NPSについてはこちらの記事をご覧ください。

IMJ NPSコンサルティングチーム

松永 来美
NPSコンサルタント
Net Promoter(R) 認定資格者

POINT1:ロイヤルティドライバーは、プロジェクトに関わるメンバー全員でフリーアンサーを深掘って見つける!

ロイヤルティドライバーをきちんと見極めることができれていれば、具体的なアクションプランを設計することができます。でも、前回も言いましたが、アンケート調査の数値データを分析するだけでロイヤルティドライバーを把握するのは難しいものです。表面的なロイヤルティドライバーから作ったアクションではある程度までしかロイヤルティは向上しませんし、最悪のケースだとロイヤルティが失われてしまう場合もあります。

IMJ流ワークショップでは、クライアントと一緒にフリーアンサーを分解・分析して、お客様の生の声を一つひとつ確認しながらロイヤルティ向上のためのヒントを探していきます。

  • マーケティング部門やセールス部門、カスタマーサービス部門など、プロジェクトに関わるメンバー全員が参加することで、お客様の声に向き合うことができる。
  • お客様のフリーアンサーを付箋に落として可視化することで、声と声の関連性に気付いたり、全体像が把握しやすくなる。

時間をかけて関係者全員でフリーアンサーを分解・分析することで、お客様の声なき声や、企業やサービスに対する顕在化している欲求を整理していきます。

でも、お客様の顕在的な欲求を明らかにしただけでは、必ずしもロイヤルティ向上につながるロイヤルティドライバーが見つかるとは限りません。 POINTは、お客様の欲求を理解した上で、お客様が持つ潜在的な欲求(インサイト)を明らかにしながら、ロイヤルティドライバーを探り当てることが重要だということです。ワークショップでは、IMJ独自のメソッドで、生活者が共通して持つロイヤルティドライバーから、ロイヤルティをジャンプアップさせる企業固有のロイヤルティドライバーまで見つけることができます(企業固有のロイヤルティドライバーについては、後日の連載でご紹介します。お楽しみに!)。

POINT2:「カスタマージャーニーマップ」で、お客様の視点でロイヤルティが生まれる瞬間を見つける。

お客様の声からロイヤルティドライバーを探り当てただけでは、ロイヤルティを向上させるためのアクションプランには、なかなかたどり着けません。
なぜならNPSでは、企業やブランドを周囲の人に勧める可能性をスコアにし、「推奨者」「中立者」「批判者」のいずれかに分類しますが、お客様はいつ・どこで・どんな行動をしていて、何を感じ、どんな嗜好を持っているのか、そしてお客様はどんな理由で推奨者・中立者・批判者になっているのかを把握しなければ、適切なタイミングで適切なターゲットに対して、適切なアクションは打てないからです。

IMJでは上記のようなお客様像を可視化するために、カスタマージャーニーマップ(以下CJM)を用いてワークショップを行っています。ここでのPOINTはCJMを描いて、お客様の視点からロイヤルティが生まれる瞬間や醸成されるきっかけ、反対にロイヤルティが失われるプロセスなどを徹底的に洗い出し、気持ちや体験、行動や感情までを見える化することです。見える化することで、ロイヤルティを向上させるためのアクションをすべきタイミングとそこで行うべきアクションが見えてきます。

POINT3:「アクションプラン」は2軸で考える。

ロイヤルティドライバーを探り出し、CJMを作成したら、いよいよアクションプランの立案です。

ここでのPOINTは

  • ロイヤルティを下げる原因となる批判者を減らすためのアクションと、感動体験を生み出すアクションの2軸でプランを考える。
  • バラバラになりがちな部署ごとの考えを、CJMを用いることで共通の言語とゴールにする。

ワークショップの始めに読み込んだ「お客様の声」を、アクションプランに取り入れる手法をコンサルタントが伝授。具体的なアクションプランを作成していきます。

ロイヤルティドライバーのスコアへの影響度も考慮して、批判者を減らすためにすぐに行うべきアクションや、推奨者の増加・育成のための「新しい感動体験」を創出するような具体的なアクションを考えて、プランを練っていきます。また、もともと実施していたアクションを、お客様の声を通じて、「自社のお客様」の価値観に合うようなアクションへブラッシュアップすることも可能です。

ワークショップ形式でアクションプランを考えていくと、参加者同士の会話からこれまでになかった気づきや新しい発見が生まれる場合もあります。CJMを用いてアクションプランを考えるため、部署をまたいで共通の言語とゴールを持つことができ、今後すべきことが明確になっていくこともワークショップのメリットと言えるでしょう。

IMJ NPSワークショップ参加者の声

【自動車メーカー様】
「お客様の言葉の本質」を理解し、企業目線でなくお客様の声から描くCJMを描いたことでアクションの幅が広がりました。そしてロイヤルティ向上のためにすべきこと、していると思っていたけれどできていないことから改善しなければいけないと気づかされました。本当の意味で「顧客の声からアクションを出す」ことが、初めてできた気がします。目からうろこのワークショップでした。

【製薬メーカー様】
お客様の声を読んでみると、同梱物やメルマガをきちんと読んでくれていて、それが企業へのロイヤルティにつながっていることがわかりました。今までは開封率などの「行動による反応」しかわかりませんでしたが、自分たちの行っていることがお客様の心を動かし、それが継続利用につながっていることがわかって安心しました。今後もお客様の声から「お客様の求めている本質」を理解し、ロイヤルティを向上できるようなコンテンツを提供したいです。

【保険会社様】
コールセンターでは、いわゆる批判者の声がどうしても大きく聞こえてくることが多いものです。しかし、ワークショップで批判者だけでなく推奨者の声を分析してみるとコールセンターの対応に喜んでいただいている様子がわかり、とても嬉しく感じ、モチベーションにつながりました。これをチームにもフィードバックし、コールセンターから感動体験を作っていけるように、今後もお客様の声を聞きながら活動していきたいです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ロイヤルティ向上のためのアクション立案にお悩みの方は、ぜひ一度IMJ流ワークショップをお試しください!

次回第3回目では、記事の中で紹介した「ロイヤルティドライバーの種類」について、さらに詳しく説明します。お楽しみに!

「ロイヤルティ向上のためのアクションを考えるたセミナー」開催

IMJでは、2018年1月下旬に「ロイヤルティ向上のためのアクションを考えるセミナー」を開催予定です。その中で、IMJ流ワークショップの内容や実際に作成したCJMを公開します。ロイヤルティ向上のためのアクション立案にお悩みの方、ロイヤルティ向上に行き詰まっている方のご応募をお待ちしています。

セミナーの予約開始は1月上旬の予定です。応募が開始されましたら、IMJ Facebookにて告知しますので、こちらよりIMJ Facebookに「いいね!」してください。

こちらの記事もどうぞ

自社の「ロイヤルティドライバー」を探し出す方法とは?

>>「数値データ分析」だけでNPS調査ができたと満足していませんか?
ロイヤルティドライバーはデータだけでは見つからない‼

どんな企業が先進的に導入しているのか?どんな結果がでているのか?

>>米国では主流のロイヤルティ指標 “NPS”
日本では、いまだ72パーセントが「知らない」‼ CSとの違いとは?

顧客サポートや共創など、顧客ロイヤルティの向上を意識した事例をピックアップ!

>>顧客ロイヤルティアップの秘密! NPS視点でみるSNS活用事例