電通デジタルコラム特選記事

“時代の半歩先を進み続ける”ために電通デジタルが大事にしていること【電通デジタルコラム】

電通デジタルの右脳的組織であるクリエーティブ領域担当執行役員 篭島俊亮氏、エクスペリエンス部門長 佐藤晃希氏、アドバンストクリエーティブセンター長 和田純一氏の3人が、展望を語る。
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デジタルクリエーティブ最前線

※所属・役職は取材当時のものです。

「電通デジタルと言えばデータマーケティングに強い会社」と思われがちですが、それだけではありません。

クリエーティブ領域に属するエクスペリエンス部門とアドバンストクリエーティブセンターでは、これまでに数多くのクライアント企業に協力し、心を動かし、人を動かし、社会を動かすさまざまな施策を提案、実施してきました。

一般に、左脳は計算や分析のような論理をつかさどり、右脳は直感、ひらめきといった感情・感覚をつかさどると言われています。

本記事では、電通デジタルの右脳的組織であるクリエーティブ領域担当執行役員 篭島俊亮、エクスペリエンス部門長 佐藤晃希、アドバンストクリエーティブセンター長 和田純一の3人に、クリエーティブ領域の実績、ケイパビリティ、デジタルクリエーティブ分野の展望について語っていただきました。

2部門でデュアルファネルのクリエーティブをカバーする

――アドバンストクリエーティブセンター(以下、ACRC)とエクスペリエンス部門(以下、XP部門)を1つの領域にまとめている理由は何でしょうか?

篭島電通デジタルには多くの企業から、広告だけでなく、CRMや顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)も含めてワンストップで取り組んでほしい、という声が寄せられています。そのニーズに応えるべく、デュアルファネル®[注1]を一気通貫してクリエーティブのサービスを提供できる体制を整えるために、両部門を1つの領域にまとめています。

ACRCとXP部門のカバー範囲

ACRCは主にペイドメディア起点のクリエーティブを、XP部門はオウンドメディア/ソーシャルメディアを起点にしたクリエーティブを専門とし、それぞれの専門性の中でクライアントの課題解決に取り組んでいます。

クリエーティブ領域担当執行役員 篭島俊亮

クリエーティブ領域担当執行役員 篭島俊亮

デジタル広告の大きな変化「ブランデッドダイレクト」

――デジタル広告を取り巻く現状をどのように見ていますか?

和田2つの大きな変化に直面しています。

1つは、コロナの影響による消費者行動の変化。EC、スマホ決済が当たり前になってきました。

もう1つが、データ規制強化による影響。クッキーやIDFA[注2]の時代が終焉して、リマーケティング(リターゲティング)広告が使えなくなります。

こうした変化に対応すべく、ブランディングを重視していたクライアントは、よりダイレクトマーケティングに力を入れるようになる。逆に、ダイレクトマーケティング中心だったクライアントは、よりブランディングにシフトしていく。この流れは、昨年から鮮明になっています。

ACRCはこのブランディングとダイレクトの境目がなくなっていく状況に対応するクリエーティブソリューションを「ブランデッドダイレクト」と名づけ、ブランディングとダイレクトの両立に取り組んでいます。

――ブランデッドダイレクトも含めたACRCの2021年の注力ポイントをいくつか教えてください。

和田1つ目は、WCD(ダブルクリエーティブディレクター)制の導入。ダイレクトマーケティングに詳しいクリエーティブディレクターと、ブランディングに詳しいクリエーティブディレクターをペアで配置し、2人が協力し合う形でクリエーティブの制作に取り組む仕組みを作りました。

2つ目は、クリエーティビティの拡張です。われわれがクリエーティブ制作で蓄積してきたコピーライティングとアートディレクションのナレッジ、データ分析からクリエーティブの打ち手を考えていくPDCAの推進力、そういったものすべてが、クリエーティブ領域に留まらず、サービス開発やCX(顧客体験)/DX(デジタルトランスフォーメーション)領域におけるクライアントの課題解決にも役立つと考えています。少しずつですが、こうした領域にも、活動の幅を広げています。

3つ目は、AI×クリエーティビティの継続です。「AI(データ)とクリエーティビティを掛け合わせて、『おもしろくて、正しい』クリエーティブを作っていこう」というミッションを掲げて発足したACRCですが、近年は「AI×クリエーティビティ」による社会への問題提起や課題解決に取り組んでいます。最近では「Spikes Asia」や「ADFEST」など、さまざまな広告祭で賞をいただけるようになってきて、徐々に実を結びつつある状況です。

ACRCが手がけた代表的なクリエーティブには、2020年に、電通デジタル、ヤフー、PARTYの3社で共同開発した「TEHAI(てはい)」というソリューションがあります。これは指名手配犯の現在の風貌をAIで予測するというものです。

他では、「Spikes Asia 2021」で賞をいただいたクリエーティブで、「"名画になった"海 展」(クライアント:株式会社横浜八景島)という作品があります。プラスチックゴミ問題に焦点を当て、今のゴミだらけの海を、ゴッホのタッチで表現するというもので、その画風の再現をAIが担っています。

アドバンストクリエーティブセンター センター長 和田純一

アドバンストクリエーティブセンター センター長 和田純一

オウンドメディアを起点とし、一貫した顧客体験を創造する

――コロナ禍の影響もあり、オンライン/オフラインを統合した顧客体験の必要性に注目が集まっています。顧客体験に関して、XP部門の取り組みについて教えてください。

佐藤顧客体験の実現においては、ソーシャルメディアを含むオウンドメディアの活用が欠かせません。ソーシャルメディアとオウンドメディアで一貫した顧客体験を提供するために、コンテンツやクリエーティブの表現を統一して提供するなど、まずはその点に注力してきました。

