」と予測する。

かつて1ドル80円だった為替が160円となり、「日本の価値が半分に下がったとも言える」と指摘し、円安基調も簡単には止まらないと予測。AIの進展に伴うメモリーの爆発的な不足やエネルギー需要の増大、国際紛争の影響も、今後のさらなる物価上昇圧力になると警鐘を鳴らした。
家計を守る「通信費引き下げ」への挑戦と楽天モバイルの役割
このインフレに対抗するため、楽天グループが取り組んでいるのが「家計における通信費の引き下げ(爆下げ)」。三木谷氏は「最強一択」として、どれだけデータを使っても月額2980円(通話はアプリ利用で無料)という破壊的な料金設定を維持し、消費者の可処分所得を守るミッションを推進していると強調する。
このコスト優位性を実現しているのが、ハードウェアの処理をソフトウェアで仮想的に行う「ネットワークの仮想化技術」。さらに、膨大なネットワーク管理の大部分をAI(RAN Intelligent Controller、ランインテリジェントコントローラー)によって自律的に稼働させており、通信の分野でも世界最先端のAI活用を実践している。


楽天モバイルはこの独自技術を強みに、まもなく1100万回線の達成を視野に入れている。
モバイル契約者が「楽天市場」にもたらすシナジー効果
楽天モバイルの拡大は、「楽天市場」をはじめとする「楽天エコシステム(経済圏)」全体の成長に直結している。楽天モバイルを契約したユーザーは、非契約時と比較して次のような相乗効果があるという。
- 「楽天市場」でのショッピング利用額が51.3%増加
- 楽天トラベルでの利用額が21.6%増加
- 楽天カードのショッピング枠利用額が33.3%増加
また、「楽天市場」における流通シェアの約23%を楽天モバイルユーザーが占めるまでに拡大しているという。

さらに、2025年12月にはコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」から「楽天市場」へ毎月5000万トラフィック以上の送客を達成した。

もはやモバイル抜きに楽天のエコシステムは語れない。インフラとしての信頼性強化(ASTスペースモバイルによる携帯電話と直接つながる宇宙からのブロードバンド接続など)をこれからも進めていく。(三木谷氏)
サンバレーで語られた「AI革命」の本質。ムーアの法則を超える進化スピード
世界のトップリーダーが「AI」に集中、あらゆる前提を再定義
三木谷氏は、毎年7月に米国アイダホ州で実施され、世界のIT・エンターテインメント・スポーツ業界のトップリーダーが集う「サンバレーカンファレンス」に10年以上連続で参加。そこでAppleのティム・クック氏、Microsoftのサティア・ナデラ氏、OpenAIのサム・アルトマン氏、Anthropicのダリオ・アモデイ氏らと交わした対話の「95%はAIの話題だった」と振り返る。
「AI革命」は、単なる業務の効率化にとどまらず、これまでのあらゆる前提や仕組みがガラガラポンになるほどの「根本的な革命」であると確信した。(三木谷氏)
「7か月で性能倍増」という異常な進化速度と光と影
半導体の進化を示す有名な「ムーアの法則」では、約1.5年(18か月)で性能が2倍になるとされてきた。しかし現在、「AIエージェントの性能向上スピードは『ムーアの法則』を遙かに上回るスピードで進化している」(三木谷氏)とし、7か月ごとに倍速化しており、1年間で約4倍、2年間で16倍のことができるようになると指摘。かつて「AIにはさすがに無理だろう」と思われていた領域が、またたく間に現実のものとなりつつあるという。

人間とAIエージェントの業務遂行能力の比較においても、2025年時点でAIは人間に肉薄、あるいはすでに追い抜いている可能性が高い。三木谷氏は「人間の業務遂行率72.35%に対し、AIエージェントはこれを超えるレベルに到達している」と指摘する。

