1 お客様の声から見つけた課題を解決しているのに、ロイヤルティが上がらない! それってなんで?
「NPSのアンケートを定期的に実施して、お客様の声から課題を発見、それを解決するためのアクションプランを検討して実施する。『NPSの基本』をきっちり行っているのに、最近はスコアに改善が見られなくなっている。」
こんな、NPSのご担当者の方の話を最近よくお聞きします。
もちろん、行っていることは間違っていません。 しかしスコアをまた向上させていくために、一度、今まで実施してきたアクションや検討中のアクションを一度振り返ってみましょう。
それらのアクションはどのようなデータから、またはどのようにデータを分析して作ったものですか?
「お客様が言っている不満」から考えたアクションだけになってしまっていませんか?
上記の図のように、一般的に価値は4段階に分けられると言われています。最低限の基本価値、期待価値を提供できなければ企業やブランドとして成立しませんし、競合との戦いに負けてしまうでしょう。逆に、基本価値・期待価値・願望価値が揃ったうえで、予想外価値を提供することができたときには、お客様は企業やブランドのファンになってくれます。
実は、ロイヤルティ向上に悩む企業のほとんどが取り組んでいるのは、顕在化した不満や改善要望の解消(基本価値・期待価値・願望価値)です。
これは「現状改善」の取り組みです。 お客様が求めているものに応えるだけでは、お客様のロイヤルティは「マイナス」から「ゼロ」にしかならず、「10」や「100」へのジャンプアップにはつながりません。
ご自身の体験を振り返ってみると、思い当たることがありませんか?「こんな対応をしてくれたら嬉しいな」「こんなサービスが欲しいな」と既に自分が望んでいることを、その通りに企業が叶えてくれたときよりも、思いがけないサービスや、対応をされたときの方が「この企業大好き!ずっと使い続ける!!」と強く思うのではないでしょうか?
つまり、既にユーザーが言葉にしている「これが嫌だ」「これが欲しい」などの不満を解決するアクションを実施しているだけでは、ロイヤルティが跳ね上がるような感動は生み出せない、ということです。
2 感動体験の創出が推奨者を作り出す。「感動」を呼ぶ顧客体験の創造とは。
ロイヤルティを大きく向上させるため、推奨者を増やすためには、一段上の価値(予想外価値)の提供をすることが必要不可欠であり、お客様の「顕在化している不満の改善」ではなく、お客様の「期待を超えた体験価値 = 感動体験」を創出し、提供することが重要です。
お客様は常に、より上質で快適で、期待を超えた体験を求めています。しかし、サービスや製品のレベルが最大限まで向上している状況の中で、「お客様の期待を超える体験」を創造していくのはそう簡単ではありません。
「お客様の期待を超える体験」といっても、「企業視点で考えたお客様が感動する(であろう)体験」を作ればいいのではありません。「お客様の期待」を超えるには、まずは自社のお客様を深く知る必要があります。
お客様のことを徹底的に理解し、お客様がまだ言葉に出来ていない「要望」や「自身が持つ価値観」を見つけ、それらを満たす顧客体験を提供していくことが、お客様の期待を超えることにつながっていくでしょう。
自分でも意識していなかった心の奥にある琴線に触れるような体験をしたときに人は感動し、さらに自分と同じ「価値観」を持っている(企業に共感できる)と実感できたときにロイヤルティが醸成されるのです。
推奨者を増やすためのアクションを考える際には、顕在化している不満や要望に着目するだけでなく、お客様の心の声に耳を傾け、彼らが持つ潜在的な要望や価値観を満たすことを考えることも重要です。
3 まとめ
スコアの伸び悩みを感じているご担当者様。
「NPSは自社に合っていない!」と判断する前に、お客様の不満を解決するアプローチに、「お客様自身としっかり向き合う」というアプローチを加えて、ロイヤルティ向上のためのアクションを検討してみてはいかがでしょうか?
数値アンケートやツールを使ったテキストマイニングから出してきたロイヤルティドライバーとは違う、「予想外価値」につながるロイヤルティドライバーを見つけるための分析をぜひ行ってみてください。
ポイントは「お客様の心の声に耳を傾ける」です。タッチポイントや既存サービス、ブランド・企業の枠にとらわれず「お客様自身」と向き合うことが、スコアの伸び悩みの突破口になるでしょう。
■「ロイヤルティ向上のためのアクションを考えるたセミナー」開催
IMJでは最高の感動体験を描くために、顧客中心のコミュニケーション戦略を重要視し、NPSだけでなく、多数在籍しているUX専門家から得たノウハウを取り入れ、ワークショップ形式でカスタマージャーニーマップ(CJM)を用いてNPS向上のためのアクションプランを策定しています。
お客様の声と向き合いながら、「期待を超えた体験=感動体験」を作るためのワークショップの進め方は、IMJ主催セミナー「真のロイヤルティドライバーはこれだ! ~NPS®と顧客体験(CX)からロイヤルティドライバーを考える~」で紹介します。
こちらの記事もどうぞ
アクションプランを考える上での3つのポイントをご紹介!
>>ロイヤルティを向上させる「アクションプラン」を生み出す! IMJ流NPSワークショップ3つのポイントとは?
自社の「ロイヤルティドライバー」を探し出す方法とは?
>>「数値データ分析」だけでNPS調査ができたと満足していませんか?
ロイヤルティドライバーはデータだけでは見つからない‼どんな企業が先進的に導入しているのか?どんな結果がでているのか?
ソーシャルもやってます!