また、CRM領域においては、一度ファンになったユーザーに対して、どうすれば継続してファンであり続けていただけるのか、データを分析した成果をもとに、さまざまな施策を行ってきました。

――最近のXP部門を象徴する事例をいくつか教えてください。

佐藤個別の事例ではありませんが、アウディ ジャパン様とは長期間にわたりパートナーとして、顧客体験の創造に取り組んでいます。ソーシャルメディア/オウンドメディアだけでなく、販売店が活用するDMやショールームでのイベントなどでも最適な打ち手を提案することで、デジタルに閉じない、本質的な顧客体験を創造するためのお手伝いをしています。

資生堂様の上位ブランドであるクレ・ド・ポー ボーテでも、データを重視した顧客体験の構築を強力に推進されています。最近では、クレ・ド・ポー ボーテブランドに、ロイヤルティプログラムを導入するプロジェクトに携わりました。

――クライアントへの提案でXP部門が大切にしていることは何でしょうか?

佐藤当たり前のことですが、クライアントからのリクエストが100だとすると、その期待を超える150の提案をしていくということですね。われわれの知見の中から最適なものを、最適な形で提示することを、大事にしています。

また、分析スキルは非常に大事にしています。アイデアはもちろん大切ですが、それ以上に、分析したデータとアイデアとを掛け合わせて、実効性のある提案をすることを重視しています。

最後に、PDCAを軸に考えるということです。一度施策を打って終わりではなく、きちんとPDCAを回して勝ち続ける仕組みを作ることが大事。類似のソリューションは他社も当然お持ちですが、こと分析力に関しては、電通デジタルは相当に高いレベルを保持していると自負しています。分析力をベースに、オンライン/オフライン一気通貫で顧客体験を改善し続けられる仕組みを提案するよう心がけています。

エクスペリエンス部門 部門長 佐藤晃希

エクスペリエンス部門 部門長 佐藤晃希

――これまで、ACRCとXP部門の連携事例はありますか?

和田ACRCの「アドバンストメディアラボ」というプロジェクトでは、XP部門と連携してソリューションを作っています。また、XP部門のCRO(コンバージョンレート最適化)グループと連携して、継続的な改善にも携わる機会が増えてきました。「LPOラボ」というチームを介して、LPO(ランディングページ最適化)を起点に、広告クリエーティブとオウンドメディアを連携していく取り組みもしています。

「右脳」を刺激する機会を継続して作っていく

――クリエーティブ領域に関して、今後はどういった点を強化していきたいとお考えですか?

篭島クリエーティブ領域の生命線は、当たり前ですがクリエーティビティです。自他ともに、「左脳的」集団だと思われている電通デジタルですが、今後は「右脳的」能力を強くしていかなければなりません。そのためにも、電通のクリエーターや、外部のアドバイザーなどとの交流や研修を含めて、「右脳」を刺激する機会を継続して作っていきます。

先ほど話に出た、ACRCの「AI×社会課題」に関するプロジェクトもその一つです。日頃のクライアントワークとは少し離れたところで「右脳」を使うことで、スケールの大きな発想力を育てていく。特に若手社員ほど社会課題への関心が高いので、その意欲に応えたいとも思っています。

――総合広告会社やクリエーティブブティックと比較して、電通デジタルのケイパビリティはどこにあるとお考えですか?

篭島3つあります。1つ目が「エグゼキューション力」。構想を立て、実際にPDCAを回して、改善していく。これを一貫して実行できるという点で、電通デジタルは、大きなアドバンテージを持っていると思っています。

2つ目は「データによる説明力」。成果を数字で示すことへのこだわりは、これまで電通デジタルが積み上げてきた競争優位点だという認識です。

3つ目は「クライアント並走力」です。デジタルマーケティングでは、納品がスタート。クライアントとともに、リリース後も継続して改善を重ねていくことが大事という認識で取り組んできました。そうした姿勢は、納品がゴールになりがちな総合広告会社との大きな違いではないでしょうか。

この3つのポイントは、いずれも電通デジタルがこれまで自他ともに強みとし、磨き上げてきた「左脳的」能力です。この能力を下敷きに、今後より強化していく「右脳的」能力を積み重ねることが、電通デジタルならではのクリエーティブを特徴づけるものであり、他社との大きな差別化ポイントになっていくと考えています。

電通アイソバーとの合併で、さらに幅広いクリエーティブを提供できる

――2021年7月、CX領域を得意とする電通アイソバーが、電通デジタルと統合します。これによって電通デジタルは、どのように進化しますか? また、クライアント企業にとってどういったメリットを提供できるようになりますか?

篭島電通アイソバーの「CX Design Firm」というビジョンや、データやテクノロジーを使って一つひとつの体験を具現化するというアウトプットへのこだわりには、電通デジタルのクリエーティブ領域とかなり近い感覚があります。

クリエーティビティは、多様性から生まれるもの。今回の合併により、電通デジタルの多様性はさらに高くなり、クリエーティブのアウトプットの幅がさらに大きく広がるはずです。アウトプットの幅が広がることは、クライアント企業にとっても、大きなメリットとなると思っています。

和田、佐藤、篭島

脚注

注釈

1. ^ 「認知」「理解」「検討」からコンバージョンへとなげるパーチェスファネルと、「リピート」「クロスセル・アップセル」「レコメンド」へつなげるリバースファネルを融合したファネルのこと。
2. ^ Identifier for Advertisersの略。iOS端末に割り振られているユニークIDで、広告識別子ともいう。従来はアプリ側から無条件に取得可能で、広告配信や広告効果検証に活用されてきたが、2021年春より順次、ATT(App Tracking Transparency)を介したオプトイン式に切り替わる。これによって一度IDFAの取得を拒否されたアプリは二度とそのユーザーのIDFAを取得することはできなくなる。

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