一方で、フィッシング詐欺(三木谷氏の写真を悪用した偽投資広告など)や、将来的な暗号解読リスク、AIによるセキュリティホールの発見といった「光と影」の双方に、ディフェンスを固めて立ち向かう必要があると強調した。
データは「ダイヤモンドの原石」。サードパーティに依存しない「独自開発AI」戦略
楽天が持つ「3兆超のデータ」という圧倒的優位性
AIはアルゴリズム(方程式)であり、それを動かす原資は「データ」である。三木谷氏は、楽天グループが蓄積してきたデータを「ダイヤモンドの原石」と表現した。毎月約5000万人のユニークユーザーがショッピングなどの経済活動を行い、蓄積されたデータの総数は実に3兆件を超える。
この膨大なマルチサービスデータ(EC、旅行、カード、銀行、モバイルなど)が1つのIDプラットフォーム上で相互につながっている点こそが、単一の検索エンジンや個別ECを持つ競合他社に対する、楽天の決定的な優位性である。

サードパーティ依存がもたらすコスト増とセキュリティのリスク
多くの企業がOpenAIやGoogleなどの外部AIに頼るなか、楽天は独自のAIモデル(LLM)の自社開発にこだわり続けている。すべてのシステムを外部(サードパーティ)のAIに全面依存することは、将来的な「コスト(利用料)の爆発的な高騰」を招き、最終的に出店店舗や消費者への金銭的負担として跳ね返る懸念があるためだ。また、大切な顧客のデータを保護するセキュリティの観点からも、自社開発による主導権確保が不可欠だとした。

楽天が現在開発・運用している独自モデルは4つあり、15億パラメータでスマホ上でも動く「2.0mini」から、7000億パラメータという大規模な最高級モデル「3.0」まで用意。デスクトップや携帯端末上で軽量に動くモデルから大規模な処理を行うモデルまで、適材適所で組み合わせることでコストを大幅に抑えつつ、日本語の評価スコアにおいても世界水準のAI企業に対抗できる性能を実現している。
一報で、中国のオープンソースAI(DeepSeek、AlibabaのQwen、MoonshotのKimiなど)の急進によって、1社あたり1~2兆円の開発費をかけた優れたモデルが進化しているという。
OpenAI、ANTHROPIC、Googleの「Gemini」などを使いながら、独自のAIを組み合わせていく。コストを下げるだけでなく、サービスの品質を向上させていく。(三木谷氏)
なお、2025年における楽天グループ全体のAI活用による利益創出効果は、約255億円に達しているという。

エンターテインメントとしてのECへ。会話型「AI店長:イチコ」が切り拓く新時代
Amazonとの決定的な違いは「店舗が主役」であり「人間味」を大切にする思想
三木谷氏は、「楽天市場」と最大の競合である「Amazon.co.jp」の決定的な違いとして「店舗のエンパワーメント」をあげた。「『楽天市場』は自動販売機ではない」という創業からの信念に基づき、テクノロジーの進化がどれほど進んでも、最終的には「人」や「人間味」が商売の価値になると語る。
24時間365日、店長をアバター化して接客する「AI店長 イチコ」
しかし、店舗が24時間365日、何万件もの顧客対応をすべて生身の人間で行うのには処理能力の限界がある。そこで楽天が現在開発を進めているのが、店舗のキャラクターや店長のペルソナを読み込み、店長をアバター化して接客を代替・補完する会話型「AI店長(仮称:イチコ)」だ。

キーノート内では、コスメ店舗での「イチコ」の接客デモを実演。デモでは、顧客の曖昧な要望や追加の質問に対し、商品のレビューデータなどを瞬時に要約しながら、自然かつ人間味のある対話でスムーズに購入へとつなげる一連の流れが披露された。今後は、「楽天市場」の多種多様な店舗が、それぞれの特長を生かした「独自のAI店長」を持つことができる世界をめざす。

