【レポート】Web担当者Forumミーティング 2023 秋

一瞬で心をつかむ! プロが教える「プレゼンが上手くなるテクニック」

プレゼンが苦手な人必見! リアルでもオンラインでも使える、プレゼンテーションがすぐに上達するコツをマイクロソフトの業務執行役員である西脇資哲氏が伝授。

テレワークが主流となってはや3年。今年はいよいよリアルでのプレゼンテーションの機会も増え、よりインタラクティブなコミュニケーションが求められている。

Web担当者Forum ミーティング 2023 秋」では、日本マイクロソフトの業務執行役員である西脇資哲氏が登壇。参加者のスマホを使ったリアルタイムでのインタラクションを行いつつ、プレゼンテーションのテクニックや最新の生成AI活用術について紹介した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲 氏

75%の人がプレゼンに苦手意識がある⁉

日本マイクロソフトのエバンジェリストとして、日々さまざまなプレゼンテーションを行っている西脇氏。アメリカの経済誌の調査によると、70%の人が「ビジネスで成功するためにはプレゼンテーションスキルが必要だ」と回答したという。

70%の人が「ビジネスで成功するためにはプレゼンテーションスキルが必要」と回答

その一方で、欧米人も含め、75%の人が人前で話すことに恐怖心を抱いてるということもわかった。プレゼンの苦手意識は世界共通のようだが、西脇氏は「今日はそれを克服していきましょう」と語る。

成人の75%が「人前で話すことに恐怖心を抱いており
プレゼンテーションが苦手」と答える

なお、本セッションでは実際にスマホを使って、参加者の声を反映したインタラクティブなプレゼンテーションが行われた。発表者の問いかけに対し、スマートフォンでは素直な意見が出てくるという。

会場では得にくい反応が、スマートフォンなら一気に拾える。また、皆さんが日常使っている単語がぱっと出てくるので、効率がいいんです(西脇氏)

プレゼンテーションは「朗読」ではなく「会話」

そもそもプレゼンテーションとはなんなのか。西脇氏は「プレゼンテーションは “朗読” ではなく “会話”だ」と繰り返す。会話とは、ただスライドを読みあげるのではなく、伝えたいことを相手に話すことだ。

あらかじめ用意された資料の朗読では、「間違えたらどうしよう」と緊張してしまう

用意されたスライドや原稿を読むだけなら、人工知能でいい。NHKさんも、AIが読む時間は30分を超えていますよね。用意されたものを朗読する仕事は、もう人間がやることじゃないんですよ(西脇氏)

では、朗読にならないためにはどうすればいいのだろうか。西脇氏は「スライド(資料)の情報量を減らしましょう」とアドバイスする。具体的には、50〜70%ほどの情報量がおすすめとのこと。

スライドの情報量を減らすことで「会話」につながる

情報が多いと、それを読むのに一生懸命になる。しかし情報が少ないと、“これについて話そう”とする。今の時代は、スライドにたくさん情報がある時代ではありません。それを元に、上手に会話をする時代です(西脇氏)

ここで、参加者の抱えるプレゼンテーションの悩みについて聞いたところ、「話し方」や「シナリオ」に票が集まった。西脇氏は「集計されていく様子がリアルタイムで見えることは大事」と語りつつ、次のテーマに移った。

「プレゼンテーションの課題」についてのリアルタイムの集計結果

「いいものだ」ではなく「必要だ」と思わせるシナリオ

一般的にシナリオは起承転結が大事だと言われる。しかし、西脇氏はほかの論法も含め「やっていない」と話す。彼が提唱するのは「ホラーストーリー」だ。

サクセスストーリーとホラーストーリー

多くの場合、プレゼンテーションでは商品のいいところや便利な機能について紹介し、「大人気ですよ」とサクセスストーリーを紹介する。

しかし、ホラーストーリーの場合は異なる。たとえば時計を売る場合、「電波時計は便利なのに、なんでその時計を使ってるんですか」「アラームが鳴らなくて遅刻するかもしれませんよ」と訴える。「そこで紹介するのがこの商品です」と提示するのが、ホラーストーリー先行のシナリオだ。

つまり、『いいものだ』と思わせるよりも、『必要だ』と思わせることが大事なんです(西脇氏)

多くの人は、まとめの話題=商品の良いところ(B)ばかりを紹介しようとする。しかし、プレゼンの上手い人は、ホラーストーリーからまとめの話題へ向かう矢印(A→B)を説明するのだ。

いいものだと説明するのはやめましょう。大事なのは、必要だと思わせるかどうかです。今あなたはどういうふうに使ってるか、どういう苦労をしてるか、一般的な人はどうなのか。こういった考え方を説明するのが大事なんです(西脇氏)

まとめ:「いいものだ」と「必要なものだ」の違い

プレゼンテーションにおける魅力的な話し方とは?

効果的なプレゼンテーションに貢献する要素

効果的なプレゼンテーションを構成する要素は、「中身」よりも「声・非言語的コミュニケーション」だ。どれだけ資料をよくしても、その貢献度はわずか7%。だからこそ「原稿を読むのではなく、会話をしてください」と西脇氏は語る。

プレゼンテーションの基本は「ジェスチャー」

朗読ではジェスチャーは起こらない。しかし、プレゼンテーションが会話になると、身振り手振りが発生する。たとえば、「皆さん」と呼びかけるときには、参加者の方へ手を差し出し、数字をカウントする際には、実際に手で指を折る。

手や指の動きは重要

動きのないスピーカーは見られません。これはミーティングでもそうですよね。ですから、発言があって、かつ、動作を入れるということを意識してください(西脇氏)

