【レポート】Web担当者Forumミーティング 2022 春

成果につながる顧客接点を作る! SATORIが実践するコンテンツ活用6つのTIPS

顧客との関係構築に期待が高まっている「コンテンツ」。その効果的な活用方法を6つのTIPSでSATORIが解説する。
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デジタルマーケティングにおいて、顧客と出会い、関係を構築するために、「コンテンツの力」が重視されている。いかにコンテンツを活用して顧客に認知してもらうか、CVにつなげるか、担当者にとっては工夫のしどころだ。

そこで、BtoB向けMAツール「SATORI」を提供するSATORIの宮林彩智子氏が「Web担当者Forumミーティング 2022 春」に登壇し、自社製品のマーケティングで取り組んでいる施策を紹介。重要ポイントや試行錯誤の効果などを踏まえつつ、6つのTIPSを紹介した。

SATORI株式会社 マーケティング部 マーケティンググループ 宮林 彩智子 氏
SATORI株式会社 マーケティング部 マーケティンググループ 宮林 彩智子 氏

顧客状況別のコンテンツ活用で、コンバージョンが大幅アップ

SATORIのマーケティングコンテンツ作成・運用は、四半期ごとにトレンドなども加味しながら担当者が細かく議論を重ね、半年先を目安にキーワード選定や方針を調整しながら運営しているという。「SATORIマーケティングブログ」は、今年度月2本程度、ホワイトペーパーは3か月ごとに1本の頻度で更新され、執筆は外部のライターと協力し、クオリティチェックやリリース前の確認を社内で行うという流れ。構成案からリリースまで約2〜3か月ほどかけている。

そう聞くと、月の更新頻度がやや低い印象を持つ方もいらっしゃるだろう。実際、6年前に「SATORIマーケティングブログ」がスタートして2年間は、コンテンツをリリースすることに注力していた。しかし、2020年頃から過去記事のリライトも実施。コンテンツを“リリースする”ことから、一つひとつのコンテンツの“活用”に注力するようにしたところ、2020年4月比でブログの月間PVは約2.3倍、ホワイトペーパーダウンロード数は3倍に引き上げることができたという。

マーケティングブログとホワイトペーパーのアクセス状況
マーケティングブログとホワイトペーパーのアクセス状況

それではどのようにすれば、現在保有するコンテンツを活用して、顧客との接点づくりや成果向上につなげることができるのか。

検討度合いで「今すぐ客」と「そのうち客」に分類

宮林氏は「顧客の検討度合を考えることが重要」と語る。自社の製品やサービスに興味があり、商談に近い顧客を「今すぐ客」、すぐに購入する予定はなくとも、将来購入の可能性がある顧客を「そのうち客」とSATORI社では定義している。それぞれの検討度合に合わせたコンテンツを提供しているという。

顧客の熱量によって「そのうち客」と「今すぐ客」に分類する
顧客の熱量によって「そのうち客」と「今すぐ客」に分類する

「CVが増えない」というときは、「今すぐ客」向けのコンテンツしか用意できていないケースが多いという。そこで、まずは「そのうち客」を増やし、そのうえで「今すぐ客」へと興味関心度を高める施策を考える必要がある。つまり、「今すぐ客」と「そのうち客」のニーズとそれに呼応するコンテンツを考え、想定されるカスタマージャーニーに合わせてタイミングよく提供することが重要というわけだ。

たとえば、SATORIの場合、「そのうち客」は、MAツールにはまだ興味を持っていないが、マーケティング担当者やWeb担当者であることが多い。そこで、メルマガの作り方などの勉強コンテンツや、「CVを増やしたい」「商談を増やしたい」などの課題に合わせたセミナー情報などを提供。

そして「今すぐ客」については、具体的にMAツールに興味を持っていることを前提に、製品資料や事例集など具体的に製品を説明するコンテンツを提供しているという。

顧客目線で考え、適切なコンテンツを提供する
顧客目線で考え、適切なコンテンツを提供する

成果をあげるためのコンテンツ施策6つのTIPSと活用例

それでは、顧客接点を作るためにSATORIではどのような施策が行われているのか。宮林氏が実践している施策や工夫について、次のような6項目が紹介された。それぞれ見てみよう。

顧客接点の作り方6項目
顧客接点の作り方6項目

TIPS 1来訪コンテンツごとに誘導先を最適化

1つめは、コンテンツに訪れる顧客の属性を考えて、誘導先をポップアップで出し分けることだ。

「そのうち客」は「SATORIマーケティングブログ」の初心者向けの記事やTOPページ、「今すぐ客」は事例やマーケティングブログの中でも製品に近いMAツール関連記事をそれぞれ閲覧すると仮設を立て、MAツール「SATORI」を使って、Webサイトに訪問されたタイミングでポップアップを表示し、リンク先を出し分けた。これによって、各資料のDLの底上げとなったという。

「そのうち客」向けにはコンテンツのバリエーションを増やし、適切に出し分けることで、興味関心度の向上に成功し、成果につなげることができた(宮林氏)

来訪コンテンツごとに誘導先を最適化する
来訪コンテンツごとに誘導先を最適化する

なお、ポップアップ以外でも、コンテンツそのもので出し分けを行うことも有効だという。たとえば、基礎的なマーケティングに関するブログ記事の末尾に「関連する資料のDLフォーム」を直接埋め込んだところ、通常の資料請求経由の新規リードは50%だったのが、ブログ経由の場合は70%にアップ。