進化する「スーパー・エージェント」への歩み
楽天が描くAI戦略は、単体のサービス効率化に留まらない。無料通話アプリ「Rakuten Link」での会話内容のAI要約や、将来的には「リアルタイム通訳」といった通信サービスへのAI実装を進めていく。

そして、ショッピング、トラベル、モバイルなど70以上のサービスを横断し、たとえば北海道にスキーに行くユーザーに対して「楽天市場」の防寒具を提案する、ふるさと納税の返礼品を提案するといった、各領域をつなぐ「スーパー・エージェント」へと楽天AIを進化させていくとした。
インターネットショッピングは自動販売機ではない。店舗と共に歩む楽天の覚悟
三木谷氏は「AIがサービスの本質を進化させていくが、重要なことは『人気(ひとけ)」をどのように大切にしていくか」だと強調。「人間はなぜ未だにロレックスなどの機械式時計を求めるのか。クォーツやデジタルでも良いはずだが、そこに人間味やストーリーを感じるからだ」と語る。エージェントは単に買い物を遂行するだけのものではなく、「こういった物はどうか」と各店舗の特長を生かしていく。「楽天らしいAIエージェントをさらに進化させていく」とキーノートを締めくくった。
月額1万円の美容機器サブスクは事業として回るのか? 事業PLで見る本体利用料と専用美容液クロスセルのリアル
これまで、初回980円トライアルモデル、定期初回半額モデルなど、EC・通販業界でよく見られるリピートモデルを、「投資回収シミュレーション」の考え方で見てきました。今回は少し視点を変えて、ある美容機器サブスクリプションの「投資回収シミュレーション」を元に、月額1万円の美容機器サブスクが事業として成立するかを検証していきます。
美容機器サブスクは、通常の定期通販と何が違うのか?
サブスクリプションモデルというと、「毎月売り上げが積み上がる安定収益モデル」と捉えられがちです。確かに月額課金は、継続してもらえれば収益の見通しを立てやすいモデルです。だからといって事業として簡単に成立するわけではありません。特に美容機器のような有形商材のサブスクでは、機器原価、配送費、返却、再生加工、リユース運用、さらには周辺商材のクロスセルまで含めて見なければ、本当の収益性は見えてきません。
化粧品や健康食品の定期通販では、商品を購入し使い切り、再購入するというリピート構造が中心になります。購入回数が増えるほど売り上げと利益が積み上がり、原価、物流費、決済費などを差し引いた限界利益で投資回収を見ていく、という考え方です。
一方、美容機器のサブスクは少し性質が異なります。顧客は商品を「買う」のではなく、機器そのものを一定期間「利用する」形です。さらに、機器本体には原価があり、発送費もかかります。解約時には機器の返却が必要で、返却された機器を再利用する場合には、再生加工、検品、クリーニングなども発生します。
つまり、美容機器サブスクは単なる月額課金モデルではありません。機器をどう循環させるかという運用設計が、事業性に大きく影響するモデルなのです。
「月額1万円、初月半額、CPA1万円」で試算する
今回の試算では、美顔器を月額1万円で利用できるサブスクモデルを想定しました。初月はトライアル月として半額の5000円、2か月目以降は月額1万円で継続利用してもらう設計です。CPA(顧客獲得単価)は1万円としています。
この場合、初月売上は約4545円(税抜)となるため、初回ROASは45.5%です。初月だけを見ると当然赤字ですが、2か月目以降の月額課金で投資回収していく構造になります。
ここで重要なのは、月額課金だからといって、初月から利益が出るわけではないということです。むしろ初月は獲得コスト、機器原価、発送費などが重く、赤字になる前提で設計する必要があります。その赤字をどのくらいの期間で回収できるのかを見るのが、「投資回収シミュレーション」の役割です。
新品機とリユース機をどう扱うか
美容機器サブスク特有の論点になるのが、機器原価です。今回の試算では、すべて新品機を発送するのではなく、新品機とリユース機を組み合わせる前提にしています。
