同業態でも異なる顧客ロイヤルティに影響を与える要因。航空会社の場合は?【IMJ調査】

IMJは「NPSを活用したロイヤルティドライバー競合調査 第2回 航空会社編」を実施し、調査結果を発表した。

アイ・エム・ジェイ(以下、「IMJ」)は、航空業界を対象に「NPSを活用したロイヤルティドライバー競合調査 第2回 航空会社編」を実施し、その調査結果を発表した。これは2017年11月に発表された「第1回 百貨店業界編」につづくもので、顧客ロイヤルティに影響を与える要因(=ロイヤルティドライバー)を同社の独自メソッドにより分析している。

※NPS(Net Promoter Score)は顧客ロイヤルティを測る経営指標。
https://webtan.impress.co.jp/l/6990

顧客ロイヤルティの向上要因を明確化

今回の調査対象である航空業界の中でも、より直接的な競合となる日系大手航空会社2社のロイヤルティドライバーを図示したものがこちら。感情面、機能面ともに顧客ロイヤルティにつながる要素が異なっていることが見てとれる。

図:航空会社のロイヤルティドライバー

ここで着目したい点は、両社に共通する「客室乗務員の対応・丁寧さ」「チェックイン・荷物預けのスムーズさ」を構成する詳細項目の部分である。たとえば「客室乗務員の対応・丁寧さ」について、A社では「控えめに寄り添うような対応」、B社では「マニュアルに頼らない、個々の人間性を感じる接客」が要因のひとつとして挙げられている。

客室乗務員の対応の中でもどのような点が顧客ロイヤルティの向上につながっているかは異なり、そこから導かれる今後のアクションも異なるであろうことがうかがえる。

つづいて日系LCC(Low Cost Carrier; 格安航空会社)2社についての分析結果がこちら。同様に、顧客ロイヤルティの向上につながるロイヤルティドライバーは両社で異なっている。

図:LCCのロイヤルティドライバー

独自メソッド開発の背景

IMJが今回の調査を実施した背景には、従来からのNPSの数値データ分析やテキストマイニングから導かれたロイヤルティドライバーが、アクションにつなげられるほど明確なものにならなかったこと、業界共通の要因に留まりがちで、自社の顧客に向けた個別のアクションに落とし込みにくかったことがあるという。

このためIMJでは、アンケートのフリーアンサーやインタビュー内容をテキストマイニングツールで定量化して把握するのではなく、「テキスト分析手法を用いて、ワークショップ形式で分析を行うことで、顧客の言葉の背景や、発言のもとになっている体験や感情を理解しながら、顧客ロイヤルティと顧客行動を合わせた形で可視化していく独自メソッドを開発した」とのこと。

調査概要

この調査はインターネットアンケート調査とオンラインインタビューを併用している。

<インターネットアンケート調査>
  • 【調査地域】全国
  • 【対象者】18歳~69歳の男女 ※調査会社が保有する調査パネル
  • 【対象者条件】対象航空会社を過去1年以内に利用したことがある人
  • 【調査時期】2015年3月
<オンラインインタビュー>
  • 【調査地域】全国
  • 【対象者】20代~60代の男女 ※調査会社が保有する調査パネル
  • 【対象者条件】対象航空会社の国内線を利用したことがある人
  • 【調査時期】2017年12月
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