Web担20周年記念

Web担が20歳に! 日本のWeb担当者さんたちと歩んできた20年

雑誌『インターネットマガジン』を起源に、企業サイトのウェブマスター的な仕事をしている人のためのメディアとして生まれ、変わってきたWeb担。20周年でその歴史を振り返ってみましょう。

安田英久(Web担 編集統括)

7:05

みなさんご無沙汰しています。Web担初代編集長の安田です。

Web担当者Forumは、2026年7月24日に創刊20周年を迎えます! めでたい!

これも、読者の皆さんが「Web担、良い!」と思ったり、後輩に勧めたりしてくれたおかげです。そして、そうした読者さんの好感を作り出したのは、媒体運営を助けてくださった筆者さんや取材先さんです。もちろん、メディアやイベントを支えてくださった協賛企業がなければ、サイトを運営し続けられませんでした。

みなさん、本当にありがとうございます。

このタイミングで、Web担の20年を振り返ってみましょう。

『インターネットマガジン』が原点

そもそもは雑誌『インターネットマガジン』がWeb担の起源なのです。

日本で「ブログ」という言葉が使われるようになった2003年ごろ、私はインプレスの『インターネットマガジン』の編集部にいました。書店で販売する月刊の雑誌ですので、毎月いろんな特集が走ります。扱うトピックは多岐にわたりますが、たとえばこんな方向のものでした:

  • 無線LAN
  • ブロードバンド
  • P2P
  • インターネット対応住宅
  • RFID
  • IP電話

いにしえのインターネットという感じですよね!

でも、僕が編集部に入ったあたりから、その方向が少しずつ変わっていきました。具体的には、次のような特集が増えていったのです:

ここらへんのネタ、つながってるのでは?

それぞれ別の特集として企画していますから、編集部のなかでは「いろいろある特集の1つ」でした。でも、こうしたトピックに関する当時の編集部員のコメントで、僕の記憶に残っていたものがありました。こんな感じの言葉でした:

なんかさぁ、最近やってる特集のネタ、つながってると思うんだよね。

その考えが頭にあった私は、その後『インターネットマガジン』編集部を離れてから、こうしたトピックを総合したムックを作りました(「ムック」は定期刊行じゃない雑誌みたいなもので、書店で売るやつです)。その名もWebマスター完全ガイド。2005年のことで、この名前で2点発行しました。

この時点で「企業サイトのウェブマスター」向けに「SEO」「PPC」「アクセス解析」「CMS」「ユーザビリティ」といったトピックを扱っていく方向性が見えていました。

「Web担当者」という言葉とともに生まれたムック+Webメディア

「日本でWebサイトを仕事に活用している人に正しい情報が必要だ」という方向性を定められたので、本格的なメディア展開をプランすることになりました。改めて新シリーズとして正式なムックを刊行し、さらにWebメディアも開始しました。

ムックは『Web担当者 現場のノウハウ』(隔月刊、12号+増刊2号を発行して終了)で、サイトが「Web担当者Forum」です。そう、ここでようやくWeb担が出てくるのです。

実は、この名称が決まるまでは「Webマスター」「Webプロフェッショナル」などの言葉をメディア名に入れようとしていました。

でも、筆者さんや取材先の方と話していて、こんな話題がありました:

日本の企業でWebサイトをやってる人たちって、自分が「Webマスター」だって思ってないよね。「Webマスター」って、なんか情シスの人たちの仕事みたいな感じ。

確かにそうなんですよね。

「んじゃ、そういう人たちって、なんて呼ぶの?」から生まれたのが「Web担当者」という言葉でした。そう、実はこの「Web担当者」という言葉、2007年より前は、ほとんど使われてなかったんですね。

「トピック」じゃなく「人」を対象にしたメディア

「Web担当者」という表現に決めて明確になったことがあります:

このメディアは、「このトピックに関する」ものとしてではなく、「こういう人たちのために」という枠組みで作るんだ

当時、雑誌やメディアと言えばトピックを軸にしたものが多かったんですよね。「Mac」とか「DOS/V」とか「自動車」とか「サッカー」か、「インターネット」とか。そういう媒体では、企画もそのトピックが軸になっています。

でも、Web担はそっちの方向ではなく、「社内でこういう仕事・役割をしている人のためのメディア」として作ろうと決めたんです。

たとえば、(今の人は想像できないかもしれませんが)当時のWeb担当者は社内でもまだ認知が浅く、予算も決定権も少なかったんですよ。なので、「どうやって社内で稟議を通すか」「ITに明るくない上司にYESと言ってもらうには」といった組織内の動き方も企画として扱う対象にしました。IT系じゃない人が社外の方とサイトを作っていく動きも増えていったので、「見積もりとかプロジェクト管理ってどうやるのがいいの?」といったネタも扱うようにしました。

そうした情報を総合的に提供することで、日本のWeb担当者さんが仕事をしやすくなり、ひいては日本の社会が良くなっていくことを目指していました。

ケータイ、ソーシャル、スマホ、そしてAIへ

そこから20年、世の中はどんどん変化していきました。

  • 企業Webサイトは、「一部の変な人がやってるもの」から「ビジネスとして大前提のもの」に
  • 画面サイズは1024×768から4Kワイドに
  • ITに明るくない人でも「ガラケーでネット」さらには「スマホでネット」が当たり前に
  • コンテンツも「文字と画像」が大半だった状況から、ビジュアル素材重視・動画や音声も当たり前に
  • 情報を公開するのは、一部の人だけでなく、だれでもソーシャルで気軽に。万人が発信者の時代

すでに、インターネットを流れるトラフィックは人間によるものよりも、AIのクローラーやエージェントによるもののほうが多くなっているという話もあります。

ここからの5年・10年・20年で、インターネットはこれまでの何倍もの早さで劇的に変わっていくことでしょう。

だいぶ前からWeb担で扱う話題にマーケティング系のものが多くなっているので、「『Web担当者』という言葉が実際の読者とずれてるんじゃないか」というご意見も多々頂いていました。そのあたり、編集部も重々理解しています。

じゃぁ、「デジタルマーケティング」とか「ビジネスでのネット活用」みたいな名前にしていくのかというところですが、この変化が続けば、「このメディアはだれのため?」の対象を指す言葉はどんどん変わっていっちゃいそうですよね。

そんな風に世の中が変わっていっても、メディアの名前が変わっていっても、「このメディアはこういう人たちのために」という枠組みであるというコアの点は、堅持していけるといいなと思っています。

20年の感謝を込めて、これからも、みなさんの未来に役立っていきます!

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