新品機の原価を1万円、リユース機の再生加工費を2000円とし、新品20%、リユース80%の比率で運用すると想定します。この場合、F1時点の平均原価は3600円になります。計算式としては、1万円×20%+2000円×80%です。
新品機だけで運用すれば、初期の原価負担は大きくなります。一方、リユース機を組み合わせれば、初回提供時の原価負担を抑えられます。ただし、リユース運用には品質管理、検品、再生加工、再発送に耐えられる状態の維持といった実務が必要です。原価だけを下げればよいわけではなく、運用品質と収益性を両立させる必要があります。
F2転換率は低く、F3以降は高く見る
このモデルで大きく違うのが、F2転換率の見方です。化粧品の定期購入であれば、商品体験が良ければF2転換率をある程度高めに置ける場合があります。しかし美容機器のサブスクでは、初月は「一度使ってみたい」「自分に合うか試したい」という顧客も多く含まれます。
さらに2か月目からは月額1万円に上がります。初月5000円で試した顧客にとって、2か月目以降の1万円は心理的にも金額的にもハードルが上がります。そのため、ここで離脱する顧客は一定数出ると考えるべきです。今回の試算では、F1からF2への転換率を35%と低めに置いています。
一方で、F2以降の継続率は高めに設定しています。なぜなら、2か月目も継続した顧客は、月額1万円を払ってでも価値を感じている層と考えられるからです。実際に機器を使い、使用感や生活習慣への組み込みやすさを感じている顧客であれば、その後の継続率は高まりやすくなります。
今回の試算では、F2からF3を75%、F3からF4を80%、F4からF5を90%、F5以降を95%と置いています。初回から2回目への壁は高いが、そこを超えた顧客は比較的残りやすい。この構造が、美容機器サブスクの大きな特長です。
サブスク特有の要素:終了返送時の送料
もう1つ、サブスク特有の要素として見落としやすいのが、終了時の返送コストです。美容機器サブスクでは、顧客が解約した場合、機器を返送してもらう必要があります。その際、返送用の資材費や送料が発生します。
通常の定期通販では、商品を届ければ取引は一旦完結します。しかし機器サブスクでは、終了時に「戻ってくる」ことまで設計に入れなければなりません。継続しなかった顧客の分だけ返送コストが発生するため、F別推移で離脱した人数に応じてコストがかかる構造になります。
そのため、配送時の送料だけでなく、終了時返送に関わる資材・送料も含めて試算する必要があります。今回のモデルでも、F1時点では初回発送に加えて、早期離脱者の返送コストが乗るため、フルフィルメント費はかなり大きなものになります。
本体サブスクだけで投資回収は成立するのか?
この前提で試算すると、美容機器本体のサブスクだけでも、投資回収期間は約10か月となります。5年後の投資回収効率は2.29倍です。
つまり、CPA1万円で顧客を獲得できる前提であれば、顧客1人あたりの限界利益は10か月程度で累積黒字化し、長期では一定の収益性を見込めるということになります。
ただし、この結果だけを見て「問題なく成立する」と判断するのは早計です。なぜなら、美容機器サブスクでは、単純な月額利用料だけでは判断できない要素が多いからです。
機器譲渡モデルでは、判断が分かれる
美容機器サブスクでは、一定期間利用した顧客に対して、機器本体をそのまま譲渡する設計が採用されることもあります。たとえば15万円相当の機器を月額1万円で提供し、累計の月額利用料が本体価格を超えた顧客には、そのまま機器を提供するという考え方です。
この場合、10か月で投資回収できるなら、その後の数か月分は利益になります。しかし、機器の実質価値や譲渡条件によっては、十分な利益が残らない場合もあります。たとえば10万円相当の機器を実質的に10か月で回収する設計であれば、ほぼトントンで終わってしまう可能性もあるわけです。