接続詞を使う/シンプルなキーワードを繰り返す

続いて、プレゼンテーションにおける朗読と会話の決定的な違いとして、西脇氏は「接続詞」を挙げた。

「短い文」と「接続詞」を使うことで会話になる

フリージャーナリストの池上彰さんは、「ところがですね」「そして、なんとですね」と短い文を接続詞でつなぐことをしています。YouTuberの中田敦彦さんは「だから、これが大事なんです」というように接続詞をうまく使って、視聴者の感情をぐっと巻き込んでいます。

また、シンプルなキーワードを何度も繰り返すことで、聞き手の印象に残ると話す。これらはもちろんスライドには書かれていないが、あえて用いることで「会話」になるテクニックだ。

FactとOpinionを組み合わせる/自分の言葉で意見を

さらに重要なのが、Fact(事実)とOpinion(意見)の組み合わせを意識することだ。プレゼンテーションは多くの場合、「事実」と「意見」の連続だという。

「事実」と「意見」を組み合わせる

たとえば「(犬が人と暮らすようになったのは)3万年前の狼の家畜化からで、とても長く親しい間柄です」という文章。「3万年前の狼の家畜化から」は事実、「長く親しい」は意見に当たる。そして、この意見の部分に口語を使うことで「めちゃくちゃプレゼンテーションが上手くなっていきます」と西脇氏は言う。

具体的には、後半部分を『これ、すごく親しい関係なんですよね~』と言い換える。プレゼンテーションの上手い人は、事実を言った後に、自分の言葉で意見を添えます(西脇氏)

「全体」を引用する! マジックワードは「皆さん」

また、プレゼンテーションは「自分のことを話す」のではなく、「相手(顧客)と自分たちのことを話す」ものだと西脇氏。そして、全体の引用というテクニックを使うことで、相手を巻き込んで自分の紹介ができるという。

「引用と比較」で巻き込み力が高まる

全体を引用すると?

私は学生時代から水泳選手として活躍してきました。

私は、皆さんをはじめ多くの人が経験のない珍しい水球部に所属をしていました。

聴衆を一気に巻き込むマジックワードが「皆さん」だ。相手を巻き込んで自分の紹介をするテクニックは、テレビショッピングや池上彰さん、中田敦彦さんも多用している。

「体言止め」や「質問・回答」で相手を巻き込む

さらに、プレゼンテーションで重要なのは「語尾の活用」だ。まずは、末尾を名詞で終える体言止めのテクニック。

体言止め

我々はこうやって危険性を指摘してきたのです。

我々が行ってきたとても重要なこと、そう、危険性の指摘。

強い、急、あるいは何かメッセージ性があるといったものには、体言止めがおすすめです。特にリーダーの方が使うといいですね(西脇氏)

もっと使いやすいテクニックとしては、「質問と回答」が挙げられる。

質問と回答

我々はこうやって危険性を指摘してきたのです。

我々の活動は何だったと思いますか? そう、危険性の指摘。
我々が危険性の指摘を行ってきたのか? その答えはYesです。

プレゼンテーションでは、自分のことばかり言うのではなく、『全体の引用』や『質問と回答』といったやり方を使って、徹底して相手を巻き込んでください(西脇氏)

最重要! 「ブリッジ」でプレゼンテーションの全体をつなげる

そして、一番簡単で最も効果が高いテクニックが「ブリッジ」だ。これは、次のスライド(ページ)に移る前に、何かしら一言を入れてから、次のページへ送る方法のこと。前フリや接続詞を入れることで、全体がつながって聞こえる。

話の流れを決める「ブリッジ」

スライドが表示されると、相手は先にスライドの中身を読んでしまう。「プレゼンテーションの上手い人は、次のスライドをブリッジで引き寄せるのだ」と西脇氏は語る。

プレゼンテーションは、スライドが映ってから喋るのではありません。つなげてください。重要なのは、資料が流れるようになっているかではなく、流れるように話せるかどうかです(西脇氏)

プレゼンテーションは全体を「ブリッジ」で送る

ChatGPTでプレゼン作成! 最新の生成AI活用術

最後に、プレゼンテーションにおける最新の生成AI活用事例を紹介する。西脇氏が実際に生成AIを活用しているのは以下のようなシーンだ。

西脇氏のChatGPT活用シーン
  • 挨拶文、挨拶メールを書いてもらう
  • セミナーのタイトルや案内文のひな型を書いてもらう
  • プレゼンテーションの中身を考えてもらう
  • スライドの画像を描いてもらう、文言のチェックをしてもらう
  • 相手に刺さりそうなキーワードを探る
  • お客様のアンケートを集計し、傾向を分析する
「相手が生命保険に関心を持ち、契約したくなるような
プレゼンテーションを作成​​​​​してください」という例。シナリオ作成は
ChatGPTかホラーストーリーのどちらかで行っているという

 また画像作成にも生成AIを活用できる。西脇氏はマイクロソフトのイメージクリエイターである「DALL-E3」を使っているが、Adobeでも同じようなことができる。他にも便利なサイトがいくつか紹介された。

  • AutoDraw:手描きイラストから簡単にアイコンを作ることができる。
  • Vectorizer.AI:解像度が低く、拡大するとギザギザになってしまう画像を滑らかに修正する。

また、PowerPointでは11月1日からCopilot(コパイロット)が使えるようになった。これはマイクロソフトが提供するAIアシスタントで、たとえば、「海外からの観光客向けに、英語で高齢の方が楽しめる三重県の観光地の紹介プレゼンテーションを作ってください」と言うだけで、高品質なプレゼンテーションが作成されるという優れモノだ。

Copilot(コパイロット)で作成したプレゼンテーション

西脇氏は最後に「人生はプレゼンテーションの連続です。皆さんもぜひプレゼンテーションが上手になってください」と語り、講演を締めくくった。

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