ブログ(オウンドメディア)から自社サイトに誘導してCV、という考え方もあるが、ブログから直接CVを獲得する方法も有効だと知ってほしい(宮林氏)

TIPS 2興味度合いによってキラーコンテンツに誘導

キラーコンテンツとは、「成約したお客様が“契約前に”見ることの多いコンテンツ」のことで、SATORIの場合、MAツール関連の記事が該当する。そこで「今すぐ客」を対象に、記事の中に「バナー」を埋め込むなどしてキラーコンテンツへの誘導を図ったところ、PVを1.5倍以上引き上げることができた。

来訪コンテンツごとに誘導先を最適化する
今すぐ客を対象にキラーコンテンツへ誘導

TIPS 3CV直後に別オファーでさらなるCV獲得

資料DLや問い合わせなどCVの後に表示される「サンクスページ」に、別資料やセミナーの申込みバナーを埋め込んだ。サンクスページのバナーは、通常のページのときよりもクリック率が3倍となり、CV率は6倍にもなった。特に、セミナー前に資料を複数DLする人が多かったという。

一度CVした人は、アクションすることのハードルが下がっており、情報収集へのモチベーションが高い状況にある。そのため、本施策に効果があったのではないかと考えている(宮林氏)

CV直後は、さらなるCV獲得のチャンスとなり顧客への更なる情報提供を可能とする
CV直後は、さらなるCV獲得のチャンスとなり顧客への更なる情報提供を可能とする

他にも、ダウンロード資料コンテンツをまとめたLPを作成し、ポップアップで誘導して顧客に選んでいただくという施策も実施。社内からは「ステップが増えてしまい、CVが下がるのではないか」という懸念の声もあったが、顧客は複数の資料をDLするなどの動きを見せ、CVはむしろ増えたという。宮林氏は、「ページでどの資料のDLに誘導するか迷ったときにも、資料の一覧ページを挟むと求められる資料が明らかになる」と裏技的な活用方法も紹介した。

そしてもう1つ、資料DLやセミナー申込みに躊躇している方に対して、「メルマガ登録」という“ライトなCV”へ誘導することも提案。メルマガ登録は名前とメールアドレスのみで気楽に入力できることもあり、月に十数件の登録があるという。

メルマガで接点を持ち、少しずつ資料やセミナーの案内をしながら、その情報の対価として顧客に情報を段階的に開示していただく関係構築ができる(宮林氏)

TIPS 4メール以外でもコンテンツへの再訪を促進

4つめは、メール以外の来訪促進として、「オプトインによるプッシュ通知」が紹介された。Webサイトに来訪した顧客がブラウザ上で「プッシュ通知を許可(オプトイン)」すると、メールアドレスの有無に関係なく、さらにはオンタイムでWebサイトを見ていない場合でも情報の発信ができる。

「かつて全員に同じコンテンツを配信していたが、拒否率が上がってしまったため、プッシュ通知においても『今すぐ客』と『そのうち客』の考えを使い、それぞれに合わせたコンテンツを配信するようになったところ、拒否率が下がり、クリック率が上がった」と宮林氏は試行錯誤した結果について語った。

オプトインによるプッシュ通知でコンテンツへの再訪を促す
オプトインによるプッシュ通知でコンテンツへの再訪を促す

TIPS 5閲覧コンテンツに合わせた行動喚起のシナリオ化

5つめは、キラーコンテンツの閲覧者を「検討度合の高い人」としてMAツールで察知し、タイムリーに情報を提供することを紹介した。SATORIの場合、顧客がサイト上でMAツールの情報を閲覧していることを検知し、セミナーの案内をメールで自動送信しているという。

今すぐ客にセミナー案内をメールするのも有効な施策
今すぐ客にセミナー案内をメールするのも有効な施策

宮林氏は、「顧客のWebの行動に合わせて自動で送付できるので、抜けもれなく次のステップに誘導できる」と語り、さらに応用として「お問合せフォームから離脱した人に1クリックで資料をダウンロードできるよう、メールを送る」などのシナリオも紹介した。

TIPS 6新たな顧客と接点を持つためのコンテンツ作成

最後は、さらにもっと広く「そのうち客」を獲得することを目的とした、ここ1年での新しいコンテンツとして、営業やマーケティングに関する広い視野を持ったイベント開催が紹介された。

ビジネスパーソンの個人の興味に訴えるイベントで、これまでとまったく異なる訴求方法を行い、新規率も高め。ビジネスパーソンが持つ、個人の興味に訴えるコンテンツのため、製品自体への興味関心度は低いものの、接点を持ったあとに関係を深めながら自社製品の情報を提供することで、顧客化しようというわけだ。

以上、6つのTIPSについて紹介してきたが、いずれもSATORIでは同社のMAツールを活用して実施されている。しかし、「MAツールがなくてもできるもの、考え方で施策が組み立てられるものもあるので、ぜひとも実施してほしい」と宮林氏は語り、セッションのまとめとした。

なお、「SATORI」は、1,000社以上(2022年5月末時点)が導入しており、さまざまな業種・業態・規模の企業で活用されているMAツールだ。顧客の行動から検討段階を導き出し、適切なコミュニケーションによって成果へとつなげることができる。

本セッションで紹介したような、ポップアップやプッシュ通知などを、個人情報が得られていない顧客にも行えることを強みとし、多彩な機能を持ちながら使いやすさにも定評がある。興味のある方は検討してみてはいかがだろうか。

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