美容機器サブスクでは「月額課金が積み上がるから良い」と単純に見るのではなく、機器原価、リユース比率、返却・再生加工費、譲渡条件まで含めて判断する必要があります。特にリユース運用を行う場合は、回収した機器をどの程度再利用できるのか、再生加工費はいくらか、再発送に耐えられる品質を保てるのかといった運用設計が、収益性に直結します。
専用美容液は「ついで買い」ではなく、体験価値を支える商品
そしてもう1つ、美容機器サブスクで重要になるのが、専用美容液などのクロスセルです。美顔器は、機器単体で完結する商品ではありません。電流を肌に届けるタイプの機器であれば、通電性の高い状態を保つことが重要になります。また、電極を肌に当てながら動かす場合には、肌との摩擦を抑えるためのクッション性も必要になります。
つまり専用美容液は、単なる美容成分としての美容液ではなく、機器を適切に使うための補助商材としての意味を持ちます。
もちろん、表現上は「効果・効能」を断定するような言い方には注意が必要です。ただし、事業設計上は、専用美容液やジェルの存在は非常に重要です。通電性、クッション性、使いやすさを高める周辺商材を組み合わせることで、機器の利用体験そのものを高めることができます。そして、それはサブスク継続の理由にもつながります。
クロスセルを加えると、投資回収効率はどう変わるか
今回の試算では、サブスク利用者に対して、通常5000円程度の専用美容液を割安に購入できる設計を想定しました。原価を1000円程度とし、定期クロスセルのレスポンス率を30%と置いた場合、投資回収期間は9か月に短縮され、5年後の投資回収効率は2.56倍まで改善します。
本体サブスクのみの場合は、投資回収期間10か月、5年後の投資回収効率2.29倍でした。クロスセルを加えることで、収益性が一段高まることがわかります。
ここで重要なのは、クロスセルを単なる追加売上として見るのではなく、サブスク体験を支える構造として捉えることです。専用美容液があることで、機器の使用体験が安定し、顧客が使い続けやすくなる。その結果、クロスセル売上が生まれ、さらに継続率にも好影響を与える可能性があります。
美容機器サブスクにおける専用美容液は、単なる「ついで買い」ではなく、事業モデル全体を支える重要な要素なのです。
美容機器サブスクは、月額課金にすれば成立するわけではない
ここまで見てきたように、美容機器のサブスクリプションモデルは、単品リピート通販とは異なる収益構造を持っています。F2転換率は低く見ざるを得ない一方で、F2以降の顧客は比較的強く残りやすい。機器原価や返却・再生加工費の負担はあるものの、リユース運用によって初期原価を抑えることができる。そして専用美容液などのクロスセルを組み合わせることで、事業全体の収益性を改善できる可能性があります。
ただし、このモデルは決して簡単ではありません。リユース機の品質管理、返却オペレーション、再生加工、機器譲渡条件、専用美容液のクロスセル設計など、検討すべき要素が多くあります。だからこそ、感覚で「月額課金だから安定する」と判断するのではなく、「投資回収シミュレーション」で構造を分解して見る必要があります。
今回のような美容機器サブスクは、試算上は検討に値するモデルだと思います。ただし、それは本体利用料だけで判断するのではなく、機器の循環運用とクロスセルまで含めて設計した場合です。サブスクリプションモデルは、単に月額課金にすれば成立するわけではありません。顧客が継続する理由と、事業として利益が残る構造を同時に作る必要があるのです。
今回解説したシミュレーションファイルの実物については、筆者のnoteで有料提供しています。実際に数値を変更しながら、美容機器サブスクの収益構造を検証できる形にしています。
月額費用、F別継続率、新品機とリユース機の比率、再生加工費、専用美容液のクロスセル率などを変えながら、自社の条件に近い形で試算できるため、同様のモデルを検討している方には参考になるはずです。
▶試算ファイルの実物はこちらのnoteで(有料販売):https://note.com/kawabe_atsushi/n/n6e30f5923967
試算してから、勝負する。必要に応じて、事業設計の参考にしていただければと思います。


