初代編集長ブログ―安田英久

Yahoo!の関連検索に出るようになったネガティブ情報を消す方法

自社のブランドで検索したときに、検索エンジンの「関連検索ワード」にネガティブな情報が出てしまう場合
Web担のなかの人

今日は、すこしSEO&広報&ビジネスといった方向性の話を。自社のブランドで検索したときに、検索エンジンの「関連検索ワード」にネガティブな情報が出てしまう場合、どう対応するのが正しいのでしょうか? あなたならどうしますか?

検索エンジンにはヤフーにもグーグルにも「関連検索」と呼ばれる類の機能があります。検索したキーワードと他のキーワードを組み合わせた検索フレーズを検索結果ページに表示するもので、たとえば、「浅草」と検索すると、「浅草 水上バス」「浅草キッド」のように表示されます。絞り込み検索を便利にするための機能ですね。

関連検索としてどんなフレーズが提案されるかの仕組みはグーグルとヤフーで違っています。

グーグルでは「他のキーワード」として表示され、インデックス内のページで検索したキーワードといっしょに出現することが多いキーワードを組み合わせて表示したり、検索キーワードからその意図を推測して概念が関連するフレーズを表示したりします。

ヤフーでは「関連検索ワード」として表示され、検索でどんなキーワードが使われているかの情報をもとに、表示される内容が決められます。

では、想像してみてください。あなたがインプレスという会社を経営していて、「インプレス」と検索したときに、関連検索として「インプレス 詐欺」「インプレス ブラック」のような、ネガティブ情報が表示されるようになったら、どうすればいいのでしょうか? (念のために:うちは詐欺なんてしていませんし、ブラックでもありません)

  1. 検索エンジンに抗議して表示させなくする
  2. SEO業者の関連検索削除サービスを利用する
  3. 他のポジティブな情報をうまく出して状況を逆に利用する

あなたなら(あなたの上司なら)どうするでしょうか。

1. 検索エンジンに抗議して表示させなくする

最も時間を無駄に費やすパターンですね。

Googleは、現役大統領のファーストレディの名前を画像検索すると不適切な加工画像が表示される状況であっても、「検索結果の順位は何千もの要因をコンピュータで計算して出すものであり、Googleは検索結果に整合性を保つことは非常に重要だと考えているため、検索結果に表示される内容を個別に調整することはしない」としています。

Googleが検索結果から削除するのは、次の3つの場合だけとのことです。

・Googleのガイドラインに反している
・法を犯している
・ページの所有者が削除リクエストを出した

ヤフーでは、「問題となる検索結果に関する情報提供フォーム」はありますが、「検索結果からの情報削除に関しましては、個別の見解および検討結果を含め、返答はいたしておりません。ご了承ください」となっていますので、あまり期待はできません。

http://ms.yahoo.co.jp/bin/abuse-search/feedback

もちろん、法的な措置をとることも不可能ではありませんが、そうすると、逆に隠したいこと公になってしまう問題があります。

2. SEO業者の関連検索削除サービスを利用する

グーグルならば「他のキーワード」の候補となるキーワードの組み合わせを含んだページを大量に生成してインデックスさせることで、ヤフーならば「関連検索ワード」の候補となるキーワードの組み合わせの検索を大量に発生させることで、問題の関連検索を表示から追い出すことが(理論的には)可能です。

実際にそういったサービスを提供している事業者もありますが、ネガティブ情報を削除するためとはいえ、特定のキーワードの組み合わせは関連検索に出すための機械的な行為は、原則として検索エンジンのガイドラインに反すると考えるべきでしょう。

ヤフーも、「関連検索ワード」に関して、次のように明示しています。

本機能を、SEOやいやがらせ等の目的で利用する行為は禁止しています。
そのような行為を発見した際には、なんらかの措置をとる場合があります。

検索エンジン側もスパム対策をしているので、単純に大量にページや検索を発生させればいいわけではありません。

Yahoo!JAPAN、関連検索ワードのフィルタを強化、スパム排除へ::SEM R
http://www.sem-r.com/09/20091103214341.html

また、上記ページの追記部分に書かれているように、関連検索の操作には何らかの形で一般の人が操作に荷担する場合があります。そうなると、「操作しようとしている」ことが公になってしまいます。まとめブログなどで暴露されたら、それこそ逆効果ですね。

3. 他のポジティブな情報をうまく出して状況を逆に利用する

現時点でとるべき対応の原則はこれでしょう。

関連検索でネガティブなフレーズがクリックされても検索結果に出る内容がポジティブなページになるように、他のコンテンツを生み出していけば、悪い状況を逆に利用して評判管理ができますね。

いまの時代、企業にとって都合の悪いことは、隠そうとすればするほど表に出やすくなっています。新製品の発売日に行列を作るためにサクラのアルバイトを1000人も雇ったり、ブロガーにお金を払って記事を書いてもらったりすると、すぐに暴露されるものです。

ネガティブな情報は隠そうとするのではなく、ポジティブな情報で逆転してしまいましょう。問題となった関連検索キーワードに原因があればそれを取り除き、その話題を打ち消す話題を作るのです。

パナソニックは石油温風器に問題が発生したときに、世の中の人が「もういいでしょう」と言うまで、その問題に真正面から取り組み続け、結果としてブランドイメージを向上させました。

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